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デジタルボードゲームで遊ぼう!:古典的名作WW2ボドゲ『Axis & Allies 1942 Online』日本プレイでアメリカ本土上陸を目指す

「デジタルボードゲームで遊ぼう!」ではボードゲーム要素やカードゲーム要素、TRPG要素のある魅力の新作ゲームを特集。今回は第2次世界大戦(WW2)を舞台にした古典的名作ボードゲームのデジタル版『Axis & Allies 1942 Online』をお届けします。

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デジタルボードゲームで遊ぼう!:古典的名作WW2ボドゲ『Axis & Allies 1942 Online』日本プレイでアメリカ本土上陸を目指す
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「デジタルボードゲームで遊ぼう!」ではボードゲーム要素やカードゲーム要素、TRPG要素のある魅力の新作ゲームを特集。今回は第2次世界大戦(WW2)を舞台にした古典的名作ボードゲームのデジタル版『Axis & Allies 1942 Online』をお届けします。

本作はBeamdogによって、8月1日にSteamで早期アクセス版が配信されました。元となるボードゲーム「Axis & Allies」は1981年に発売され、1984年に再版されたのちに何度か改訂されました(このころのは「クラシック版」とも呼ばれています)。2~5人用で、プレイヤーはドイツ・日本・アメリカ・イギリス・ソ連の5カ国から1国を選び、軍を動かして敵国を占領していきます。

1999年にはヨーロッパ戦線にフォーカスを当てた「Axis&Allies:Europe」、太平洋戦争を扱った「Axis&Allies:Pacific」など数多くのスピンオフも登場。本作は2012年に発売されたクラシック版の正統後継作品「Axis & Allies 1942」の第二版がベースになっています。

『Axis & Allies 1942 Online』のトレイラー

ちなみに筆者が「Axis & Allies」に出会ったのは中学生のころ。北京にいたのですが、イギリス人の英語教師が大量のボードゲームを持っており、その中にクラシック版がありました。箱がやたらと大きく、中には歩兵や戦車、戦闘機などたくさんのプラスティックフィギュアが入っています。中学生男子がこれを見せられて遊ばない理由はありません

そこで英語教師からクラシック版を借りてクラスの友人と遊ぼうとしたのですが、セットアップが恐ろしく大変でした。コマを並べる作業が本当に面倒で、ボードの世界地図を見ながら「〇〇地域に歩兵を〇個、戦車を〇個、対空砲を〇個、工場を1個」「〇〇海域に駆逐艦〇個、空母〇個。空母の上には戦闘機を2個」(コマなので以降も「個」で数えます)と説明書に書かれた通りに大量のフィギュアを配置しなければなりません。

フィギュアは軽いので、ボードが揺れたり風に当たるとすぐに倒れたり散らばったりしてしまいます。またボードが大きいので床に広げてやっていたのですが、飼っていた犬にボードを横断されることもありました。賽の河原で石を積み上げるような作業が終わったころには夕方になり、友人たちが家に帰らなければならない時間帯に。このような不毛なことを何度か繰り返し、なかなかまともに遊べませんでした。

大型ボードゲームはセットアップの面倒さに加え、プレイ時間の長さやルール説明の煩雑さなどもあり、付き合ってくれるプレイヤーはなかなかいません。しかしデジタル版ならば面倒なことはすべてCPUが処理してくれます。さっそくプレイしていきましょう。

日本でプレイ!



ゲームモードには「Online」「Single Player(AI相手)」「Hot Seat(複数人が同じPCで交替プレイ)」「Learn to Play(チュートリアル)」があります。チュートリアルをやってみましたが、簡単な説明だけだったので、実際にプレイしながら解説していきます。


「Single Player」でスタートすると、「1942 Second Edition」か「Larry Harris Gencon 3.0 」のどちらかのスタートコンディションを選択。これはユニットの初期配置の違いなので、ノーマルな「1942 Second Edition」を選びます。


次にプレイヤーが担当する国を選択。ドイツ・日本は「枢軸(Axis)」側、アメリカ・イギリス・ソ連は「連合(Allies)」側として協力プレイをしなければなりません。プレイヤーは複数の国を担当しても良いのですが、ここは日本のみでプレイ。ドイツはAIに任せます。さて、上手く連携が取れるかどうか……。


ゲームスタート。ソ連、ドイツ、イギリス、日本、アメリカの順でゲームが進みます。しばらく待って日本の順番になったので、まずは状況把握から。日本は満州以外にもすでに中国の東海岸一帯を占領していますね。緑色はアメリカで、便宜上中国も担当しています。

方針としては、まずドイツと協力してソ連を挟み撃ちし、倒したのちに日本がアメリカを、ドイツがイギリスを責めるという感じで。問題はドイツがこちらの思惑通りに動いてくれるかどうかですね。


