最新ゲームが毎日大量にリリースされる昨今。メーカーやストアのゲーム紹介だけでは「どんなゲームかわからない!」とお嘆きのGame*Spark読者も多いのではないでしょうか。そこで“なるべく早く”をモットーに、ゲームの生の内容をお届けするのが本企画「爆速プレイレポ」となります。
今回はTeam WIBYが開発を、Devolver Digitalがパブリッシャーを担い、2021年06月22日にSteamにてPC(Windows)向けに早期アクセスリリースした神殿攻略アクションアドベンチャー『Phantom Abyss』について生の内容をお届けしたいと思います。
『Phantom Abyss』とは?
本作は、“聖なるレリック”入手を目標に、神殿に捕らわれた冒険家として、罠満載の各部屋を突破し、守護神の怒りをかいくぐって最奥を目指すアクションアドベンチャー。
言語は日本語対応。操作はキーボード&マウス、またはコントローラーが使用可能。筆者は今回の執筆にあたりXbox Oneコントローラーを無線接続しています。FPS視点で足場の悪い部屋を駆け抜け、罠をひらりと躱し、敵から逃げながらもガンガン移動するパルクールアクションは実に爽快。さっそく紹介してまいりましょう。
特徴的なマルチ要素
本作の特徴はマルチ要素にあります。ここでいうマルチとは非同期型のことで、PvPのような対戦スタイルではなく、自分がいるマップに他プレイヤーの動きが“幻影”として表示されるのです。近いもので例を挙げるなら、ソウルシリーズにおいて他のプレイヤーの影が見えるのと似ていますね。
また各神殿のマップは毎回新しく自動生成されるため、プレイヤーが挑めるのは1回限りというのもあります。クリアまたはゲームオーバーになると同じ神殿は二度とプレイできなくなります。故に、神殿を制覇できるプレイヤーは世界にただ一人という表現に重みが出るのです。個人的には、このプレイヤーと神殿によるサシの真剣勝負こそ本作最大の魅力でもあると感じます。
泣いても笑ってもチャレンジは1回だけ……この程よい緊張感が良いスパイスになるおかげで、幻影と一緒に皆でワアアアーッ!と全力疾走を楽しむという非常に面白いプレイ体験がいっぱいでしたからね。
神殿攻略の流れ
さて説明も兼ねてチュートリアルを受けましょう。一度しか挑戦できない神殿の最奥に眠るレリックを求めていざ行かん。
スーパーシンプル操作
改めて操作説明ですが、走る、ジャンプ、しゃがむ/スライド……これだけです。後ほど入手する装備の使用もあるものの、極めてシンプルなのが本作の良いところ。
また高所から落下時、着地のタイミングでボタン操作すると受け身も取れます。
ただし失敗するとダメージが。
チュートリアル中はアイコン表示が無いのですが、本番では画面左上に体力ゲージとしてハートマークのアイコンが並びます。ダメージによりハートが減っていき、それがすべて無くなると死亡。神殿から蹴りだされます。
スーパードッキリ罠
そのため神殿内で飛んだり跳ねたりする際はケガによる被ダメージが無いよう注意してを全力疾走しましょう。おらおらパルクール冒険者のお通りじゃあ!
……っぶねぇ!!
突然の針山がジャキン!と串刺しに来ました。もちろん刺されば全身ナランチャ……じゃなかった、ダメージを受けてしまい最悪トドメになります。
このように神殿には様々な罠やギミックが仕掛けられており、インディジョーンズめいた内装も相まって非常に雰囲気が出ています。しかし筆者がプレイ時は、どちらかというと「あぁ!やっべ!やべやべやべやべ!」と声が漏れるトレジャーハンターの方になっていました。
スーパー便利な鞭
でました、本作における最強の便利道具。このアドベンチャーウィップは、オブジェクトをたたいて壊すだけでなく、壁などを狙ってひっかける“グラップル”を行うことによって、スパイダーマンよろしく空中移動ができるようになります。
このように通常はたどり着けない場所にもジャンプと組み合わせることで……、
こうして移動できます。
スーパー安全にレリックゲット
斜面でスライディングすると移動が速くなります。これを利用しつつジャンプとグラップルに繋げて宙を舞うことで、割とどんな無茶なルートでも行けてしまいます。
受け身さえ忘れなければ、神殿内のギミックによる被ダメージは最小限に抑えられることでしょう。
こうしてレリックをゲット。以降のチャレンジも基本的にはこの流れになります。
このゲームの目的
あらためて、このアビス神ボダッハから説明を受けます。我々は閉じ込められており、ここから脱出するためにレリックを一定数集めて来いとのこと。
神様の頼みは聞くもんです。いざ神殿の最深部へ突撃しましょう。
チャレンジ1回目
ポイズンマスク……?キン肉マンあたりの世界に登場しそうですが、それが今回の守護神のようです。
続けて出されるこの神殿での死亡者数。6名ですか、割と難易度の高いマップなのかもしれません。心してかかりましょう。
おお、開幕と同時に青白い幻影たちが我先にと走り出しました。彼らはここで命を散らした冒険者の記録。その残り香です。とりあえず彼らを先に行かせることで死亡ポイントを把握、回避しながら進んでまいりましょう。
……と、思ったらあっという間に誰もいなくなった。これでは何の参考にもならないので筆者も走ります。
