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本稿はグロテスクな写真やショッキングな映像を載せています。閲覧の際は十分ご注意ください。

8月中旬といえば「お盆」ですが、長期休暇でゆったり過ごしているハードコアゲーマーも多いことでしょう。それにしても、日本各地で40度に迫る異常な暑さが続いていますね。筆者が小学生の頃は、30度を超えると「猛暑日」と呼んでいましたが…今はそれどころの騒ぎじゃないですよね。
さて今回は、そんな猛る夏の暑さを吹き飛ばしてしまうかもしれない、2025年8月までにSteam向けに発売された「本当に怖い」ホラーゲームを、筆者の独断と偏見で5作品厳選してご紹介いたします!
ただし、そのまんま紹介するだけではツマラナイので、当該作品の「精神的恐怖度」「グロテスク度」「ジャンプスケア度」「探索」「戦闘」など、ゲームを構成する各要素5項目を1~10点満点で採点し、「総合的なオススメ度」を☆マークで表しました。なお、採点はレーダーチャートを用い、こちらのジェネレーターで作成しております。めっっちゃ便利ですよコレ。また採点はあくまで筆者の個人的な見解に基づいています。
◆『Cursed Digicam | 呪われたデジカメ』
本作は、チラズアートが手がける一人称視点のサイコロジカルホラーゲーム。プレイヤーは、「幽霊」を写すことのできる特殊なカメラを使い、亡くなった娘の霊を探すため不気味な公園を探索していきます。しかし、撮影を続けていくうちに予期せぬ訪問者の姿が……。

本作の特徴は、「心霊写真」を撮りながらゲームを進めていくユニークなシステムと、大幅に進化したフォトリアルなグラフィックです。また徐々に明かされていく不穏な物語の結末は、ただのウォーキングシミュレーターでは終わらない背筋の凍るようなゾッとする恐怖が味わえます。

さて、ここで先述した「採点チャート」の登場です。これはあくまで、筆者のプレイフィールを基に採点しています。
チャートの右回りの順で項目を詳しく見ていきましょう。まず「精神的恐怖」は、ゲームにおいてどれほど心理的な恐怖感があったかを独断で数値化したものですが、本作は「カメラを構えたときのファインダー越しの不安な気持ち」「不審者に襲われる恐ろしさ」など、かなり心理的恐怖に重点を置いていたので8点としました。

つぎに「ジャンプスケア」は、プレイヤーを驚かすびっくり要素が多いか少ないかを数値で表しています。個人的には、ジャンプスケアの挿入が少ないほど作品として良作であると感じています。「グロテスク」も似たように、クリーチャーや世界観などゲーム内の表現がどれほどグロテスクで残酷なのかを示していますが、「グロ」と「ホラー」は紙一重かつ表裏一体。単純にグロい=怖いだけではないのがホラーゲームの魅力です。

そして「探索」と「戦闘」もホラーゲームにおける重要な要素です。探索は、マップの有無や謎解きパズルの難易度、やりごたえなど総合的な面白さを数値化。同様に、戦闘メカニクスは単純なチェイスなのか、武器を使った本格的なものなのかを判断しており、探索が6点戦闘が4点としました。
最後にすべての点数を基にして、全体的な「オススメ度」を☆で表しましたが、本作は☆5つ満点中☆3つと、悪くない点数でした。
タイトル:『Cursed Digicam | 呪われたデジカメ』
開発元:チラズアート
発売日:2025年1月10日
価格:920円
◆『Post Trauma』
本作は、固定カメラ視点を取り入れたPS2風のサバイバルホラーゲームです。プレイヤーは、中年男性「ローマン」を操作しながら、悪夢のような超現実的世界を探索し、時には異形のクリーチャーと戦って生き延び、真相を明らかにしていくのがゲームの目的です。

本作の特徴は、PS2時代のレトロなエッセンスと現代風のシステムが融合する「進化」したサバイバルホラーが体験できることです。たとえば、ただの固定カメラ視点ではなく、場面によってカメラワークが動的に変化する斬新なものであったり、いわゆるタンク操作は当時の感覚はそのままに、現代基準の快適な設計になっています。また、精緻なグラフィックスはおぞましい世界を臨場感たっぷりに描いています。

本作は、『サイレントヒル2』など往年のホラーゲームにインスパイアされており、不条理な世界観や異形のクリーチャーが徘徊する舞台は非常に恐ろしい雰囲気で、精神的恐怖は8点としました。ジャンプスケア要素は多少ありますがチープなものではなく、プレイヤーの心理的な不安を煽る演出として機能していました。
グロテスクな描写もありますが、スプラッター的な「グロさ」を全面に出したものではなく、あくまで世界観の一部という感じなので6点としています。

そして探索は、観察力の試されるハードな謎解きパズルを解き進んでいく感覚がとてもアナログで楽しくやりごたえ抜群なものの、マップが用意されていないため減点し8点にしました。戦闘は、『サイレントヒル』のような異形の敵に銃器や近接武器で戦うオーソドックスなシステムで、攻撃のほか回避が可能ですが、モッサリ感のある操作感とボス以外の雑魚はスルーできることから、緊張感や爽快感などはあまり感じれないため5点としました。
とはいえ、ゲーム全体として非常にクオリティは高く、☆4つのオススメホラーゲームです。
タイトル:『Post Trauma』
開発元:RED SOUL GAMES
発売日:2025年4月22日
価格:1,700円
◆『呪いの穢れ唄 鳴海龍也の回奇録』

