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現役プロパイロットが『Microsoft Flight Simulator』ブラジル地下3kmに幻の空港を見た!決死のダイブの結果は……【特集】

今回の『MSFS』特集記事では、現役プロパイロットが、先日発見されたデジタルならではの「地底にできてしまった」幻の空港への着陸にチャレンジ。

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Microsoft Flight Simulator(以下MSFS)』は、航空機フライトシムにおいては特に歴史のあるタイトルのひとつ。全世界のファン待望のシリーズ最新作が2020年8月18日、およそ14年ぶりにリリースされました。


Game*Sparkでも複数の特集をお送りしてきた同作。2020年9月29日には日本向けのアップデートが行われました。ゲーム画面を起動すると更新が始まり、爽やかな空を背景に富士山がドンと鎮座ましましている様子を確認することができます。


美しいですね。今回のアップデートでは日本の名所旧跡が再現され、素敵な空の旅が楽しめるという謳い文句。そこで、僕も「たまには日本の空を飛ぶのも良いな!」と操縦桿を引っ張り出してきた次第です。


……という訳でブラジルにやってきました。

「日本アプデの前振りは何だったんだよ!?」というツッコミが聞こえてきます。いやいや、毎度毎度パイロットネタで家系硬め背脂マシマシにんにくラーメンな濃さの『MSFS』特集記事をお届けしていましたので……。

ともあれ、今回お届けするのはタイムリーな着陸チャレンジ、題して「ブラジル着陸チャレンジ、重力の井戸の底で編」。「だから日本アプデの前振りは本当に何だったんだよ!?」という追い打ちが聞こえてまいります。なお、いつもは、ゲスト兼先生役としてGDさんをお迎えしていますが、今回はご多忙のため不肖ながら僕のソロプレイ、かつネタ分マシマシ、とにかく“軽く”をモットーに進めてまいります。

どの程度の軽さなのかというと、先日書かせてもらったこちらの爆速プレイレポの方向性です。広大なデジタル世界の未知を目の当たりにしての、プロにあるまじき失敗の数々を、読者の皆様におかれましては、どうか寛容の心で生暖かく見守っていただけたら幸いです。

コトの発端


さて今回のコトの発端は、こちらの記事。『MSFS』の世界では数々の謎めいた地形に建造物、モノリスが発見されています。そんな中、2020年9月30日、あるユーザーがインターネットフォーラムに投稿したことで一躍有名になったのが、ブラジルは Lagoa Nova Airport空港(コード:SBLG)でした。というのもこの空港、なんと地底にあります。


画像からもわかる通り「ちょっとくぼんでる地形にあるの」とかではなく「ガッツリ地の底に引きずり込まれてるの」という状態です。怖いの。

もちろん現実世界をそのまま再現した地形である筈がなく、データ入力ミスによるものではないかと推測されます。どこまでも深く落ちていく影が空港を包み、滑走路も何も一切の距離感を掴みきれないアビスの底がここにあります。

ちょっと地獄にいってくる



大穴があれば、あこがれが止められないのが人の定め。さっそく飛び込んでみましょう。今回はそもそもが未知への挑戦ということもあり、いくつか機体を変えながら着陸成功を目指します。最初の機体はCubCrafters社のX Cub、ブッシュパイロット達ご用達の子です。

以前はYouTubeで検索をかけると「それは本当に事前に申請出して許可を得てから行っているフライトなのですか?」と確認したくなるような飛び方をしている機体もありましたが、僕は何も見なかったということにしてお茶を濁します。

さてさて、アビスの大穴に飛び込んでから僕が行っている操作はすべて「最大降下率を得る」ことを目的としています。見てわかりやすい操作の例を挙げるならForward Slipですね。

筆者手書きによる簡単なForward Slip図解。水色の矢印は風向き、灰色の矢印は機体の進行方向を示しています。

これは、風向きに対して機体胴体を当てて、機体自体を一瞬のエアブレーキよろしく扱うことで高度を急激に落とすことができる技術です。操作のやり方としてはピッチ角を保ちつつ、エルロンを風の方向へ切ってロールを入れつつ、さらにラダーを反対側へ全開に入れることで達成されます。

