気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Lunar Software開発、PC向けに12月4日にリリースされた一人称SFホラー『ROUTINE』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、廃墟の月面基地が舞台の一人称視点SFホラー。場所名を伝えるマーカーは登場せず、プレイヤーは足を止め、周りを観察し、念入りに調べ、データを精査して自分自身で進むべき道を探し出さなければならないのが特徴。発表から発売まで約13年かかったことも話題になりました。日本語にも対応済み。
『ROUTINE』は、2,800円で配信中。


――まずは自己紹介をお願いします。一番好きなゲームは何ですか?
Aaron私の名前はAaron Fosterです。イギリス出身で、『ROUTINE』のプロジェクトリード、リードアーティスト、リードデザイナーを務めています。
好きなゲームをひとつに絞るのはとても難しいので、10本挙げさせてください(ごめんなさい)。
初代『シェンムー』
『ワンダと巨像』
初代『Quake』
初代『DARK SOULS』
初代『サイレントヒル』
初代『バルダーズ・ゲート』
『GOD HAND』
『ストリートファイターIII 3rd STRIKE』
初代『System Shock』
『ガーディアンヒーローズ』
――本作の特徴を教えてください。また、そのアイデアはどのように思いついたのでしょうか?
Aaron『ROUTINE』を面白いものにしている理由のひとつは、コンピュータが発する音から、携帯型CRTデバイス「C.A.T.」に現れる磁気干渉(もちろん消磁もできます)に至るまで、「アナログ技術」というテーマをとことん追求している点にあると思っています。
また、現代のゲームによく見られる「手取り足取り」な要素をあえてなくし、すべてをゲーム世界の中で完結させる、という方針を徹底しました。『ROUTINE』には、行き先を示すウェイポイントや、画面上に表示されるガイドは一切存在しません。
ただし、これを成立させるまでの道のりは非常に困難で、膨大な量のプレイテストと試行錯誤を重ねる必要がありました。
――本作の開発にあたって影響を受けた作品はありますか?
Aaron影響を受けた主な映画は、「2001年宇宙の旅」、「エイリアン」、「アド・アストラ」です。ゲームだと、『System Shock』、『WHITEDAY~学校という名の迷宮~』、『DOOM 3』から影響を受けています。
ただ正直なところ、強い雰囲気、現実味、そして緊張感を備えたあらゆるメディアが、何らかの形で本作に影響を与えています。特に1970~80年代の映画には、今なお私が探求したいと切望してやまない、独特の質感やトーンがあると感じています。

――本作の開発中に一番印象深かったエピソードを一つ教えてください。
Aaronひとつの瞬間を挙げることはできませんが、重要な期限に間に合わせるため、全員が極限まで働き、疲れ果てながらも全力で踏ん張っていた時期は何度もありました。私が最も懐かしく思い出すのは、まさにそうした瞬間です。『ROUTINE』を特別な作品にするという、ひとつの目標に向かって、チーム全員が力の限りを尽くして本当の意味で結束していた時間でした。あの頃が懐かしいです。
――リリース後のユーザーのフィードバックはどのようなものがありましたか?特に印象深いものを教えてください。
Aaron発売後の反響は本当に素晴らしいものでした。正直なところ、評価は賛否両論になるのではないかと思っていたのですが、実際には予想を遥かに超える多くの方が、『ROUTINE』で私たちが選んだ方向性に共感し、評価してくれたのです。
また、『ROUTINE』における「手取り足取りしない」というデザインを楽しんでくれた人が、想像以上に多かったことにも驚きました。中には「大人として扱ってくれてありがとう」と言ってくれた方もいて、それがとても面白く感じられましたね。
――ユーザーからのフィードバックも踏まえて、今後のアップデートの方針について教えてください。
Aaron『ROUTINE』の現在の形にはとても満足しているため、現時点では大規模なコンテンツアップデートを行う予定はありません。少なくとも、今のところはです。
ただし、快適性の向上や不具合修正については、今後も継続して対応し、そのような形ではサポートを続けていく予定です。
――本作の配信や収益化はしても大丈夫ですか?
Aaronもちろんです。ぜひあなたの体験を配信、シェアしてください!
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Aaron日本のアニメ、マンガ、そしてゲームは、私が成長していく過程の中で大きな部分を占めてきましたし、今でも変わらずそうです。「AKIRA」や「強殖装甲ガイバー」、「北斗の拳」を観たり、「ジェノサイバー」や「デビルマン」を読んだりしましたし、私の好きなゲームトップ10のうち、実に7本は日本の作品です。
日本のメディアがなければ、私は決して今のようなクリエイターにはなれていなかったでしょう。だからこそ、日本のプレイヤーの皆さんが『ROUTINE』を遊び、楽しんでくれていることを知り、心から嬉しく思っています。
私たちのゲームについて読者の皆さんにお話しする機会を頂けたこと、感謝いたします。
――ありがとうございました。


◆「注目インディーミニ問答」について
本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に900を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。








