「キャンペーンが失敗したら20年かけてでも作るつもりだった」クラウドファンディング終了間近、『ルーンファクトリー3/4』のタッグが贈る新作ファンタジースローライフRPG『ファーニア村で暮らす』―クリア後も住み続けたい世界、その真意は【開発者インタビュー】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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「キャンペーンが失敗したら20年かけてでも作るつもりだった」クラウドファンディング終了間近、『ルーンファクトリー3/4』のタッグが贈る新作ファンタジースローライフRPG『ファーニア村で暮らす』―クリア後も住み続けたい世界、その真意は【開発者インタビュー】

フォロワー作品との違いは「テキストの質と量」、そしてあらゆる要素が絡み合う相乗効果だと語る、その内容とは。

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「キャンペーンが失敗したら20年かけてでも作るつもりだった」クラウドファンディング終了間近、『ルーンファクトリー3/4』のタッグが贈る新作ファンタジースローライフRPG『ファーニア村で暮らす』―クリア後も住み続けたい世界、その真意は【開発者インタビュー】
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『ルーンファクトリー3』や『ルーンファクトリー4』を手掛けたディレクターの真部シンイチ氏と、ライターの辻多加徳氏。多くのファンに愛された作品を生み出した二人が、新たに「個人製作的な体制」で開発に挑んでいるのが、農業・冒険・恋愛生活ゲーム『ファーニア村で暮らす』です。

Kickstarterで終わりの迫るクラウドファンディングでは、目標額500万円を開始わずか26時間で達成。残り数日の期間を残した状態で、すでに1,800万円以上の支援を集め、BGMの多数追加を除く、記事執筆時点で公表済みの全てのストレッチゴールをクリアするという、大きな注目を集めています。

有名作品で数々の実績を積んできた彼らは、なぜ今、インディーという新たなフィールドを選んだのか。そして、この『ファーニア村で暮らす』という作品に、どのような想いを込めているのか。開発の中心人物であるお二人に、その核心を伺いました。

――本日はよろしくお願いします。まずはお二人の自己紹介と、『ファーニア村で暮らす』を開発することになった経緯からお聞かせいただけますでしょうか。

真部シンイチ氏(以下、真部)プログラム、グラフィック、ゲームデータなど、本作の多くの部分を製作しております真部です。以前はネバーランドカンパニーでRPGの制作のノウハウを積んだり、『ルーンファクトリー』シリーズなど、ファンタジー世界での生活を楽しむゲームを制作していました。さらにそれ以前にはカプコンやSNKなどの元開発者らの多かったディンプスでアクションゲームのノウハウを叩き込んでもらってもいます。

現在は「マナゲームス」という自分一人の会社を立ち上げ、本作の開発に注力しています。『ファーニア村で暮らす』を作るために、今まで専門外だったモデリングやモーション制作も学び、企画から開発まで幅広く担当しています。

辻多加徳氏(以下、辻)ライターの辻です。真部さんとは『ルーンファクトリー』シリーズからの長い付き合いになります。私もネバーランドカンパニーにずっといたあとは、同社から独立した会社でお世話になり、その後はフリーランスとして、主にコンシューマーのゲームのシナリオや、ときどきスクリプトなどを手掛けながら活動しています。

真部:『ファーニア村で暮らす』を作ることになったきっかけは「このタイプのゲームをもう1回いちから作ってみたかった」ことにつきます。『ルーンファクトリー4』のときはメインのプラットフォームが3DSでまだやり残してたアイディアがたくさんあったんです。そしてこの10年近くで新たなアイディアも本当にいろいろと浮かんできて。

そんなこんなとしているうちに、「もう個人制作みたいな形で実現できたら」と思い立ち、本作の開発を始めたというのが経緯になります。

あとは直近にあった縁を頼って、辻氏やイラストレーターの皆様に協力していただき、今回の発表とクラウドファンディングにこぎつけた形ですね。

――近年、インディーシーンを中心に『ルーンファクトリー』に影響を受けたと思われる、いわゆるフォロワー的な作品が数多く登場し、一大ジャンルを形成しています。それらとの違いはどう考えているのでしょうか?

