
賞金付きゲームジャムの開催などを行いつつ、「約700ドルで今すぐ楽に利益をあげられる、ベテラン直伝のゲーム制作講座が受けられる!」というWebサイトを運営しているYouTubeチャンネル・Blackthornprod。そんなBlackthornprodが制作し、2025年5月22日に配信したゲーム『The Lightning Struck Orphan』がたった3本しか売れていない……そんな投稿が海外掲示板Redditにて注目を集めています。
5月29日時点での最大同時接続数はたったの「4」。そんなゲーム制作YouTuberの言うことは信じるな!?

外部サイトSteamDBにて該当のゲームを調べてみたところ、同ゲームの発売以来の全期間の最大同時接続数はたったの「4」。さすがに3本しか売れていない……ということはなさそうですが、おそらく売り上げが100本未満であろうことは間違いなさそうです。
ゲーム内容自体が気になる方は別の記事もあわせてご覧ください。ゲームアイディアの新規性の多寡はともかくアセット類が著しく反感を買うような内容ということもなく、少なくとも遊んだ人間からは(個々人のバイラル的な宣伝が発生するレベルであるかはともかく)酷評されるような内容ではありません。
このトピックを掲示板に作成した人は、以下のように述べています。
もし彼らが「あなたの情熱を利益に変える」というキャッチフレーズで、ビデオゲームの作り方と販売の仕方を教えると主張する700ドルのコースを販売していなかったら、これはまったく問題ありません (誰でも失敗する可能性があります)。
ゲーム開発の「達人」に騙されそうな初心者や趣味人のために投稿しました。お金の使い方は賢くしましょう。
掲示板の海外ユーザーの声としては、これは典型的な「自己啓発セミナー」のビジネス手法に似ている……という声がよく見られました。
小説の自費出版や企業などで、こうした「自己啓発セミナー」的な、実のところ実態は何もないセミナーを売りつけようとしている人は多い。
ゴールドラッシュで一番儲けたのは「スコップを売った人」だ。彼らは「スコップを売る人」を目指しているのだろう。
彼らの動画を見てみたが、確かに初歩的なゲームは作れるようになるかもしれないが、そこから先は何も説明していない。700ドルを払う価値はおそらくないだろう。
実際のゲーム開発講座を受け持っているという本当のゲーム開発のベテランの声も掲示板に寄せられています。「私はゲーム開発でお金を稼げるとは1度も言ったことがありません。ゲームエンジンの専門的な知識を持っているので、それを受講者に伝えるだけです。私にはマーケティングのスキルはないし、ゲーム制作でも成功したことがないので、ゲームをどうやって売るかを教えることはできません。話題のYouTuberを見る限り、彼らが経験もしてないことをゲーム開発志望者に伝えているであろうことを思うと本当に不安になります。」
しかし、なかにはそもそも「ゲーム制作を他人から学ぶことが間違いである」という意見も。
「ゲームエンジンの使用方法も、ゲーム制作の手法も今やGoogle検索で無料で得ることができる。ゲーム制作学校も同じことで、卒業制作としてゲームを作らなければならないだろうが、ゲーム制作は学校に通っていなくてもできる。(海外に稀にある)大学のゲーム制作学部の利点は、学位の獲得とさまざまな人々に出会う機会ができることだけだ」という、厳しい意見も見られました。
その他、「彼らはYouTuberとしては面白いけれど、ゲーム開発のスキルは持っていないんだろうなと思うことは多々ある」「動画制作とゲーム制作は相反する関係で、両立なんてできっこない。どちらか一方に絞るべきで、明らかに動画制作に力を入れている彼らは信用できない」という声が目立ちました。
少なくとも「楽して稼げる」ようなものであったりはしないのがゲーム制作道のようです。
Game Dev course sellers releases a game. It has sold 3 copies.
byu/GoragarXGameDev ingamedev
※UPDATE(2025/5/30 12:40):ゲーム自体の内容についての情報を追加し、そちらを主体とした別の記事へのリンクを追加しました。






