ゲーム開発者のMatthaios Lappasは、アクションアドベンチャー『ASTHENIA』を発表しました。芸術的なビジュアルや一人称視点の近接戦闘、グロテスクな敵や壮大なボス戦、そしてクエストマーカーのない手探り感などを掲げており、ハードコアゲーマーの琴線に触れるような要素を多数持っています。
この度Game*Sparkでは、開発者のManthos氏にインタビューを実施。なんとゲーム開発の経験がないところからスタートしたという驚きの経歴を持つ同氏と、本作の目指すものに迫ります。
喪失による深い悲しみから生まれたゲーム

――これまでのご経歴も含めて、自己紹介をお願いします。
Manthos: こんにちは。私の名前はManthosです。私はギリシャ出身の2D/3Dアーティストです。これまで25年以上にわたり、映画、ビデオゲーム、ボードゲーム、カードゲーム、広告など、幅広い分野でアート業界に携わってきました。
専門分野は主にイラストレーションとコンセプトアートでしたが、いつかはより直接的にビデオゲーム制作に関わりたいという想いをずっと抱いてきました。私は、伝統的な造形(アナログ)とデジタルの両方において、スカルプトやアニメーションの経験があります。そして、そうしたすべての要素を、より魅力的でインタラクティブな媒体に結びつける方法を、長い間探し続けてきました。
――本題に入る前に、これまで特に印象に残っているゲームや、お気に入りの作品について教えてください。
Manthos: 私の人生に大きな影響を与えたゲームは本当に数多くあります。中でも特に影響が大きいのは、『SILENT HILL』シリーズです(4作目まで。特に『SILENT HILL 2』(オリジナル)は、私にとって史上最高のゲームです)。また、『バイオハザード』シリーズも重要で、私のお気に入りは『バイオハザード4』です。オリジナル版とリメイク版の両方が好きです。さらに、『バイオハザード7』も、現代の作品の中では非常に好きな一本です。
そのほかにも、『ICO』『ワンダと巨像』『人喰いの大鷲トリコ』、『ダークソウル』の1と3、『ELDEN RING』、『SIREN』の1と2、『Alan Wake』、『Hellblade』の1、『バイオショック』の1、『サイコブレイク』の1、そして『メタルギアソリッド』のオリジナルシリーズなどがあります。まだまだ挙げることはできますが、これらは私にとって絶対的なお気に入りであり、現在に至るまで、私のゲーム制作だけでなく、それ以前のアート制作においても、個人的な影響源でありインスピレーションであり続けています。
――『ASTHENIA』の概要を教えてください。特にプレイヤーに注目してほしい点はどこでしょうか。
Manthos: 『ASTHENIA』は、ホラーとサバイバル要素を含んだダークファンタジーの一人称アドベンチャーゲームです。プレイヤーは世界の中で見つけた資源を管理し、それらが枯渇してしまう前に使っていかなければなりません。もし資源が尽きてしまった場合、別の生存手段を探すことを強いられます。
最初に注目してほしいのは、世界観設計です。このゲームでは世界そのものが大きな役割を担うように設計されています。視覚的な手掛かりをはじめ、さまざまな種類の手掛かりが世界中に散りばめられています。隠されているものもあれば、より明確に示されているものもあります。

この世界でのナビゲーションは非常に有機的です。ウェイポイントやマップは存在せず、あるのは手元のメモだけで、そこには次に向かうべき主な目標が簡潔に書かれています。任意要素や秘密については、必ずヒントが与えられますが、決して直接的に説明されることはありません。プレイヤーは世界を深く探索し、断片をつなぎ合わせることで報酬を得ますし、時には選択によって罰を受けることもあります。特定の決断は、ゲームプレイや物語そのものを変化させます。
物語やロアについても同じ構造です。基本的な情報は与えられますが、真の意味や「事実」は、世界の中に散り散りに配置されています。手紙、壁の書き込み、警告、象徴的な手掛かり、音によるヒント、そして任意・別ルートの要素が、初回プレイでの行動次第で、より深く作用します。再プレイ時には、新たなエンディングを迎えるだけでなく、初回では見つけられなかった道や敵、秘密を発見することもできます。私は、プレイヤーが表面的に見える道筋の先を探索し、物語やゲームプレイ上で「明白」に見えるものをあえて疑い、挑んでくれることを望んでいます。
――「ASTHENIA」という言葉は日本ではあまり馴染みがありません。このタイトルの意味と、込めたニュアンスを教えてください。
Manthos: 私はギリシャ人として、自分の作品には意味を持ったタイトルをつけたいと常に考えています。単に響きが良いとか、奇妙に聞こえるという理由だけではなく、個人的・知的な意味、そして文化やルーツに結びついたものであることが重要です。「ASTHENIA」はギリシャ語で「病」を意味します。この言葉は、ゲームの世界観そのものを象徴しており、私自身がこの物語を作るに至った個人的な経験とも深く結びついています。
ゲームプレイ上の要素でもあり、主人公アダムの行動次第では発症することもあります。その場合、世界もまたその出来事に反応します。このタイトルは、家族を失ったあとに生まれた作品である私にとって、非常に重い意味を持っています。腐敗し、朽ちていく古代の土地で、生と死が交錯し、住人たちが自分たちの存在の意味を理解しようともがく――そうした世界を表しています。

