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任天堂の“空間へのアプローチ”を振り返りながら『Nintendo Labo VR Kit』をプレイしてみた─これは「手が届くVR体験」

“ユーザーとゲームを繋ぐ空間”のアプローチを、長年続けてきた任天堂。その最先端とも言える『VR Kit』の魅力とは。

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◆手軽で気軽なVR体験が味わえる『VR Kit』──モノ作りもやっぱり楽しい!



ニンテンドースイッチと組み合わせて様々な「Toy-Con」を実際に作り、その「Toy-Con」で一体感の高いゲーム体験が遊べ、さらに仕組みまでよく分かる『Nintendo Labo』。「作る・遊ぶ・分かる」の全てを堪能できるユニークな提案が、ユーザーの創造体験を大きく後押ししました。

そのシリーズ最新作『Nintendo Labo Toy-Con 04: VR Kit』は、タイトルからも分かる通り、VRについて取り組んだタイトルです。この「作る・遊ぶ・分かる」の3点について、それぞれ紹介したいと思います。


まず、「分かる」について。既存のシリーズ作にあった、新しい遊びを生み出す「Toy-Conガレージ」のみならず、VRの遊びが作れる「Toy-ConガレージVR」が本作に収録されています。この「Toy-ConガレージVR」では、真上から見た「2D編集」だけでなく、「3D編集」を用意。また、「ひろば」というノードが追加されるなど、VRを用いた遊びの創造が手軽に行えます。


本作には、VRの様々な楽しさを気軽に楽しめる64種類のミニゲームを用意した「VRひろば」があります。この「VRひろば」にあるミニゲームは全て、「Toy-ConガレージVR」で作られたものです。


「VRひろば」には、ついつい熱が入ってしまう3Dアクション「ゴールをめざせ」や、クルマを操作して相手をやっつける「クルマでやっつけろ」、重力の発生や時間停止を任意で操り、現実世界では味わえない体験が楽しめる「むじゅうりょく くうかん」など、いずれもユニークなミニゲームが揃っています。この全てが「Toy-ConガレージVR」で作れるというのは、なかなかに驚きです。

この「Toy-ConガレージVR」で、フルプライスで発売されているようなVR作品を作るのは難しいでしょう。ですが、“VRを活かした遊び”を創るにあたり、その手軽さは群を抜いています。

そしてもうひとつ、本作の魅力を堪能する上で、必ずしも「Toy-ConガレージVR」を使う必要はないことも強調しておきます。「Toy-ConガレージVR」はあくまで、遊びを広げるものであり、創造性を楽しむ要素。その可能性は無限大ですが、『VR Kit』の魅力は「Toy-ConガレージVR」前提ではなく、「作る・遊ぶ」だけでも充分に堪能できます。


「作る」の魅力は、文字通りそのまま。同梱されているダンボールを組み立て、「Toy-Con」を作り上げる楽しさです。モノを作る楽しさは、老若男女を問わず共通して持つものでしょう。しかも大人になると、そういった職業に就く場合を除き、縁遠くなりがちです。そんな、日常からは遠ざかってしまいがちな“モノ作りの楽しさ”を、『Nintendo Labo』シリーズが思い出させてくれます。これは、『VR Kit』もまた同様です。

固定にプラスチックパーツを用いたり、可動部分に輪ゴムを使うなど、一部異なる素材もありますが、その大半はダンボール素材で構成されている「Toy-Con」。しかしその組み立ては非常に分かりやすく、また特別なツールなども必要ありません。力加減の慎重さは問われますが、手だけでパーツを切り取り、完成させることができます。徹底してキレイに切り離したいという方以外は、カッターなども一切不要です。



組み立てる方法は、スイッチ上で丁寧に解説してくれます。しかも、視点を自由に変えられる動画形式なので、工程の確認も楽々。動画の動きをなぞるだけで「Toy-Con」が組み上がっていきます。難解な複雑さとは無縁で、作る醍醐味だけがギュッと詰め込まれており、少々不器用な大人でも楽しみながら“モノ作り”を堪能できそうです。


そして、作り上げた「Toy-Con」を使う遊びは、「VRひろば」に加え、更にいくつも用意されています。この中でまず注目したいのが、「バズーカ」です。その名の通り、威力の高い単発式のバズーカを使い、数々の敵を撃破するこの遊び。使う「Toy-Con」も、まさにバズーカのような形になっています。