おやおや床の一部に血痕っぽい模様が見えたのでどうせ罠なんだろう?と鞭でパッシィーン!したら……
案の定、針山でした。
先ほどのチュートリアルでも感じましたが……針山の設置場所は大変いやらしい位置にあり、しばしば勢い余って突っ込んでしまいます。死が目の前に迫っているのに、周囲の景色がゆっくり流れて、逃れられない運命を受け入れるという、じっとりとした時間を楽しめること請け合い。
ここも床の色が明らかに他と異なったので、あえて踏みとどまって確認したところ……、
時間差で足場が消える罠でした。もたつけば即落下。
ところで画面左上のハート型体力ゲージのさらに下、四角のアイコンと15という数字があります。これは金貨と所持枚数を示しており、金貨は画像のように“普通の箱”や壺などのオブジェクトを破壊することで入手できます。
金貨の使い道
金貨は、使用することで神殿攻略を楽にしてくれるというメリットがあります。例えば画像のように隠し通路が解放されるなど。罠や落下によるダメージを心配せず、次の部屋まで移動できるため便利。
また、このような祠があるセーフルーム(?)では、金貨と引き換えに加護を受けてパワーアップも可能です。さて今回はどんな加護があるのか……
先ほど隠し通路を開けたせいで金貨が足りません。
……祠に八つ当たりの数発を当てて女王様プレイをしたのち、守護神がいる下層へ進みます。
VS守護神
ポイズンマスクとは、やはり守護神のことでした。
画面の内容から、毒ガス弾をまき散らすタイプの攻撃をしてくるようです。さっきの扉に掘られていたような顔なのでしょうか。
幻影たちとスタートダッシュしていると、そのまんまな顔が登場。ふわふわ漂って攻撃をしてきますが大丈夫。毒ガス弾なんて当たらなければどうということはありません。
どうということあった。
一瞬で体力を持っていかれて死亡してしまいました。
チャレンジ2回目
いつだって初めての経験は衝撃を伴うものです……いや予測があるなら教えてくださいよこのアビス神。メイドインしてやりますよ。
見たところ死亡すると金貨を失っていますが、取得した装備はきちんと手元に戻ってくるようです。画面右上のアイコンは、察するに4種類のレリック所有個数ということでしょうか。
ともあれ再チャレンジです。今度は絶対クリアしてやりますよ。
……っぶねえ!!
鍵の存在
たまに部屋の扉に鍵がかかっていて、先に進めないということが。そういう時はこのようなキン〇マ状の鍵を先に入手しておく必要があります。
鍵をハメ込むことで扉の紋様が光り開錠されます。このそれぞれのシンボルにも何か意味がありそうですね。
VS守護神アゲイン
ありがたいことに加護を貰えたので体力ゲージを一つ増やしています。それまでにハートを一つ失っているので、結局のところプラマイゼロで元の状態に戻っただけではありますが……。
今回の守護神は、この青い顔のデボアーレイジ。攻撃というより追いかけてくるそうです。
おそらく捕まったらゲームオーバーだと予測されるので、罠に気を付けつつ神殿を走り抜けましょう。
……って、こっわ!
表情もそうなのですが、どんなに遠くへ逃げても輪郭が透過表示され、しかもジリジリと距離を詰めてくるのが地味に殺意高すぎて怖い。絶対に殺してやるという強い意志を感じます。
直接攻撃してこない分ラクじゃーんとか呑気に構えていた数十秒前の自分を殴りたい……等速かつ直線的に距離を詰めてくる分、こちらの操作やルートチョイスのミスがそのまま距離のロスに繋がってしまい、割と簡単に追いつかれます。
そしてうっかり袋小路めいた場所でグラップル失敗してしまった筆者。そこにじっくり近づいてくる守護神。
こわいこわいこわいこわい!!!こわいから!!!こわいかr…………!!
ああああああああああああ!!!
チャレンジ“n”回目
この祠野郎~~~……今回も金が足りないとかで加護をケチってきたな……!と八つ当たりの鞭を浴びせる筆者。
その後も何度も挑戦しましたが、結局守護神の攻撃とプレッシャーに気持ちで負けてしまい死を繰り返しています。画像や公式のトレイラー映像みてもピンとこないかもしれませんが、実際にプレイすると、守護神は本当に心臓を掴んでゲッソリとさせてくるプレッシャーがすごかったですね。
おわりに
繰り返しになりますが、早期アクセスにもかかわらず、割と大はしゃぎで遊べてしまう本作。全く異なる種類のタイトルであることは重々承知していますが、個人的には『Fall Guys: Ultimate Knockout』などのパーティゲームで、わけがわからないまま死んでいくあのお祭り騒ぎに近い楽しさかもしれません。
またそれとは別に、アクション操作を磨くことでタイムアタックめいたプレイスタイルも極めていくことができそうです。強いて惜しい点を挙げるとするなら、罠が幻影にも反応してしまう点。そのため幻影たちと消える床の上を一緒に走ろうとしたら、巻き添え食らって落下してしまうなどありました。あと個人的には、主人公のスキルアップに、「鞭を空中でも無制限に使用できる」ような要素を入れてくれたら嬉しいと感じます……!
対応機種:PC(Windows)
記事におけるプレイ機種:PC(Windows)
発売日:2021年06月22日
記事執筆時の著者プレイ時間:2.8時間
価格:通常価格 2,570円、セール価格 2,056円(21年07月09日まで)