パブリッシャーCoffee Stain PublishingとデベロッパーIron Gateは、オープンワールドサバイバル『Valheim』のPS5版を2026年にリリース予定です。
2021年2月2日のSteam早期アクセススタートから大きな評価を受けてきた『Valheim』。2025年9月には最新アップデート「Call to Arms」が配信され、現在は正式版となる1.0アップデートを含め、さらなる新規コンテンツへの開発が進められています。また、2025年9月25日から開催された「東京ゲームショウ」ではブース出展が行われていました。
Game*Sparkでは、東京ゲームショウにあわせてIron Gateの開発スタッフへのインタビューを実施。待望のPS5版への思いやゲームのコンセプト、そして1.0アップデートに向けた計画など、さまざまな質問にお答えいただきました!
『Valheim』開発スタフインタビュー
今回インタビューに答えてくださったのは、クリエイティブリード兼アートディレクターのRobin Eyre氏、3DアーティストのLisa Tveit Holfjord氏、パブリッシングや問題解決業務などを行うEmilia Oscarsson氏。Robin氏は、ほぼすべてのゲーム部門に関わり、まさしく「ミスターValheim」とも言える存在です!

――まずは『Valheim』のデベロッパーであるIron Gateの紹介をお願いします!
Emilia氏:Iron Gateはスウェーデンに拠点を置く開発スタジオです。『Valheim』をリリースしたときはスタジオのメンバーは5人しかいませんでした。ゲームが成功した今は新しいオフィスに16人所属していて、開発に携わっているのは9人という体制です。
Robin氏:実は、あまりスタジオの規模を大きくするという目的はありませんでした。Iron Gateのスタッフは1つのタスクではなく、アートやプログラムなど色々な役割を兼任しているのですが、複数の視点でゲームに関わっていることでチームワークやコミュニケーションが充実しているんです。
みんながプロジェクトに対して複数視点を持つことで『Valheim』では、チームから多彩なアイデアが出てきます。チームが大きくなって専門性が高いスタッフが増えると「自分はここの部分しかわからない」となってしまうこともあるので、あえてチームを小さくすることで、横の連携やコミュニケーションが取れているんです。
代わりに小さなチーム規模であるので、アップデート自体は急がないようにしています。まず1つのアップデートに全員で取り組み、それが終わったら改めて次の内容に取り掛かろう、時間をかけてチーム全員で取り組むことを考えています。ファンの皆様のサポートのおかげで、急ぐ必要がなくなっているのもありがたいですね。

――『Valheim』はリリースから驚くほどのヒットを記録しました。
Emilia氏:私は元々Coffee Stain Studiosに所属していました。『Valheim』の発売前にスタッフと何本売れるかという話になって「2万本売れれば!」「もしかしたら5千本くらいかも……」というちょっと不安もあったんです。
ですが、実際は最初の週末までに50万本、翌週には100万本突破という驚きの結果が出たんです。そこからしばらくは毎週100万人ずつユーザーが増えていくという素晴らしい結果を出すことができました。
Robin氏:早期アクセスでリリースしたのがコロナ禍(リリース日は2021年2月2日)でした。みなさんが家の中で待機や作業する状況で『Valheim』を通じて仲間や家族と交流したという話も聞かせてもらいました。中にはゲームを通じて結婚したというプレイヤーの人もいるみたいです(笑)
――皆様の経歴についてお聞きしてもよろしいでしょうか。

Emilia氏:先程も言ったのですが、私は元々Coffee Stain Studiosに所属していました。その時に『Valheim』のパブリッシング担当をしていたんですが、その後はIron Gateへと移籍しています。
移籍の理由としては何年も関わってきた『Valheim』との距離を縮めていきたい!というのがありました。実はCoffee Stain StudiosとIron Gateって徒歩数分の距離にあるんですよ。なので、パブリッシング担当の頃からスタジオに来ることも多かったんです。
Iron Gateへと移籍してからは、パブリッシングからの判断といった目線だけではなく、開発側の視点からゲームの未来は今後の方針などを考えることができるようになりましたね。
Robin氏:Emiliaは風の吹き方を読むのが上手いんです。彼女のおかげで「方向性が変わるな」と思うようなこともありました。