また、このタイトルを通じて、人々が言葉の意味を調べ、ゲーム内の物語とどのようにつながっているのかを探ってほしいとも思いました。ASTHENIAという病は、すべてを蝕み、人が自分自身やアイデンティティを失っていく感覚を問いかけます。それは、私が人生の中で、愛する人たちがそうなっていく姿を自分の目で見てしまった経験そのものでもあります。
――『ASTHENIA』は非常に個人的で痛みを伴う経験から生まれた作品だと伺っています。その体験と、ゲームへの影響について教えてください。
Manthos: 2019年、私は最愛の母を癌で亡くし、同じ年に流産によって最初の子どもも失いました。その二重の喪失は、私を感情的に完全に迷子にしました。『ASTHENIA』は、そうした状態の中で生まれた作品です。
このゲームは、病と腐敗に侵された世界を舞台に、喪失を経験した一人の普通の男が、その世界に引きずり込まれる物語です。信仰、再生、喪失、悲嘆といったテーマは、すべて私自身の人生と深く結びついています。暗く、重い起源を持つ物語ですが、それを表現することで、私は自分自身の感情と向き合うことができました。
――プログラマーとしての経験がない中でゲーム制作に挑んだ理由と、ゲームという媒体の力についてどう考えているかを教えてください。
Manthos: 私はプログラミングについて、経験も理解もまったくありませんでした。それでも私は非常に情熱的で、粘り強い人間です。それはアートのキャリアにおいても同じで、常に新しい挑戦や可能性を求められてきました。
『ASTHENIA』の直接的なきっかけは家族の喪失でしたが、それ以前から私はすでにゲーム開発を試みていました。クライアントワークだけを続けることに強いフラストレーションを感じ、自分自身の世界を作り、人々に探索してもらいたいという欲求があったからです。アートデザインの基礎は持っていたので、3D、デジタルアニメーション、そして最低限のプログラミングを学ぶ必要がありました。
私はほぼ6年間、このゲームをほとんど一人で開発してきました。最初は機能も選択肢も非常に限られた、ごく基本的なゲームで、ただ物語を語ることだけを目的としていました。しかし現在の『ASTHENIA』は、数年前の姿とはまったく異なるものになっています。