本作は、一人称視点のポイント&クリック式ホラーアドベンチャーゲームです。プレイヤーは、記憶喪失の主人公「鳴海達也」となり、不気味な唄声と怪奇現象の発生する“呪われた日本家屋”を謎の少女「みさき」とともに探索し、隠された謎を解き明かしていきます。

本作の特徴は、ビジュアルノベル風の会話システムと古典的なポイント&クリック型の3D探索が融合したゲームメカニクス。とくに、協力者である「みさき」は、探索で集めたアイテムを見せると、様々なヒントや会話を楽しむことができます。また、探索中に発生する怪奇現象の数々は、まるでお化け屋敷の中にいるような感覚になります。プレイ時間は30分~60分ほどの短編ホラーゲームです。

まず、スマホのライトを頼りに暗闇を探索するのは結構な怖さがあり、いつ怪奇現象が発生するか分からない心理的な不安も相まって精神的恐怖は8点としました。ジャンプスケアはあるものの、ほんのりとしたものでそこまでキツくないので5点です。グロテスクさや残酷な表現はほぼ皆無ですが、登場する「呪いの存在」が醜悪な姿だったので7点としました。


そして探索要素ですが、「調査」パートで家屋を探索してアイテムを集めていき、みさきとの「会話」をヒントに謎を解いていく面白さが大いにあったので8点としました。戦闘は、チェイスも武器を使ったバトルもないので残念ですが、先述した「呪いの存在」との一風変わった対決があるので5点です。
本作はホラー的要素が少なめであるものの、探索や謎解きがやりごたえ抜群で総合的にオススメのホラーゲームです。
タイトル:『呪いの穢れ唄 鳴海龍也の回奇録』
開発元:BogeymanGames
発売日:2025年6月13日
価格:800円
◆『Dread Flats』
本作は一人称視点の中国風ホラーゲームで、日本語に対応しています。主人公は、とあるチャンネルの配信者で、呪われた廃マンション「凶楼」に3日間泊まれば150万円支払う、という視聴者からの依頼を受けて足を踏み入れることに。不気味な集合マンションを探索し、配信用の素材撮影を始めますが、そこには不気味すぎる「エンティティ」の姿が……。

特徴的なのは、主人公が配信者であるためビデオカメラ片手に「撮影」しつつ探索を進めることです。また、舞台となるマンションは、90年代の中国風テイストがリアルに再現されており非常に新鮮です。

フォトリアルなグラフィックで描かれた廃墟の雰囲気に加え、本作最大の脅威である「異形の老婆」との遭遇がめっちゃくちゃ恐ろしく、大半のプレイヤーがビビりながらのプレイになるでしょう。ということで精神的恐怖は9点とかなり高めに付けました。ジャンプスケアは思ったほどなく、焦らすようなじっとりした切り口だったので7点です。また、グロテスクな表現はほぼありません。

探索は典型的なウォーキングシミュレーターに近いもので、部屋を調べてアイテムを見つけ、先のエリアに進んでいきます。しかし、ビデオカメラのバッテリー補給や先ほど紹介した「老婆」から隠れるなど、探索の緊張感と恐怖感はバッチリでした。

戦闘は、物陰に隠れたり老婆から逃げるステルスとチェイスが融合したシステムです。もちろん、突然遭遇し追われる恐怖を非常に感じたのですが、操作性が悪いため減点し4点としました。
とはいえ、日本語訳も含めて全体的にゲームの完成度はかなり高く、「本当に怖い」と言って良い☆5つの超オススメホラーゲームです。
タイトル:『Dread Flats』
開発元:Ghostcase
発売日:2025年7月11日
価格:700円
◆『Manivore』
本作は、一人称視点のサイコロジカルホラーアドベンチャーです。プレイヤーは捜査官となり、冷徹かつサディスティックな連続殺人犯「Manivore」の邸宅を捜査し、カメラを使い犯罪現場の手がかりと証拠を見つけ、パズルを解いて奥深くへ潜入、狂気の真相を明らかにしていきます。無事生き残れるのか、それとも彼の「作品」となるのかはプレイヤー次第です。

本作を一言で表すなら、「近年稀に見る極めてグロテスクなホラーゲーム」になります。特徴的なのは、思わず目を閉じたくなるほどの残酷表現で、無惨に殺された死体や気味の悪いオブジェクトがあちこちに残されています。また、肝心のゲームプレイにおいても、探索と謎解きを十分に楽しめます。

ゲームが進行するにつれて、猟奇的な犯行がゆっくりと判明していく様相は、心理的不安と気持ち悪さを物凄く感じます。よって精神的恐怖は9点と高めにしました。そして、本作の代名詞である「グロテスク」は、死体の欠損表現や垣間見えるサディズムと変態性など、倒錯表現のオンパレード。間違いなく10点満点です。
ジャンプスケアは、この手のサイコホラーにしては多く挿入されており、少しチープな印象を受けました。

探索は、カメラを駆使したユニークな調査メカニクスと、歯ごたえのある謎解きパズルの出来が良かったので7点としました。また戦闘については、チェイスもステルスも銃器でのバトルもほぼほぼありません。ただし、特定の場面でそれらに近い要素が発生しますが、あまり良いものではなかったので2点にしました。

本作はグロテスクな表現がキツイので、万人にオススメできる作品ではありません。とはいえ、全体的なゲームの完成度はまずまず高いので、グロ耐性があるプレイヤーはぜひとも挑戦してください。
タイトル:『Manivore』
開発元:FarkasInteractive
発売日:2025年5月13日
価格:800円
以上、夏にピッタリの厳選ホラーゲームのご紹介でした。読者の皆さんのオススメ作品があればぜひコメント欄にて教えて下さい!
















