D&Dの人気ファンタジーRPGシリーズ最新作『Baldur's Gate 3』の魅力に迫る!TRPG要素健在の20年ぶりの新作【デジボで遊ぼ!】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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D&Dの人気ファンタジーRPGシリーズ最新作『Baldur's Gate 3』の魅力に迫る!TRPG要素健在の20年ぶりの新作【デジボで遊ぼ!】

ダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)のTRPGをベースにした人気RPGシリーズ「Baldur's Gate」最新作『Baldur's Gate 3』のプレイレポートをお届けします。TRPG要素は健在ながら最新のグラフィックも堪能できる最新作。“グロ可愛い”要素も……?

連載・特集 プレイレポート
D&Dの人気ファンタジーRPGシリーズ最新作『Baldur's Gate 3』の魅力に迫る!TRPG要素健在の20年ぶりの新作【デジボで遊ぼ!】
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「デジボで遊ぼ!」ではボードゲーム要素やカードゲーム要素、テーブルトークRPG(TRPG)要素のある魅力のデジタルボードゲームを特集。今回はダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)のTRPGをベースにした人気RPGシリーズ『Baldur's Gate』最新作『Baldur's Gate 3』のプレイレポートをお届けします。

本作はLarian Studiosによって、2020年10月7日に早期アクセス版がSteam/GOG.comで配信されました。Larian StudiosはファンタジーRPG『ディヴィニティ(Divinity)>』シリーズで有名なベルギーのデベロッパーです。そのため本作も、画面をぱっと見た感じは『ディヴィニティ:オリジナル・シン 2(Divinity: Original Sin 2)』っぽさがありますね(ちなみにSteamの『ディヴィニティ:オリジナル・シン 2』は、ストアページの言語に「日本語」表記がありませんが、日本語対応しています。興味がある方はぜひプレイしてみてください)。


本作はD&DのTRPG第5版ルールをベースにしたPCゲームになっています。筆者の学生時代はD&Dが流行っていて、その世界設定を基にした「ドラゴンランス戦記(ドラゴンランス)」シリーズなどの小説も人気を博していました。

知らない方のために説明しておくと(知らない方のほうが今は多そうですが)、D&Dと言うのは1974年にアメリカのTSR社によってリリースされたTRPGで、すべてのRPGの原点ともなる作品です。今で言うと、よく言えば「伝統的」、悪く言えば「典型的」なファンタジーRPGですね(以前紹介した『The Dungeon Of Naheulbeuk: The Amulet Of Chaos』は、D&Dの「典型的ファンタジー」をネタにした作品です)。

1977年には、初心者向けルールの『D&Dベーシックセット』と、上級者向けルールの『アドバンストD&D(AD&D)』の2種類がリリースされました。AD&Dは第2版まで改訂されましたが、1998年にWotC社に買収されたことで、2種類のD&Dが統合されます。AD&Dの名称は無くなり、「D&D第3版」としてルールブックがリリース。以降、2003年に第3版を改訂した第3.5版、2008年には第4版、2014年には第5版がリリースされました。日本ではホビージャパンから翻訳出版されていますね。

前作のリメイク版『Baldur's Gate II: Enhanced Edition』。今でも根強い人気を誇るシリーズです。

PCゲームの『Baldur's Gate』シリーズですが、1作目はAD&D第2版ルールをベースにした作品で、1998年にリリースされました。1999年には『Baldur's Gate: Tales of the Sword Coast』、2000年には『Baldur's Gate II: Shadows of Amn』、2001年には『Baldur's Gate II: Throne of Bhaal』と立て続けに発売されます。

またコンソール向けには、アクションRPG『Baldur's Gate: Dark Alliance』が2001年、続編が2004年に発売。日本でもPS2で発売されていたので、プレイした方もいるかもしれません(今遊んでも結構面白いです)。

PCゲームの方は、2012年にリメイク版『Baldur's Gate: Enhanced Edition』(以下『BG:EE』)、2013年に『Baldur's Gate II: Enhanced Edition』がリリースされました。また2016年には『BG:EE』の大型拡張DLC『Baldur's Gate: Siege of Dragonspear』が配信されています。

