『ELDEN RING』で初めて触れた死にゲー。アクション苦手アラフィフゲーマーは『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』もクリアできたのか!? 3ページ目 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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『ELDEN RING』で初めて触れた死にゲー。アクション苦手アラフィフゲーマーは『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』もクリアできたのか!?

噂に違わぬ名作。でも……

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『ELDEN RING』で初めて触れた死にゲー。アクション苦手アラフィフゲーマーは『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』もクリアできたのか!?
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トロフィー獲得から読み取る「人を選ぶ」

「人を選ぶ人を選ぶと言いますが、それって貴方の主観ですよね?」と言われると正にその通りなので、筆者が所持しているいくつかのゲームの節目節目でのトロフィーの獲得率(PS版を参照)からどの段階でどのくらいプレイヤーが脱落しているのかを比較してみました。(以降の数値は全て記事執筆時(2022年4月時点)のものです。)

対象としたのは「死にゲーグループ」として『ELDEN RING』『SEKIRO』、 比較対象として、クリアまでに大きな障壁がなさそうな「JRPGグループ」を設定し『英雄伝説 黎の軌跡』『テイルズオブアライズ』の2作品をチョイスしてみました。

トロフィーボスや、章の節目など、ゲームの進度を横軸方向に、縦軸ではその段階でのトロフィー獲得率をとっています。横軸は各作品で厳密に進度をあわせたものではないのでだいたいの進度の目安としてみてもらえればと思います。JRPGの2作はクリアトロフィー、『SEKIRO』は数値が高い方のラスボス撃破トロフィーを最終の数値にしています。『ELDEN RING』の後半はまだそこに到達してない方が多くいて数値が低くでているかと思いますし、マルチエンディングで、周回プレイしている方も多いので、最終項目の数値はラスボスを倒す前のストーリーフラグの数値を置いています。もう半年もすれば後半もっと上向いたグラフになるのではないでしょうか。ですから『ELDEN RING』については前半から中盤ぐらいまでの参考としてもらえばよいかと思います。

では最初のチェックポイント、ここからいきなり差がでます。ここは各作品で最初のボスを倒したトロフィーでの比較になるのですが、JRPG2作品は8~9割がトロフィーを獲得。『黎の軌跡』と『テイルズオブアライズ』の10%以上の差は、軌跡の方が完全に続き物であり、ストーリーを追うために多少の難があっても続ける「よく調教されたプレイヤー」(筆者含む)の比率が高いからでしょうか?

そして『ELDEN RING』で多くのプレイヤーにとって最初の壁として有名な「彼」ですが、それでも7割近いプレイヤーはその壁を乗り越えて先に進んでいます。最後に『SEKIRO』を見てみましょう。トロフィーの獲得率は6割程度、実に4割強のプレイヤーがここに至るまでに既に何らかの理由でプレイをやめています。JRPGグループではゲーム全体を通して最後までに脱落している割合と同じ割合のプレイヤーが最初のボスまでにプレイを辞めているというわけです。これは初手から敷居の高さを感じられます。また最終項目での比較でも、マルチエンディングなので数値を厳密には言えませんが『SEKIRO』はプレイヤーの3割もクリアできていない状態です。これは「人を選ぶ」と評しても過言ではないでしょう。

ただ、『SEKIRO』のグラフについては注視してもらいたい点が2つあります。まず一つが、一旦落ちてからのグラフの下降曲線が他ゲームと比較して緩やかになることです。JRPG2作が初動以降ほぼ平行線であるように、今回紹介したゲーム以外でも6作品程度傾向を見てみたのですが、どのゲームも進度に合わせてプレイヤーは自然減してゆき、その脱落ペースもある程度一定でした。ところが、『SEKIRO』は序盤大きく落ち込むものの、それ以降の下降具合はとても緩やかです。序盤の壁を乗り越えた精鋭は最終局面まで駆け抜ける確率が他ゲームと比較して高いといえます。なんとかしてクリアした身からしても、こうした傾向にはとても共感できます。というのも、本作はコツを掴んでからがめちゃくちゃ面白いんです。中ボスクラスが初見で倒せるようになったり、ボス級でも数回刃を重ねればなんとなく「正解」が見えてきたりと、ヒリヒリとした緊張感の中で強敵たちと一緒に踊れることはこの上ない快感なのです。こうした感覚を得たプレイヤーが継続してプレイすると仮定すれば、中盤以降の脱落者の割合の低さにも頷けます。筆者もいつのまにか、強敵に出会っても「今は強く感じるけど、正解さえ見つければそのうち勝てるはず」と思い、死を重ねても前向きにゲームを進められるようになってました。

……ええ「奴」にぶつかるまでは。

避けては通れないもう1点のグラフの注目点。そこまでなだらかだった下降線が最終局面で急落する点です。その点について次項で述べます。

ラスボスが「人を選ぶ」

ラスボスがですね、強すぎるんですよ。それまでのボスと比較して一重にも二重にも。更に言うならば「奴が」「アレ」を持ち出してからが。(今さらネタバレを気にするまでもないかもしれませんが、本稿ではぜひ新しいプレイヤーを増やしたいので細かい部分は伏せておきます。)