真部:非常に嬉しく思っています。一方で、RPGや戦闘にフォーカスした作品がまだ少ないのが個人の趣向としては物足りない思いもあります。それもあり、今作に関してはそういった部分も入れています。

一方で、実は自身としてはルーンファクトリー』的なものを意識してはなくて、そもそも作りたいものを目指していくと、それが『ルーンファクトリー』そのものなんです。

自分がネバーランドカンパニーに入ったばかりの当時、いいゲームにしようと頑張ったもの、その流れのうえにあるのが今作です。

――もはやジャンル名『ルーンファクトリー』ということなんですね。

真部:ただ、他のフォロワーと比べても大きな違いとなるのは、辻くんの存在というか、テキスト量やテキストのクオリティだと考えています。それ以外だと、畑仕事をしていたら戦闘も強くなる、アイテム1つにプレゼントから料理に戦闘までの幅広い用途がある、などのいろんな要素の相乗効果ですね。

アイテムひとつにいろいろな使い方のある『風来のシレン』みたいなのが好きで、今作でも色々な要素に予想外の使いかたがあるようなものを目指しています。ここは他の類似作品でもあまりないのかなと考えています。

――このジャンルを作る上でのシステム的なこだわりなどはあるのでしょうか?

真部:基本的な話ですけど、全体的な操作感が状況によって逸脱しないことですね。状況や気分が違う時でも同じ形で遊べる、同じルール上で、作業ができるという感じです。なので状況に応じた特殊なモードなどはなるべく入れないようにしています。

――いわれてみれば『ルーンファクトリー4』の時もストレスはほとんど感じませんでした。

真部:まさしくそういうところを意識して作ってます。

――逆に本作で明確に『ルーンファクトリー』から削られている要素などはあるのでしょうか。

真部:達成済みのストレッチゴールを除けば、店経営ですね。ただそれらも後回しで作っていけたらとは思っています。あとはキャラの服装変更要素でしょうか。こちらはコストの問題も大きいです。

いずれにしても、自分が作りたい要素を並べていくと、結果として『ルーンファクトリー』としての基本要素をそろえつつ進める感じになってしまうので、そこに今までできなかったことを新たに入れ込んでいく感じですね。

例えば達成したストレッチゴールの「作物の追加」で言えば、巨大作物といったものだけでなく、火属性の火白菜とか、水属性の水ブドウのような属性変化が起きる作物なども考えています。

――テキストについての言及も先ほどありましたが、次はやはり、シナリオ・テキスト面ですね。これらについてはどういったポイントをもって着手されているのでしょうか?『ルーンファクトリー4』とか大好きだったんですけどもキャラクターの恋愛ドラマとかもやっぱり見どころでしたから。

辻:ゲームの様々な要素について、それが生活の延長線上にあることを自然と感じられるように、そのためにどのようなテキストを用意するのが最善かを重視しています。

ゲーム表現の中でキャラクターが1番輝く形、魅力が出る形をすべてのキャラクターに用意できるかを担当した作品では意識してきました。

――その際一番苦労されるのはどのようなところなのでしょうか?

辻:そうですね、やはり物量ですね。

とにかくいろんな場面を考え、これだとこういうことが起こるよとか、この状態だとこういうことが起こるよ、というところに対応していく。なるべく多く変化を作って、プレイヤーが遊んでいて「おっ」と思う瞬間が増えていけば増えていくほど、キャラクターがどんどん生きていくんです。

今作では、可能な限りこれまでにもなかったような変化を多く作りたいという思いがあるので、真部さんにもお願いしながら進めていきたいですね。

――その変化とは?