本作は、『Baldur's Gate II: Shadows of Amn』の発売から数えると、実に20年越しのナンバリング新作となります。最新のD&D第5版ルールをベースにした作品とのことですが、いったいどんな作品になったのか。さっそくプレイしていきましょう。

冒険の始まり




ゲームをスタートさせると、どこかの洞窟の中のムービーが流れます。説明やセリフは一切無しですね。女性が拘束されており、そこへタコのような頭部を持つ種族「マインド・フレイヤー(「精神を砕く者」の意味。自らは「イリシッド」と呼ぶ)」が寄生虫を植え付けようとします。寄生虫は眼球から女性の体内へと入っていきました。いきなりグロいシーンから始まりますね。


「次はお前だ」とばかりに、こちらに近づいてくるマインド・フレイヤー。右手には寄生虫を持っています。そして寄生虫はプレイヤーの目の中へと……!


ここでキャラクターメイキングのお時間です。性別や名前、バックグラウンド、外見、種族、クラス、スキル、能力値と、TRPGファンならワクワクが止まらない部分になりますね。

ちなみにD&Dのキャラクターの能力値は、「STR(筋力)・DEX(敏捷性)・CON(耐久力)・INT(知力)・WIS(判断力)・CHA(カリスマ)」の6つからなっており、本作でも同様です。また本作で使えるクラスは、クレリック、ファイター、レンジャー、ローグ、ワーロック、ウィザードの6つです。


いろいろ悩んだ末、「スパくん」を作成。クラスは「戦士」、種族は「ハーフリング」、バックグラウンドは「エンターテイナー」、スキルは「アクロバット・アスレチック・サバイバル」の3つです。なかなか満足いく髪型がなかったので、画像のもので妥協しました。能力値は「STR15・DEX16・CON14・INT9・WIS9・CHA11」と振り分けました。「素早い戦士」といったところですね。


次に思い人の設定だそうですが、決められるのは種族と容姿だけです。種族は、先程捕まっていた女性と同じGithyankiにしておきましょう。戦士として優れた種族とのことです。


キャラクターメイクが終わると、怒涛のムービータイムが始まります。マインド・フレイヤーは飛行船に乗っていたようで、それで町を攻撃し始めました。そこへドラゴンに乗った戦士たちが追いかけてきます。



マインド・フレイヤーは飛行船を別の場所へ転送させましたが、ドラゴンライダーたちは執拗に追いかけてきます。マインド・フレイヤーはさらに別の場所へ飛行船を転送させようとするも、ドラゴンの炎を食らい、もはや半壊状態。捕らえられていた女性は、拘束から解放されるも、船内は炎の海です。


一方、先程寄生虫を植え付けられた我らがスパくんも、拘束から逃れて行動できるようになりました。ここからプレイ開始です。……と思ったら、ちょっと移動した途端、クラッシュしてしまいました。早期アクセスだからなのか、筆者の環境ではクラッシュがちょくちょくありますね。クラッシュ報告してから再起動します。

TRPG要素は健在!



気を取り直して冒険再開。地面を左クリックで、その場所まで移動してくれます。しばらく進むと、床にインプの死体がゴロゴロ転がっていました。調べて見ると、ヒーリングポーションやファイアーボルトの巻物を発見。全部もらっておきましょう。



変な形をした装置をクリックすると、床がエレベータのようにせり上がりました。奥へ行くと、頭蓋を取られて脳みそが剥き出しになった男が座っています。しかもどうやら生きているみたいですし……。結構グロ表現が多いですね。


「やつらが戻ってくる前に、我々を助けてくれ」と脳みそがしゃべっているようです。ここで何をするかの選択ですが、TRPGのようにサイコロによる判定が必要なものもあります。とりあえず脳みそを調べてみましょう。


