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令和の完全新作『ウィザードリィ』の出来やいかに?『Wizardry Variants Daphne』【テスト版宇宙最速プレイレポ】

約9年ぶりとなる『ウィザードリィ』シリーズ完全新作『Wizardry Variants Daphne』。そのテスト版のプレイレポートをクローズドベータに先駆けお届けします。

連載・特集 プレイレポート
令和の完全新作『ウィザードリィ』の出来やいかに?『Wizardry Variants Daphne』【テスト版宇宙最速プレイレポ】
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1981年に発売されたシリーズ第1作『狂王の試練場』から始まり、長い歴史を持つ『ウィザードリィ』シリーズですが、その完全新作『ウィザードリィ ヴァリアンツ ダフネ(Wizardry Variants Daphne)』のクローズドベータテストが10月10日13時より開始されます。弊誌ではそれに先んじてクローズドベータのテスト版をプレイする機会を得ましたので、基本的なゲームの構造や、実際にプレイして感じた点・今までの『ウィザードリィ』と違う点などをレポートしていきたいと思います。

※注:本プレイレポート・およびプレイレポート内のスクリーンショットは正式リリース前のテスト版を使用しています。従って、本記事の内容は今後の正式リリース版とは異なるものとなる可能性があります。予めご了承ください。

『ウィザードリィ ヴァリアンツ ダフネ(Wizardry Variants Daphne)』とは

『ウィザードリィ ヴァリアンツ ダフネ』は、2020年に『ウィザードリィ』シリーズの商標権を獲得したドリコムが「完全新作のウィザードリィ」として開発してきたスマートフォン向け3DダンジョンRPG(DRPG)です。『ウィザードリィ』としては2014年リリースの『ウィズローグ(WizRogue)』以来、約9年ぶりとなる完全新作となります。また、スマートフォンだけでなく、SteamでのPC版の配信展開も予定しているとの事です。

『ウィザードリィ』と言えばダンジョン探索をメインにしたゲームですが、本作では「奈落」と呼ばれるダンジョンを中心に、さまざまなクエストや謎解きを解決しながら奈落の奥深くを目指すことになります。なお、本作ではゲームの進行に応じてメインストーリーとは関係のない、腕試し用のサブダンジョンが複数出現します。これらのダンジョンに挑むのも楽しみの一つです。

冒険者の骨を集め、蘇らせ仲間としパーティを組もう

今までの『ウィザードリィ』ではゲーム開始後、6人のキャラクターを作り、酒場でパーティを組む……というのが基本的な序盤の流れでしたが、本作では明確なキャラクターメイキングを行うのはプレイヤーの分身である主人公のみとなります。

それでは他のパーティメンバーはどうやって揃えるのか……と言いますと、まずは迷宮などで冒険者の骨を集めることになります。

集めた冒険者の骨を使って拠点で冒険者を復活させ、酒場で冒険者登録を行うことでパーティメンバー入りすることができます。冒険者の容姿・性格・復活時の職業などは決めることはできませんが、冒険者登録時に名前変更とボーナスポイント振り分けだけは行うことができます。なお、本作では「善・中立・悪」の性格設定自体は存在しますが、パーティ編成はこの性格設定に関係なく組むことができます。善悪混合パーティも特にデメリットはありません。

冒険者の骨はダンジョン内で手に入れる以外にも、希少品を取り扱う宝石屋(いわゆる「課金石」を貴重品と交換する場所)で手に入れることもできます。本作での冒険者の入手は、スマートフォンゲームで言うところの「ガチャ」に近いと言えるでしょう。前述した『ウィズローグ』も似たようなゲームシステムを採用していたので、同ゲームを遊んでいたことがあれば懐かしいと思うかもしれません。

こうして復活させた冒険者はすぐにパーティ最大人数を超えることになりますが、本作ではメインパーティの冒険者以外にも様々な活用法が存在します。

その中の1つが「派遣依頼」で、冒険者ギルドで冒険者の派遣依頼を受けることで、控えメンバーを選んで自動的にダンジョン探索に向かわせることができます。スマートフォンゲームではよくある「遠征」のようなものですね。なおこの際の派遣メンバー選出においては、「善・中立・悪」のメンバーの性格設定が派遣の成功率にかかわってくるらしく、相反する性格のメンバーを同一派遣パーティに組み入れない方が良いようです。

