DRM「Denuvo（Denuvo Anti-tamper）」を開発するIrdetoは、海外メディアRock Paper Shotgunのインタビューに答えて同ツールの意義を説明しています。
DRM「Denuvo」とは
IrdetoのDRM「Denuvo」はデジタルコンテンツの不正なコピーを防ぐシステムであり、多くのゲームで採用されています。一方でパフォーマンス低下の原因であるとの言説も根強く、発売前ゲームのSteamストアページに同ツールを採用しているとの表記があるだけでネガティブな反応を示すユーザーがいることも事実です。
過去の事例としては『バイオハザード ヴィレッジ』において「Denuvo」がパフォーマンスを低下させていると指摘されて対応し、発売から約2年後には同ツールを削除。『DOOM Eternal』がアンチチートシステム「Denuvo Anti-Cheat」を削除後に、DRM「Denuvo」も削除するといった出来事もありました。
Irdetoは「Denuvo」のデメリットを否定し、メリットを主張
こうした状況においてIrdetoは、10月15日にDiscordサーバーを開設してユーザーとのコミュニケーションを突然開始していました。Discordサーバーはユーザーが殺到したために投稿を停止していることが10月17日に発表されていましたが、同社のプロダクトマネージャーAndreas Ullmann氏が、海外メディアRock Paper Shotgunのインタビューに答えています。
Ullmann氏は対応しようとしているクレームとはどのようなものかと聞かれると、Steamフォーラムは「非常に有害で、非常に敵対的な環境です」と、「Denuvo」採用が明らかになっただけでクレームが届く状況を説明。そうした声があることに対して、同社自身が「信頼できる情報源として機能したい」という立場を明らかにしています。
また「Denuvo」の評判が悪い理由を尋ねられたUllmann氏は、「Denuvo」がきちんと機能しているからこそ海賊版ユーザーが「多くのことをDenuvoのせいにしています。ゲームパブリッシャーが当社のソリューションを使用しないようにして、海賊版ゲームを無料で遊ぼうとしているのです」と主張しました。
さらにもう1つの理由として、一般的なゲーマーにとって「Denuvo」のメリットがわかりにくいからだということも挙げています。これに対しては「Denuvo」が約20％の収益を保護するとの調査結果を示して、結果的にゲームのアップデートや続編が世に出ることに繋がるというメリットがあると説明しています。
実際のところパフォーマンスの低下原因になりえるのかという質問もされていますが、Ullmann氏は『鉄拳7』を挙げてそうしたケースもあると認めています。しかしパフォーマンスに影響を及ぼすことになったゲームは一握りであり、海外メディアPC Gamerが検証した『ファイナルファンタジーXV（FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION）』などパフォーマンスへの影響はなかったとする例にはほとんど言及されることがないと不満を漏らしています。
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