「エンカウント」は和製英語?近年では「エンカする」といった若者用語としても使われる | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

ハードコアゲーマーのためのWebメディア

「エンカウント」は和製英語?近年では「エンカする」といった若者用語としても使われる

近年の若者の会話では「建物の片隅で友達の幽霊とエンカしちゃった」という使用例、ありうるかもしれません。

ゲーム文化 カルチャー
「エンカウント」は和製英語?近年では「エンカする」といった若者用語としても使われる
  • 「エンカウント」は和製英語?近年では「エンカする」といった若者用語としても使われる
  • 「エンカウント」は和製英語?近年では「エンカする」といった若者用語としても使われる
  • 「エンカウント」は和製英語?近年では「エンカする」といった若者用語としても使われる

「女子高生が他人とばったり出会うという意味で"エンカする"という言葉を使っていて驚いた」―そんなゲーマーの投稿がSNSを騒がせています。実際、X(旧Twitter)を"エンカする"で検索すると、多くの若者が「人と会う」という意味で"エンカする"という単語を使っていることがわかります。

この「エンカ」は「エンカウント」の略ですが、「エンカウント」という単語はそもそも辞書には存在しない和製英語という事をご存じでしょうか?

いつしか生まれたゲーム俗語から、そして若者言葉へ……

まずは世界で最も権威ある英語辞典であるオックスフォード英語辞典のサイトから、「encount」を引いてみると……検索結果、0件!

「エンカウント」は、「encounter」の略と言われています。オックスフォード英語辞典で「encounter」を引いてみましょう。すると「誰かと会う」という動詞としての使用法、「遭遇」という名詞としての使用法など、3件の検索結果が見つかります。

とは言え、ゲーム用語としては「encounter」はほとんど使われず、皆様「エンカウント」という響きの方が聞き覚えがあるのではないでしょうか?(実際、「エンカウンター」って言いにくいもんね)

ゲームの俗語としては、RPGにおいてダンジョンを歩いているとランダムで発生する戦闘を「ランダムエンカウント」、敵のシンボルがマップ上に表示されていてシンボルに接触すると戦闘が発生する形式を「シンボルエンカウント」という事も多いです。

「シンボルエンカウント」の代表例『ロマンシング サガ2』(リメイク前)
『ファイナルファンタジー ピクセルリマスター』。「ランダムエンカウント」のゲームだが、ゲーム内に用語として「エンカウント」が使用されている

ではなぜ、「エンカウント」がゲームの用語として定着したのでしょうか。これには諸説ありますが、1つには『ウィザードリィ』第1作で戦闘が始まるたびに「An Encounter」と表示されていたのが大きいのではないのでしょうか。

『Wizardry Proving Grounds of the Mad Overlord』(2024リメイク版)

このゲームの表記こそ「An Encounter」で「エンカウント」ではありませんが、この表記は戦闘の度に表示られるために黎明期のゲーマーたちの印象に残り、そしてその黎明期のゲーマーたちは言いづらい「Encounter」を略して「エンカウント」と呼び、それが次第に定着していったのではないか……と筆者は推測しています。


本来の英語から見ると「エンカウント」は誤用ですが、時代と共に言葉は移り変わっていくもの。ゲームの俗語として「エンカウント」が定着するのも、そして若者言葉の一部として「エンカする」が使われるようになるのも、日本語の変遷としては自然なものかもしれません。

ライター:ずんこ。,編集:Akira Horie》

ライター/石の中にいたいブロガー ずんこ。

ダンジョンの間に挟まれたい系男子。某掲示板でRPGツクールに目覚めその進捗目的でブログを書き始めるも、いつの間にかDRPGが中心の内容に変わっていた。 DRPGと麻雀・ポーカーゲームと元ネタとの差別化が光るフォロワー系ゲームをこよなく愛する。サービス終了したアーケードゲーム『ポーカースタジアム』の公式大会優勝という凄いんだか凄くないんだかわからない肩書きも持つ。

+ 続きを読む
Akira Horie

編集/『ウィザードリィ外伝 五つの試練』Steam/Nintendo Switch好評発売中! Akira Horie

n/a

+ 続きを読む
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめの記事

ゲーム文化 アクセスランキング

  1. eスポーツ大会でまさかの不正行為も、所属チームは普通に敗北…。当該選手はチームからも除名へ

    eスポーツ大会でまさかの不正行為も、所属チームは普通に敗北…。当該選手はチームからも除名へ

  2. オープンワールドキャンプ冒険ゲーム『The Gold River Project』2026年1月に早期アクセス開始決定!

    オープンワールドキャンプ冒険ゲーム『The Gold River Project』2026年1月に早期アクセス開始決定!

  3. 知ってた?「トップガン マーヴェリック」の体感アーケードフライトSTGが日本に来るぞ!!【アミューズメント エキスポ 2025】

    知ってた?「トップガン マーヴェリック」の体感アーケードフライトSTGが日本に来るぞ!!【アミューズメント エキスポ 2025】

  4. 上半身だけのパートナーと接合した状態で旅を進める!ポストサイバーパンク・サバイバルホラーRPG『GRAFT』

  5. 【PC版無料配信】異変に対処しつつ退勤を目指すホラー『異ノ故リ-Isolated Hours-』Steamで配信

  6. 『空の軌跡 the 1st』が「2025年プレイすべきJRPG10選」の1位に!「日本のRPGの中でも最高傑作の一つ」と米ニュースメディア大絶賛

  7. Fakerと韓国首相が対談。「現実的にプロゲーマーになるのは非常に難しい」Worlds 3連覇の喜びとプロとしてのキャリア観を語る

  8. 2026年の『テイルズ オブ』リマスタープロジェクトは“さらに過去の名作”が対象に。シリーズ完全新作についても語られた「30周年記念動画」

  9. 東京都主催の『スト6』ゲーム大会、女性キャラの水着コスチュームが使用禁止に―“良い子”たちに配慮か

  10. 一人称視点メカシミュレーション『Steel Bounty』発表!カスタマイズに重きを置く

アクセスランキングをもっと見る

page top