人々を導きライバル神に勝利する“神ゲー”『Fata Deum』体験版プレイレポート―ゲーム性はいいものの不親切さが惜しい一本【Steam NEXTフェス】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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人々を導きライバル神に勝利する“神ゲー”『Fata Deum』体験版プレイレポート―ゲーム性はいいものの不親切さが惜しい一本【Steam NEXTフェス】

往年の神ゲームにインスパイアされたという本作。日本語対応済み。

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人々を導きライバル神に勝利する“神ゲー”『Fata Deum』体験版プレイレポート―ゲーム性はいいものの不親切さが惜しい一本【Steam NEXTフェス】
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Valveは、ゲームプラットフォームSteamにて2月22日から3月1日まで「NEXTフェス」を開催中です。イベント期間中は、今後登場するゲームの体験版の配信や開発者によるライブストリーミングが楽しめます。

しかし、配信される体験版が数百を超えるこのイベント、一週間という期間ではとても遊びきれるものではありません。そこで、Game*Sparkではイベントで体験版を配信中の作品から気になるものをピックアップして紹介します。

今回は、パブリッシャーHooded Horse、デベロッパー42 Bits Entertainmentの街づくりシミュレーション『Fata Deum』体験版を紹介していきます。

“神ゲー”こと『Fata Deum』とは!

本作は、往年の神ゲームの数々にインスパイアされたというシングルプレイのストラテジー。プレイヤーは世界の神となり、ライバルの神より多くの信仰を集めるため、奇跡を起こしながら導いていきます。

今回の体験版では、最初の数日間のみプレイ可能。日数的な縛りがあるためできることには限りがありますが、現時点で基本的なゲームプレイ部分のほぼ全てが実装されているようです。また、体験版の時点で日本語にも対応しています。

ゲームを開始すると、まず主人公の使いである「インプ」が登場します。インプはチュートリアルキャラクターとして、ゲーム画面の見方や基本操作、本作の基本概要などを教えてくれます。なぜ神の使いでインプが?と思ったのですが、開発元の42 Bits Entertainmentのあるドイツの古い民話では、神の使いとして登場することもあるようです。

ちなみにインプの登場時に名前を入力するのですが、テキストボックスなどはでないので注意しましょう。その場でキーボード入力すればOKです。とりあえず今回は使い魔の名前を「spa」にしました。なんか姿形のイメージが固定された気がする。

人々の信仰を集めろ!あなたは善神、悪神?

さて、いよいよ神としての仕事が始まります。本作の目的は「ライバルの神よりも多くの信徒を集める」こと。ゲームは昼と夜の2つのフェイズに分かれており、昼は地上に住んでいる人間に影響を与えて「信徒」を増やすのが主な仕事です。世界には複数の集落が用意されており、最初は何も信仰していない人間たちが生活しています。

人間を信徒にするためには、信仰心を変化させなければなりません。本作の神は善も悪も兼ね備えた存在で、人々の信仰を得るために「愛の布教」「恐怖の刻印」という2種類の方法を選択可能。愛、もしくは恐怖を与えられた人々は信仰心が変化し、一定以上になることでプレイヤーの信徒へ変化します。人々に力を与えたり、恋をさせて人口を増やすことも可能です。

信徒は「マナ」や「信仰」などのリソースを生み出してくれます。特にマナは布教や奇跡に使用するほか、後述する集落を導くためにも使用する、本作の行動力に該当するような重要リソース。なるべく序盤は信徒を増やすのを意識しましょう。ちなみにフィールド上に隠された古代遺物を見つけてもマナは回収できます。

また、信徒からの「〇〇に奇跡を与えてほしい」などの願いを叶えることで、プレイヤーに“祈りポイント”が与えられます。信徒数と祈りポイントが一定数になれば神レベルがアップし、新たなスキルや「資源を人々に与える」といった奇跡を起こせるようになります。この辺はチュートリアルでも学べるほか、ゲーム内マニュアルでも確認可能です。

こうして昼は信徒を増やしながら、マナや信仰などのリソースを集めていきましょう。

人々を導き集落の方向性を導け!

