Fair Gamesは、2019年12月13日に早期アクセスを開始したPC向け2DサバイバルアドベンチャーRPG『Necesse(ネセス)』について、2025年10月17日に正式版へと移行するアップデート1.0をリリースしました。
本作は、さまざまなバイオームの探索や開拓地の管理などを行いながら、世界を冒険していくクラフトサバイバル作品。プレイヤーは開拓地のリーダーとなって、住民の管理や強力なボスとの戦い、世界に隠されたお宝探しなど、自由なプレイスタイルでゲームを楽しめます。
正式版となる1.0アップデートでは、多くのコンテンツ追加だけでなく、世界を1つのマップにするシームレス化を実現。これまでのマップタイル式の移動から、すべてが繋がったより広く、よりバラエティに満ちた世界を舞台に冒険ができるようになりました。
Game*Sparkでは、正式版を迎えた『ネセス』の開発チームへのインタビューを実施しました。ゲームの開発経緯やこれまでのアップデート、そして話題になった「ネセス」の呼び方など、さまざまな点をに答えてもらいました!
『ネセス』開発スタッフインタビュー
今回インタビューに答えてくれたのは、本作のメインクリエイターでありFair GamesのCEOであるMads Skovgaard氏と、ゲームプロデューサーのJonas Maretti Gress氏。なお、インタビューの内容は通訳の都合も含めてお二方をまとめた形で「Fair Games」になっていることをご了承ください。


◆元々はゲームエンジン制作の学習のためだった
――2019年の早期アクセスからおよそ6年かけて、ついに『Necesse』が正式版を迎えました。本作の開発経緯やコンセプト、初期段階で目指したことなどを教えて下さい。
Fair Games:『ネセス』の開発の経緯としては、本当に小さなプロジェクトから始まったんです。そこからゆっくりと時間をかけて、ゲーム内容が拡張していきました。
我々の基本的なコンセプトとしては「プレイヤーが求めているものを提供する」というものがあります。現在のようにゲームの規模が大きくなったのも、プレイヤーの方々の提案や要望が核にあります。
――『ネセス』は独自のカスタムエンジンで制作されています。早期アクセス開始から正式版まで膨大な量のコンテンツ追加を行ってきましたが、開発で苦労したことや、独自のエンジンだからこそ対応できたことなどがあれば教えて下さい。
Fair Games:このゲームを最初に作ったのは学生時代のことで、元々は学習のために独自のゲームエンジンを作ろうと思ったんです。すべてを1から作り上げる必要があったので、これは本当に苦労しながら進めていきました。
でも一度専用のゲームエンジンを完成させたことで、コンテンツの追加や改善に関しては比較的簡単に行うことができました。開発に苦労はしましたけど、専用エンジンになったことで可能になった、大きな利点だと思います。

――公式プレスキットでは、Mads氏2012年から少しずつ時間をかけて取り組んでいたことも紹介されていますね。
Fair Games:ええ、昔から本当に時間をかけて生み出してきた作品です。だいたい2016年頃にやっとゲームの形が出来上がってきて、その後はフルタイムで開発に従事してきました。
2020年頃に流行したコロナウイルスの影響もあり、そこからは外出もできないので、ワンルームの部屋で作業していたのも思い出深いですね。
◆シームレス化、グラフィック刷新……『ネセス』アップデートの歴史
――正式版となるアップデート1.0でゲームの舞台がシームレスになりました。これまでの島単位での移動システムから変更した意味や苦労について教えて下さい。
Fair Games:今回のシームレス化は技術的にも大きな変化で、マップに関してはほとんど作り直した部分でもあります。それだけに開発に大きな時間もかかりました。
ゲームプレイとしても、これまでの島単位では感じられない「自然に探索できる」という体験を提供できていると思います。まさしく『ネセス』としての最大の変化です。
――1.0では、旧バージョンのマップをシームレスな世界にコンバージョンすることも可能です。このシステムの採用理由について教えて下さい。
Fair Games:Steam早期アクセスから、多くのプレイヤーの方が時間をかけて探検や開拓を楽しんでくれています。その“冒険の形”を今の世界に移行させるというのは、本当に大切な取り組みだと思いました。
コンバージョンは実はすべて自然というわけでなく、あくまでも旧バージョンの小さな島を大きな世界に組み込む形になっています。ただし、そのことでプレイヤーの“冒険の形”を上手く反映できているのではないかと思います。
――これまでのアップデートでは、2024年に実施されたグラフィックオーバーホールが印象的です。開発ではどのような経緯や苦労があったのでしょうか?
Fair Games:グラフィックオーバーホールは2年くらい前から計画していて、開発チームに2人のアーティストが参加してくれたのが大きなきっかけです。
彼らはとても才能があるメンバーで、1年くらいかけて既存のドット絵を元に素晴らしいグラフィックへと変更してくれました。とても大変な作業だったと思いますが、彼らの力がなかったら実現できなかった、最高にワクワクする変更だと思います。

――グラフィックオーバーホールに関連して、アクションや表現の点で変更したものはあったのでしょうか?
Fair Games:水の描写やアニメーションなど一部変更した部分はありますが、技術面では大きな変更はありません。基本的にはグラフィックの調整がメインですね。
ただし、キャラクターのヘルメットや髪型など、見た目の個性を与える内容に関しては変化を加えています。キャラクター編集は重視した部分ですね。
――これまでのアップデートで多くのバイオームやアイテム、新機能などが追加されています。開発チームで最もエキサイティングだったアップデート項目はどれでしょうか?
Fair Games:やはり一番エキサイティングだったのは、正式版となる1.0アップデートですね。もちろん、グラフィックオーバーホールや既存コンテンツの追加も重要なものでした。
また、印象深いアップデートでは、開拓地の住民を連れていけるようになったことも大きな変更です。他にもさまざまなボスの追加はやはりゲームとして面白いものだと思います。

