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「現状に甘えず『らしさ』を追加していきたい」金子彰史氏に訊く『アームドファンタジア』展望―クラウドファンディング終了迫るッ!【インタビュー】

『ワイルドアームズ』を生み出した金子彰史氏の新作プロジェクトが進行中。終了迫るキャンペーンの中間報告をインタビューで伺いました。

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「現状に甘えず『らしさ』を追加していきたい」金子彰史氏に訊く『アームドファンタジア』展望―クラウドファンディング終了迫るッ!【インタビュー】
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『ワイルドアームズ』を手掛けたクリエイターによる精神的続編として電撃発表され話題を呼んだウェスタンパンクRPG『ARMED FANTASIA(アームドファンタジア)』。

同作はクラウドファンディングサイトKickstarterを用いた資金調達が8月30日にスタートしており、既に多額の支援が集まっています。

今回はそのキャンペーンも9月30日の終了に向け終盤に迫るところ、『ワイルドアームズ』シリーズの生みの親にして『アームドファンタジア』でもトータルゲームデザイン・シナリオを手掛ける金子彰史氏にインタビュー。中間報告や、今後への展望を伺いました。

キックスターター開発に感じる「忙しさ」と「可能性」

──8月30日にスタートしたキャンペーンも終盤に差し掛かりましたが、ここまでの感想はいかがでしょうか。

金子彰史(以下、金子)率直な感想としては、今まで自分が大きなパブリッシャーさんと一緒にゲームを出してきたのは「守られてきたんだな」という印象が強いですね。Kickstarterの実施にあたって広報や宣伝を自分で担わなければいけないとなると「うわ、こんなに寝られないんだ」って感じています(笑)。

どうしても活動の中心が北米時間になるので生活サイクルを向こうに合わせつつ、日本の仕事は日本時間でやらないといけないのが大変ではあるんですけど、ひと月というキャンペーン期間は駆け抜けるにはちょうどいいかなとも思います。

──最初の目標額は開始からあっという間に達成されましたね。

金子本当にもう、感謝しかないですね。自分が最後に荒野を舞台にしたRPGを出したのが15年前で、続きを作りたいという気持ちは自分の中に合ったんですが、ファンの中にもそれを待ち望む気持ちがあったというのが嬉しいですし、驚きですね。

──開始直前のメールインタビューでは「アイデアをどこまで実現できるかはKickstarterの結果次第」というコメントもありましたが。

金子お陰様でストレッチゴールも解放させていただいて、当初想定していたベーシックなゲーム機能については作れるようになりましたね。とても有難いですが、こうなると欲が出てくるんですかね、今はもっともっと沢山のことがやりたいです(笑)。

というのも今回のゲーム制作にはとても可能性を感じていまして、ファンの方々の熱量に背中を押されているというのもあるんですけど、一緒にゲームを作らせていただいているbee tribeさんとアメツチさんとの協力関係が凄く上手く行っているんですよ。ストレッチゴールを更に解放してもっと大きな規模のゲームになって、この楽しさが広がっていくと嬉しいです。

──開発状況の方も気になるのですが、現状はいかがですか。

金子まだ取っ掛かりの段階で、ざっくり縦割りすると私は皆を引っ張っていくためのコンセプトを、ストーリーやキャラクターも含めて作り上げているところですね。同様にbee tribeさんがゲーム全体の骨子やフィールド関係の検証を、アメツチさんの方でバトル周りを整備していただいていて、これから本格的に作って行くための準備を進めているところです。

──Twitterでも絵コンテやイラストなど、制作過程ならではの情報を投稿されていますよね。

金子今までの通例で行きますとゲームが8~9割完成してからメディアにお渡しして広報・宣伝展開を行っていくんですが、何せ「まだ何も出来てない」という初めてのパターンなので、情報発信にも今までの制作とは違うライブ感がありますね。

