
もはや説明不要の名作『Slay the Spire』。この作品から「ローグライクデッキ構築」というSteamタグが生まれました。
デッキから引いたカードを、コストの許す限り使用して敵を倒し、さらに強いカードを手に入れる……そんなシンプルながら奥深いループが、多くのプレイヤーを虜にしてきました。近年では、バトルシステムや世界観に独自のひねりを加えた“スレスパ”フォロワーが続々登場し、ジャンルはますます多彩に進化しています。
戦略性重視の硬派なタイトルから、テンポ感と爽快感を重視した作品、さらには見た目のユニークさで勝負する個性派まで選択肢は豊富。しかしそのぶん「結局どれから遊べばいいの?」と迷ってしまう方も多いでしょう。そこで本記事では、最新の良作ローグライクデッキ構築ゲームの中から、とくにおすすめの5本を厳選してご紹介。遊びやすさ・やり込み要素・独自性の三拍子そろったタイトルを揃えましたので、この連休のゲーム選びの参考にどうぞ。
インベーダー×デッキ構築の妙味『StarVaders』

まずは『StarVaders』をご紹介しましょう。本作はローグライクデッキ構築と『スペースインベーダー』を融合させたようなゲームです。毎ターン限られたコストで攻撃・補助・移動を行い、グリッドの上部からゆっくりと迫り来る敵を迎撃しましょう。

ほとんどの場合、ターン中にカードは3枚(+1枚)しか使えず、攻撃も補助も移動もやっていたら全然間に合わないように見えますが、敵の射線は常に見えているので、同士討ちや罠を活用することで活路が見えてきます。
失敗しても即ゲームオーバーにはならず、敵の侵攻によって付与される「ドゥーム」が5つ溜まると敗北……というやや寛容な設計なので、意外と初回プレイでもサクサク進めることができます。

キャラクターごとにできることは大きく異なり、リプレイ性も高いです。テンポの良さとフェアな難易度が光る良作です。
都市を管理し、深淵へと至れ『As We Descend 深淵へ至る道』
続いて『As We Descend 深淵へ至る道』を紹介します。

本作は、沈みゆく都市「ボルトシティ」を舞台に、TRPG風の資源管理とローグライクデッキ構築を融合させたゲームです。プレイヤーは使者と遠征隊を操り、市街を探索しつつ資源を集め、サイクルごとに迫る脅威に備えます。このパートだけでも、充分にゲーム性があり、どんなイベントをこなしていけばいいか悩んでしまいます。

バトルでは、ユニットごとに異なるカードデッキを組み合わせて戦い、陣形や効果を駆使して敵を打ち倒していきます。距離の概念や、敵のスタン値、投入ユニットの数など、バトルにおいてもインタラクトできる要素がてんこ盛りで、そのうえ通常難易度でも敵がしっかり凶悪です。初回から奥深い駆け引きが求められるでしょう。

重厚なSF世界観とアートワークも魅力で、チュートリアルやローカライズも丁寧。同ジャンルに慣れたプレイヤーでも、新鮮な体験ができる完成度の高い一作です。
まだまだ楽しめるループものローグライクデッキ構築『クロノアーク』
4年ものあいだ早期アクセスとしてアップデートが続けられてきた『クロノアーク』は、昨年ついに正式リリースされました。

本作はオーソドックスなデッキ構築ローグライクに、パーティ編成とループ系SFストーリーを融合させた意欲作。仮想空間に閉じ込められた少女たちが、何度もループを繰り返しながら真実に迫るSF仕立てのストーリーも面白く、プレイのモチベーションも上がります。

バトルは、複数対複数のターン制で、二度目に攻撃を受けると初めて実ダメージになる“回復ゲージ”が鍵となります。かなり独自のシステムであり、RPGらしさとカードゲームらしさが良い感じにミックスされています。

可愛いキャラクターたちが織り成すサイドエピソードや、専用衣装が楽しめるDLCも随時配信されています。4年前に遊んだ人も、もう一度帰ってみてはいかがでしょうか?

天使と悪魔がひとつの列車に同乗!タワーディフェンス型デッキ構築が面白い『Monster Train 2』
お次は『Monster Train 2』を紹介します。本作は高評価を受けた『Monster Train』の続編です。前作と違い発売日から日本語対応されているので、気軽に遊ぶことができます(なお、ゲームパスにも対応中)。
前作同様に、本作も3つの部屋に分かたれた列車が舞台です。ターンごとに敵が乗り込んでくるので、ユニットを配置し、列車の炉魂を守り切りましょう。

フェイズもユニット配置、カード使用、オートバトルの3つに分かれており、通常のローグライクデッキ構築に比べると煩雑に見えるかもしれませんが、思ったより直感的です。手前に反撃できるタンクを置いて、後ろから射撃する戦術がベタです。
天界から抜け出してきた「脱天使」と「悪魔」たちがタイタンという巨悪を滅ぼすために渋々ながら協力するフレーバーもサイコーです。ランのあいだに会話劇も楽しめるようになったので、ぜひ彼らのスチャラカなお喋りを聞いてみてください。

道中のイベントもユニークなものが多いです。あれ、このジョーカーどこかで見たことが……?

実写の指が描かれたカードを駆使し、悪夢のなかを泳ぐホラーカードゲーム『萬手一体』
最後は『萬手一体』をオススメします。本作は病院らしき空間に閉じ込められた人間が自らの悪夢のなかを泳いでいくという、なかなか怖ろしい設定のカードゲームです。

カードのデザインはほとんど実写&体のパーツで表現されており、生々しく動く指や手が目につきます。な、なんだこの不安感は……。
これだけ外連味を出しながらも、ゲーム自体はとてもシンプルでわかりやすく、UIもハッキリしていて、チュートリアルも丁寧です。右の段に表示されているカードを両手でつかみ取り、襲い掛かってくるあらゆる幻を払っていきましょう。
なお、マップのランダム性はほぼなく、ローグライクというよりオーソドックスなRPGなのですが、戦闘スタイルは『Slay the Spire』のゲームデザインを踏襲しているうえに、非常に出来も良かったので、この機会にねじ込ませていただきました。

徐々に呪いが侵食していくというフレーバーの通り、敵を倒すごとにカードにデメリットが追加されたり、敵にバフがかかったりしていきます。一回のラン中に『Slay the Spire』のアセンションが上下するような感覚で、ここもユニークです。
果たして、この人物は悪夢を泳ぎ切り、自らと向き合うことができるのでしょうか?

以上、最新の良作デッキ構築ローグライク4選でした。
「これも面白いぞ!」という一本があれば、ぜひともコメントにて教えてください!