夜になると、プレイヤーは信徒の住む集落へ「建築物の指定」「集落の方向性の指定」の2種類の指示を行えるようになります。夢を見せて導くという設定なのがとても素敵です。

建築には一般建築と補助建築があり、1つの集落で同時に2つまでの建築指示が可能。建築物には信仰アップの「神殿」、生産力アップの「農場」「製材所」、戦闘力アップの「兵舎」など、さまざまな種類が存在します。また、土地によっては「採石場」などの特別な建築物も用意されています。

建築指示には「マナ」を消費するほか、一部の建物には昼間に獲得した陽/陰のパワーが必要です。例えば製材所を作るためには「善50」が必要になるため、もし建築させたい場合は昼間に意識して信仰心を集めておかなければなりません。また、建築には木材などの資材と人材派遣が必須です。

「集落の方向性の指定」では資源を集める、他の集落に対して資材を提供するなど、さまざまな指示が行えます。また、近くの集落を襲うなどの戦闘指示も可能。本作の目的は「ライバルの神よりも多くの信徒を集めること」なので、敵対する信徒を減らすのも一種の戦術なのでしょうね。

戦うなら兵舎はほしい。

夜にマナを回復させる手段はないので、複数の集落を一度に導きたい場合には、上手なリソース管理を行いましょう。また、信徒が多い集落では指示のためのマナ消費量が減るのも覚えておくと便利です。

非常に面白いゲーム性、しかし問題点も

本作は昼と夜それぞれのフェイズを繰り返し、世界を導いていくのが基本的な流れです。もちろん、ライバルの神も同じようにレベルを上げて集落を広げていくため、相手を妨害することも重要な戦術です。

体験版では本格的な妨害を行えるほどゲームを進めることはできなかったのですが、相手の信徒を改宗させてしまうことは可能でした。信徒が減ることでマナの生産量減衰、建築コストアップなどのデメリットが生じるため、単純に相手の行動力を落とすための戦術としては有用だと思います。

プレイしていて面白かったのは、ライバルの神が発生させた戦闘に介入できたことです。相手の信徒に対して雷を落としてダメージを当てる、相手側を回復させる、戦闘中に愛を布教して改宗させるなど、マナがある限り結構な無茶をできるのは本作の醍醐味です。

神です。無駄な争いはやめなさい。
マナ消費量はさまざまな要因で上下します。

ただし、現在の体験版だと全般的なUIが非常に使いづらいのが大きなマイナス点。マップの移動がやりづらい、どこに人間がいるのかすぐわからない、ステータス画面の内容が一見してわからないなど、情報量が多い本作だけに不親切な印象を受けます。

チュートリアルの内容も分かりづらいうえ、何度か指定のオブジェクトが埋まって進まないこともありました。一応本作には検索可能なヘルプ(英語)もあるのですが、これもあまり細かい情報が書かれていない上、ゲーム内から即時アクセスできないので微妙に不便なのも改善してほしい部分です。『シヴィライゼーション』シリーズの「シヴィロペディア」がどれだけ優秀なのかわかるなあ……。

ヘルプ自体は便利ではあるのですが。

ゲーム本編の日本語翻訳はそれなりにしっかりしているのですが、そもそもゲームデザインとして情報量と説明のバランスが悪く伝わらない部分が多すぎるのも考えもの。体験版のプレイ時間だと、さまざまな奇跡の効果が本領を発揮する前に終わってしまうのももったいない部分です。

ここだけでも情報が三つのリングに分かれている。
建物が不自然な配置になるのも直るといいなあ。

ここまで紹介してきた『Fata Deum』体験版。神として信徒を増やしながら人々を導き、ライバルに勝つというゲーム性自体はとても面白く感じます。善と悪の力を駆使できるため、攻略方法も平和なものから血なまぐさいものまで幅広く選べそうです。

しかし、プレイしているとUIやチュートリアルの不親切さがどうしても際立ってしまいます。特にフィールドが移動しづらい、オブジェクトが見づらいのが個人的には致命的。一応全体マップ画面から集落にはすぐアクセスできるのですが、資源集めや遺物探しにはとにかくストレスを感じるのは改善してほしい部分です(報告済み)。

画面表示を引けば多少は見やすくなるのですがオブジェクト発見は困難。

体験版終了時にはフィードバックページに自動的にリンクされるほか、Steamフォーラムでも積極的にユーザー意見に耳を傾けるなど、開発チームが改善に意欲的なのは非常に好印象。ゲームの世界観やルールなどは間違いなく面白い作品のため、今後のアップデートに期待したい作品です。

『Fata Deum』は、Steam向けに2022年リリース予定です。


《Mr.Katoh》

酒と雑学をこよなく愛するゲーマー Mr.Katoh

サイドクエストに手を染めて本編がなかなか進まない系。ゲーマー幼少時から親の蔵書の影響でオカルト・都市伝説系に強い興味を持つほか、大学で民俗学を学ぶ。ライター活動以前にはリカーショップ店長経験があり、酒にも詳しい。好きなゲームジャンルはサバイバル、経営シミュレーション、育成シミュレーション、野球ゲームなど。日々のニュース記事だけでなく、ゲームのレビューや趣味や経歴を活かした特集記事なども掲載中。

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