Lisa氏:私は大学でアニメーションを勉強していたんですが、卒業して仕事を探しているときにIron Gateが求人広告を出したコミュニティマネージャーに応募したんです。
面接の時にアニメーションを勉強していたことが話題になって「アニメーションにも関わりませんか?」という話になりました。最初の1年間はコミュニティマネージャーとして活動していたんですが、そこから本格的に3Dアーティストを担当することになりました。
『Valheim』が成功してくれたおかげでコミュニティマネージャーが1人で担当しきれなくなって、スタッフを増員したんです。その結果として余裕ができたというのも背景にありますね。

Robin氏:私は何年か日本に住んでいて、横須賀でアニメーターを志していた時期もあったんです。その後はスウェーデンに戻ってIron Gateのメンバーとしてゲームを作っています。
今はアップデートの際にアニメーショントレイラーなども公開しているんですが、これはある意味でアニメーターを目指していた自分の夢が叶ったんだと思っています(笑)
――『Valheim』が『ゼルダの伝説』シリーズや『The Elder Scrolls V: Skyrim』のインスピレーションを受けているというインタビュー記事を拝見しました。特に影響を受けたり、好きな『ゼルダの伝説』シリーズはありますか?
Robin氏:いろいろな作品を遊んでいますが、特に『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』には大きな影響を受けています。
『The Elder Scrolls V: Skyrim』なんかもそうなんですが、ゲーム内で「見えている場所に実際行ける」というのはとても大きな魅力になると思います。『Valheim』でもそのゲーム性を目指しています。
実は『Valheim』は当初のゲームデザインでは、舞台の島の端から中央へと向かって進んでいくゲームだったんです。でも中央というゴールがあらかじめわかっていると、探検するモチベーションが下がってしまうかもと思ったんです。そこで島の中央付近から外の世界を探索していくという冒険スタイルになったんです。
Lisa氏:私は『ゼルダの伝説 スカイウォードソード』が大好きで、当時フォーラムで作品のファンとコミュニティ的な交流を始めたきっかけの作品です。その意味でとても思い出深い作品ですね。
Emilia氏:一番思い出深い作品としては、子供の頃に遊んだのがファミコンの『ゼルダの伝説』ですね。とても記憶に残っている作品です。
Robin氏:あとは『ゼルダの伝説 時のオカリナ』を忘れることはできません。3Dアクションで遊べる『ゼルダの伝説』は衝撃的で、世界観を含めてイメージがガラッと変わりましたね。

――その他に『Valheim』の開発時に影響を受けた映画やゲーム、アニメなどはありますか?
Lisa氏:スタジオジブリの作品からは多くの影響を受けています。特に木の並び方や自然の世界観の表現に関しては『Valheim』でもジブリ作品から受けたインスピレーションがあると思います。
Robin氏:『Valheim』の開発時点では、あまり一般的にヴァイキングを題材にしている作品がなかったんです。でもみんな同じ事を考えて制作していたみたいで、同時期に『アサシン クリード ヴァルハラ』なども登場して「これはやばい!」とリリース時期をずらしました(笑)。今はヴァイキング作品がたくさんありますね。
ヴァイキングを題材にした作品もたくさん見ていますし、日本の「ヴィンランド・サガ」なども読みましたよ。
――『Valheim』の題材にもなっている北欧神話やヴァイキング文化の魅力や取り上げた内容について教えて下さい。
Robin氏:『Valheim』は元々はマルチプレイでみんなで遊ぶゲームという発想から始まって、先程の「ヴァイキング題材のゲームが少ない」という考えもあって自然とその要素が取り入れられていったんです。世界観とゲーム性はほとんど同時期に形作られています。
Iron Gateはスウェーデンの会社で、我々も出身者が多くいるので、昔から北欧神話や童話、伝承、おとぎ話などに触れてきています。ヴァイキングの神様だけだとどうしても数が限られてしまうのですが、例えばトロールのような、色々な伝承に伝わる怪物や存在も多く採用しています。
ゲーム内に登場する木の怪物「忌まわしきもの(Abomination)」なんかは、子どもたちに“倒木の近くで遊ぶと危ないよ”という童話が元になっています。あと、川に住むネックは河童のような存在で、水場で遊ぶと危ないよという注意や伝承をゲームに取り入れたんです。伝承のネックはトカゲのような姿ではなく裸のおっさんみたいなんですけどね(笑)

