海外シンクタンクTaxWatch UKは、Rockstar Games傘下のデベロッパーRockstar Northが、2019年に英国の「Video Games Tax Relief(以下VGTR)」プログラムに基づいて3,760万ポンド(日本円換算にしておよそ53億円)の減税を受けていたことを報告しました。
VGTRとは、もともと英国で小規模なゲーム開発スタジオをサポートするために設けられた特別な税制優遇制度です。またRockstar Gamesはこの数年で『Grand Theft Auto V』と『Red Dead Redemption 2』を発売、数々の賞を受賞して世界中で大変な売れ行きを見せていました。
TaxWatch UKによると、2018年~2019年にかけてRockstar Northが行ったVGTRの減税請求は最大のものであり、英国のビデオゲーム業界全体のうち37%を占めているとのこと。また、同社は過去4年間法人税を一切支払っていないにもかかわらず、このプログラムを通じて8,000万ポンドを受け取っていたとのことです。
TaxWatch UKディレクターGeorge Turner氏は「政府は、高い収益を出す一企業に対して、VGTRの年間予算約1億ポンドが費やされるという事態を想定できていなかった」と語り、すぐさまこの制度を改善するべきだとしました。また同氏は、VGTRには合計1,100件もの請求が寄せられており、その1/4をRockstar Northが、予算の約半分を同社を含めた4社が占めていることも明かしています。
一方で英国ビデオゲーム業界団体UK Interactive Entertainment(以下UKIE)CEOのJo Twist氏は、海外メディアPCGamesNの取材に対し「VGTRは成功したプログラムであり、英国ゲーム開発部門の成長を促している」とコメントしました。
同氏によれば、VGTRの成功が英国経済に総額2億9400万ポンドの利益をもたらし、VGTRが支援した作品は業界全体で4,320人のFTE(フルタイム当量)を含む、9,240件の雇用を提供したといいます。また、VGTRが支援する作品からの税収は1億5,600万ポンドになるため、「VGTRを通して業界に1ポンドの投資が為されれば、英国経済に4ポンドが生み出される計算になる」とのことです。
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