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『エースコンバット7』世界の歴史解説―「ストレンジリアル」ってどんな世界?【年末年始特集】

フライトシューティング最新作『エースコンバット7 スカイズ・アンノウン(ACE COMBAT 7: SKIES UNKNOWN)』。ここでは、歴代シリーズで語られた「ストレンジリアル」世界の歴史を解説します。

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『エースコンバット7』世界の歴史解説―「ストレンジリアル」ってどんな世界?【年末年始特集】
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2019年1月17日にPS4/Xbox One版が、2019年2月1日にPC(Steam)版が発売される、フライトシューティング最新作『エースコンバット7 スカイズ・アンノウン(ACE COMBAT 7: SKIES UNKNOWN)』。

20年以上続く本シリーズは、初代『エースコンバット』と『エースコンバット2』を除き、ナンバリングタイトル『エースコンバット3』から『エースコンバット7』まで正史であることが設定されました。

『エースコンバット』シリーズは、20年以上続くタイトルであることに加え、シリーズ主要なナンバリングタイトルは現行機/PCに移植されていないこともあり、過去作をプレイするのに困難な状態が続いています(PS4版『7』の早期購入特典で『5』が、Xbox One版で『6』が付属しますが、常に購入出来るものではないため)。

この特集はナンバリングタイトルを振り返り、描かれた長い歴史を解説するものです。ここでの歴史は、ゲーム本編と公式サイトに掲載されているワールドニュースから得られる情報を元に組み立てました。

■そもそも「ストレンジリアル」ってどんな意味?


「ストレンジリアル」は、もともと背景コンセプトとして『エースコンバット04』で初めて登場した概念です。『04』でチーフデザイナーだった菅野昌人氏は「ストレンジリアル」を「みたことのない現実感」と説明。「今までにないリアリティレベルを実現する事」と「見たことはないが、実際にはそうなのだと感じ得る事」の2面性があると解説しています。

このコンセプトは『エースコンバット5』以降のナンバリングタイトルにも導入されています。NPO法人国際ゲーム開発者協会日本に掲載されている『エースコンバット5』のスタッフインタビューで、菅野昌人氏は同じくビジュアルコンセプトであると説明していました。

ビジュアルコンセプトが世界観としての名称に決まった経緯は現時点で明らかとなっていませんが、『エースコンバット』架空世界の名称が「ストレンジリアル」として名付けられたのは最新作『7』からです。

■『エースコンバットZERO』以前―6500万年前の巨大隕石衝突からベルカ戦争開戦前夜まで


ナンバリングタイトルにおける歴史で、一番古い時代が描かれているのは1995年3月からの『エースコンバットZERO』ですが、それ以前にも歴史が設定されています。そのなかで一番古い記述は、ストレンジリアル世界で起こった6500万年前の巨大隕石衝突です。衝突の規模は記載されていませんが、ストレンジリアル世界での恐竜が絶滅する規模だったようです。

ストレンジリアル地球の世界地図。中央にオーシア(OSEA)大陸があり、左にベルーサ(VERUSA)大陸と右にユージア(USEA)大陸がある

それ以降のストレンジリアル紀元前から元年については言及されておらず、そこから時代は12世紀のベルカ公国南西部で旧市街地に古城が建造されたことが記載されています。


そこから間の詳しい歴史は描かれていませんが、15世紀にはグレースメリア城が王政時代から繁栄を続けていたことと、16世紀半ばにオーシア海軍のスタッフォード提督によって第三艦隊が創設されています。

再び登場するのは、ストレンジリアル世界で初めて航空兵器が確認された1905年に勃発した「オーシア戦争」です。参加国や規模については語られていませんが、ここでベルカの空軍特務大佐フランクリン・ゲルニッツが、当初偵察任務に投入されていた航空機に爆撃作戦の可能性を見出したことから、ストレンジリアルでの空軍力の拡大が始まります。爆撃任務を経てベルカは、対航空機への優位性が重要であるという結論に到達し、様々な航空機を開発したと書かれています。