それ以外にも同一の冒険者を融合し、新たなスキルを引き出す「克己」、冒険者の持っているスキルを他の冒険者に伝授する「スキル継承」など、冒険者は多くいて損はない仕組みになっています。

死と隣り合わせの迷宮。スマートフォンでも操作性やテンポは良し

パーティを組んだら、迷宮へと出発です。本作の操作形態はスマートフォンをタップした位置にアナログ入力円が出現するバーチャルパッドを採用しており、これを上に倒すことで前進、左右入力で方向転換、後ろ入力で後退することができます。また、バーチャルパッドとは別に左右の矢印ボタンで左右への平行移動が可能です。

また今まで歩いてきた箇所が記録されるミニマップをタップするとマップを拡大でき、さらにマップ上で行きたい箇所を指定してタップすると、その位置まで自動的に移動してくれるオート移動機能を実装しています。この機能のおかげで、スマートフォンであっても3Dダンジョン内の移動は快適そのものです。

本作ではダンジョン内では敵シンボルに接触することで戦闘に突入するシンボルエンカウンターを採用しています(但し、敵シンボルが背景に同化して見えづらいことが多い)。『ウィザードリィ』と言えば厳しい戦闘バランスを連想する方も多いと思いますが、本作でも迷宮内では危険な敵に遭遇することもあります。ただのゴブリンやスライム程度であれば軽く蹴散らすこともできますが、大量に出現して後列から魔法攻撃や弓矢の一撃を一斉に仕掛けてくるゴブリン、冒険者の首を一撃で刎ねるウサギ、そして不気味としか言いようがない巨大な異形など、パーティが全力を賭して戦わなければこちらに大きな被害をもたらす危険な敵も多いです。

また、本作では既存の『ウィザードリィ』に多い「魔法がレベルごとの回数制」という『D&D』同様の仕組みではなく、一般的なRPGに近いMP・SP制を採用しています。僧侶・魔法使いはMPを使用して呪文を放ち、戦士・騎士・盗賊はSPを使用してスキル攻撃を仕掛ける……といった感じですね。主にアタッカーとなる戦士・盗賊・魔法使い、そして守り手となる騎士・僧侶の役割を上手く割り振って、迷宮に巣くう危険な敵に勝利していきましょう。

なお、敵が明らかに格下の敵であると判断すれば、画面右側の「自動」ボタンを押すことで通常攻撃連打で素早く敵を殲滅することが可能です。ただこの「自動」ボタン、接触判定がどうも小さいらしく、いざというときに自動戦闘を切りたいときに切れない……という事がたまに起こります。筆者の要望としては、この「自動」ボタンはもう少し大きくても良いのではないかと思います。

敵を倒すと出現する、あるいは迷宮内に置かれている宝箱を見つけたら盗賊の出番です。宝箱には罠が仕掛けられていることがあるので、本作ではゴルフゲームの要領で画面をタップし、左右に動くマーカーを当たりのエリアで止めれば無事に宝箱の罠解除となります。但し本作のこの罠解除ミニゲームはゴルフゲームとは違い目押しした場所でマーカーがぴたりと止まるわけではなく、マーカーの速度に応じて止まるまである程度滑るので、その滑りも考慮に入れる必要があります。「滑り」にランダム要素があるかは検証ができませんでしたが、実際のところ、この罠解除ミニゲームはテスト開始段階の調整ではかなり難しいです。ダンジョンRPGを求める層とアクション要素との親和性を考えると、もう少し建付けを変えるか難易度を緩和してくれてもいいんじゃないかな……というのが、筆者の正直な感想です。

何はともあれ、3Dで描かれた迷宮やシンボルエンカウンターによる戦闘の雰囲気、そして宝箱の罠解除がミニゲームになっているという点から、筆者は2001年にアトラスから発売された『Wizardry Alternative: BUSIN』の影響を本作から色濃く感じました。

拠点に戻ったらアイテム強化や休憩を。なんと馬小屋でもHP全快する!?

