こちらのページが“正解”です!『風雨来記』とシステムが似てたらそれはもう『風雨来記5』じゃないかと思いつつ、ここからはネタバレを含んだプレイレポートをお届けしていきます。
◆実は“タイムリープ物”な『シカトリス』…システムもストーリーも、バッドエンドありき!

さて、本作は公式HPに「悲劇的な結末を迎えることも……」と書かれていますが、実のところ一週目は強制バッドエンド……!
筆者が「生徒とも打ち解けてきたし頑張って指導していくぞ~!」とハッピーメンタルでリビングに降りていくと、床に転がる朝日の生首と血に染まった永宮が待ち構えていました。チュートリアル前に流れた不穏な状況と合致します。

登場する生徒の“永宮”と“朝日”の会話は時々不穏な流れを匂わせていたのですが、「まぁおいおい生徒指導していけばいいや!」と思った矢先の出来事です。

永宮を押さえつけるも朝日は死んでしまい、全員が回復不可能レベルの傷を心に負いました。主人公は自身が持つ異能によって「2日しか保たない記憶と感情のみを過去に転送」して、疑似的なタイムループに挑みます。しかし、一週目は「バッドエンド」。クリアデータとして保存されてしまいます。上記のネタバレありきでしか説明できないのですが、本作はクリアデータを使ってタイムリープをするというシステムなのです! 正直に言って、ここからが『シカトリス』の本番です。

主人公が先に起こる惨劇を予想してフォローしていくところなど、まさしくタイムリープ作品の定番と言った感じで良い味を出していますが……クリアデータを「過去の記憶」として使ってタイムリープするプレイヤーの没入感はかなりのもの。“プレイヤーがメタ的に惨劇を回避する”立ち回りをして、それがゲームのストーリーと親和性を見せていくわけで……タイムリープというストーリーを「プレイヤーのゲーム体験」にまで押し上げてくれる奇策だと感じます。

また、本作は日時経過に依存した「授業カリキュラム」にそってキャラクターが成長していきます。いわば“取り返しの効かないステータスアップ”が全体を通して行なわれているシステムです。詰みかねないバトルなども発生するでしょう。

ですが、このタイムリープを前提としたプレイヤーの成長、そして周回ボーナスによって困難を突破できるのです。前述で「難易度が高い」と感じたのも、きっとこれらを想定したものでしょう。
2週目ではリープのきっかけとなった「朝日」「永宮」に焦点が当てられますが、問題を抱えているのは彼女たちだけではなく……。2週目で“初見クリア”できるか、バッドエンドとなるかはプレイヤーの腕次第かもしれません。

『シカトリス』はニンテンドースイッチ/PS5/PS4向けに6月29日発売予定。価格は7,678円(税込)です。