辻:具体的に言うと、プレゼントへの反応はそのひとつですね。この反応が、どうしても単調になってしまうっていうのが今までの悩みとしてあって。

けどゲームとしては何度もプレゼントをすることになるので、できればプレゼントの内容や回数などでどんどん差分を入れていけたらと思っていますし、同様に変化が感じられるような、繰り返しプレイヤーがする動作や雑談に対しての変化を特に増やしていきたいとも思っています。

――それ以外で大きく今作で変わっていくようなところはあるのでしょうか。

辻:イベントパートですね。『ルーンファクトリー』の時でいえば、イベントの方向性として『3』は掲示板から始まってキャラ攻略、『4』では街で突発的に始まる、といった感じですが結果として『4』ではキャラ攻略の部分が弱くなってしまったのではないかと考えていて。

なので今作ではその折衷案的な、両方を取れる形にできないかと真部さんと検討を進めている最中です。

――結婚後の生活部分とかはどうでしょう?

辻:完全に工数との戦いですね。実装の決まった子供部分にも関わるので、なるべく増やしていきます。

――みんな子供実装のストレッチゴールだけは達成したかった、という感じですよね。

真部:いや、ありがたいばかりです。

――今作では「クリアした後の世界に住み続けたい」をコンセプトに掲げていますが、いったいどのようなものを想定しているのでしょうか。

真部:生活部分では辻が言ったようなテキストの差分や変化などはあるとして、RPG面ではランダム系のダンジョンや、超高難度のダンジョン、それこそ入るたびにレベル1に(一時的に)戻るローグライクダンジョンなどもたくさん用意してずっと遊んでいけるようなものを目指しています。

ローグライクダンジョンでは法外な性能の装備品もあったりして、クリアしたらひとつだけ持ち帰れるとかも予定しています。『エストポリス伝記2』のいにしえの洞窟みたいな感じですね。

――やりこみコンテンツが増えるイメージなのですね。

真部:そうです。要は、リピート性のあるやり込み要素を入れていきたいなと思っています。

――コンテンツの物量的な話でいえば、海外のタイトルではModdingによってファンたち自身に充足してもらう、というやり方もよくとられていますが、それらについてはどう思いますか?

真部:考えてはいるのですが、そのためにゲームの各部のデータをModしやすいようにする必要や、ユーザーがそれを適用するためのUIを作る必要があるので、その工数が捻出できるようなら、という感じですね。

ただ例外として、Discord等でユーザーさんと話して考えているのは、言語の翻訳Modだけは早期に対応できればと思っています。

ゲームが本当に売れたら、改めてプロの翻訳を募るなどはあるかもしれませんが、現状はまったく余裕がないので有志の皆さまに頼る予定です。

――ところでキャラクターのボイスとかは予定にあったりするのでしょうか。

辻:ボイスがやっぱり1番難しいんですよね……。今まで自分たちは収録以前の工程を会社側にお願いしていたので、自分たちでやるとなると事前の調査などを含め、何もかも手さぐりになってしまうのも大きいです。

なので、いまのところ予算を検討する材料すらそろってない感じですね。

ただ、肌感では現状の支援額では厳しいだろうと考えています。

――支援額の設定は結構ギリギリだったり?

真部:少し話は変わるのですが、一回資金が尽きておりまして。なので辻は別のお仕事で糊口をしのぎつつ本作を作っている状態だったりします。

これが今回Kickstarterでのクラウドファンディングを実施した理由でもあります。

今回の皆様の支援のおかげで、おそらく自分は完成までもう今作の制作だけに注力できる見込みなのですが、あともう少し集まれば辻のほうもフルタイムで今作に関わってもらえそうです。

――そのクラウドファンディング、ここまできての感想はいかがでしょうか?

真部:しんどかったです。ユーザーの方々との交流は楽しいのですが、なんていうか、広告的な作業をしたの初めてなので、知らないこともいっぱいありますし。ゲーム作りに戻りたい、なんて思う時もあったりしました。

――最初から海外中心のサイトのKickstarterで始められた理由はあったりしたのでしょうか?

真部:調査の過程で、やはりゲームではKickstarterが成功しているプロジェクトが多いなと。『RATATAN』とか。ほかにもいろんなタイトルが成功しているのを見て、そちらにしました。

幸運なことに、実は私、弟がフリーランスの英->日のゲーム翻訳者で。それでKickstarterで必要な英語部分は何とかできました。ネイティブの方からは翻訳のクオリティについてまだご指摘を受けることもあるのですが、そのあたりはありがたく受け止めつつ、アルファ版のフィードバックを活かしたり、フルリリース前のネイティブスピーカーによる言語QAを検討したりと、クオリティの底上げを目指しています。

――実施して、ユーザーさんからの反応はどうでしたか?