さて、改めて前項でのグラフの急落に注目してみてください。この落ち込みはボスの討伐トロフィーの有無になるのですが、序盤の壁を越えてこのゲームの魅力にハマり、並居る強敵たちを屠ってここまで辿りついたはずのプレイヤーの約3割がここで脱落しています。かく言う筆者もここで10時間以上立ち往生しました。もちろん、攻略サイトや「これだけで勝てる」系の動画を何種類も見た上で、です。

攻略動画の投稿者たちはきっと正面から戦っても勝てるスキルを持った上でわかりやすく相手の隙をついて「簡単に」相手を倒す動画をアップしてくれているのでしょうが、何せお手本が上手すぎてこれを自分で再現しようとすると筆者レベルの腕前では必ずどこかで事故ってしまうのです。

結果、正解はわかっていても回復が尽きてじり貧で死を迎える、延々とその繰り返しです。筆者は幸運としか言いようがないような相手の行動パターンに助けられてギリギリ倒すことができましたが、チクチク体力を削り取り続けただけの勝利であって、他のボスキャラと演じてきたような美しい殺陣を見せることはできませんでした。この時には日常的にあまり持つことの無い感情ですが、「もっとゲームがうまかったらこのゲームをより楽しめるだろうに」と強く思ったものです。

艱難辛苦を乗り越えて触れて欲しい『SEKIRO』の魅力

『ELDEN RING』と比較した際にどうしても取っつきにくい面がある本作ですが、本作ならではの魅力もまた多くあります。特に「体幹ゲージ」の採用とそれをめぐる攻防の駆け引きはアクションゲームとして発明と言っていい程の存在です。結局のところこのゲームでは、攻撃も弾きも「攻撃手段」であって、それはリズムアクションゲームでの押すボタンの違いに近いのかと思います。筆者は中盤「このゲームは超高難度の『スペースチャンネル5』で敵キャラとダンスバトルするゲームだ」と思ってから攻略がスムーズになりました。

相手の行動に対応してR1なのかL1なのかボタンを押して「攻撃」し続ければ、画面内で「狼」と敵キャラは美しいチャンバラを見せてくれますし、どの敵キャラも「激しい剣戟の応酬の結果主人公に負ける」台本に従って行動します。それは「2回防御した後に斬り返すのでそれを弾いて一撃入れて下さい」とにじり寄る大部屋俳優的立場の雑魚キャラから、多彩な攻撃手段を持つボスキャラに至っても同じです。ただこのゲームに登場する多くのキャラクターの中で、唯一「狼」のみがこの台本を読んでいない。敵キャラからしたらちゃんと約束通りに殺してくれずに避けるべき攻撃に当たって死に続ける「狼」は「こいつ何やってんだ?」状態なんだと思います。この台本に記載された「正解」を探し出し、相手の行動一つ一つに対する対応ができるようになっていった結果として初めて強敵を倒すことができる。そこに至る道程は人によっては非常に困難かもしれませんが、得ることができる達成感は唯一無二とも言える程に他ゲームとは一線を画すものでした。

『ELDEN RING』と『SEKRO』のどちらが好きか?と問われた場合、現状では筆者は前者を選ぶと思います。それは単純に筆者がRPGが好きだからであって、『ELDEN RING』は素晴らしいRPGであり、同じく『SEKIRO』は素晴らしいアクションゲームです。それを同じ「死にゲー」であったとしても同列で比較するべきものではきっとないのでしょう。アクションゲームが好きな方にとっては、この手応えと剣戟の応酬の先に得られる快感はたまらない魅力だと思います。

個人的には弾きの受付時間と回避の無敵時間をもう数フレームだけでも伸ばしてもらったバージョンがあれば筆者のようなアクションが苦手な人間には優しかったと思いますし、上記評価がひっくりかえってもおかしくないとも思えるのですが、そういった甘えを許さないのもきっとこのゲームの人気の源なんでしょうね。

こうしてフロム・ソフトウェアの所謂「死にゲー」を二作プレイしてきたのですが、やはり思うのは「食わず嫌いは損をする」ということです。筆者にとって『SEKIRO』は激辛料理ではありましたが、器の底の強烈な刺激の唐辛子の塊も含めて思い入れのあるゲームになりました。前回の『ELDEN RING』のレポートに対して「次は『SEKIRO』も」とコメントいただいたことも筆者がこのゲームをプレイしたきっかけの一つなのですが、クリアした今は『ELDEN RING』を楽しんだプレイヤーに対して『SEKIRO』も勧めたくなる気持ちはとてもよくわかります。改めてコメントしてくれた方々に感謝です。

毒を食らわばという訳でもありませんが、今まで敬遠していたこの「死にゲー」というジャンル、まだまだ楽しめそうな予感がします。折角PS5に付いてきたので次は『Bloodborne』かな?と考えているのですが「いやいや、それならこれを先に」等プレイ順のお勧め等があればコメントもらえると嬉しく思います。

《YOSHI》
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