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「僕の旅に参加してください」Kickstarter進行中の『Guns Undarkness』目黒将司氏インタビュー!

フリーのインディーゲーム作家として『Guns Undarkness』を開発中の目黒将司氏にインタビュー。キックスターターの経過と開発状況を聞きました。

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『ペルソナ』『真・女神転生』シリーズの作曲家としても知られ、昨年9月にアトラスを退所してからはフリーのインディーゲーム制作者として活動している目黒将司氏。

そんな目黒氏の手掛けるオリジナルゲームプロジェクト『Guns Undarkness(ガンズ・アンダークネス)』は9月12日にKickstarterが開始されると、瞬く間にミニマムゴールを達成。執筆時点では1,000万円を超える支援が集まっています。

本稿ではKickstarterキャンペーン真っ最中の目黒氏にインタビュー取材を実施。制作の展望や課題、そしてインディーゲーム作家としての生活まで幅広くお話を聞きました。

グラフィックとモーション強化に注力中

──Kickstarterの開始から、あっという間にミニマムゴールを達成されましたね。おめでとうございます。

目黒将司(以下、目黒)ありがたいというかほっとしたというか、そんな気持ちです。これまでアルバイトや会社員として働いてきて実家も工場だったので、会社からお給料をもらうかBtoBという商売への関わり方ばかりだったんですよね。なので「お客様から直接お金をもらう」っていうのは初めての体験なので、そのことに気が付いてずーんと身が引き締まる思いです。お客様から想いを頂いて、これにちゃんと応えないとなと。

目黒将司氏

──制作は順調でしょうか。

目黒お陰様で粛々と続けさせてもらってまして、ずっと滞ることもなく順調に楽しくできています。クラウドファンディングでグラフィック面を強化したいなという考えがずっとあったんですよ。講談社(ゲームクリエイターズラボ)さんにも突かれながら話し合って、どうやって強化していくかという道筋や光が見えてきたところなので、少しずつ見栄えをよくしていきたいなという状況ですね。

──ストレッチゴールもいくつか発表され、まだまだゲーム内容が強化されていきますね。

目黒今一番怖いのはストレッチゴールに見えている「コンシューマ機へのマルチプラットフォーム対応」ですね。「果たしてこの額でできるのか?」と不安ではあるんですけれども、会社員の頃にディレクションを経験してお金の使い方も勉強させていただいておりますので大丈夫かなと。頂いたお金を全部そのまま使うと大赤字になるのは分かっておりますので(笑)、その辺の経験は活かしつつ使えるものはマックスまで使っていきたいです。

──キックスターター方式、それも個人での制作となると当初の予定から変更を加えていくことも多いのではないでしょうか。

目黒そうですね。クラウドファンディングでお金が集まったら、フィールドの見栄えをライティングや音周りで強化したいと思っていて、既にテストでお願いしている会社さんに本格的に依頼できるように考えています。やはりフィールドは大きく手を入れたい部分ですね。

あと、今後もっと何とかしたいところがモーションなんですよね。講談社さんにもモーションキャプチャーのスタジオがあって助けていただいているんです。僕自身の実装も込みで、モーション周りの強化はしていきたいです。

──独立以降もアトラスさんとのお仕事は続けているとのことですが、今年は『ペルソナ』シリーズのライブなどもあってお忙しいのではないでしょうか。

目黒確かに今年はライブがあって想定よりは忙しくなっていますけど、基本的には両方やりつつ変わらないバランスでやれているかなと。ゲーム制作と音楽の仕事割合は7:3くらいですけど……今は講談社さんの前なので9:1と言っておきます(笑)。

──アトラス在籍時から『Guns Undarkness』の原型はずっと作られていたんですよね。

目黒3年くらい前から平日も土日も時間を見つけてはゲーム制作に充てていたので、単純で割合で言えばちょうど音楽とゲームが逆になったくらいかも知れませんが、フリーになって効率的に時間が使えるようになったのは大きいですね。

やっぱり決まった時間に出社して決められた時間内で音楽を作って、というのは中々効率も上がらないですし、通勤も疲れますから(笑)。独立して時間を自由に使えることの効率の良さは感じていますね。フリーランスって皆さんそうなんですか?

