ローマを再建する街づくりシム『ノヴァ・ローマ』プレイレポ―わたしたちが愛するのはローマ、そして銭湯 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

ハードコアゲーマーのためのWebメディア

ローマを再建する街づくりシム『ノヴァ・ローマ』プレイレポ―わたしたちが愛するのはローマ、そして銭湯

ブドウ畑、水道橋そして銭湯。簡単プレイで立派な古代ローマの風景ができあがる2026年今年期待のシティビルダーがついに発売。

連載・特集 プレイレポート
ローマを再建する街づくりシム『ノヴァ・ローマ』プレイレポ―わたしたちが愛するのはローマ、そして銭湯
  • ローマを再建する街づくりシム『ノヴァ・ローマ』プレイレポ―わたしたちが愛するのはローマ、そして銭湯
  • ローマを再建する街づくりシム『ノヴァ・ローマ』プレイレポ―わたしたちが愛するのはローマ、そして銭湯
  • ローマを再建する街づくりシム『ノヴァ・ローマ』プレイレポ―わたしたちが愛するのはローマ、そして銭湯
  • ローマを再建する街づくりシム『ノヴァ・ローマ』プレイレポ―わたしたちが愛するのはローマ、そして銭湯
  • ローマを再建する街づくりシム『ノヴァ・ローマ』プレイレポ―わたしたちが愛するのはローマ、そして銭湯
  • ローマを再建する街づくりシム『ノヴァ・ローマ』プレイレポ―わたしたちが愛するのはローマ、そして銭湯
  • ローマを再建する街づくりシム『ノヴァ・ローマ』プレイレポ―わたしたちが愛するのはローマ、そして銭湯
  • ローマを再建する街づくりシム『ノヴァ・ローマ』プレイレポ―わたしたちが愛するのはローマ、そして銭湯

「すべての道はローマに通ず」のですから、シティビルダーで人気の舞台といえば古代ローマ時代でしょう。『Nova Roma(ノヴァ・ローマ)』――ラテン語で「新しいローマ」と名乗る本作は、人気作ひしめく古代ローマ時代シティビルダーの期待作です。DEMO版で多くのプレイヤーから好評を得た本作が、2026年3月27日にSteam / Epic Gamesストアで発売します。

開発元Lion Shieldは人気シティビルダー『Kingdoms and Castles』のメーカーです。本作は後継作に該当し、舞台を中世ファンタジーから古代ローマへ移しました。島を開拓して都市を作るゲーム展開は前作と同様ですが、時と場所が変わればテーマも変わります。本作のテーマは治水そして銭湯です。本稿はこのテーマを主眼にプレイレポートをお届けします。

本稿では執筆に向けて8時間プレイしました。シティビルダーのファンからすれば、たった8時間では調査不足だと思うでしょう。しかしご安心ください。本作はサプライチェーンが単純でデッドロックが発生せず、最初からゲーム速度を最高速でプレイできます。プレイヤー各々のプレイスタイルに合わせてゲーム速度を選べるのは、シンプルなシティビルダーならではの利点です。

先の速度設定で難度ノーマルをプレイし、1時間ごとに新たな問題とぶつかりました。その問題が、農業集落の新設、住宅区画の再開発、物流網と水道の整理、といった都市開発をうながします。テンポよく街が発展していく様子を楽しめました。出たとこ勝負で問題解決するファーストプレイでも、ゲーム内の目標提示が明確でプレイが迷子にならなかったのは好感です。

そして、初プレイでもしっかりと古代ローマの街並みになりました。屋根が赤い石造りの建物が並ぶからそう見える、というのもありますが。ブドウ畑、水道橋、そして銭湯を作ると徐々に古代ローマの景色ができあがります。広いマップサイズと細かな傾斜の地面が鳥瞰視点でのプレイとマッチし、春夏秋冬の朝昼夕晩で様々にライトアップしていくのはすばらしいです。

その景観をプレイヤー自身で作る、ワールドビルディング要素の治水工事がたまりません。偉大な都市を作ろうという意欲がかき立てられます。そして壮大な都市を求められます。侵略者を撃退し、神々をなだめるために、とにかく巨大な都市にしなくてはならないのです。前作のオーソドックスなシティビルダー+タワーディフェンスをそのまま継承し、ワールドビルディングで都市計画の深みを加え、後継作として大きくパワーアップしました。

ゲームは火の手があがるローマ帝国から脱出した1隻の船から始まります。市民や解放奴隷を乗せた船は無人島に到着しました。プレイヤーはそこで新しいローマを始めます。ほどなくして神々が手を差し伸べ、寵愛を受けることができたなら勢いよく開拓が進むでしょう。住み良い村であれば新たな移住者は増えるでしょう。栄える街であれば侵略者が略奪を試みるでしょう。偉大な都市であれば、神々が供物をねだるでしょう。

