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「TRPG」「クトゥルフ神話TRPG」「CoC」ってなに?SNSでよく見かける非電源ゲームの基礎知識

「TRPG」「CoC」SNSでよくトレンドに入っているこれらの言葉。どんなゲームか貴方は知っていますか?知っている人も知らない人もTRPGについて改めて知ってみましょう。

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ここまではTRPGはどの様なものであるかという基本的なお話をしていきました。そして、ここから具体的な話、実際遊ばれているものはどういったものかを説明していきます。

そう、現在の日本で一番遊ばれているTRPGである「CoC」についてです。


クトゥルフ神話TRPG(CoC)とは

『クトゥルフ神話TRPG』とは1981年にアメリカから初登場したTRPGのシステムの1つになります。

TRPGにおけるシステムとは、例えるならコンピューターゲームでのゲームソフトに該当します。そのため、システムが変わればルールブックやルールも変わります。

正式名称は『Call of Cthulhu(クトゥルフの呼び声)』であり、単語の頭文字である「CoC」が略称として広まっています。

ただし、日本の翻訳版では2004年より『クトゥルフ神話TRPG』と改題されており、日本の正式名称の呼び名はこちらで現在浸透しています。

なお、わかりやすく略称にしやすい英単語がタイトルに含まれているため、本作を指して「TRPG」と呼んでしまう方もいるかもしれませんが、余計な混乱等を招きやすいため、避ける方が無難です。

さて、『クトゥルフ神話』の世界観は一言で言えば宇宙的恐怖(コズミック・ホラー)を題材にしたものと言えます。未知の恐怖に対し「探索者」と呼ばれるプレイヤーはその恐怖を克服する、もしくは命を守る為に戦う、あるいは逃げ出すなどなど…

まさにホラー映画の様な体験をTRPGで楽しむことが出来るシステムと言えます。

クトゥルフ神話TRPGがなぜ今流行しているのか

発売当初から2010年頃まで、『クトゥルフ神話TRPG』は日本での知名度は決して高くなく知る人が知るシステムという扱いでした。この当時日本で遊ばれていたのは『ソード・ワールド』等であり、この『クトゥルフ神話TRPG』も遊んでいる人は少数だったのです。

変化があったのは2010年を過ぎた頃からです。ゆっくり達のクトゥルフの呼び声TRPGなどをはじめ、ニコニコ動画で人気の版権キャラクターを用いた体の『クトゥルフ神話TRPG』のプレイ風景を題材にした動画が多くアップロードされ人気を博しました。

また、同時期のタイミングで「クトゥルフ神話」を題材にしたアニメ『這いよれ!ニャル子さん』が登場しました。これに加え元からコアゲームの中にクトゥルフ神話をモチーフにしたゲームがあった為下地もあり、その結果クトゥルフ神話及び『クトゥルフ神話TRPG』は今までTRPGをプレイしなかった層に伝わり、一気に人気システムの1つに躍り出ました。

さらに人気ゲーム(『Fate/Grand Order』等)にも『クトゥルフ神話』をモチーフにしたキャラクターが登場し、そのイメージは強く定着し続けました。

そこに加え、近年では同人での絵描きの人やキャラクターになりきる人達が自分の描いた理想のキャラクターやゲームやアニメで出て来たキャラになりきって遊ぶ題材としてTPRG、

特に『クトゥルフ神話TRPG』が選ばれるようになりました。

また、今日では日本における絵描きへの有料コミッションの普及により、より多くの人間が「オリジナルキャラクター」のビジュアルを手に入れられるようになったのも拍車をかけたのかもしれません。

いずれにしても、そうして人気がさらなる人気を呼び、今では『クトゥルフ神話TRPG』は日本国内において最も遊ばれているTRPGとなっていったのです。

クトゥルフ神話TRPGの楽しいところ

筆者が現在思う『クトゥルフ神話TRPG』の楽しい点として、大きく2つに分けられると考えています。

1つ目は「PCを作りやすくイメージしやすい点」。プレイヤーが制作するキャラクター、探索者は私達と同じ人間であることが殆どです(物語によっては例外もありますが)。

その為、キャラクターの造形が想像しやすく作成が容易になりやすいのは大きなメリットです。

TRPGのキャラクター作成は自由度が高い分、作る際にどの様な設定にするか悩みがちです。そこに加え、ファンタジー要素が加わると、ルールが指定する世界観によっては(今すぐ中華風世界の仙人を作れ、とか言われてできる人も少ないでしょう)、より想像がしづらくキャラクター作成に大きく悩むことも多いです。もちろん、キャラクターの背景を設定しつくすことはルールにおいては大抵不要なことですが、それでもゲームへの没入感には大きな影響を与えます。それが排除されるのは初心者にとって有り難いと言えます。

2つ目は豊富なシナリオ(物語)が存在すること。

「Booth」や「Pixiv」などで『クトゥルフ神話TRPG』と検索すれば大量のシナリオ(物語)を見つけることが出来ます。中には有料のものも存在しますが、非常に完成度の高いものもまた多く存在します。

