
10月30日に発売した、シティコネクションとハッピーミール開発のフリーマップ型サイドスクロールシューティング『ファイナルフォーメーション』。2023年9月に発売した『ファイナルエクセリオン』に次ぐ、SFマルチバース三部作「ファイナルシリーズ」の第二弾である本作のニンテンドースイッチ版をプレイする機会を得られました。
今回のプレイレポでは、『ファイナルフォーメーション』の魅力を語るだけでなく、本作と同じ『フォーメーションZ』をベースにしたグランゼーラ開発の『FZ: Formation Z』との違いにも触れました。両者はどう違うのか?その違いについても触れます。
※記事の執筆にあたり、シティコネクションより製品キーの提供を受けています。
『フォーメーションZ』とは?
本作のプレイレポへ入る前に、オリジナルとなる『フォーメーションZ』について触れておきましょう。ジャレコの『フォーメーションZ』は1984年にアーケードで稼働したタイトルです。
人型と戦闘機の2形態へ変形できる形態可変戦闘メカ「イクスペル」を操作して、地上戦がメインとなる人型形態ではパルスレーザーを上/中/下に撃ち分けて戦うだけでなく、好きなタイミングで戦闘機へ変形し、従来のSTGのような空中戦も楽しめることがユニークでした。
エネルギー管理がシビアですが、地上と空中それぞれの場所で戦闘を楽しめるだけでなく溜め撃ちも可能(溜め撃ちの元祖と言われている)。アーケードゲーム発展途上のタイトルであるためにゲームプレイそのものはシンプルですが、前述の要素から独特な面白さを持っていたタイトルでした。
戦況に応じて戦車、ホバーユニット、装輪装甲車それぞれと合体して戦え!

操作説明やゲームプレイの紹介を含めたアバンタイトルを越えて、本作の主人公となるアイ・リンドウや状況解説を含めた漫画パートを抜けると、様々な武装ユニットと合体出来るイクスペルを操作できるようになります。
本作のストーリーと状況を簡単に説明しましょう。前作『ファイナルエクセリオン』にて戦ったジーンビーストは武装CELLシステムをジャックし、遺跡内の施設に潜伏して機械生命体ターミネートボットへと進化。アバンタイトルの戦闘で負傷した前作主人公ハズキ・コウムラは教官となり、プレイヤーは今作の主人公アイ・リンドウと相棒となる超AIが乗り込むイクスペルを操作して各地のターミネートボットと戦うというものです。


本作はツインスティックシューターで、左スティックで移動し、右スティックで照準+射撃という操作方法です。加えて、チャージショットに相当する“ビッグバン”攻撃や、ボム的な“ペルショット”を発動可能。基本的にペルショットを沢山撃つ設計となっているために、少しでも不利であると感じたら気兼ねなく撃てるのが嬉しいものでした。
自機の運動性は、分離形態以外そこまで高くなく、当たり判定もそれなりに大きくあります。その代わり敵弾は自機の攻撃で相殺できるため、前述のペルショットとビックバン攻撃を如何にして使いこなすのが問われます。

ゲームの目的は敵を撃破して亜空間コアを一定数入手し、ボスを探して倒すこと。また各地に点在する基地にはそれぞれミッションが備えられており、敵の迎撃や殲滅、基地の防衛、物資輸送、人員の救出など多岐にわたります。
この進行は特に縛りがなく、ミッションを遂行せず雑魚を倒し続けて地道にボスを出現させることや、ミッションを遂行して効率的にボスを出現させることなど、プレイヤーによる攻略は幅広く持たせてある印象です。

本作をプレイして最初に気付いた面白さは、武装ユニットPELLを次々切り替えてミッションを遂行することでした。合体した武装ユニットは合体したまま長く使い続けるほど、ペルショットの総弾数が増加して強くなります。
武装ユニットの強化状態が2段階にまで到達すると、弾数も大幅に増えるためペルショット使い放題にまで発展。強化すれば敵をもろともしなくなりますが、どの武装ユニットもEXファイターより移動速度が遅いため他の地域へ素早く移動するというのは難しくなります(左右に広がるマップはかなりの広さ)。マップ自体も陸続きでないことから、どこかでユニットを分離しなければなりません。

しかしながら、マップに点在する未強化ユニットと合体してもプレイヤーの腕前が良ければそれなりに遂行出来るし、武装ユニットの強化も時間を多く必要としないため次々乗り換えていけます。ユニットを乗り換えるペナルティはあるものの厳しすぎずリカバリーも容易なので、戦場をEXファイターで縦横無尽に駆け抜けて次々と新たなユニットと合体して攻略することが面白さの核にあると思えました。
もちろん、敵の破壊音や射撃音、合体のテンポ、どの状態であっても何かしら敵が出現すること、そして各武装ユニットの強さや弱点が存在する、ゲームそのものの水準の高さも面白さと楽しさに含まれています。



ここでボス戦にも触れておきましょう。ボス戦は、海中や空中、地上など状況に応じたものが用意されています。チュートリアルに組み込まれた最初の虎型のボスや海中の亀型のボス、そしてイカ型のボスは大きな変化はありませんが、空中に表れる鶴型のボスでは終盤にさしかかるとEXファイターを使った高速移動STGとして変化します。
つまり、最もフィーチャーされづらい分離形態のEXファイターを使うボス戦を用意することで、イクスペル全形態で戦えるようにしたことが本作の良い点であり面白いと素直に言える部分なのです。



戦場は地球を飛び出し宇宙や火星にまで広がる!

