気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Scumhead氏とOsiol氏開発、PC向けに10月14日にリリースされたノンリニアFPSアドベンチャー『Mohrta』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、初代『DOOM』互換エンジン「GZDoom」で開発されたローポリFPSアドベンチャー。各エリアやボスに好きな順番で挑み、プレイスタイルに合わせて武器を強化・アップグレードし、物語の裏に隠された真実を解き明かしていきます。50以上の多様な敵と20体の手強いボス、それぞれ独自のクエストとストーリーラインを備えたNPC、多様な機能と実用性を持つ膨大な量の武器などが特徴です。記事執筆時点では日本語未対応。
『Mohrta』は、2,300円で配信中。


――まずは自己紹介をお願いします。一番好きなゲームは何ですか?
Scumheadこんにちは。Scumheadです。アメリカ南西部出身のインディーゲーム開発者です。好きなゲームは、 『SHADOW TOWER ABYSS』、『The Elder Scrolls III: Morrowind』、『DARK SOULS II』、そして 『スーパーメトロイド』です。一本に絞るのは難しいですね!
――本作の特徴を教えてください。また、そのアイデアはどのように思いついたのでしょうか?
Scumhead本作はもともと『SHADOW TOWER ABYSS』の精神的後継作として始まりましたが、次第に独自のアイデアへと進化していきました。本作のテーマやデザインの基盤には、スティーヴン・キングの作風や「吸血鬼ハンター“D”」の雰囲気、そして私の大好きな様々なファンタジーの美学が少しずつ混ざり合っています。
これらのアイデアをコンセプトアーティストであるOsiolが見事に咀嚼し、最終的に本作に使用する素晴らしいデザインとして形にしてくれました。
――本作の開発にあたって影響を受けた作品はありますか?
Scumheadどちらかというと、「これを見て真似した」と言う直接的なものではなく、様々なインスピレーションを「濾過して凝縮」したようなものですね。私の作品は、意識的にも無意識的にも、私が好きなものから大きな影響を受けています。
例えば、「ベルセルク」、フロムソフトウェア作品、『メトロイド』、『ゼルダの伝説』、『The Elder Scrolls III: Morrowind』などですね。

――本作の開発中に一番印象深かったエピソードを一つ教えてください。
Scumheadメトロ・ネクサスのエリアで、あるテクスチャを調整しようとして3時間ぐらい格闘していたのを覚えています。その時、Osiolと通話していたんですが、私がだいぶ正気を失っていたのか、彼に「いや、それは違うだろ、バカか」みたいなことを言われて、それがツボに入って15分くらい笑いっぱなしでした。(笑)
本作の開発は本当に過酷で、常に働きづめだったので、正直、細かい思い出はあまり残っていません。しかし、私たちは2人とも第3世界(沼エリア)が懐かしくて、よく思い出します。あの時は開発のペースも良く、まさに「ゾーン」に入っていました。あの秋のような雰囲気とホラーの空気感をじっくり煮詰める時間が取れた、特別な時期でしたね。
――リリース後のユーザーのフィードバックはどのようなものがありましたか?特に印象深いものを教えてください。
Scumhead本当に素晴らしい反応をいただいていて、正直ここまで好評だとは思っていませんでした。本作はちょっと異質なゲームなので、プレイヤーがそれをすっと「理解してくれる」と、本当に嬉しくて胸がいっぱいになります。
――ユーザーからのフィードバックも踏まえて、今後のアップデートの方針について教えてください。
Scumhead本作で使用しているエンジンである「GZDoom」はその性質上、アップデートが非常に難しいんです。今のところは、プレイヤー自身で適用できる修正方法を案内しています。と言うのも、ちょっとしたホットフィックスのためにセーブデータが消えるリスクを負わせたくないからです。ゲームがちゃんと動いている…それだけでも、正直予想以上の成果なんです。(笑)
将来的には、プレイヤー数が落ち着いたタイミングで大型パッチを配信したいと思っています。その時は新しいコンテンツを追加するかもしれません。しかし基本的には、これまで通り、新しい作品を始めて、今回の経験を次に活かす…それが自分のスタイルなんです。
――本作の日本語対応予定はありますか?有志翻訳は可能ですか?
Scumheadこの分野にはあまり詳しくないのですが、ユーザーによる改造ができるように、ファイルはすべて開放しています。もし誰かが本作を翻訳したいと思ってくれたのなら、私は全力でサポートしますよ。
――本作の配信や収益化はしても大丈夫ですか?
Scumheadもちろんです!
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Scumheadこれまでいただいたフィードバックの中で特に感じたのは、日本のプレイヤーの皆さんが『Mohrta』と言う作品を本能的に理解してくれているということです。本作の多くのインスピレーションは皆さんの国から来ています。私の心を大きく動かし、創作の原動力となった日本の作品たちが、本作や私の他のプロジェクトの礎になっているのです。
プレイしてくださって、本当にありがとうございます。本当に光栄です。私はかつて『SHADOW TOWER ABYSS』を翻訳なしでプレイしたのですが(訳注:『SHADOW TOWER ABYSS』は海外未発売)、その時感じたように、たとえ言葉の壁があっても、本作の中にある幻想的な世界を探検する神秘的な魅力が、皆さんにも少しでも伝われば嬉しいです。
そしてもし…ほんの少しでも、あのゲームが私に与えてくれた感覚を、私が他の誰かに届けることができたのなら、このすべての努力は報われたのだと思っています。
――ありがとうございました。


◆「注目インディーミニ問答」について
本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に700を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。