──今後は支援者のための情報発信も必要になってくるかと思います。

金子自分がバッカ―になった時のことを想像すると、やっぱり情報や進捗報告がないと飽きてしまうと思うので、なるべく途切れないように行っていきたいですね。いずれはどこかで制作に集中しなければいけない期間が来て情報も出せなくなることはあると思うんですが、皆さんとの交流は息抜きになると同時に制作意欲を焚き付けられる部分もあるので、定期的にやっていきたい。

──情報発信が少なくなっても心配しないで、ということですね。

金子そうですね。むしろ発信ばかりしてる間は制作が進んでいませんから(笑)。

──ちなみにここから数分の会場ではまさに東京ゲームショウの真っ最中ですが、最新タイトルの情報をチェックされたりはしますか。

金子まだ会場内は観てないんですが、ゲームのお仕事を本格的にするのも久しぶりなので刺激を浴びてゲームモードになりたいですね。大規模な最新ゲームもそうですし、どちらかと言えばインディーズ作品に「愛の力ってすげぇな」って刺激を受けるんですよね。『アームドファンタジア』も規模はデカくてもインディーズみたいな作品だと思いますから、他の作品から学べることは学んでいきたいです。

──他の作品から創作へのエネルギーを得ているんですね。

金子好きでこの業界へ入っていますからね。アニメのお仕事もそうですが、他のクリエイターさんたちに憧れていますし、好きという気持ちへのリスペクトがあります。海外の方が日本のドットゲームを下地にしてすごく愛ある作品を作り上げているのを見ると「頑張ってきた甲斐があるな」と感じますし、もちろん自分の作品を好きだと言ってくれる人たちからも活力を貰っています。

──ちなみに金子さんと言えば『シンフォギア』のイメージが強いファンの方も多いかと思いますが、今後もアニメのお仕事をされる可能性はあるんでしょうか。

金子この業界では自分の頑張りだけでできることって実は僅かで、ファンの方に背中を押されてって言うのが中心になるんです。そういう意味では『シンフォギア』は本当に長く応援していただいて有難いです。

色々な条件が噛み合う必要がありますし、ゲームとアニメの物語づくりは全然違うものなので確実なことは言えないのですが、感情だけで言うならアニメの仕事も「やりたい」ですね。

──ありがとうございます。それでは、最後に作品を楽しみにしているファンの皆さんへメッセージをお願いいたします。

金子まずはたくさんのご支援、本当にありがとうございます。ミニマムゴール達成は「まさかこんなに早く」という感じで、達成の瞬間を全く見ていなかったくらい驚きがあるのですが、お陰様で現状はストレッチゴールを次々と進められております。

現状でも基本的な要素は入っているんですけど、私が作るゲームの「らしさ」と言えるようなオープニングアニメであったりキャラクターごとに個別のプロローグがあったりという部分は今後のストレッチゴールで追加されていきます。「らしさ」や空気感を出していくためにも現状に甘んじずに今まで以上のものを作って行きたいと思いますし、是非とも更なるご支援をお願いいたします。

「ダブルキックスターター」キャンペーンが進行中

キャラクターデザインに佐々木知美、音楽になるけみちこ、上松範康とElements Gardenが参加し、ウェスタンパンクな世界を表現する『アームドファンタジア』は、『シャドウハーツ』クリエイターの贈る新作JRPG『PENNY BLOOD』との「ダブルキックスターター」キャンペーンが進行中。

キャンペーンでは既に支援額が2.5億円、バッカー数が1万人を突破しており、ストレッチゴールを目指して更なる支援を募っています。

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《ハル飯田》

よく遊び、よく喋る関西人 ハル飯田

1993年、大阪府生まれ。一旦は地元で公務員になったものの、ゲームが好きすぎて気付いたらフリーライターに。他メディアではeスポーツ選手や競技シーンの魅力を発信することに注力したり大会でキャスターを務めたりもするのだが、インサイド&ゲムスパではもっぱら好きなゲームについて語ることで安らかな気持ちになっている。

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