――戦闘やQoL、開拓地の経営など、アップデート項目はとてもバラエティ豊かです。アイデアは開発チーム全体で提案されていたのでしょうか?
Fair Games:社内では2年くらい前から、スプレッドシートに色々なアイデアを書いてくれと社員に共有するシステムを採用しています。さらに、社員達がそのアイデアを一つ一つ評価して優先順位を決定しています。
ただアイデアの多くは、基本的にコミュニティの提案から来ているものも多いですね。開発チームだけでなく、プレイヤーの皆さんとも一緒に開発していると思っていただければ嬉しいですね。
『ネセス』は制限がないゲームなので何でも足せてしまうんです。我々もどんどんアイデアを追加していきたいのですが、少し怖いところもありますね(笑)
◆自分たちも遊びやすいゲームを作りたい
――『ネセス』は強力なボスとの戦いも1つの大きな魅力です。個性的なボスのデザインや戦闘についてのコンセプトを教えて下さい。
Fair Games:ボスについては開発の初期段階から、とにかくたくさんの種類やアイデアを考えていました。そのおかげで実装しようとする段階で、ゲーム初期から形にできました。
それから多くのメンバーが色々なアイデアを持ち寄ってくれて、今のようなバラエティ豊かなボスと戦えるゲームになったと思います。

――個人的に開拓地で住民に指示することで「自動仕分け」ができることが本当に嬉しい要素です。開拓地は細かな指示で自動化や効率化もできますが、どのような開発コンセプトがあるのでしょうか。
Fair Games:村人の自動仕分けに関しては、我々としても「なるべく面倒なことはやりたくない!」という考えがあって生まれたシステムです。自動化や仕分けはとても便利な機能だと思いますし、それをユーザーの方が喜んでくれるのも嬉しいですね(笑)
他のサバイバルクラフトのゲームで遊んでいる中で、どうしても「ここは不便かも」と思うことはあります。色々な便利・快適な機能が搭載されていると嬉しいですし、もっと『ネセス』みたいな機能は増えてほしいな、と思うことはありますね。
――サバイバルクラフトは採掘や伐採の「気持ちよさ」が重要な部分だと思います。『ネセス』も採掘や伐採のテンポが良く楽しい要素になっていますが、開発チームで意識した点はあるでしょうか。
Fair Games:そうですね。作業の気持ちよさというのは、どんなゲームでも大切な要素だと思います。『ネセス』では、サウンドを変えていたり、木を切る時に葉っぱが散ったり、そういう小さな演出を入れることでも作業に変化を与えています。
例えばキーを押すだけで採掘や伐採が簡単に続けられるのですが、そういった効率化や最適化の部分は『ネセス』の明確な良い点だと思います。
――『Necesse』はゲームを進めていくと、ポーションや弾薬を整理できる袋が入手できてインベントリ圧縮が可能です。このような機能を含め、開発が目指したゲームの遊びやすさについて教えて下さい。
Fair Games:冒険を進めていくことでインベントリの圧縮が進んでいくというのは、ゲームの遊びやすさや効率的な楽しさを実現する中でとても大切な要素だと思います。
インベントリ整理がしやすくなれば冒険もやりやすくなりますし、何よりも新しい冒険に出発しやすいですよね。『ネセス』は本当にアイテムの種類が多いので、こういったインベントリ圧縮・整理機能を入れることがベストだと思いました。

――Steamストアページで開発ロードマップも公開されていますが、今後計画されている大きなアップデート計画などを教えて下さい!
Fair Games:ストアページで公開されているロードマップは2025年6月時点のものなので、少しアップデート計画としては古いものですね。
ただしアップデート計画自体はまだまだ用意されていますし、今後もさまざまな機能やコンテンツが登場していく予定です。こちらは情報の公開を是非とも待っていてほしいですね!
※編集部注 2025年10月24日に最新のロードマップが公開されました!このロードマップでは2026年夏までの計画を中心に記載されています。
――『ネセス』ですが日本ユーザーからは「ネセッセ」と呼ばれることも多いという一種のミームのようなものもあります。TGSではこの内容を取り上げたステッカーも配布されていましたね。
Fair Games:「ネセッセ」という日本での呼ばれ方がどういう意味をもっているのかは、正直わからないですね(笑)。世界でも色々な呼び方をされているので、あまり気にはなっていません。
『ネセス』のタイトルは「必須」を意味する「Necessary」から由来しています。こちらは早期アクセス前から決まっているもので、サバイバル要素を表現する上でわかりやすくなっていると思います。
とはいえ、ファンの皆さまは好きに読んでもらっても構いませんよ。それも楽しい要素ですからね!
――最後に日本の『ネセス』ファンや読者の方々へのメッセージをお願いします!
Fair Games:『ネセス』は何年もかけて開発しているゲームで、今のように多くの人々が楽しんで遊んでもらえているというのは夢のようです。日本のユーザーもたくさん遊んでもらってくれていて、心から感謝しています。
我々は『ネセス』のプレイ配信もよく見ているのですが、この前は8人でマルチプレイしている様子の配信を見かけました。その配信では、何度もボスに殺されながら挑み続けて、最後には無事に目標を達成して、みんなで喜んで笑っていたのが印象的でした。多くの人達がゲームを楽しんでいるのが嬉しかったですね。
ゲームは正式版になりましたが、まだまだアップデートは続いていくので、ファンの皆様は楽しみに待っていてください!
――ありがとうございました!
『ネセス』はPC(Steam)向けに配信中。正式版を記念して、素敵なコスメティックがゲーム内に追加されるサポーターパックDLCも登場しています。












