気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Route 59開発、PC向けに7月22日リリースされた3Dビジュアルノベル『ネクロバリスタ』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、メルボルンの裏路地にあるカフェを舞台にした3Dビジュアルノベル。見習いバリスタ兼ネクロマンサーの女性「マディ」を中心に、時をかけた物語が紡ぎだされます。日本語にも対応済み。
『ネクロバリスタ』は、1,980円で配信中。
――まずは自己紹介をお願いします。
Damon Reece氏(以下Reece氏)Damon Reeceです。南オーストラリア州のアデレードからリモートで仕事をしており、本作のメインシナリオライターを担当しました。ゲームライターとして、これまでに8年間仕事をしています。
――本作の開発はいつどのようにして始まったのでしょうか?
Reece氏本作の開発舞台裏には面白い話があります。私たちのスタジオが作った最初のプロトタイプ(2015年)は「Project Ven」と言うもので、3Dアドベンチャーゲームの要素を取り入れたビジュアルノベルのテストでした。今は8人で活動しているRoute 59ですが、当時は大学生3人しかいませんでした。本作の開発には合計12人以上の人が関わっています。もし本作をすでにプレイしていただけたのでしたら、上記のデモの要素が完成版にも残っているのが見て取れるかと思います。2016年に(「Tram Demo」のような)いくつかのプロトタイプを作った後、本作の開発が始まり、後はご存知の通りです!
――本作の特徴を教えてください。
Reece氏アニメにインスパイアされた3DCGのビジュアルスタイルには自信を持っています。私たちの作品のようなゲームは他にありませんので、とても特別なものだと思っています。他に自信を持っているのは、プレイヤーが一人称視点モードでカフェ「ターミナル」を探索できる点です。これによってより没入感のあるゲームプレイが可能で、プレイヤーの方々からは「ただ座って音楽を聴いていたい」というような声もいただいています!ちなみに、本作の音楽はすべてKevin Penkinによる作曲で、彼はアニメ「メイドインアビス」や「神之塔 -Tower of God-」の音楽を担当しました。素晴らしいミュージシャンですよ!
――本作が影響を受けた作品はありますか?
Reece氏日本とその他の国から本当にたくさんの影響を受けています。西洋からですと、『Night in the Woods』『Undertale』『Kentucky Route Zero』『ライフイズストレンジ』『We Know the Devil』『Butterfly Soup』『Analogue: A Hate Story』といったゲームから影響を受けました。対照的に、日本からは宮崎駿作品、シャフト(アニメ制作会社)、そしてヨコオタロウ氏(特に『ニーア オートマタ』)から影響を受けています。また、私が2017年にチームに参加すると、「イヴの時間」と「化物語」を観るように言われました。本作を遊んでいただければ、これら2作品の影響を見られるでしょう。それでも、私たちは他のどんな作品とも大きく異なるものを作れたと思っています!
――新型コロナウイルスによる開発への影響はありましたか?
Reece氏確かにありました。私ともう一人のライター(Justin Kuiper)はリモートで作業をしているのですが、チームの他のメンバーは最近メルボルンにオフィスを借りたのです。しかしメルボルンで新型コロナが広がり始めたことから、彼らはまた自宅から仕事をしなければならなくなり、これが少し大変でした。また、オーストラリアの夏には大規模な森林火災があり、街は煙に包まれます。息をするのも苦しく、前回の森林火災が終わったのは新型コロナが広がり始めた頃でした。数ヶ月後、また夏の森林火災が起こります…考えただけで暗くなってしまいます。
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Reece氏英語話者のファンには言わないでいただきたいのですが、皆さんこそが本作最高のファンだと思っています!日本語で『ネクロバリスタ』と入れてTwitter検索をして、日本のファンの皆さんが言っていることをGoogle翻訳を使って読んでいるのですが、いつもとても素敵な言葉が書かれており、開発中の良い息抜きになっています。もしまだ本作をプレイしていないのでしたら、ぜひお買い上げください。私たちはお金が大好きですし、本作の(PLAYISMによる)日本語訳は素晴らしい出来だと聞いています!(笑)
――ありがとうございました。
◆「注目インディーミニ問答」について
本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に300を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。
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