筆者は、日本語で表現されたものが大好きです。音楽は基本日本語詞のものばかり聴きますし、空耳など日本語を活かした言葉遊びも大好きです。そして、下ネタも大好きです。不適切な場所でひけらかすようなことはしませんが、心のなかでは時折くだらないことを考えてはニヤニヤしています。
そんな筆者にとっては、インディーゲーム開発者・げーむくりえいたーねこ氏が開発する『ウーマンコミュニケーション』には注目せざるを得ませんでした。
本作は、会話の中に隠れる淫語を探して指摘するハイスピード・センシティブワード・アクションゲーム。「カフェラテをカチンコチンに凍らせる」というような何気ない自然な会話に紛れてしまうエッチな言葉を指摘していきます。
発表当初から大変注目していた一作なのですが(今振り返ると、Game*Spark掲載のニュース記事はすべて筆者が書いていました)、延期が発表された際はおあずけされたような気分で、内なる下ネタ好きを抑えながら日々を過ごしていました。そしてついに発売日が発表され、Game*Spark編集部は先行プレイさせていただく機会をゲット。本記事で、待望の新作『ウーマンコミュニケーション』の内容に迫るプレイレポートをお届けします。
エッチなワードを撃ち抜く爽快感がたまらない!?
本作の基本は、画面上に流れるセリフからエッチなワードを見つけ出し、それをマウスやスティックで狙い撃ちするというもの。セリフの表示時間には限りがあるため、素早く淫語を見抜く能力が試されます。つまり、下ネタ好きなら下ネタ好きであるほど有利なのです!
見事下ネタを撃ち抜くと、「ファファーン!」という気持ちの良いファンファーレと共に、画面上部にど派手にワードが出現。このバカバカしさがたまりません。
下ネタは何気ない会話の中に巧妙に隠されており、パッと見で分からないことも。そんなときはスペースキーを押せば画面左下の時計マークが無くなるまで短い間時間を止めておけるので、余裕を作ることができます。
下ネタが潜んでいる会話はどこか不自然なところが目立つので、そこを見極めるのが重要です。複雑な文章の中からうまく下ネタを指摘できたときは、気持ちのよいSEと相まって清々しい気持ちになります。やってることはくだらないのに、何故でしょうね……。
一方で、下ネタがありそうなのにない会話もあるのがニクいところ。存在しない下ネタを指摘しようとした自分がちょっとだけ恥ずかしくなります……。
本作はステージ制を採用しており、ステージをクリアすると、成績に応じてハートを獲得できます。ゲームが進行していくごとに、下ネタの頭文字を指摘することでボーナスを得られる「ヘッドショット」や、2つの下ネタが重なり合う箇所を指摘して特別な演出が見られる「ダブルショット」といったテクニックが解放。後半ではそれらのテクニックを使わないと満点を獲得できないため、徐々に難しくなっていきます。
知識が少なくて不安……という方も大丈夫。ゲーム開始時に3段階の難易度選択があり、サポート機能によって下ネタ探しを手伝ってくれます。逆に「下ネタ知識で競わせたら、私に叶うものはいない!」という方であれば、サポートなしの「アブノーマル」を選択すればガチンコなゲームプレイが楽しめます。
3人のヒロインにドッキドキ!?
本作にはただの下ネタハントだけでなく、しっかりとしたストーリーも用意されています。ゲームの物語は、主人公が風紀委員会に入るところからスタート。風紀委員のお仕事は身だしなみのチェック……ではなく、「無意識風紀違反」を取り締まること。そう、プレイヤーが行っていた下ネタの指摘は風紀委員としての活動だったのです!会話に割り込んで下ネタを指摘しているとしたら、かなりヤバい奴ですね……。現実ではやっちゃダメですよ。
風紀委員のメンバーは、幼馴染の「小栗 久梨子(おぐり くりす)」、無口でクールな「下野口 マコ(しものくち まこ)」、風紀委員長のさっちんこと「言ノ葉 さち(ことのは さち)」の3名。彼女らと共に「無意識風紀違反」を取り締まりながら仲を深めていき、思わずドキッとするイベントに出会うことも……。
章ごとに別れたストーリーの最後には、ボス戦が用意されています。最初に戦うことになるボスは、かつて久梨子をいじめていた他校の不良生徒。刺々しい言葉を久梨子に投げかける不良生徒ですが、彼女の言葉には“とある弱点”が……?それを指摘していくのがボス戦の目的となります。
ボス戦では、“アレ”みたいな形の弾を避けながら下ネタを指摘していきます。弾に当たってしまうと減点となり満点を逃してしまいますが、とある条件で解除できるヘルメットを装備することで数回被弾を防げるようになります。
通常ステージでもカーソルが忙しい場面は多々ありますが、このボスステージは段違い。シューティングゲームばりに激しい弾幕が襲ってくるため、下ネタ指摘と弾除けを両立するのはなかなか大変。風紀委員もラクじゃありません……。
不良生徒を撃退すると、久梨子との関係が進展。なにか主人公に言いたげな様子……。思わずドキッとしてしまいますね。このように、先が気になる展開がテンポよく繰り広げられるため、どんどん次に進めたくなる魅力を秘めています。
『ウーマンコミュニケーション』は、下ネタが大好きな人にはたまらない作品となっています。会話の節々に隠れたワードを指摘したときはあまりのバカらしさにお腹を抱えて笑えますし、日本語の組み合わせで起こる面白さを生み出した本作は、日本ならではのインディーゲームといえるでしょう。
下ネタ大好き、日本語大好きな筆者は発表時から我慢、こんなにしていたのでもうプレイを待ちきれず、記事の解禁日時は2週間ほど先でしたが、1日でクリアしてしまうほど夢中になりました。頭から最終盤まで非常に面白く、ぜひ最後までプレイしてみてください。何が待ち構えているかは皆様の目で確かめていただくとしますが、「ただ下らないだけのゲームではない」ということはお伝えしておきます。
注意点としては、「うんこ、ちんちん」といった小学校低学年くらいの下ネタ観でプレイすると面喰らうかもしれないというところ。最低でも、中学生から高校生くらいが笑うようなちょっとアダルトな下ネタが登場することは覚悟しておきましょう。
実はこの記事には3つほど風紀違反ワードが含まれているスパ。みんなわかったスパ?
対応機種:PC(Steam)
記事におけるプレイ機種:PC
発売日:2023/10/26
記事執筆時の著者プレイ時間:1時間
価格:1,430円(発売から1週間限定で10%オフ 1,287円)