ゲームエイジ総研は、同社が提供する135万人のモバイルログを活用したマーケティングデータサービス「iGage」を使用し、全国の10代~60代を対象に2月~4月までのアプリゲームのプレイ時間を調査しました。
同期間は新型コロナウイルスの影響で外出自粛が続き、アプリゲームの需要も増加。特に全国的な学校の休校が始まった3月7日以降でプレイ時間は増加し、一旦落ち着きが見られるものの、3月30日頃から再度増加傾向となっています。
ゲームエイジ総研では同調査にあわせて、18歳未満を対象にインターネットとゲームの利用時間を規制する「ネット・ゲーム依存症対策条例」が4月1日より施行された香川県に焦点をあてたデータも紹介しています。
こちらは、全国の10代のゲームプレイ時間と、香川県の10代に絞ったゲームプレイ時間を比較したグラフになっています。香川県のデータに注目してみると、「ネット・ゲーム依存症対策条例」が施行された4月1日頃にはプレイ時間が減少しているものの、その後の緊急事態宣言にあわせて増加傾向に。
全体的に増加・減少はあるものの、全国の10代と比較して香川県の10代のゲームプレイ時間は同程度であることがわかります。この結果を受けてゲームエイジ総研は、実際の状況やゲームに対する考えを把握するため、高校生以下の子供を持つ香川県在住者にインタビューを実施。それぞれの質問に下記のような回答がされています。
■自粛期間中のゲームのプレイ時間について
・自粛期間中はゲームプレイの時間は増えました。時間設定を1日3時間にしていましたが毎日時間いっぱいやっています。(30代男性、小学生高学年)
■遊び方の変化について
・特にゲームタイトル等には変化はないが、友達と通信しながらのゲームをする時間が増えたのでは?(40代男性、高校生)
・我が家ではほとんど子供がゲームをプレイすることはありませんでしたが、コロナウイルスの感染拡大に伴い、外出制限がある中で親が休みの土日祝日のみ、親子でプレイする機会が増えました。(30代男性、小学校低学年)
■今回施行された条例に対する考え
・条例施行により子供のプレイ時間にどれほどの効果があるのかは別として、多くの人がそうした状況を認知することとなっただけでも多少の効果はあったのではないでしょうか。(30代男性、小学生高学年)
・県がかかわるべき問題なのかというと、そうではないと感じています。ゲーム機器を与えているのは家庭であり、家庭でのルールを明確にしたうえで与えているはずだし、家庭で取り組むべき問題だと考えます。話を聞かなかったり、やらないといけないことができなかったり、目が悪くなったり、姿勢が悪くなったり、というのはゲームだけに限らないので、生活習慣としての話にとどめるということでいいのではないかと思います。(女性30代、小学生低学年)
■条例をふまえて家庭内ルールを作成するかどうか
・今後子供の成長に伴い、プレイ時間が長くなってきたような場合は、条例をふまえたルールを子供と一緒に考えたいと思います。(30代男性、小学生低学年)
・現時点で子供のゲーム依存度がそれほど高い状況ではないので、現時点ではルール作りが必要とは考えていません。(40代男性、高校生)
利用時間の制限が目的だった「ネット・ゲーム依存症対策条例」ですが、それほど影響力は少ないのが実態のようです。親や子供に“依存防止”の意識を持ってもらうための意味付けとしては機能しているので、それを踏まえて「一律に時間を規制するのではなく、親と子が意識を持つことが重要」とまとめています。
最後に「ゲームをやりすぎるのは良い事とは言えないが、大切なのは時間を制限するのではなく、ゲーム以外にも興味のあることを見つけたり、ゲームを通じてでもいいのでコミュニケーションをとって普段の生活をより楽しく、充実したものにすることが大切だと思う。(30代男性、小学生高学年)」というコメントを紹介。
これを踏まえて、「“依存防止”の意図を伝える・意識してもらうには、どのようにゲームと向き合うか、ゲームを通じてどのような経験をするのか等、一律に時間制限をすることとはまた違ったアプローチの方法が考えられるのではないか」と締めくくりました。
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