TRPGを遊ぶために、GMはプレイヤーが遊ぶ舞台や設定を用意しなくてはいけませんが、これがかなりの手間。かと言って準備をせずに遊ぼうとすると全てその場でのアドリブになってしまう為、これもまた非常に大変です。

しかし他のサイト等でシナリオ(物語)を見つければ自分で物語を考える必要はありません。中には物語の臨場感を増す様な画像など予め用意してくれているものもあります。そういったこともあり、GMもプレイヤーも多種多様の物語を遊びやすいという土壌が出来上がっています。

現在人気のシステムだからこそ実現可能な環境であると言えるでしょう。

筆者の個人的推しTRPGシステム

先程システムはコンピューターゲームでいうソフトとお伝えした通り、TRPGのシステムは『クトゥルフ神話TRPG』以外にもそれこそ星の数ほど存在します。

ここからは、筆者の推しTRPGセレクションを紹介していきます。

ソード・ワールド2.5

1989年に発売され、国産のTRPGの中で最も売れたとも言われるシステムです。バージョンアップを何回か繰り返し、現在は『ソード・ワールド2.5』と銘打たれています(略称はSW2.5)。

なお、最初に出た『ソード・ワールド』は20年の長きに渡ってゲームシステムのバージョンアップを繰り返すほど長寿かつ人気の作品でした。その為、国内で最も普及した国産TRPGとも呼ばれています。

その後、世界観とルールを一新したのが『ソード・ワールド2.0』、そして現在の『ソード・ワールド2.5』となります。なので、『ソード・ワールド』と『ソード・ワールド2.0』『ソード・ワールド2.5』は全くの別世界となっています。

そして『ソード・ワールド2.5』は典型的なファンタジー要素が詰め込まれており、プレイヤーは冒険者の一人として未知の遺跡や魔物、時には村や街の依頼をこなして仲間と共に冒険を進めていきます。

『ドラゴンクエスト』が好きな人にはとてもイメージしやすくおすすめです。

エモクロアTRPG

ぱぱびっぷ氏とまだら牛氏による企画ユニット“ダイスタス・チーム”が制作したシステム。内容としては先に紹介した『クトゥルフ神話TRPG』と同様ホラー要素が強いものです。しかし『クトゥルフ神話TRPG』に比べ、よりカジュアルかつシンプルに遊びやすくブラッシュアップされています。

またルールブックがサイトに配布されている為、誰でも完全無料で遊ぶことが出来るのも特徴。TRPGを体験したいけどお金をかけたくないという人におすすめ。

サイバーパンクRED

名前を聞いてピンと来る人も多いはず。本作はPS4/PS5/Xbox One/Xbox Series S|X/PC用オープンワールドRPG『サイバーパンク2077』の元となったTRPG『サイバーパンク2.0.2.0』の最新作です。実は『サイバーパンク2077』はTRPGが原作となっているのです。

本作は『サイバーパンク2077』の約30年前である「赤の時代」を舞台に、裏の仕事を請け負う「エッジランナー」となって巨大都市ナイトシティを冒険していきます。

キャラクターシートを見ると『サイバーパンク2077』をプレイしている人であればニヤリとする表現もされていたり、『サイバーパンク2077』で明かされなかった物語を補完するストーリーも掲載されていたりと、本作の世界観が好きな人であればぜひ手に取って欲しいシステムです。直近で電子書籍も発売されたので、すぐに読めます。


ストリテラ

記事執筆時点で発売から一ヶ月も経過していない、今話題のシステム。

物語のネタバレがシステム上存在せず、キャラ作成もルールも非常に単純。

2面性のあるキャラクターを作成し、他のキャラクターとその場で物語を作り上げていく劇場型のシステム。世界観もホラーからシリアスなもの、さらにはラブコメまで何でもござれ。筆者の今イチオシのシステムです。

コントローラーを置いて会話を楽しむ

TRPGは人とのコミュニケーションが一番大切なゲームジャンルです。なので、サイコロの出目の結果キャラクターが残念なことになったとしても、その課程や結果を皆で楽しむことができれば、それもTRPGの楽しみ方の1つです。

時にはコントローラーを置いて、少し勇気を出して人と会話する時間と楽しさをTRPGを通じて感じ取って欲しいです。

また、現状では一緒に遊ぶ相手がいなかったとしても、『サイバーパンクRED』の様に作品の世界観をより深める為の読み物としても、またルールのもとで展開する想像上の冒険を楽しむ遊びとしても、TRPGのルールブックは秀逸なものが多いです。文字を読み世界観を自分で想像したい、TRPGのルールブックをそういった目的のために手にとってみるのも良いでしょう。

※UPDATE(2022/4/17 18:58):本文中CoCの名称変更時期を修正しました。ご指摘ありがとうございます。


《げーまー哲》

焼きうどんが大好きなVtuberライター げーまー哲

2020年7月からVtuber活動開始。 普段はTRPGや音楽ゲームの配信を中心に活動。 それと同時にライター・ゲーム開発・同人活動を並行するマルチプレイヤー。 焼きうどんが大好きで、月の昼食の2/3は焼きうどんしか食べない。 世に出たゲームハードを多数所持しており、いずれ全てのゲームハードを所有するのが夢。

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