戦力比を見てみると、初期ユニットのパワー合計はドイツが106で圧倒的。その次は日本の71。アメリカは54ですが、毎ターンの収入は一番多いです(本作では占領している領地に書かれた数字の合計が、毎ターンの収入(IPC)になります)。「最初は枢軸優勢」というのは『Hearts of Iron(HoI)』シリーズと同じ流れ。ちなみに筆者は『HoI』シリーズは結構遊んでいます。


自分のターンの流れですが、「1:ユニットの購入」「2:戦闘のためのユニット移動」「3:戦闘の解決」「4:ユニット移動」「5:購入したユニットの配置」の順で処理していきます。まずはユニットの購入なので、適当に歩兵や戦車でも買っておきましょう。ちなみに陸上ユニットは「歩兵・大砲・戦車・対空砲(移動不可)」の4種類です。


ユニット購入が終わり、次は戦闘のためのユニット移動。戦闘以外の移動は禁止です。必ず敵領土を目的地にしましょう。ここでは手薄な中国内のアメリカ領土を歩兵4個で攻めます。また日本本土から爆撃機も送り込みます。各ユニットには「何マス移動できるか」が決められており、爆撃機は6マスなのでかなり遠くまで移動可能。空中ユニットは他に戦闘機があります。

また東シナ海にイギリスの巡洋艦がいて海上輸送の邪魔になりそうなので、戦艦と駆逐艦を送り込んでおきました。海上ユニットには他に輸送船、空母、潜水艦があります。輸送船は日本プレイの要(無いと陸上ユニットを敵地に送れない)ので、しっかり守っておきましょう。

戦闘開始!



移動が終わると、次は戦闘の解決。まずは先ほど中国内陸に送り込んだ歩兵4個と爆撃機1個が、敵の歩兵2個と戦闘します。画面左が攻撃側、右側が守備側。歩兵のコマの横に1という数字がありますが、これは「サイコロで1以下の目を出したら攻撃がヒット」という意味です。爆撃機は4なので4以下です。

歩兵4個なので、サイコロも4つ振ります。1が1個出たので、敵のユニットを1個倒すことができました。ただし倒されるユニットは相手が選びます(現状、相手は歩兵しか選べませんが)。


爆撃機も3の目を出して攻撃がヒット。これで敵の歩兵2個をすべて倒しました。次に守備側の攻撃になりますが、倒されたユニットも参加します。ユニットが排除されるのは攻撃後です。

それと守備側になると歩兵は「2以下の目で攻撃がヒット」と能力が上がります。ヒット率が1/6から1/3になるのですから大幅なアップ。このことからコストの安い歩兵は防衛に適しています。相手の歩兵2個はサイコロを2つ振りましたが、どちらもヒットせず。そのまま排除され、日本軍の勝利です。


次に東シナ海での海戦。ルールは先ほどと同じです。ただ潜水艦は特殊で、戦闘が始まる前に攻撃することができます。このとき敵を倒した場合、戦闘に入る前に排除されます。また空中ユニットを攻撃できませんが、攻撃されることもありません。この海戦は無傷で勝利しました。


戦闘解決のあとは移動フェーズです。敵の領地以外の場所にユニットを移動させることができます。ただし戦闘で使ったユニットは移動できません。それと戦闘で使った空中ユニットは必ず近くの自領土に移動しなければなりません(戦闘機は空母でも可。ただし搭載は2機まで)。

輸送船(Tマークの船)は陸上ユニットを2個まで運べます。ただし歩兵以外の陸上ユニットを2個積むことはできません(「歩兵1個と陸上ユニット1個」はOK)。ソ連の南下に備え、本土にいる歩兵と大砲を満州に送り込んでおきましょう。


最後に購入したユニットの配置。工場のあるところ(海上ユニットは周辺の海)に配置できます。戦艦だろうが何だろうがターン内で完成してしまいますが、ボードゲームなのでこのあたりは分かりやすく単純化されています。これが終わればターン終了になります。

アラスカ上陸!



中国大陸でアメリカ軍との小競り合いをしつつ、ソ連への侵攻も同時に行っていきます。現在ドイツが結構頑張っていて、ソ連がドイツ方面へ兵力を送っているので、大陸の東側は手薄になっています。


戦争で兵力を小出しにするとろくなことがないので、相手の数が少なくても大量投入。画像のように大砲1個につき歩兵1個の能力を1引き上げてくれるので、大砲2個よりもコスパがいいです。


アメリカがドイツに大量の兵力を送り込んでいることで、本土の守りが薄くなっています。アメリカを攻めるのはソ連を倒したあとにしようと思ったのですが、ドイツがいつまで耐えられるかが分からないので上陸作戦を早めることにしました。


欧州方面はこんな状況。アメリカが物量を使い始めてきました。ドイツは海軍をほぼ一掃されてしまい、イギリス・アメリカ・ソ連の3方向攻撃をひたすら耐えています。


アラスカ占領。ちなみに本作の勝利条件ですが、国マークのある領土を所定数(枢軸は9、連合は10)占領して次のターンまで維持できれば勝ちです。枢軸はスタート時は7なので、あと2カ所占領すれば勝ちです。

アラスカから南下すればアメリカの国マークのある領土へ侵攻できますが、さすがに兵力が足りない。しばらくアラスカを守ってアメリカ軍を引き付け、その間にソ連を何とかしましょう。

アメリカ侵攻作戦!