このオーシア戦争以降の歴史も現在では描かれてはいません。再び記述されるのは、1953年のユージア大陸における国営電信電話会社ITTC(In-sa-net Telegraph and Telephone Comunication)の設立と、巨大国家オーシア連邦とユークトバニア連邦講和国による冷戦からです。両国間の冷戦が始まった時期は記載されていませんが、核兵器による確証破壊戦略から相殺戦略、そして戦略防衛構想(SDI)へと我々の世界と同じように全世界に緊張を及ぼしながら両者の戦略が発展しています。


オーシアとユークトバニアが睨み合いを続けている一方で、ベルカ公国は1973年ごろに東方諸国を軍事的圧力によって政権下に収めようとして、国境付近で民族紛争(レクタ紛争)が起きています(レクタ紛争にはズィルパー隊が参戦)。また70年代以降にベルカとユークトバニアは、『6』で登場するエストバキアに兵器を輸出しています。

1981年にベルカ公国内でのBMD構想から本土防衛化学レーザー兵器「エクスキャリバー」の建造がスタートし、1985年にはベルカ北方で所属不明機による領空侵犯事件が発生(ヴェーレ事件)。1986年にはユークトバニア国境南部で「チュメニ紛争」が、1987年に「ロムヌイ共和国クーデター鎮圧事件」が勃発しています。そして、1987年12月17日にベルカ公国は、「ベルカ戦争」の遠因となる財政難からのベルカ連邦法見直が始まり、オーシアの協調路線も動き出します。


ベルカ公国の衰退について『5』のオープニングでは「敗戦を繰り返して」と説明されていますが、『ZERO』では「ベルカの財政難」と解説。1988年2月8日には、東側諸国のウスティオ(首都: ディレクタス)とGebet(首都: Mons)が独立。1989年には、先のベルカのレーザー兵器「エクスキャリバー」基礎工事が完了します。1991年8月29日には北部領土をFATOに売却すると共に、地下資源が眠る五大湖をオーシアへ割譲しますが、オーシアによる採算割れ隠蔽工作が発覚したことで反政府と反オーシア運動が全国へと波及しました。


80年代のオーシアとユークトバニアの冷戦では、オーシアは衛星軌道上で周回し敵国のミサイル攻撃を感知・移動・攻撃する「大気機動宇宙機」構想を打ち出します。対するユークトバニアは、91年9月2日にUCAVなどを搭載し、「新時代の戦艦」であるアーセナルシップ構想に基づく300mを超える巨大潜水艦の実証建造を成功。1991年12月16日にはベルカ公国の国境線が新たに制定されます。


月日は明らかにされていませんが1992年に議席数を拡大させていた急進右派のベルカ民主自由党が政権を獲得し、元ベルカ貴族を中心とする勢力が影響力を強めました。他にも『3』でのキーマンの1人となるギルバート・パークが誕生した年でもあります。

1994年3月21日には、ベルカ空軍のグリューン隊がF-15Cと交戦し撃墜。1994年5月10日にロト隊がウスティオ空軍のSu-27 3機をB7Rで、1994年5月15日に同ロト隊がF-16C 5機を撃墜しています。1994年7月29日には、レーザー兵器「エクスキャリバー」の完成も間近に迫り、近く試射も実行出来る状態にまで仕上がっています。


さらに、同年にはユージア大陸での戦争の引き金となる小惑星「1994XF04」が1994年10月にシールズブリッジ大学よる観測で発見。12月には、国際天文学連合(IAU)が数年以内にストレンジリアル地球に接近し、最悪の場合に地球へ衝突する可能性があると発表しています。

このような危機が迫るなか、1995年3月25日にはウスティオでの莫大な天然資源発見をきっかけにベルカ公国が周辺国へと侵攻を開始しました。ここからが、『エースコンバットZERO』でプレイヤーが関わる「ベルカ戦争」の始まりです。

次ページ: 『エースコンバットZERO』壮絶な戦いとなったベルカ戦争の歴史とは
《G.Suzuki》

ミリタリーゲームファンです G.Suzuki

ミリタリー系ゲームが好きなフリーランスのライター。『エースコンバット』を中心にFPS/シムなどミリタリーを主軸に据えた作品が好みだが、『R-TYPE』シリーズや『トリガーハート エグゼリカ』などのSTGも好き。近年ではこれまで遊べてなかった話題作(クラシックタイトルを含む)に取り組んでいる。ゲーム以外では模型作り(ガンプラやスケモ等を問わない)を趣味の一つとしている。

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