現代のゲーム技術で私が最も素晴らしいと思うのは、そのアクセスのしやすさです。私は80年代に子ども時代を過ごしましたが、当時のギリシャではこうしたツールに触れることは不可能でした。インターネットの登場によって、それらは一般に開かれ、私は年齢など気にせず、その可能性を見た瞬間に飛びつきました。
ゲームの力とは、単に個人の物語を世界中に共有できるというだけでなく、物語、アート、音楽など、さまざまな芸術表現を統合し、人の魂に触れることができる媒体である点にあると私は信じています。これは、他者が創作者のビジョンと完全に相互作用できる、究極の表現形態だと思っています。
――アーティスト出身ということもあり、『ASTHENIA』のアートやビジュアルデザインは非常に印象的です。制作における芸術的な優先事項や、目指した方向性について教えてください。
Manthos: ありがとうございます。2019年にこのゲームを作り始めた当初、正直に言って、ゲームプレイやプログラミングの面では自分に勝ち目があるとは思っていませんでした。だからこそ、最初に最も力を注いだのがアートディレクションでした。ゲームに登場する多くの要素、敵、アーティファクト、構造物、キャラクターのほとんどは、まず紙の上でスケッチするところから始めています。その後、それらの一部をデジタルペインティングに落とし込み、ゲーム内で使える形にしました。
ゲームのテーマは非常に明確だったので、ビジョンもはっきりしていました。アステニア、腐敗、そして同時に、この世界に隠されたある種の美しさ。その二つが対立しながらも補完し合い、視覚的にもトーンとしても意味のある世界を作り出す必要がありました。
私のインスピレーションの多くは、日本のゲームから来ています。先ほど挙げた『SILENT HILL』『ダークソウル』『バイオハザード』、そして上田文人氏の作品群は、若い頃の私に強烈な印象を残し、現在の『ASTHENIA』にもその要素が自然と反映されています。さらに、私はバルカン半島、ギリシャで育った人間なので、地域的・文化的背景も自然と混ざり込んでいます。東欧を思わせる朽ちたブロック状のエリアや、正教会的な背景を想起させる古代の神殿や聖所などです。また、一部の構造物は、別の宇宙的な力によって変質した古代ギリシャ文明を連想させるかもしれません。
こうした影響を「理解して組み立てた」というよりも、「感じ取った結果として自然に形になった」という感覚が近いです。私にとって現在の『ASTHENIA』のビジュアルは、好きなゲームから受けた影響と、自身の文化的体験とが融合した、非常に個人的な表現なのです。

――2019年からこのプロジェクトに取り組んでいますが、現在の開発状況はいかがでしょうか。
Manthos: とても嬉しいことに、現在は数年前と比べて、開発がはるかに速く、そしてスムーズに進んでいます。その理由として、最近フランス人のプログラマーである友人が開発に加わってくれたことが非常に大きいです。彼のおかげで、ゲームの多くの部分が大幅に改善されました。
デモ版は近日中に公開予定で、今年からは本格的なフルプロダクションに入り、2027年のリリースを目標にしています。これは私にとって初めてのゲームなので、途中で問題や遅延が発生する可能性は当然あると思っていますが、それでも最後までやり切るつもりです。
以前は、プログラミングの問題によって開発が何度も止まり、諦めかけたこともありました。しかし今は違います。問題は常に発生しますが、それらを解決し、乗り越え、完成に近づいているという実感があります。
――友人が加わったことでの、開発への影響について教えてください。
Manthos: 彼は、文字通り私の人生を救ってくれました。これは比喩ではありません。フランス人の共同開発者であるクエンティンは、プロのソフトウェアエンジニアであり、昔のクライアントであり、そして友人でもあります。
彼が加わったのは、ゲームが技術的に崩壊しかけていた、まさに最も重要なタイミングでした。問題やバグが山積みになり、私は限界寸前でした。クエンティンは、私の未熟で場当たり的なコードを洗練させ、多くのシステムを効率的に作り直し、アクセシビリティ機能を追加し、パフォーマンスと安定性を大幅に向上させてくれました。
彼の存在によって、開発プロセスそのものが一変しました。もし彼がいなければ、『ASTHENIA』は今よりもはるかに少ない機能と可能性しか持たない作品になっていたと思います。私は今も深く感謝しています。
“無知”がチャレンジングな精神を掻き立てた