TRPG恒例のダイスロールです。1D20(「20面ダイスを1個振る」の意味)で11以上出せば判定に成功。振ってみたところ、ギリギリ11でした。その後、さらにダイスロールで脳みそを引っ張り出すのにも成功。DEXに依存するダイスロールでしたが、スパくんはDEXが高いので、ダイスに+3の修正が付きます。


突然脳みそに手足が生え、「我々は自由だ!急いで操縦室に行こう!」とはしゃぎだしました。見た目はグロいのですが、声が可愛く、ディズニー映画で出てくるマスコットキャラクターのようなノリです。「グロ可愛い」というやつでしょうか。


ここで選択肢が、またもやどっさりと出てきました。グロ可愛い脳みそマスコットと一緒に操縦室へ行くも良し、別行動するも良し、攻撃を仕掛けるも良し。何だか愛嬌(?)があるので、一緒に行動しましょう。


移動すると、カサコソとスパくんの後を追ってくる脳みそマスコット。ゴキブリが苦手な人にはかなりきつい動きを見せてきます。何か気味悪くなってきました。本当に信用していいのでしょうか。


脳みそマスコットに話しかけると、いろいろ質問することができます。目の中に入れられた寄生虫のことを聞きましたが、「あれはギフトだ。ギフトはあなたを我々のようにする。あなたはすぐに美しく、パワフルになれる」とのこと。さすがに脳みそだけにはなりたくありませんが……。今どこにいるのかを聞いたところ、ここは九層地獄の第一層「アヴェルヌス」だそうです。


パーティメニューを見てみると、しっかり仲間として組み込まれていますね。初めての旅の仲間が脳みそというのは、ある意味斬新な展開かもしれません。ちなみに能力値は「STR6・DEX14・CON13・INT12・WIS11・CHR10」と、スパくんよりちょっと賢いキャラクターです。

飛行船からの脱出!



脳みそマスコットと共に操縦室を探すスパくん。画面左下のキャラクターアイコンをクリックすれば、操作キャラを変更することができます。それと、炎に突っ込むとダメージを受けるので注意。


道が途切れていますが、画面下中央部にある「ジャンプアクション」アイコンを使用することで跳び越えることができます。スパくんの跳躍距離は6.5mなので、問題なく跳び越せました。この辺り、チュートリアルが無いので、初プレイの方は気付きにくいかもしれません。



しばらく進むと、マインド・フレイヤーに寄生虫を埋め込まれた女性戦士が道を塞いできました。スパくんが寄生虫に支配されていない状態だと気付くと、共に行動するよう提案してきます。体が変異を起こす前に、操縦室へたどり着かなければならないとのこと。ここは手を組みましょう(女性戦士の名前は「Lae'zel」と言いますが、分かりやすいように「女性戦士」のまま続けます)。


道を進もうとすると、さっそく戦闘が発生。3匹のインプが現れました。戦闘はターン制になっており、シームレスで行われます。敵との距離がありますが、弓を使えるので遠距離攻撃でいきましょう。距離の問題で、命中率は90%。見事に当てて、4ポイントのダメージです。

キャラクターには移動力があり、それが尽きるまで移動ができます(攻撃は1回のみ)。できることがなくなれば、ターン終了ボタンを押すことで、次のキャラクターに順番が回ります。


スパくんの弓攻撃でインプを一匹倒し、脳みそマスコットと女性戦士で残りの敵を始末していきます。思ったよりも脳みそマスコットは強く、インプを一匹倒してくれました。


最後の一匹は、女性戦士がとどめを刺しました。本作の戦闘は、第5版ルールに則って処理されています。敵を倒すと経験値が得られ、一定以上になるとレベルアップし、HP上昇やスキルなどが獲得できます(クラスによって違います)。


「Restoration」と書かれている装置を調べると、HPが回復。飛行船に何カ所かあるので、体力が減ったときはこれで回復させておきましょう。本作の戦闘は結構厳しく、一発で即死ということもあります。



甲板に出ると、ドラゴンやらインプやらマインド・フレイヤーやら、複数の勢力が入り乱れて戦っています。今はとにかく操縦室へ急がなくてはなりません。途中で足止めしてくるインプを倒しつつ、道を進んでいきます。