真部:本当にありがたいとしか言えないです。金銭的なことももちろんですが、精神的にも、皆さま「待ってた」みたいな言葉が多くて、やっぱりそういうのも嬉しいですね。

受け入れられるかどうかもわからなかったですから。あらゆるパターンを想定していましたが、最悪の場合でキャンペーンが失敗したら、普通に仕事しながら10年、20年かけて作るつもりでしたし。

その状況だったのが、支援額から税金や手数料とかを引いて、少なくとも自分は完成まで全力で走り続けられるところまで来ているので。

辻:私も、イラストレーターさんのべにたまさんやkannnuさんやBOKIシモールさんと話しながら、「こういう人に届いたらいいな」と考えていたキャラクターたちのことを、喜んで受け入れてくださるお客さんがたくさんいて、本当によかったな、と思っています。

この想いをまた原動力にしてこの先を作っていけるので……支援者の皆様には本当にありがとうございます。これからもやっていきたいと思います。

ストレッチゴールで実装が決定した旅館一家の母親
今回ご厚意で頂いた、旅館一家の母親の全身ラフ。今記事が初出し

――資金難の時に何らかのパブリッシャーにお願いしたりとかは考えなかった感じなのでしょうか?

真部:色々とあるのですが、大きなところとして個人でやってみたかった、という感じですね。なので今のところ、こちらからパブリッシャーさんにお願いすることもあまり考えてないですね。

――キャンペーンも大成功に終わるタイミングですが、この先についてはどのように進めていく予定なのでしょうか?

真部:まずはリワードにもあるα版アクセスからはじめ、Discordでのユーザーさんの反応を見て、そこに対してのフィードバックがどのようにしあえるかなどの状況を見ていきたいと思っています。

その結果次第で、早期アクセスでの販売であったり、完成品まで作りこんでからの発売であったりをもう一度考えてみる予定です。

走りながらその辺を考えていけるのは個人だからこその良さでもありますしね。

――ありがとうございます。最後にユーザーの皆さまへのコメントを頂けますと。

真部:これからも、応援していただければいただけるほど、内容も早くお届けできれば、品質も上がっていくと思うので、もう本当に応援していただければと思います!

辻:ボイスの話などもですが、要素を入れようと思えば本当にきりがなく詰め込めるゲームなので、応援していただいただけ、真部さんも私もなるべく応えていきたいと思っています。ぜひよろしくお願いします。

――今後の展開も楽しみにしています。本日はありがとうございました。


『ルーンファクトリー』シリーズの現場で培った自身の根幹と経験、インディーならではの自由な環境。その両輪を手に、真部氏と辻氏が紡ぎ出す新たなファンタジーな暮らしの物語、『ファーニア村で暮らす』。

彼らが目指す「住み続けたい世界」ファーニア村の門が、開かれる日を心待ちにしましょう。

2,500円からゲーム本体、7,500円からαアクセス、10,000円から限定装備の手に入る『ファーニア村で暮らす』クラウドファンディングは、2025年11月27日22時14分まで実施予定です。

インタビュアー:八羽汰わちは,インタビュアー:Akira Horie,ライター/書き起こし:Arkblade,編集:Akira Horie》


インタビュアー/多趣味オタク 八羽汰わちは

はちわたわちは(回文)Game*Spark編集部員、デスク担当。特技はヒトカラ12時間。

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ライター/関連業界のあちこちにいたりいなかったりしてる人 Arkblade

小さいころからPCゲームを遊び続けて(コンソールもやってるよ!)、あとは運と人の巡りで気がついたら、業界のあちこちにいたりいなかったりという感じの人に。この紹介が書かれた時点では、Game*Sparkに一応の軸足を置きつつも、肩書だけはあちこちで少しづつ増えていったりいかなかったり…。それはそれとしてG*Sが日本一宇宙SFゲームに強いメディアになったりしないかな。

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