――ゲームの大部分を一人で開発してきたとのことですが、ソロ開発で最も困難だった点は何でしょうか。また、多くのソロ開発者が短編作品やローポリ、2Dなどを選ぶ中で、なぜAA規模のビジュアル表現を目指したのでしょうか。
Manthos: よく冗談で言うのですが、もし当時、技術的な要求の本当の大きさを理解していたら、私はこのゲームを始める勇気を持てなかったと思います。幸いなことに、当時の私はとても情熱的でしたし、精神的にも感情的にも非常につらい時期だったので、自分を支える強い何かが必要でした。このゲームに固執することが、私にとっての救命ボートだったのです。
ソロ開発の大変さは、正直に言って尽きることがありませんでした。インターネット上の簡単なチュートリアルを理解し、それを再現しようとしても、ゲームごとに条件が違うため、ほとんどの場合うまくいきませんでした。その結果、自分で実験しながら進めることになり、それが結果的に良い練習になった部分もありますが、同時に数えきれないほどの致命的なバグを生み出しました。何度も「自分には無理だ」と思いましたが、それでも頑固さと執念、そして何より情熱によって、解決策を探し続けました。
ビジュアル表現について正直に言うと、ローポリや2Dのゲームが嫌いなわけではありません。ただ、私はもっと大きなものを作りたかったのです。コンセプトアーティストとしてのキャリアの中で、私は常により壮大でスケールの大きな表現を目指してきました。標準的なレベルで満足することができなかったのです。
今振り返ると、自分の無知があったからこそ、ここまで挑戦できたのだと思います。完成後は確実に休みが必要になるでしょうし、次回作ではここまで大規模なプロジェクトは選ばないかもしれません。それでも、この経験を後悔してはいません。私はこのプロジェクトを通じて、粘り強さと回復力を身につけ、多くのことを学ぶことができました。
――ソロ開発だったからこそ得られた利点や柔軟性はありましたか。
Manthos: もちろんです。一人で作業することで、すべての決断に自分で責任を持ち、自分のペースで時間をかけることができました。私は常に、自分自身の声を表現したいと思っていました。ゲームに登場するあらゆる要素、その見せ方のすべてが、私自身の経験、考え方、そしてアーティストとしての思想から生まれています。
誰かに待たされることも、誰かに答えを求められることもなく、自分自身が「ボス」でした。柔軟性という点では非常に大きな利点がありましたが、同時に孤独で、フラストレーションの多い旅でもありました。それでも、今は技術面で本格的なサポートを得られ、その重荷が大きく軽減されたことに心から感謝しています。
――ミニマップやクエストマーカーを排した設計について、その意図を教えてください。
Manthos: これは、もともと強力なナビゲーションシステムを作れなかったことから始まりましたが、同時に『ダークソウル』のような、プレイヤーの手を引かないゲーム体験が好きだったことも大きな理由です。80年代に育った私は、地図やガイドがなくても、観察と記憶によって世界を理解する体験に慣れ親しんでいました。
『ASTHENIA』の世界は構造的に意味を成していないように見える場所も多く、迷うこと自体が自然であるべきだと感じていました。そのため、マップや明確な誘導を排し、プレイヤーが「アダムと同じように迷う」体験を重視しました。

――一人称視点で、なおかつ近接戦闘を重視する設計は比較的珍しいと思います。その狙いと、影響を受けた作品について教えてください。
Manthos: 私のアプローチは非常にシンプルでした。『ダイイングライト』や、『バイオハザード7』のDLCなど、近接戦闘を重視したゲーム体験を楽しんでいたことが背景にあります。
私のゲームはそれらほど深いシステムを持っているわけではありませんが、限られた理解と技術の中で実装できる、最も現実的で集中しやすい選択肢でした。ガントレットのエネルギーが尽きた際に身を守るためのパリィシステムを導入し、後半では環境やオブジェクトを操作できるアーティファクトも用意しています。

――環境を利用した戦闘や、敵の数や難易度が動的に変化する仕組みはどのように設計したのでしょうか。
Manthos: 以前から、取得したアーティファクトや倒した敵を追跡するシステムは存在していましたが、クエンティンの協力によって、より効率的で柔軟なイベントトラッキングシステムに刷新されました。
例えば、秘密のボスを倒すと隠された道が開き、新たなマップや固有の挑戦が現れます。その行動は後の展開にも影響し、世界が新たな試練を用意します。いくつかの要素は「連鎖イベント」として設計されており、特定の順序で行動することで初めて発生するものもあります。
環境戦闘については、戦闘システム自体がシンプルである分、落下構造物や地面の罠、炎のギミックなどを用意し、プレイヤーが工夫できる余地を作りました。その結果、同じゲームでも、プレイヤーごとにまったく異なる体験が生まれる可能性があります。
――ストアページでは「古代の存在」や「謎の戦争」といった表現が意図的に曖昧にされています。その理由は何でしょうか。
Manthos: それは、信仰というテーマに深く関係しています。信仰は主観的なものです。この世界の存在たちは、人によっては神であり、また別の人にとってはそうではないかもしれません。
私自身、喪失を経験し、「なぜ」という問いに直面したことで、すべてを説明し切らないことの意味を強く意識するようになりました。『ASTHENIA』では、十分な手掛かりは与えますが、結論はプレイヤー自身に委ねています。私は『ソウル』シリーズのような、曖昧さと謎を大切にする語り口が好きなのです。
――病によって世界が蝕まれていくという発想は、どのように形になっていったのでしょうか。
Manthos: それは、あまりにも自然に生まれたものです。愛する人を失ったあとの強い感情と空白が、そのまま形になりました。意識して作ったというより、そうならざるを得なかったのです。暗い場所から生まれた物語ではありますが、それを表現できたことに後悔はありません。
――主人公アダムは、特別な力を持たない「普通の人」として描かれています。その意図を教えてください
Manthos: 私は、特別な力を持たない人間の物語が好きです。アダムは喪失を経験した、ごく普通の男です。だからこそ、多くの人が彼に共感できると思いました。彼の成長や変化は、最初から与えられたものではなく、旅を通じて獲得されるべきものなのです。
――プレイヤーがアダムとしてこの世界を歩いたあと、どのような感情や問いを持ち帰ってほしいですか。
Manthos: 希望、愛、生き延びることの意味、理解不能な世界をどう進むのか。そうした問いを持ち帰ってもらえたら嬉しいです。喪失や悲嘆の中にも、前に進むための光があることを感じてほしいと思っています。