拠点に戻ったら、迷宮内で見つけた「ガラクタ」を復元して装備アイテムを入手することができます。手に入るアイテムの中には時折色違いのアイテムが混じることがあり、こういったアイテムには様々な能力アップなどの特殊効果が秘められています。同じ名前の装備品でも性能が違う……といった点は、『ディアブロ』に近いでしょうか。

手に入れた武具は拠点の鍛冶屋で強化することができます。一定の強化値まで武具を強化すると武具に特殊な効果が付くほか、同じ武具を合成して強化値の上限を上げる、他の装備品の強化値を新たな装備に引き継ぐ、装備品の特殊効果のみを取り出して他の武具への合成素材にする(この特殊効果取り出しのみ、失敗して装備が壊れる可能性が高いです)など、多彩な強化メニューが揃っています。所持金と相談しながら、優秀な装備を地道に鍛えるのが迷宮の先に進むための第一歩と言えるでしょう。

拠点には宿屋もあり、『ウィザードリィ』伝統の宿泊費無料の馬小屋も健在です。しかも、本作の馬小屋はMPだけでなくHP・SPも全快する、シリーズ最強の馬小屋です。

しかし、気を付けなければならないのは本作独自のパラメーターである「メンタル」要素。迷宮の罠に引っかかったり、大ダメージを受けたりするとメンタルにダメージを受け、メンタルへのダメージが溜まるとキャラクターの能力が十分に引き出せなくなってしまいます。「馬小屋に泊まる」こともキャラクターのメンタルを悪化させる要素の1つです。メンタルを回復させるには実時間の経過が必要なので、メンタルを崩す事のないよう(プレイヤーも)充分に満足な休憩を取りたいところです。

いくらか改善すべき点は見えるが、『令和のWiz』にふさわしいDRPG

ここまで紹介してきた『ウィザードリィ ヴァリアンツ ダフネ』。今後の新コンテンツや課金要素とのバランス、エンドコンテンツ関連など、まだまだ未知数な部分は多いものの、現代的なDRPGとしての観点でみれば十二分に今後に期待が持てそうなクオリティでした。

ただ、「戦闘の自動ボタンが押しづらい」「宝箱の罠解除ミニゲームの難易度が高い」「ダンジョン内を徘徊している敵が背景に同化していて目視し辛い」など、テスト版のサービスというところもあってかQoL部分での調整が必要な印象であったのは確かです。

しかしながら『ウィザードリィ』としてみても、全体的に遊びやすい早めのゲームテンポや、『ウィザードリィ』シリーズの中でも名作との声が高い『BUSIN』を意識したであろうグラフィックや様々な要素は本作にしっかり受け継がれていますし、そして何より、「死と隣り合わせの迷宮探索」という、『ウィザードリィ』シリーズの根源的な魅力が本作から筆者に充分に伝わってきました。

本タイトルについて『ウィザードリィ』のパブリックイメージ的な仕様との差異が言及されるべきか、という根本的な話を無視するならば、呪文が回数制でないだとか、馬小屋で全回復するとか、そういったゲームシステムの違いはありますが、それは『ウィザードリィ』のシステムを時代に合わせて最適化した結果なのだ……と筆者は思います。

いずれにしても根源的な魅力を備え、現代向けの仕様を模索しているという意味で、本作はまさしく「令和の『ウィザードリィ』」と言えるでしょう。未だクローズドベータテストの段階ですが、正式リリースとなる日が筆者は楽しみでなりません。

スパくんのひとこと



延期続きで不安だったけど、想像は十分に超えるDRPG、そして『ウィザードリィ』スパ!正式リリースが楽しみスパね!



タイトル:Wizardry Variants Daphne(ウィザードリィ ヴァリアンツ ダフネ)
対応機種:スマートフォン(iOS/Android) / PC(Steam)
記事におけるプレイ機種:スマートフォン(iOS)
配信日:2023年10月10日(クローズドベータテスト開始日)
著者プレイ時間:10時間
サブスク配信有無:
価格:基本プレイ無料
※製品情報は記事執筆時点のもの


ブレイド&バスタード1 (DREコミックス)
¥748
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
ライター:ずんこ。

ライター/石の中にいたいブロガー ずんこ。

ダンジョンの間に挟まれたい系男子。某掲示板でRPGツクールに目覚めその進捗目的でブログを書き始めるも、いつの間にかDRPGが中心の内容に変わっていた。 DRPGと麻雀・ポーカーゲームと元ネタとの差別化が光るフォロワー系ゲームをこよなく愛する。サービス終了したアーケードゲーム『ポーカースタジアム』の公式大会優勝という凄いんだか凄くないんだかわからない肩書きも持つ。

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