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【特集】パフォーマンス問題で“賛否両論”のPC版『The Last of Us Part I』は改善したのか?パッチ配信前後の動作状況を比較

「カクつきやクラッシュ頻発」はパッチで改善したのか、チェックしてみましょう。

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Naughty Dogが制作した傑作ポストアポカリプス・アドベンチャー『The Last of Us Part I』が、3月28日にPC(Steam/Epic Gamesストア)向けに配信されました。同シリーズはこれまでPlayStationのみでリリースされていましたが、この度初めてPC向けにリリースされました。

『The Last of Us Part I』は、PS3で発売された第1作目およびそのDLCを同梱してリメイクした作品で、PS5向けに先行発売されていました。そのゲームプレイについてはPS5発売時の記事からチェックしてください。


そんな本作ですが、現在パフォーマンスに大きな問題を抱えていることがコミュニティより多数報告されており、配信当初のユーザーレビューは「やや不評」、現在も「賛否両論」に。Naughty Dogと移植担当のIron Galaxyはパッチで修正していくことを約束しており、これまで幾度かホットフィックスが配信されています。

そこで本稿では、4月8日に配信されたパッチを適用する前と後でパフォーマンスを比較します。果たして、パフォーマンスは改善されているのでしょうか。

なお、パフォーマンスはPCの種類やマシンパワーによって結果が大きく異なる可能性があります。本稿で扱う動作状況はあくまで筆者のPC環境によるものであることをご留意ください。筆者のPCスペックは以下のとおりです。また、グラフィックス設定は基本的にデフォルト設定を使用しています。

  • CPU:Intel Core i7-8700 @ 3.20GHz

  • メモリ:16GB

  • GPU:GeForce RTX 3060Ti

  • ストレージ:NVMe M.2 SSD 1TB

  • OS:Windows 11

パッチ適用前

まずは、パッチ適用前のバージョンで序盤1時間ほどプレイしました。起動時にはシェーダーの構築プロセスが始まります。これが完了しないと動作が不安定になってしまうので、完了まで待機するのが吉です。

……しかし、このプロセスにとても時間がかかりました。正確に測ったところ1時間18分ほどであり、「すぐに遊びたい!」という気持ちを抑えながらこの長いシェーダー構築を待たなければならないのは、正直かなりの苦痛といえます。数十GBのダウンロードを終えたあとであればなおさらでしょう。

カットシーンは80~90FPS台を前後するため、快適に観ることができます。序盤のゲームプレイパート(サラ操作パート)は70FPS台をキープしています。

その後、ジョエルの弟・トミーの車に乗って逃げるシーンでも60FPS~70FPSを前後しています。若干カクつきがあるものの、あまり問題はありません。

しかし、車から降りてジョエルがサラを抱えて逃げる操作パートではFPSが低下。特に、ガソリンスタンドが爆発した後のシーンからは40FPS台まで落ち込み、大きなパフォーマンスダウンを確認しました。ここで描画負担が大きくなっていることを疑い、グラフィックス設定を低設定にしてみるも、FPSはほとんど改善が見られませんでした。

一部シーンでは、レンダリングしきれておらずのっぺりとしたグラフィックスになってしまう場面も。美麗なグラフィックも特徴の本作としては非常にもったいない不具合です。

このように、遊べなくはないもののカクつきやFPSの低下が気になる状態です。推奨要件を満たしているにもかかわらずこのようなパフォーマンスであるため、パッチ適用前の段階では“快適に遊べる”とは言えない挙動でした。

パッチ適用後

それでは、パッチ適用後のパフォーマンスを見ていきましょう。検証のため、一度ゲームをアンインストールしてシェーダー構築からやり直しています。

すると、シェーダー構築においては劇的な改善が見られました。適用前は1時間弱かかっていたのに対し、適用後は30分未満でプロセスが終了。これでも長く感じますが、改善の兆しは見えます。

カットシーンのFPSも平均で10FPSほど向上し、軽微ではありますがパフォーマンスの改善を感じることができました。これである程度快適にゲームプレイが楽しめる! かと思いきや……。

ゲームプレイ部分では、むしろパフォーマンスが悪化してしまいました。安定した時のフレームレートは適用前より高いのですが、カクつきの頻発やプツプツとした音の途切れ、遅延などが見られるようになってしまいました。

また、適用前には起きなかったクラッシュも何度か発生するように。筆者環境では、残念ながら快適に遊べる状態ではありませんでした。


筆者の環境では、パフォーマンスはパッチ適用前よりも悪化するという残念な結果になってしまいました。とはいえ「実際に良くなった」という声も上がっているため、環境によって変化しそうです。「改めて第1作目を完成させた」と言える本作自体は素晴らしいクオリティなので、さらに多くの環境のユーザーが安定して遊べるようになることを願います。


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《みお》

取材も執筆もたくさんやる、半ライター半編集 みお

ゲーム文化と70年代の日本語の音楽大好き。2021年3月からフリーライターを始め、2025年4月にGame*Spark編集部入り。

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  • スパくんのお友達 2024-12-10 3:30:27
    umpc、それもUltra5のclawで特に設定変えずに快適( ̄▽ ̄;)
    0 Good
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  • スパくんのお友達 2023-04-15 3:37:57
    叩かれてるけどIron Galaxy以上に移植実績あるスタジオなんてSIEファーストのNixxesしかいないし、どのみち外注で済まそうとした時点でSIE側の采配が間違ってたとしか言いようがない
    おそらくノーティもNixxesも移植に割けるリソースがなかったから外注するしかなかったんだろうけど
    2 Good
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  • スパくんのお友達 2023-04-12 13:15:05
    まぁ自前でやってノウハウ構築して外注するならわかるけど最初から外注じゃ爆弾魔しか仕事受けなさそう。
    1 Good
    返信
  • スパくんのお友達 2023-04-12 10:18:00
    バットマンアーカムナイトのPC版が酷すぎて炎上したのが
    Iron Galaxy
    6 Good
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  • スパくんのお友達 2023-04-12 10:02:00
    いうてPS5自体まだ出たばかりで移植となると尚更ノウハウないからな
    Iron Galaxyどうのこうのより、単純に今はPS5のスペックフル活用したゲームをPCに移植する技術をどこも持ってないだけな気もする。それはノーティ自身も含めて。
    2 Good
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  • スパくんのお友達 2023-04-12 7:57:55
    Naughty DogからRTX30XXシリーズはGeForce hotfix driver 531.58 を当てることが奨励されているが、この記事の環境では当たっているのか教えてほしいですね。
    11 Good
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  • スパくんのお友達 2023-04-12 6:59:05
    パフォーマンス問題で賛否両論って表現はおかしくないですか?
    ゲームプレイに支障が出る状態に賛を入れてる人なんかいないでしょう。
    ラスアス1の出来は既に保証されているんだから、忖度せずパフォーマンスは現状不出来とするべきでは。
    12 Good
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  • スパくんのお友達 2023-04-12 6:35:58
    アーカムナイトのとこかよ…そうか、アカンか…
    9 Good
    返信
  • スパくんのお友達 2023-04-12 6:18:47
    作品自体は名作、期待値も注目度も非常に高かったのに…何故ちゃんとした会社に依頼しなかったのかコレガワカラナイ
    18 Good
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  • スパくんのお友達 2023-04-12 5:07:46
    他のプレステ移植作がそこまで酷くなかったところを見ると移植作業したところの技能レベルが低かったんだろな
    23 Good
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