ドイツ(青)と協力しつつ、ソ連(赤)をあと2領土まで追い詰めました。しかし大量の敵兵力が集まっているため、ここから攻め落とすのが困難です。ソ連さえ倒せれば、ドイツは全兵力を西側に向けられます。


東南アジア方面ですが、こんなところまでアメリカの海軍がやってきています。インドにはイギリスの国マークがあるので占領したいところですが、ここも守りが堅く、うかつに攻め込めません。


ドイツですが、ついにアメリカに上陸されてしまいました。国マークのあるフランスを奪われ、枢軸側の勝利ポイントが-1、連合側が+1。ソ連との戦いも終わってないのに、雲行きが怪しくなってきました。


ソ連をあと1領土まで追い詰めました。ドイツが動かないので、ユニットを捨てる覚悟ですべて突撃させます。全滅しましたがソ連軍も減ったので、このあとドイツが占領してソ連滅亡。これで対米戦に集中できます。


本土からアラスカにユニットを大量輸送し、そこから全兵力で一気に南下。アメリカは兵力の大半をドイツに送っているので、西海岸は手薄になっています。一方ドイツはフランスを取り返し、枢軸の勝利ポイントを7に回復させました。


そして国マークのある西海岸の領土に陸と海から一斉に侵攻。戦艦は陸上ユニットへの攻撃ができるので、海からサポートしてもらいます。戦闘被害はこちらの方が大きかったですが、物量で勝利。これで枢軸の勝利点が8。9点までリーチがかかりました。あと1カ所ですね。


国マークのあるハワイが手薄なので、兵力を一斉輸送して占領し、9点に到達。占領後は取り返されないよう各重要拠点をガッチリ守ります。「これで勝利か?」と思ったら、ドイツがアメリカにイタリアを取られました。8点に戻されてしまいます。ここで足を引っ張ってきましたね。このあと欧州では取ったり取り返したりの攻防が続きました。

ダイナミックな世界大戦を楽しめるボドゲ


本作はボードゲームが元になっているため戦闘のメカニズムも非常にわかりやすく、展開も速く、プレイ時間も『HoI』シリーズのように長くはかからないため、気軽に遊べる対戦型WW2ストラテジーとして優れていると思います。デジタル版なので準備に手間がかからないのも良いですね(筆者的にはここが一番大きい)。


それと先ほどのゲーム結果ですが、ドイツに足を引っ張られながらも勝利することができました。やはりロングセラーの名作ボードゲームだけあって、遊んでいてすごく楽しいです。実物の方は日本の実家にありますが、そちらも遊びたくなってきました(問題は付き合ってくれる相手がいるかどうかですが)。

タイトルにもなっているオンラインの方ですが、正直なところ人は少ないです。1プレイが長いですし、野良でやっても途中抜けされる確率が高そうなので、やるならフレンドを誘った方がいいかと。日本語サポートはありませんが、ボードゲームなのでユニットの動かし方などが分かればプレイすること自体は問題ないかと思います。WW2ストラテジーや『HoI』シリーズが好きな方はぜひ本作にチャレンジしてみてください。

製品情報




■筆者紹介:渡辺仙州 主に中国の歴史ものを書いている作家。母は台湾人。人生の大半を中国と台湾で過ごす。中国の国立大学で9年間講師を勤め、現在台湾在住。シミュレーションゲーム・ボードゲーム好きで、ブログ「マイナーな戦略ゲーム研究所」を運営中。人生の理念は「あまり知られていないけど、知っていると人生が面白くなるもの」を発掘・提供すること。著書に「三国志」「封神演義」「封魔鬼譚」(偕成社)、「文学少年と運命の書」(ポプラ社)、「三国志博奕伝」(文春文庫)など。Twitterはこちら
《渡辺仙州》

歴史・シミュ・ボドゲ好き 渡辺仙州

主に中国ものを書いている作家。人生の理念は「知られていない面白いもの」を発掘・提供すること。歴史・シミュレーションゲーム・ボードゲーム好きで、「マイナーゲーム.com」「マイナーゲームTV」を運営中。著書に「三国志」「封神演義」「西遊記」「封魔鬼譚」(偕成社)、「文学少年と運命の書」「天邪鬼な皇子と唐の黒猫」(ポプラ社)、「三国志博奕伝」(文春文庫)など。

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