――そうなんですね!ネックの尾は序盤の食糧として助けられましたが。もしかしておっさんの尻尾だったのかも知れないんだ(笑)
一同:(笑)
――『Valheim』を始めたプレイヤーの誰もが最初に驚くのは、森で遭遇するトロルのインパクトだと思います。トロルのデザインやサイズ感、その存在についてどのような工夫や開発経緯があったのでしょうか?
Robin氏:リリース前に1年くらいテストプレイを実施したんですが、参加してくれたテスターのデータを見ると、いきなり森の中に入って素材を集めたがることが多かったんです。
本作は、各バイオームを探索して少しずつ装備を揃えながら行動範囲を広げていくというコアループを採用しています。我々としてはそれぞれのバイオームをじっくり回って欲しいという思いがありました。
そこで、プレイヤーの前に立ちはだかる壁として強力なモンスターとしてトロルを配置することにしたんです。コテンパンにユーザーをボコボコにすることで、ゲームをじっくりと進めていって欲しい!ということを伝えたかったんですね。
今のトロルは最初の構想だと山にいるモンスターだったんです。森には元々ブラウントロルという別の存在がいたんですが、背景との色的な区別が付けづらかったので、今のような青いトロールが“進捗のお守り役”として『Valheim』に登場しています。

――トロルは恐ろしさだけではなく、どこか愛嬌のある顔や雰囲気もありますね。
Robin氏:トロルは少し不細工になるようなデザインを目指しました。でも、それだと怖さも無くなってしまうので、サイズを大きくしたり、BGMを変えることでプレイヤーに恐怖を与えてくれる存在になっています。
『Valheim』は開発段階で敵がどこまでも追いかけてくる設定だったんです。エリアごとのテリトリーがなく、敵かプレイヤーが死ぬまで追跡をやめなかったんです。「この世界に入ってきたのはそっちなんだから、その責任はお前にあるんだぞ」というメッセージがあったんですね。
でも、実際に試してみたらプレイヤーが死にまくったり、基地まで付いてこられて荒らされたりしたので、かなりこのルールは緩和しています(笑)。それでも敵の追跡は他のゲームに比べてかなり厳しくなっていると思いますね。
――バイオームで言えば平地も敵の強さが印象的ですね。デスキートやフューリングにかなり苦戦しました。
Robin氏:各バイオームには、プレイヤーの装備やスキルが適しているかを測る「番人」のような存在がいます。これは敵だけでなく環境も同様で、例えば山だったら温かい装備を身に付ける必要もありますね。
実は、ユーザースキルさえ極めれば棍棒1つでゲームクリアを目指すことも不可能じゃありません。もちろんそれはかなり難しいものです。『Valheim』はユーザースキルとキャラスキルの2つが大切で、何度も挑んで腕を磨いたり、探検で装備を整えたりしながらゲームを進めていくようになっています。
その意味で「番人」の存在が、ユーザーに考える必要を与えられていると思います。