最初はそういった操作すら無視した物見遊山な気持ちでセスナ社謹製C172を使用。谷底へダイブするかのような直線降下で挑みましたが、速度と機体構造への負荷超過で機体にダメージが入り、あえなく命を散らしてしまいました。

ここから地獄のリトライが始まります。


カーブでは、レーストラックのような楕円形を描くよう旋回操作を行いながら高度を落としていくことにしましょう。旋回時に失速状態を作ることでキレのあるターンを狙った曲技飛行もどきの動きで降下を狙います。

この画像はC172で突入時のもの

しかしながらこのアビスの大穴、これら通常操作を行って高度を下げ続けるにはいささか規模が大きくそして深い。もはや谷。

両壁面は谷底に向かってどんどん狭まる上に、地面周りの気流に判定があるのか、機体は安定せず結局壁に激突してしまいました。映像にはありませんが、さらに別のトライでは無理やり回避しようと試みましたが、やっぱり負荷超過によって機体が爆散しました。(実際はただのブラックアウト画面でゲームオーバー


もしかしたら機体と操作性の相性が悪いのかもしれない……。そうやって目を付けたのがこちらのAviat Aircraft社のPitts Special S2S。曲技飛行でご覧になった方も多いのではないでしょうか、まさにその道における大御所ともいうべき機体です。

操作性の機敏さはダントツぴかいち、ちょっとエルロンを切るだけで恋に落ちるようにキュンッと回ってくれる流石の反応を見せてくれます。


が、その反応の良さがかえって仇となり……いや、機体はまったく悪くないんです。僕がこの子を御しきれず、何度か垂直方向の宙返りを繰り返したのちに花びらの様にくるくる回って壁の染みになりました。(実際はただのクラッシュ画面でゲームオーバー)


やはりブッシュパイロット達の卓越した技量にならうしかあるまいと目を付けたのがこちらのZlin Aviation社のSavage Cub。サベージという名前もまた良いですよね。ライトノベル「フルメタル・パニック!」ではカエル顔のタマゴボディの人型兵器として登場し、主人公の泥臭い戦闘においても確かな性能で手堅い活躍を見せた人気の機体です。

……飛行機の方のサベージに話を戻します。調べるとこの子も負荷に対してはプラス6Gまで耐えられるとのこと。これものすごく雑に言えば「機体構造が自重量の6倍程度の負荷に耐えられますよー」というデータです。これまでのクラッシュのうちいくつかはこの値を超えてしまって自壊していました。それが分かった以上、速度超過を抑えつつ、負荷も超えないようにするため攻撃的な操作を控えていかなければなりません。


が、だめ……!
やっぱりこの子もとっさの時の操作が一瞬の攻撃性を帯びてしまい大破。

着陸への憧れはとめられねえんだ



アビスの呪いとかは全く関係ないことと思いますが、おそらく地形自体がバグみたいなものなのでカメラが処理しきれていません。ものすごい勢いで気が狂いそうな景色に飲まれて空間失調に陥ったのちに墜落する回数が増えてきました。

しかしながら何度も試していくうちに見えてきたことがあります。本来の手順からは外れますが、機体をほぼスピン(orスパイラル?)状態に持っていくと速度を抑えながら小さな旋回半径で最高降下率を維持できることが分かりました。

筆者手書きによる簡単なスピン図解。水色の矢印が降下、黒線は機体の軌道、「あー」は悲鳴を示しています。

いける……こいつなら勝てるぞ……!ただ今の限界バンク角で旋回半径をさらに小さくするには速度をもっと落とすしかないのですが、パワーアイドルでプロペラピッチ角弄っても大した変化にはなりません。


どうしたものか……もういっそ大型ジェット機で最速突入でもしてやろうか……と機体リストを眺めていたらZlin Aviation社のShock Ultraが目に入りました。巡航速度が保有機体の中で一番遅い!

この子なら今までの機体と同じ負荷値に耐えられるうえに低速状態でも安定した飛行が可能のハズ。これでいっそ推力ゼロなら落ち葉のようにくるくる回って降下できるのですが……ん?推力ゼロ……?


30回近いリトライで遂に至った境地……そう……アビスの「奈落の底」へ飛び込むということは、もうお天道様の照らす世界には戻れない地獄へのラストダイブということに他なりません。どうせ片道切符なら……!


