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誰もいないオンラインFPS。それはデジタル廃墟のようだ…新作ホラー『No Players Online』に感じる居心地の悪さ

ワイワイ対戦するために作られたマップを1人で歩く心細さ……。

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誰もいないオンラインFPS。それはデジタル廃墟のようだ…新作ホラー『No Players Online』に感じる居心地の悪さ
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7月20日まで京都・みやこめっせにて大規模インディーゲームイベント「BitSummit the 13th: Summer of Yokai」が開催されました。本記事では、Black Lantern Collectiveが販売を予定しているホラーゲーム『No Players Online』の内容をお届けします。

人のいないオンラインFPS、それはデジタル廃墟なのかもしれない…

本作は、誰も遊ばなくなった対戦FPSをプレイする、というひとつのコンセプトのホラーゲームです。itch.ioにて短編としてリリースされ、高い人気を博した後、Steam向けに拡張版が開発されている形です。

本作におけるゲーム内のFPSは、お互いの陣地の旗を取り合って闘うクラシックな定番ルール「キャプチャー・ザ・フラッグ」です。『Quake III: Arena』や『Unreal Tournament』ほどハイスピードではありませんが、普通に遊べそうなデザインとなっています。ただ、設定としては開発中のまま放棄されてしまったゲームとなっているため、非常にシンプルです。

本来であれば対戦するためにデザインされたマップをひとりで歩くというのはなかなか寂しいものです。筆者がかつて、Valve作品バンドルを買ったときについてきた『Ricochet』や『Half-Life Deathmatch: Source』などを1人でさわってみたときと似たような感覚を覚えました。ワイワイ対戦するために作られた世界を1人で歩き、響くのは自分の銃声と足音だけ。

どこか心細い怖さのある体験ですが、本作ではしっかり“何か”が起こってくれるのが魅力。誰もいないはずのゲームに得体のしれない存在がマップ内に現れる……というものは想像以上に怖いものです。

さらに本作では、レトロな仮想OSやインターネットを探索するという要素もあり、90年代~00年代頃の雰囲気を再現できます。なんといっても、インターネット接続時に「ピーゴロゴロゴロ……」とダイアルアップ接続の音が聞けますからね!

ここからは、開発スタジオ・Beeswax GamesのAdam Pype氏にお話を伺います。

――本作の開発のきっかけを教えて下さい。

Pype:本作は、毎月1本のゲームを作るというオンラインのプロジェクトから生まれました。私は毎月1作品作っていて、32ヶ月連続で作っています。他にも、ホラープチゲーム集『SPOOKWARE』や、20人の開発者がそれぞれ1ステージずつ違うゲームを作る『C.H.A.I.N.』なども作っていて、短時間で面白いゲームを作るということに情熱を注いでいます。

『No Players Online』のオリジナル版は、2日間で作りました。ボリュームは15分ほどだったのですが、これを今回の新バージョンでは5時間にどう伸ばすかが課題となっています。

――ストーリーとしてはどういったものになっているのでしょうか。主人公はなぜオンラインを探索しているのでしょう。

Pype:ストーリーは、妻を亡くした男性が、PCの中に保存された妻の魂を探しに行くというロマンスな物語になっています。ただ、全然見つからないうちに闇に走っていくという流れにもなっています。深みに入っていくことでヤバさが増していって、ARGでそのヤバさが広がっていくという……。

――いま始めて知ったのですが、ARG(※)要素があるのですね。

※ARG(Alternmate Reality Game):仮想世界と現実世界がつながり、プレイヤーがゲームの物語や謎解きに直接参加するという仕掛け。『Inscryption』などが有名。

Pype:はい。インディーホラーコミュニティのメンバーであることがリアルに体験できるARGなんです。

――ARGは非常に魅力的ですが、日本人から見ると置いてきぼりになってしまう感覚もあります。『Inscryption』なんかは、最後は現実でのモノ探しゲームになってしまって……。

Pype:本作に関しては、5時間ほどの本編で綺麗にストーリーは完結します。ただ、掘り下げてもっと知りたい!となると、ゲーム外のインディホラーコミュニティでいろいろ探す要素が出てきます。ちなみに、『Inscryption』のDaniel Mullinsとはすごく仲良しです(笑)。

――キャプチャー・ザ・フラッグのモチーフになったゲームは何でしょうか。

Pype:『Quake』のマップですね。

――キャプチャー・ザ・フラッグがバージョンアップしていくという要素がありましたが、どんどんゲームが進化していくのですか。

Pype:そうですね。本作の中にはいくつかのバラバラなゲームがあって、それが融合して新たなゲームができていくという展開になります。

――ゲームとしては90年代後半~00年代くらいの懐かしインターネットな要素もありますね。

Pype:開発に関わっているメンバーの世代的に、これぐらいの年代がちょうどいい感じだったんです。

――日本でもいま現実と仮想の境目が曖昧になるホラーが流行っていますから、日本でも人気が出そうです。

Pype:そういったゲームが好きな人はまさにぴったりハマるゲームなので、遊んでみてください!


『No Players Online』は、PC(Steam)向けに発売予定です。

ライター:みお



ライター/取材も執筆もたくさんやる、半ライター半編集 みお

ゲーム文化と70年代の日本語の音楽大好き。2021年3月からフリーライターを始め、2025年4月にGame*Spark編集部入り。

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