――アイテムの修理に素材が不要だったり、クラフト系のゲームとして遊びやすいのも『Valheim』の魅力のひとつだと思います。開発の考える遊びやすさとやりごたえのバランスについて教えて下さい。
Robin氏:Iron Gateでのゲーム開発の合言葉として「任天堂なら何をするだろう」というものがあります。シンプルながら楽しみがずっと続くというのは、本作でも目指していきたいところです。
例えばデスキートやトロールなどの強敵が登場して、その上で建築やクラフトも大変だったら、ゲームを投げてしまうユーザーが出てきてしまうかも知れません。なので、クラフトや修理のシステムをシンプルにすることを考えたんです。そこはファンタジーでいいかなと思っています。
これはロジックの話なんですが、斧を使って木を切り倒して、斧の修理のために木が必要になるのはゲームとしてどうなのかなと考えたんです。建築物を破壊すると100%素材が戻ってくるのも同じような考え方で、戻って来る素材が減ったら“どんどん作るものが簡単になってしまう”と思うんですね。
コミュニティのみなさんは建築を楽しんでくれて、配信で大きな建物を作ってくれる人もいます。『Valheim』では建築の制約も厳しくないので、中には驚くような規模のものをつくる人もいます。こういった楽しみの共有ができることはゲームの長所だと思いますね。是非、好きなものを好きなように作って欲しいです!
建築物のシステムに関しては、ゲーム内で発生するレイドにも大きく関与しています。もし壊されて修繕するために1から素材を集める必要があったら、これもゲームをやめてしまう人が出てくると思います。クラフトや建築のバランスに関しては、シンプルに楽しめることをしっかりと形にできていると思います。

――個人的に好きなのが、家で「煙の逃げ場を作る必要がある」ことです。耐久度といった要素を含めて『Valheim』の建築でこだわった部分を教えて下さい。
Robin氏:アウトドアで実際に焚き火をするとたくさんの煙が出てきて、顔に当たると危ないですよね。これをゲームのシステムとして、煙の逃げ場を作るという形で組み込んだら面白いよなと思ったんです(笑)。
こういったリアリティの部分はゲーム内でも多く採用しています。例えば雨が降っているときに作業なんてできないよね、ということで、生産施設には屋根を付ける必要があったりと、ちょっとしたロジックを盛り込むことを考えています。木を切って倒木に巻き込まれると死ぬのもそういったリアリティですね。
リアリティでいうと、開発チームのエリックが「ヴァイキングのゲームなら船を作ろう」と提案してくれたんです。実は最初は『Valheim』には船の要素がなかったんですが、船を導入したことで、じゃあ海のデザインで波をリアルにしたい、物理学はどうなるか、といった現実的に起きる問題をゲームにどう落とし込むかを考えました。
建築物に関しては、コミュニティの想像力がすごすぎて、正直なところ最初は開発側の最適化が追いついていなかったんです。常にコミュニティの方ができるギリギリの部分を目指してくれたことで、我々としても技術アップできたと思います。
――その意味で開発側とコミュニティの理想的な関係が作られているんですね。
Robin氏:初期プレイで、参加者が片っ端から木を切りまくってるのに誰も木材を拾わないことで、サーバーがとんでもなく重くなってしまう事態が発生したんです。これを解決するために、いくつかの木材が纏まるというアイデアを考えたんです。
ユーザーがゲームの限界を掘り下げていくのと、開発側が知恵を絞って対応や最適化のコツを考えるのは、常にレースのようなものだと思っています。
――自分は早期アクセス開始直後に煙を逃すため、無理やり煙を屋根を伝わせて窓へと誘導しました。ものすごい面倒なプレイだと今も思いますし、いまはもう煙突をちゃんと作ってます(笑)
一同:(笑)