4体のボスを倒すとそのまま地球を飛び出し衛星軌道上での戦いに移ります。ここでの操作は無重力状態であるために、加速した分だけ自機が動き続けるだけでなく、射撃による反作用と移動のベクトルが掛かる箇所がそれぞれ別の角度で作用するため、操作するのが非常に難しいものでした(機体垂直にスラスターが、機体水平に武器発射口があるため射撃する度に変な方向へ飛んでしまう)。


4箇所に点在する目標を全て破壊し、ボスを倒す事が目的ですが、ここでのボスは画面に収まり切らないほど巨大かつ接触ダメージもあるために難しさはかなりのもの。
接触ダメージを気にしながらボスを追いかけるのは難しく、弱点の頭へ行くのも一苦労。操作に慣れるまでの時間が足りないことを含めてかなり苦戦を強いられました。一筋縄ではいかない操作は本作の印象を大きく分けるパートであることは間違い無さそうです。

様々な経緯から主人公一行は火星へワープ。ここは、1本道となり往年のSTGとしての性格がかなり強くなるステージです。道中にはこれまで活用してきた武装ユニットが複数出現するために、状況に応じてそれぞれ切り替えながら進みます。
オリジナルとなる『フォーメーションZ』的な要素を、『ファイナルフォーメーション』で再解釈したような作りであると感じます。スクロール速度はそこまで早く無いものの、地形と挟まってしまうと1ミス扱いであるため、上手く地形と適合する武装ユニットと合体したいところ。ここでもEXファイター形態になれることから、タイムアタックなどでは地形を覚えて、どれだけ効率化できるのかが重要になりそうです。


ここを突破し、敵が量産したイクスペルZEROを倒していくと巨大なボスが登場。ここでの戦いの行方はどうなるか、そしてエピローグで語られる三部作最後の戦いの舞台となるタイトルは何なのか、筆者が言えるのはここまでです…!ここから先は是非ユーザーの目で確かめて欲しいと言える内容です。


本記事はプレイレポでありレビューでありませんが、短くも全体的なクオリティはとても高く、マップを全て使いこなし、プレイヤーが取れる攻略の幅も広いため、2025年の傑作STGの1作品として数えても良いと思えるほどでした。宇宙ステージは難ありですが、自機や敵における動作の硬直も含めゲームバランス面もかなりの高水準ですし、STGファンは是非手に取ってみて欲しいと言える内容です。
それぞれ目標が異なる『FZ: Formation Z』と『ファイナルフォーメーション』
ここからは『ファイナルフォーメーション』と、2022年10月に発表されたグランゼーラ開発の『FZ: Formation Z』との差異について言及しましょう。
TGS2023でプレイアブル出展されたものをプレイしたうえでの言及となりますが、グランゼーラ開発の『FZ: Formation Z』は、オリジナルの『フォーメーションZ』をベースに新たな機体や機体のカスタマイズ、そして変形機構を用いて攻略するSTGでした。

操作方法もツインスティックシューターでなく、移動を兼ねた左スティックで上下の撃ち分けをしますし、ステージ最後のボスを倒すことで、次のステージへ進む往年のSTGに寄った作りをしていました。
また、TGS2023版のバランスではミサイルなどを撃ちまくることに重きを置いたバランスでなく、どちらかと言えばこれまでのSTGのボムのように状況に応じて撃つと楽に突破できるそういった武装でした。
一方でUnreal Engineによる美麗な3Dグラフィックは目を惹きますし、ピクセルアートの『ファイナルフォーメーション』とは全くの別物です。

同じサイドビューSTGでありながらも『ファイナルフォーメーション』は、武装ユニットの合体要素とフリーマップ型進行によってオリジナルをベースにしつつ新しいゲームプレイ体験の獲得を目指したのに対して、『FZ: Formation Z』はオリジナルを発展させたフルリメイク的作品であるという差異が浮かび上がります。
『FZ: Formation Z』は2026年発売予定であるため、正式版ではシステムやバランスが大きく異なるかもしれませんが、両者を考えれば考えるほど、コンセプトの違いが大きく出ていると言えるでしょう。
2025年を代表するSTGの1作品と思えた『ファイナルフォーメーション』
『ファイナルフォーメーション』は、シティコネクションの「SFマルチバース」の2作目にしてオリジナルを踏襲しつつ、ツインスティックシューターとして変化しただけでなく、大きくアレンジしたタイトルでした。
オリジナルの『フォーメーションZ』から大きく離れた作品となりましたが、自由攻略と合体要素によって本作にしかない面白さと魅力を持ち、宇宙ステージの難しさを除けば高い品質を持ったタイトルである事は確かです。

『フォーメーションZ』の展開は本作のみならず、2026年にはグランゼーラ開発の『FZ: Formation Z』の発売が控えているため、こちらも期待を持って待ちたいタイトルです。
『ファイナルフォーメーション』はニンテンドースイッチ向けに発売中。価格は2,420円(税込)です。PC(Steam)版は2026年に発売予定です。