操縦室では、マインド・フレイヤーたちと地獄勢が戦っていました。地獄勢の指揮官が強く、マインド・フレイヤーとの一騎討ちになっています。彼らを相手にしても勝てるビジョンはありませんので、殺し合っている隙に船の操作装置へと向かいます。


操縦装置への道を急ごうとするも、インプたちに足止めされてなかなか住めません。それに地獄指揮官がかなり強く、戦っているマインド・フレイヤーのHPがヤバい状態になっています。


地獄指揮官とマインド・フレイヤーが戦っている側を、脳みそマスコットと女性戦士が突破。スパくんも続こうとしたときに、マインド・フレイヤーが死亡。地獄指揮官はターゲットをスパくんに変え、一撃でスパくんも撃沈。ここでまさかの主人公死亡(?)です。


しかしパーティは全滅していないので、ゲームは続きます。スパくんの犠牲の元、女性戦士が操縦装置にたどり着き、飛行船の転送機能を作動させました。スパくんたちの運命はいかに……。続きはぜひとも自身の目で確かめてみてください。

遊びやすくなったシリーズ最新作


本作は『Baldur's Gate II: Shadows of Amn』から20年ぶりのシリーズ新作ということもあり、グラフィックもシステムも大幅に変更されました。ゲームは初プレイのユーザーでも直感的に分かりやすく、ストーリーも最初からクライマックス状態なので、飽きずにプレイできる形になっています。本作はとにかくストーリーが面白いですね。

戦闘やダイス判定についても、しっかり第5版ルールに則って処理されており、TRPG感も健在です。今回試していませんが(試す相手がいませんが)、オンラインでのマルチセッションも可能なので、フレンドとプレイするのも楽しいかもしれません。

スパくんの勇姿。新たな旅の仲間もどんどん加わっていきます。

現在早期アクセスということもあり、プレイ中にフリーズしたり、地形に引っ掛かって動けなくなったりというのが何度かありました。そのため、こまめにセーブを取ることをおすすめします。それとロードが異常に長い場合がありますが、分単位で待てば進行することがあるので、焦らないでしばらく待つといいでしょう。この辺りはパッチで改善されていくと思います。

本作は日本語サポートは無く、前作以上にストーリーを楽しむ内容になっているため、英語は読めた方がいいとは思います(何となくでプレイできないこともありませんが)。『ディヴィニティ:オリジナル・シン 2』が日本語サポートされた実績があるので、本作の日本語版も期待しておきましょう。



製品情報


『Baldur's Gate 3』


開発・販売:Larian Studios
対象OS:Windows、MacOS
通常価格:6,990円
サポート言語:英語、フランス語、ドイツ語、中国語(簡体字)、スペイン語、ポーランド語、ロシア語
ストアページ:SteamGOG.com


■筆者紹介:渡辺仙州 主に中国ものを書いている作家。人生の理念は「知られていない面白いもの」を発掘・提供すること。歴史・シミュレーションゲーム・ボードゲーム好きで、「マイナーゲーム.com」「マイナーゲームTV」を運営中。著書に「三国志」「封神演義」「西遊記」「封魔鬼譚」(偕成社)、「文学少年と運命の書」「天邪鬼な皇子と唐の黒猫」(ポプラ社)、「三国志博奕伝」(文春文庫)など。著者Twitter「マイナーゲーム.com」Twitter
《渡辺仙州》

歴史・シミュ・ボドゲ好き 渡辺仙州

主に中国ものを書いている作家。人生の理念は「知られていない面白いもの」を発掘・提供すること。歴史・シミュレーションゲーム・ボードゲーム好きで、「マイナーゲーム.com」「マイナーゲームTV」を運営中。著書に「三国志」「封神演義」「西遊記」「封魔鬼譚」(偕成社)、「文学少年と運命の書」「天邪鬼な皇子と唐の黒猫」(ポプラ社)、「三国志博奕伝」(文春文庫)など。

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