――初めて船を作り、島を出て海へと出た嬉しさと興奮を忘れられません。『Valheim』での冒険という要素について、ユーザーを楽しませるためにどのような工夫を行ったのでしょうか?
Robin氏:リアリティの話でも出たんですが、最初はゲーム内に船で航海するという要素はなかったんです。ゲームは2021年にリリースされましたが、2018年くらいからエリックが「航海できるような船を作ろう」と繰り返してきて、結局実装することになりました。
実はCoffee Stain Studiosのパブリッシング前はitch.ioでの初期ビルドを公開していたんですが、そこに小さなボートが存在していたんです。ただし、当時はゲームが島の端から中央へ向かう目的だったので、あくまで移動の補助くらいの意味だったんですね。
元々のマップデザインだった大きな島での冒険だったときは、色々なバイオームをすべて自然に配置するのが難しかったんです。今のような世界を探索する形式になって、船での航海要素を採用したことで、島ごとのバイオームという自然なデザインがしやすくなりましたね。
プレイヤーの冒険を楽しくするために取り入れたのがダンジョンです。ゲーム内ではバイオーム間の違和感を作らないようにしていますが、ダンジョンなら地上と異なる異質な雰囲気や敵、アイテムを出しやすいと思ったんです。オープンワールド世界を探索するのも面白いんですが、新しい要素で世界観を見せることも大切だと思いました。

――2025年9月に最新大型アップデート「Call to Arms」が配信されました。このアップデートでプレイヤーに注目して欲しい部分があれば教えて下さい。
Lisa氏:アップデートで導入された要素に、新たなクラフトアイテム「ブロッブボム」があります。これは瓶の中に敵のトロフィーを入れて作るんですが、これのアイデアは私が夢の中で見たものなんですよ。
この夢を見てすぐにチーム内で共有しました。Robinには「これを採用しなかったら私達は友達じゃない!」くらいの勢いで実装をお願いしましたね(笑)
Emilia氏:過去にスウェーデンで開催された開発者向けの「アクセシビリティを高める」セミナーに参加しました。そこで、プレイヤーごとに勇敢だったり、慎重だったりプレイスタイルが異なるということを改めて学びました。
アップデートでは戦闘用のダミーを導入しました。自分の作った武器のダメージや攻撃方法などを試せるようになったのは、ゲームとして良い要素だと思っています。
Robin氏:「Call to Arms」はおよそ1年間をかけて開発を進めてきました。多くのゲームは最新アップデートで要素を追加する時に、新しいバイオームや導入後半のエリアで登場するものが多いと思うんです。でも、なるべく『Valheim』では、新規プレイヤーを含めて全体が楽しめるものにしたかったんです。
それは例えば新要素のアドレナリンだったり、装備の種類だったり、戦闘を序盤から最新バイオームまで楽しめる、遊びやすくなるようなものを考えました。この変更により、既存のバイオームにさらなる強敵を導入するなど、今後計画していることを実現する下準備ができていると思います。

――『Valheim』は数回のアップデートを重ねてコンテンツが膨大な一方で、ゲームの容量が現時点でも驚くほど少ないことも特徴的です。どういった工夫や苦労があるのでしょうか?
Lisa氏:グラフィックをローポリゴンにしていることで、容量を抑えることに成功しています。ゲームリリース当初、Discordで容量が少ないことが「何かのミスじゃないか?」と話題になったんです。でも実際遊べることでみんなビックリしてくれました(笑)
Robin氏:ローポリゴンにすることだけでなく、Unityのダウンスケールの技術を導入するなどの工夫で容量を抑えています。
容量が少ないことの利点として、みんながすぐ遊べるということがあります。プレイヤーの方々の住んでいる地域で回線速度も異なるので、なるべくみんな平等に早く遊んで欲しいという気持ちはありますね。すぐ遊べるので配信してくれる人が多いのも嬉しいです。