「バズーカ」のゲーム内容自体は、ロックオン・バイザーなどの特殊なシステムなどもありますが、全体的にはポピュラーなレールウェイ型のガンSTG。しかしその体験もありふれているのかと言えば、そんなことは全くありません。

単発式なので、1発撃つごとにリロードが必要です。このリロードは、バズーカ型の「Toy-Con」を直接操作して弾を込めるのですが、実際の手応えがあるとリロードするだけでも「なんか楽しい!」という気分に。ゴムの抵抗も、ダイナミックな体験を増幅させてくれます。


そして、弾を発射する際には、ゴムが伸縮して「Toy-Con」全体に衝撃が伝わります。この手応えと画面内の弾の発射がリンクすることで、プレイ中の興奮度が倍増。一発撃つごとに“ズドンッ!”と響くデバイスを好きなだけ使えるなんて、ワクワクしない理由がありません。専用の施設ならともかく家庭用のVRゲームだと、物理的なフィードバックはコントローラの振動くらいが一般的でした。そのため“手応え”については、家庭用では破格レベルの満足度と言えます。

しかもバズーカの弾は、敵に当たらないと反射するので、この反射を利用して敵を倒すといった場面も。またVRゲームの利点として、通り過ぎた後も振り返って敵を攻撃可能。普通のレールウェイ型STGだと、こうはいきません。


さらに、巨大なボスと戦うステージも用意されていたり、全ステージクリア後には「おまけモード」も解禁されたりと、遊び応えもなかなか。VRを活かして上下左右を見渡し、手応え満点のバズーカを振り回す楽しさは、かなりの好感触でした。このバズーカ型「Toy-Con」は、前述の「スーパースコープ」の発展系とも言えるかもしれません。任天堂の歩みを、ここにも垣間見る想いです。


「バズーカ」のようなしっかりとした遊びは、この他にも多数用意。大空を自由に羽ばたく「トリ」や、ジャンプに特化した「ノリノリジャンプ」、(おそらく)VR史上初のゾウ型デバイスで楽しむ「つみきパズル」などがあり、いずれもVR体験をユニークな形で味わわせてくれます。


その中でも、もうひとつ推しておきたいのが、カメラ型「Toy-Con」を使う「水中カメラ」です。こちらは、「バズーカ」のような敵を倒すゲームではなく、水中に漂いながら、魚などの被写体を激写するという遊び。3枚撮るたびに一区切りとなりますが、時間制限などはなく、水中でのひとときを気ままに楽しめます。

「水中の様子を撮影」というコンセプトは他のゲームでも見受けられますが、ここにカメラ型「Toy-Con」を組み合わせるだけで、途端にカメラマン気分が沸き上がるのは不思議なところ。レンズ部分を回してズームを上げ、シャッターボタンを押す。精密度こそ段違いでしょうが、一眼レフと同じ構え方で写真を撮るだけで、気持ちが自然と高揚してしまいます。


ちなみにこの「水中カメラ」では、上下の移動が可能。下を見続けていると、徐々に深い水深へと移動していき、海底にたどり着くとかなりの薄暗さ。沈んでいく様子を見ていると、つい息を止めている自分に気づきます。ちなみに海底では、明るい海域とはひと味違う生物を見つけることもできるので、移動する価値アリです。


もちろん上昇も可能で、上を眺め続けていれば水面から顔を出すことも。海と青空に挟まれる光景も、なかなかオツなものです。空を見上げればカモメが飛んでいたりするので、タイミングを見計らって絶好の一枚を撮りたいところです。時には、未確認な飛行物体を見かけることも!?


カメラのような「Toy-Con」を持つだけで、写真撮影の意欲が湧いてしまうのは、我ながら単純な話だと思います。ですが、疑似体験のテンションを大きく高めてくれるのも事実。例えば、このカメラ型「Toy-Con」を使って『ポケモンスナップ』をプレイできたら、多くのユーザーが新たな体験に没頭することでしょう。

カメラ型「Toy-Con」には、そんな想像を促すだけの可能性が秘められており、フィードバックが心地良いバズーカ型「Toy-Con」と並び、『VR Kit』で特に触れて欲しい要素として強く推させていただきます。



バーチャル空間で「バーチャルボーイ」を体験!?
《臥待 弦》
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