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Game*Sparkレビュー:『あつまれ どうぶつの森』第1回―幻の無人島生活

ニンテンドースイッチ向けにリリースされた『あつまれ どうぶつの森』のレビューを連載形式でお届けします。第1回は“案内所の改築”までです。

連載・特集 Game*Sparkレビュー
『あつまれ どうぶつの森』
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どうぶつたちの住む村で自由気ままな暮らしを楽しむ『どうぶつの森』シリーズ。その最新作となる『あつまれ どうぶつの森』では、自然豊かな無人島に移住したプレイヤーが、なにもないところから自分だけのコミュニティを作り上げます。

無人島とはいえ、そこはあくまで『どうぶつの森』。生きるか死ぬかのサバイバル要素はありません。待ち受けているのは、プレイヤーを無人島にいざなった商人が満面の笑顔で突きつける莫大な借金だけです。

無人島生活は借金生活の始まりだった!

『あつまれ どうぶつの森』は2020年3月20日、任天堂よりニンテンドースイッチ向けにリリースされました。スピンオフ作品ではない『どうぶつの森』シリーズの完全新作としては『とびだせ どうぶつの森』以来、約7年ぶり。据え置き型ゲーム機向けの作品としては『街へいこうよ どうぶつの森』以来、約11年ぶりとなります。

村に引っ越すところから始まった過去作と異なり、本作のプレイヤーは家も建っていない無人島に移住することになります。また、“DIY”(Do It Yourselfの略)と呼ばれるクラフト機能によって、様々な“家具”を作り出すことが特徴の一つとなっています。『どうぶつの森』シリーズの家具は家の中に置けるオブジェクトの総称ですが、本作では家の外にも家具が置けるようになりました。

なお、Game*Sparkでお届けする『あつまれ どうぶつの森』レビューは連載形式であり、第1回は“案内所の改築”までのゲームプレイを基に評価します。本作は長期間にわたって遊ぶことが醍醐味のゲームであるため、評価が変わるほどのイベントやアップデートがあった場合には再度レビューすることを予定しています。

本稿を執筆するにあたり、筆者がプレイした条件は次のとおりです。

・ニンテンドースイッチ本体の日付と時刻は一切操作しない。
・他のプレイヤーとのマルチプレイは行う。季節が反対(南半球)の島も含まれる。
・発売日以降はネット上の攻略情報を極力目にしない。

本稿はネタバレを含みます。取り上げる要素は発売前に公開された「あつまれ どうぶつの森 Direct 2020.2.20」で紹介済みの範囲とし、実際のプレイに基づいてレビューします。


YouTube:https://youtu.be/_rRdFPVwh0I



『どうぶつの森』の世界


『どうぶつの森』シリーズをご存じない方もいらっしゃると思いますので、簡単にゲームの内容をご紹介します。

『どうぶつの森』の最大の特徴は、ゲーム内の時間が現実の時間と連動していることです。現実世界が昼の時はゲームの世界も昼であり、現実世界が春ならばゲームの世界も春になります。ゲームの世界で暮らすどうぶつ(NPC)たちは朝起きて夜寝る生活をしており、四季の移ろいはゲーム内の自然や年中行事に影響します。

『どうぶつの森』は自由気ままな暮らしを楽しむゲームです。釣りや虫とりをして遊んでも良いですし、部屋の模様替えやおしゃれに創意工夫をこらすこともできます。家族や友人とのコミュニケーションツールにしても良いでしょう。その世界は細かいところまで作り込まれ、長く遊んでいても日々新しい発見があります。

『どうぶつの森』はロールプレイング要素の強い現代の“ごっこ遊び”です。どう遊ぶかはプレイヤーに委ねられており、クリアという概念はありません。その性質上、プレイヤーによって向き、不向きがあります。特に、攻略それ自体を目的としてゲームを遊ぶ方にはあまり向いていません。

この時はまだテント暮らしの無人島ライフに憧れていたのだが……

あっという間に終わった無人島生活


任天堂は本作を宣伝する際に、無人島であることを強調してきました。そのため、さぞかし楽しい無人島ライフが送れるのだろうと期待していたのですが、蓋を開けてみると無人島らしい生活はわずか数時間で終わってしまいました。

プレイヤーは無人島に移住した当初こそテント生活を余儀なくされますが、移住費用として半ば強引に突きつけられた借金を返済すると家を建てられるようになります。もちろん、そうしない選択肢もあるにはあります。しかし、家を建てなければそれ以上の島の発展は望めず、島の発展に伴って解放されるゲーム本来の機能も利用できません。事実上、家を建てることはゲームを楽しむための必要条件なのです。

なお、最初の借金だけは“たぬきマイレージ”で支払うことができます。本作で新たに導入されたこのシステムは、プレイヤーが釣りや虫とりなどの活動を行うことでマイルが貯まり、マイルと交換で様々な恩恵が受けられるというものです。ゲーム序盤では数時間プレイするだけで借金返済に必要なマイルが貯まるため、無人島らしい生活はそこで終わります。

家を建てることはすなわち住宅ローン地獄の始まりを意味する

プレイ開始早々無人島生活があっさり終わりを告げたことで、筆者は不安を感じました。これではゲーム自体もあっという間に終わりを迎えるのではないかと思われたからです。

無人島の発展は予想を遥かに上回るペースで進みました。博物館や商店が完成し、できることが徐々に増えていきます。やりたいことが多すぎてプレイを中断するタイミングを見つけるのが難しいほどでした。施設の建設に必要な材料の調達や、たぬきマイレージの獲得といったプレイ目標が明確に示されることで、次の段階に早く進みたいという意欲がわき、プレイを継続する原動力になっていました。

その一方、目標をまっすぐ目指すことで『どうぶつの森』本来の自由気ままな暮らしができなくなっていることも感じていました。施設の建設に必要な材料を確保するため、DIYを差し控えるという本末転倒な状況が生じていたからです。

拾い物ばかりの部屋だが、模様替えをしているだけで時間が溶けていく

新たな住民が移住して来るようになった頃、島がしだいに過去作の初期状態に近づいていることに気づきました。すなわち、ある程度の住民と施設がそろった村の姿です。つまり、無人島の発展という舞台設定そのものが本編に続く壮大な導入部分だったのです。

これは『どうぶつの森』の未経験者にシステムを自然に理解してもらうための素晴らしい仕組みです。しかし、それだけではありません。最初から出来合いの村に住むのではなく、プレイヤー自身が村そのものを一から作り上げることで、誰にとっても自分のコミュニティに愛着が生まれるようにする仕掛けでもあったのです。

この頃になると明確なプレイ目標はあまり示されなくなりました。島の発展はなおも続いていましたが、次になにをすべきかという指示は減り、自分の思い通りに遊べばそれで良いというスタンスに変わりました。ようやく『どうぶつの森』らしい自由気ままな暮らしができるようになったのです。

筆者が当初期待していた無人島生活はあっという間に終わりました。しかし、無人島の発展という設定を最大限に生かした導入部分は非常に優れたものだと感じました。

次ページ:本作の新要素と過去作との比較
《FUN》

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