――2026年にはPlayStation 5でも『Valheim』が遊べることで、多くのユーザーが喜んでいると思います。クロスプレイ対応も発表されていますが、アップデートも他のプラットフォームと同タイミングで行われますか?
Emilia氏:そうですね。まず『Valheim』では全プラットフォームで同時期にすべてのコンテンツが遊べることを目指しています。クロスプレイ環境を保ちつつ、全プレイヤーが快適に遊べるようにしていきたいですね。
ソニーさんとの契約だと早期アクセスって少し難しいんですよ。特に日本だと未完成品という扱いになることがあって、ルールによっては長く遊んでも返金しなければいけなくなる可能性もあるみたいです。なので、PS5向けにもしっかりと正式版リリースへの開発を進めています。
Robin氏:日本に住んでいた時期はPSPなどで遊んでいたんですが、日本限定カラーなんかもあってとても嬉しかったですね。そういうこともあり、今回TGSで日本の皆さんにプレイステーション版の『Valheim』をお見せできたことはとてもよかったですね。
――PlayStation 5版の配信に合わせてPC向けのDualSense対応なども行われる予定でしょうか?個人的にはボタンの表示切り替え(◯×△□とABXY)があると嬉しいです。
Robin氏:DualSenseで遊べるようになることは考えてましたが、ボタンの表示については考えてなかったですね。考えてみます(笑)
DualSenseの機能を活かしたゲームプレイも導入できればいいなと思います。例えばハプティックフィードバックでトロルが歩いている地面の揺れに連動したり、スピーカーから話し声が聞こえたり、そういった没入感を実現できればきっと楽しいですよね。
――今回PS5への移植が発表されましたが、今後ニンテンドースイッチ2への展開などの計画もあるのでしょうか?
Robin氏:まずは『Valheim』を正式版にすること、そしてPS5版をリリースすることが最優先です。
すべてが上手く進んで、その上でさらに要望や、我々がもっとやりたいことなどがあれば、そこから考えるべきことかなと思っています。

――正式版に向けた、今後のアップデート計画について、なにか素晴らしいトピックスがあれば教えて下さい!
Lisa氏:黒い森のボス「長老」の3倍くらい大きい敵が出てくるかも知れません。これまでになかったような、とんでもないスケールの敵は、今後ぜひとも出したいですね!
Emilia氏:最近のアップデートでは北欧神話要素はあまりフォーカスされず、ゲーム性などを中心にコンテンツの追加やバランス調整、改善を行ってきました。
今後は“神話性”をより大きくしていくつもりで、これまでの伏線や世界観がすべて結びつくような「1.0にふさわしいフィナーレ」になっていきます。もちろんゲームはそこで終わるわけではなく続いていきますが、一旦1.0で物語が一区切りになると思います。
Robin氏:現在取り組んでいるバイオームは、これまでで最もコンテンツの濃いスケールになる予定です。ただし、それだけではありません。
例えばですが、1.0が終了したらこれまでのバイオームに雪が発生するかも知れません。みなさんが1.0をクリアすることで、プレイヤーのみなさんもゲームのさらなる方向性が見えてくるんじゃないかと思います。
我々としては、1.0をクリアすることが「真の『Valheim』の始まり」だと考えています。開発チームも実は今2つのラインに分かれていて、2つの軸でアップデート計画を進めています。
繰り返すようですが、1.0こそが『Valheim』の始まりです。
――最後に読者の方々へメッセージをお願いします!
Robin氏:Iron GateとしてもTGSを通じてプレイステーションで新しいユーザーにゲームをアピールできることをとても嬉しく思っています。
私は日本に住んでいたこともあり、そこでプレイステーションなど色々なゲーム文化に触れてきました。今度は開発者の立場として、日本のみなさんが作ったゲームを遊んでくれているのが本当に嬉しいです。
嬉しいことに『Valheim』は日本のPCコミュニティでもかなり盛り上がっている作品です。日本市場に向けて新しくリリースできることがとても楽しみですし、今後もユーザーの皆様が見守っていてくれれば嬉しいです!
1.0のクリアからが「真の『Valheim』の始まり」という、驚くべき情報も飛び出した今回のインタビュー。待望のプレイステーション版、そして正式版となる1.0に向けて、さまざまな今後の計画やゲームのコンセプトなどをたっぷり聞かせていただきました。
『Valheim』はPC(Steam/Microsoftストア)/Xbox Series X|S/Xbox One向けに早期アクセスで配信中。PS5版は2026年の配信を予定しています。
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