エンジンなんていらねえ!!動力停止だ!!!


こうして始まったラストダイブ。フラップ全開。エンジンの火を落としたことでプロペラの回転も止まりました。推力ゼロに加え、この動かないブレード自体がさらに空気抵抗を生んでエアブレーキ代わりになるというひらめきの突貫作戦。

微妙にずれたコメントになりますが、動力停止後も空気の流れに巻かれたプロペラがカックンカックン回される動きが、実機とほぼ同じ再現が為されていて相変わらず芸が細かいな『MSFS』!と感動しながら落下しています。


さて機体の外部と内部のカメラ位置を調整していきます。この勝負は機体操作よりもカメラワークとの戦いと言っても過言ではありません。だいたい谷底まであと半分!といったあたりの高度から、周囲の景色が溶けて流れて世界が狂い始めます。

これを回避するには、おそらく周囲の壁を飛び出さないよう追従カメラを極力機体の傍に置いておくのがキーポイントのはず。またこれまでの挑戦では画質ウルトラでやっていましたが、おそらくそれも世界が終わる原因の一つであるようなので、最低画質に落としました。

目が良すぎるというのは啓蒙極まった狩人様みたいなもので、ヤーナム聖堂街のアレよろしく見えないほうが平和に思える世界を以下略(啓蒙99)



谷底が近づいてきました。ここから映像も視点がころころ切り替わって忙しくなります。機内カメラで高度と速度を気にしながら、なぜ外部カメラも確認しなければならないのかという点ですが……どちらか一方のカメラが啓蒙世界に飲まれた時に、残ったもう一方でまだ正気に保たれた世界を観測する必要があるためです。


限界ぎりぎりまで降下、谷底はもうすぐそこ!次でおそらくどちらかの壁に激突するというタイミングで旋回を抜けて、ファイナルアプローチの形を作ります。


溶ける!世界がものすごい勢いで溶けていく!クリームを肌に乗せて滑らせた時のソレのようなぐにゃり方で引き延ばされていく視界。一瞬、操縦桿を握る手に力が入りますが気合いを入れ直してすぐに持ち直します。

ここで慌てて舵を切ったら壁に激突待ったなし。今までの苦労、散らした命すべてが水の泡です。アプローチの構成は完成されているのだから、あとはカメラを切り替えながら谷底に向かって接地するまでじっと我慢の子をするだけです。


うおおおお機内映像も啓蒙に飲まれた!度し難い……!ここでうっかり腕を振ってしまい機体姿勢がばらけてしまいましたが、カメラを振り回してなんとか立て直して接地することができました。


まさかの着陸成k……


が、その直後の地上滑走で機体が突然沈み込んだと思ったら前転してクラッシュしてしまいました。前方が揺らめいて見えないなかぶつかるよりはと必死でブレーキしたのがいけなかった……。

……が、とりあえず着陸自体はできるということでここはひとつご容赦を……!


ちなみに再度挑戦したところ着地まではできましたが、前方に誰かが乗り捨てたCitation機(おそらく聖遺物)が転がっており、びっくりして思わず避けようとして壁に激突。

おわりに



マップで様子を見ていたら、なんとこの空港からも離陸が可能でした。早速試してみたのですが、地上の判定がおかしいことになっているため離陸速度まで加速するのにえらい時間がかかったうえに壁に激突。やはりアビスの谷底から上がろうとすると呪いによる上昇負荷がとんでもないことになるようですね。

冗談はともあれ、今回の企画はいかがだったでしょうか!突発的なチャレンジとなった今回の「ブラジル空港チャレンジ重力の井戸の底で」編、谷底へのアプローチ方法は確立できたので、あとは着陸後の減速停止部分が安定して行えるようになりたいですね。

なお、今回降下した地上から大穴の底までの高度は計器を読む限りざっと9000 ft(約2.7 km)!!読者の皆様におかれましても、このバグ地形に修正が入る前に是非着陸チャレンジを遊んでみてください。

大空を自由に飛び回る体験ができる『Microsoft Flight Simulator』はPC(Windows 10/Steam)向けに販売中。Windows 10版においては、PC用Xbox Game Pass(ベータ版)にも含まれます。エディションによる価格等の詳細は、各ストアページをご確認ください。

《麦秋》

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