──全員かは分かりませんが、私も同じ感覚はあります(笑)。ただ、仕事とプライベートとの境目が無くなる大変さが一般論として言われることもありますが。

目黒近くに家族がいるのは助かってますね。ちょっと仕事が詰まったらリビングに行って子供に「ちゃんと勉強しろよ~」なんて言ってるのは良い息抜きになってます(笑)。ウチは実家の1階が工場で2階が住居だったので、幼いころから家族が近くにいるのが常だったんです。それが大人になってもできているのは心地よい感覚ですね。

──他にもインディーで制作されているクリエイターさんと交流される機会はあるのでしょうか。

目黒もっとあるかと思ってたんですが、意外とないんですよね。講談社さんでモーションキャプチャーを取らせていただいた時に『FAMILY BATTLE タッグアリーナ』のナカミチさんと会って何度かお話させていただきましたね。平田さん、そういうお話あったら全然遠慮なく入れてくださいね。

講談社・平田さん分かりました(笑)。

目黒会社にいた頃からUnreal Engineの使い方とかを個人開発の方のブログで調べていたんですけど、そうやって「この人は自力で身につけていてすごいな~」と思っていた方とオンラインでも打ち合わせでお話できたりするのはすごく嬉しいです。

──ゲーム内容にお話を戻しますと、Kickstarterも始まったことでゲームへの反響も色々と集まっていると思いますが、印象に残っているものなどはありますか。

目黒懸念はしていたんですが、グラフィック面は厳しく見られているなというのを感じますね。手は打っているんですが、それで良くしたものをまだお見せできていないので「もうちょっと待ってください」という感じです。いやぁ、やっぱりアートは難しいです。

──逆に手ごたえを感じる点などはありますか。

目黒音楽面には変わらず期待していただいているのは有難いですね。ファンの方にも「会社辞めやがって」と言われずに期待の言葉をいただけるのは励みになりますし、そこは裏切らずやっていきたいです。

──RPGとは言えこれまでとは違ったテイストのゲームなので音楽づくりにもまた違った難しさがあるのではないでしょうか。

目黒これまではディレクターやプロデューサーが起案したものに「目黒はどう思う?」というのを乗せて完成度を高めていくという作業だったんですが、今は自分で作っているゲームなので「こういうことを表現したいから音楽ではこうサポートしていったらいいな」という道筋が見えているのは楽ですね。とは言ってもあんまり数は作っていませんが(笑)。

──作品を楽しみにしている方の中にも、やはり目黒さんの音楽のファンという方も少なくはないと思います。

目黒もっと若い方なら独立して「音楽よりも俺のゲームを見ろよ!」というのがあるかも知れませんが、僕は自分がゲーム音楽で皆さんからご支持を頂いたのは重々承知なのでそこはえげつなく使っていきます(笑)。

そして「目黒のゲームなんてどうせ音楽は良いんだろうけど」と思ってプレイしてみたら「案外ゲームもできてんじゃん」と思って頂くのが理想なので、音楽は期待を裏切らないものを作りますので、そこからゲームも楽しんでいただけるように頑張ります。

──ありがとうございます。それでは最後に応援してくださる皆さんへメッセージをお願いいたします。

目黒ご支援有難うございます。開始から数日で目標額の倍以上に到達していることに驚いているのと同時にほっとしているのもありつつ、頂いたお金をなんとか有効に使うためのプレッシャーを感じています。

バックしていただいた方からフィードバックを頂いてゲームを良くしていきたいとワクワクしていますので、ゲームに対してご意見いただけたら嬉しいです。やっぱり海外の方って日本人の感覚と違うと思いますので、国内外からご支援とご意見をいただきたく思いますね。是非、僕の旅に参加していただきたいです。


目黒氏が個人で開発を手掛ける“SF×ステルス×ターン制コマンドバトル”要素を組み込んだ戦略JRPG『Guns Undarkness』はKickstarterキャンペーンが進行中。現在はストレッチゴールを解放し、2022年10月15日まで支援を募っています。

『Guns Undarkness』キックスターターページ
『PERSONA SUPER LIVE 2015 ~in 日本武道館-NIGHT OF THE PHANTOM-』
¥2,900
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
『ペルソナ5』オリジナル・サウンドトラック
¥3,600
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
《ハル飯田》

よく遊び、よく喋る関西人 ハル飯田

1993年、大阪府生まれ。一旦は地元で公務員になったものの、ゲームが好きすぎて気付いたらフリーライターに。他メディアではeスポーツ選手や競技シーンの魅力を発信することに注力したり大会でキャスターを務めたりもするのだが、インサイド&ゲムスパではもっぱら好きなゲームについて語ることで安らかな気持ちになっている。

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