気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Cognoggin Games開発、PC/Mac向けに4月16日に正式リリースされたデッキ構築型ローグライク『ゲーム業界出世街道 (Crush the Industry)』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、ゲーム開発業界を舞台としたデッキ構築型ローグライク。プレイヤーは大手ゲームスタジオに採用された新入社員となってスキルデッキを構築しながらタスクをこなしていき、同時に「SAN値」も失わないようにコントロールしていきます。プレイアブルキャラクターは複数用意されているほか、200種類以上のスキルなど高いリプレイ性が特徴であり、「有害プレイヤー」「スランプ」「最適化されていないコード」「ミーティング」などあらゆる困難や敵に対処する必要があります。日本語にも対応済み。
『ゲーム業界出世街道』は、1,700円で配信中。


――まずは自己紹介をお願いします。一番好きなゲームは何ですか?
Travis 本作のメイン開発者のTravisです。2019年から妻(Zafichan)と組んで本作の開発に取り組んできました。
好きなゲームは、スーパーファミコンの『マザー2』です。私たちは『ファイナルファンタジー』『ドラゴンクエスト』『幻想水滸伝』などのJRPGをプレイして育ちました。最近はローグライクやデッキビルダーのゲームをよく遊んでいます。『マザー』シリーズは、ユーモアや奇妙さ、現代的な設定で、個人的に昔から大好きでした。
――本作の特徴を教えてください。また、そのアイデアはどのように思いついたのでしょうか?
Travis ゲーム業界で働く、という本作のテーマは、Riot Gamesで働いた私自身の経験に多少影響を受けています。職場の文化やゲーマーたちを面白い感じでからかったりしていますね。ゲームプレイについては、ローグライク・デッキビルダーとレトロなJRPGの両方好きなものを融合させたいと思いました。挑戦的な難易度と、アンロックできるたくさんのコンテンツがありますよ。
――本作の開発にあたって影響を受けた作品はありますか?
Travis 『マザー』シリーズと『Slay the Spire』から大きなインスピレーションを得ました。また、コメディ映画「リストラ・マン」や、『スーパーマリオRPG』や『ドラゴンクエスト』などのゲームからもヒントを得ています。体力が徐々に減るシステムや時間制のヒットスキルは、それらのゲームをプレイした人なら見覚えがあると思いますが、現代的なターン制のバトルと上手く融合しています。イースターエッグやレトロゲームネタもいくつか登場します。例えば、各プレイアブルキャラクターのエンディングカットには、別のゲームへのオマージュが込められていますよ。

――本作の開発中に一番印象深かったエピソードを一つ教えてください。
Travis 10カ国語へ対応させたことは、満足のいく出来事でした。私が子供の頃に楽しんだゲームの多くは日本語版しかなかったので(『ファイナルファンタジー2/3/5』、『スウィートホーム』『天地創造』)、私たちのゲームがアメリカ以外の国に住むゲーマーにもアクセスできるようにしたかったのです。フルリリースを達成し、Steamストアのトップページに数日間表示されたのも嬉しかったですね。
――リリース後のユーザーのフィードバックはどのようなものがありましたか?特に印象深いものを教えてください。
Travis 体力が徐々に減るシステムの搭載については、多くの好意的なフィードバックをもらいました。初期のプレイヤーからのフィードバックは、ゲームプレイバランスを洗練させるのに非常に重要でしたね。また、狂気システムの視覚効果や、強すぎる敵とのエンカウントなど、プレイヤーが不満に思っていた点を抑えることができました。Discordコミュニティの何人かのメンバーが、ゲームの翻訳を改善するために貢献してくれましたよ。
――ユーザーからのフィードバックも踏まえて、今後のアップデートの方針について教えてください。
Travis 先月正式リリースして以来、何度かアップデートを行い、今後も拡張とサポートを続けていく予定です。また、コンソールへの移植(ニンテンドースイッチ、Playstation 5)も検討しています。次の大型アップデートでは、少なくとも1体の新しいボス、さらに新しいタレントやスキルを追加する予定です。今後数ヶ月のうちに、これ以外のコンテンツも追加していくつもりです。
――本作の配信や収益化はしても大丈夫ですか?
Travis もちろんです!ぜひ私たちも見たいですね。この前、Twitchで日本人プレイヤーのタイムアタックを見ていたんですが、とても楽しかったです。
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Travis 私が日本のゲームを長年楽しみ、本作を作ったように、皆さんもこのゲームを楽しんでいただければと思います。無料体験版もありますし、Discordのコミュニティも活発なので、もし興味があれば参加してほしいです。本インタビューをお読みいただき、ありがとうございました。
――ありがとうございました。


◆「注目インディーミニ問答」について
本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に700を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。
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