――マップを持たないという「不親切さ」は、ゲームのテーマとどのようにつながっていますか。
Manthos: 『ASTHENIA』の世界は、構造的に理解できないように作られています。地図を持たないことで、プレイヤーはこの世界の異質さをより強く感じるはずです。アダムと同じように、迷い、手探りで進むことが、この物語の核心なのです。
――不気味でグロテスクな敵が多く登場しますが、そのデザイン意図について教えてください。
Manthos: それは単なる恐怖演出ではありません。病と腐敗が、存在そのものをどのように歪めるのかを視覚的に表現したものです。かつて美しかったものが、徐々に崩れていく。その対比こそが、この世界の本質です。

――複数のエンディングを用意した理由を教えてください。
Manthos: 決断に責任を持つ体験を作りたかったからです。初回の体験がすべてではなく、「もし違う選択をしていたら?」という問いが、再プレイへの動機になることを望みました。『SILENT HILL 2』のような、微細な行動が結末を左右する設計に強く影響を受けています。
――音楽とサウンドデザインもすべてご自身で手がけていますが、どのような役割を果たしていますか。
Manthos: 子どもの頃からピアノに親しみ、音を理解し、再現することが好きでした。シンセやデジタル制作に移行し、自分で作った音楽を重ね、実験を続けてきました。音楽は、この世界の感情を語る重要な要素です。憂鬱なピアノ、抑圧的で重厚な音、実験的なノイズなどを使い分けています。
――現在のところ、本作は日本語に対応していませんが、将来的に日本語ローカライズが行われる可能性はありますか。また、現時点で予定がない場合、どのような日本のプレイヤーからの反応や関心があれば、検討するきっかけになるでしょうか。
Manthos: はい、そのとおりです。現時点ではローカライズ用のシステムが整っておらず、他言語対応に着手するための予算も不足しています。ただし、もしゲームがうまくいき、十分な成果を得られた場合には、そうした対応について必ず検討するつもりです。正直に言えば、私たちはこれまでローカライズを行った経験もなく、具体的な方法も分かっていませんが、それでも前向きに考えています。
日本のプレイヤーからの反応という点では、もし日本の文化を持つ方々がこのゲームを楽しんでくれ、可能であれば日本語に翻訳してほしいと思ってくれたと知ることができたら、私は心から光栄に思いますし、身の引き締まる思いになるでしょう。日本のビデオゲームやアートは、私が本当に幼い頃から、常に最大のインスピレーションであり、影響源でした(大好きだった任天堂やセガのゲーム機で遊んでいた日々を今でも覚えています)。

私は、日本という文化が、ゲームの物語やさまざまなメディアを通じて、私にどれほど深く、そして計り知れないほど豊かな体験を与えてくれたかを、心から尊敬し、愛しています。もし私たちにとって現実的だと判断できるほどの大きな関心が寄せられたなら、近い将来、何とか方法を見つけて日本語対応を実現できないか、真剣に模索したいと考えています。
――最後に、この世界に足を踏み入れたいと興味を持つ日本のプレイヤーへ、メッセージをお願いします。
Manthos: 現実と同じように、この世界に足を踏み入れ、変化の旅を体験してほしいと思います。重い空気の中にも、光と希望を見つけてください。日本の文化とゲームは、私の創作人生において最大のインスピレーションでした。デモや製品版を遊んでもらえたら、これ以上の喜びはありません。本当にありがとうございます。
『ASTHENIA』は、PC(Steam)向けに2027年の発売を目指して開発中。体験版も近日登場予定です。