プレス向けプレビュー版では、ゲーム開始時にクリア条件の提示はありませんでした。サンドボックス型のシティビルダーです。ゲームモードは2種類あります。資源無限・施設即時建設のクリエイティブモードと、先の段落で述べたコロニーシム様式のスタンダードモードです。以降でスタンダードモード、難度ノーマルのウォークスルーを述べます。

本作のコアメカニクスはメーカー前作を踏襲しており、OPデモ後はコロニーシムで定番の流れとなります。最初に開拓基地を建て、開拓命令で木材や石材を集め、道路・小屋・畑を作る、という定石です。開幕時点では建設アイコンの多くがロック中で、神殿を建て神に奉るとアンロックします。

神殿を奉った神は使命(ゲーム中目標)を出し、それを達成すると恩寵(発展ポイント)を得ます。恩寵を消費してアンロックする新施設を使い、次の使命を達成するというサイクルで街が発展します。3時間ほどすれば外周を壁で囲った都市になるでしょう。

街の発展を邪魔する要素がふたつあります。ひとつは襲撃者です。主に金貨を保管する神殿を壊そうとします。木の壁で足止めし監視塔で倒すタワーディフェンスで対抗しましょう。壁を越えてしまっても、急きょ用意した民兵で迎え撃てるため融通が効きます。

もうひとつの邪魔要素は、邪魔というと不敬にあたるのですが、欲深い神々です。神々は自分に神殿を奉らないと怒って災害を起こします。神の王ユピテルは雷を落とし、農業の女神ケレスは凶作をまねく、などなどです。神々の要求はエスカレートし、もっと大きな神殿を建てろ、催事で祝えとねだってきます。

滅亡のローマ帝国から袂を分かって新天地へたどりついても、死と税からは逃れられないのです。襲撃者がもたらす死をはねのけ、神々という上位存在へ税を納めるために都市を拡大しましょう。この2点はゲーム開始時の難度設定で頻度が大きく変わります。難度ノーマルでは島の1/3を都市化する頃まで邪魔とは感じませんでした。市民増加→満足度上昇→サプライチェーン拡大→働き手となる市民増加、というコアサイクルへの誘導に役立っています。

むしろ、もっとも被害が大きかったのは人災でした。施設建設で意図せぬ埋立てが起き、川の流れが変わり、農場予定地が水浸しになる水害が起きたのです。ここから本作の目玉要素である治水工事、そして銭湯作が始まります。

コトの始まりはワインでした。ワインを求める市民のためにブドウ園を作ろうとしたのです。ブドウ園は肥沃な斜面、つまり山の川沿いを要します。そこに農業集落を作る過程で、施設建設で自動発生する土木工事が川の流れを変えてしまったのです。

筆者のケースは人災でしたが、残念なことに天災の大雨でも川は氾濫して洪水に飲まれます。大雨とは逆の干ばつも大きな天災です。水道を求める市民のために水道橋を川から引いたのですが、干ばつ時は水道橋に水が流れ込まず、住宅区の火事を消す水がない事態に陥りました。

安定しない水源に安定した水量を求める。ここから治水工事が始まります。ダムを建設して水を貯蓄し干ばつにそなえ、川縁を掘り埋めて水を治めて洪水にそなえるのです。水道橋の設計もこの治水工事にかかわってきます。水道橋は高所から低所につなげなくては水が流れません。さらに急勾配だと水流が強すぎて受けきれず、背が高い建物を貫通するように敷けません。治水工事と水道橋はパズル要素があり、都市拡張の計画にちょっとしたヒネリを加えています。

治水工事と水道橋の建設を達成すると御褒美があります。それは市民の幸福度を大きく高める銭湯です。騒音を生む採掘場や煙を出す炭焼場など、工業施設は周囲の幸福度を下げるため住居を併設しにくいですが、銭湯を建設すれば差し引きプラスです。劇場や広場などほかの幸福度施設も合わせれば、そこはもうローマです。

仕事場と建物が混在した街並みは人が流れが絶えず、図書館やジムを併設した銭湯に市民が足しげく通います。広場は団らんでにぎわい、神殿の催事を通じて神の恩寵を享受します。市場に並ぶワインの産地は水道橋の向こう側に見えるブドウ畑です――そう、思いが馳せるビジュアルをゲームプレイから自然と産みだしたところに感動しました。

『Nova Roma』はリラックス路線のシティビルダーにおけるエンドコンテンツ、ワールドビルダーをコアコンセプトに取り入れたゲームです。そのワールドビルダーは必要最低量でよく、無計画な都市拡張を罰することはありません。もちろん、がっつり計画できますのでカジュアル層からコア層まで幅広く楽しめます。

モデルはローポリながら景観のディテールが細かく、プレイ中のビジュアル体験はメーカー前作から大きく改善しました。それでいて、施設建設はマス目で扱えるため利便性は継承しています。この2点を両立できたのは喜ばしいです。前作からの細かな変更点ですが、UIの主要インジケーターを画面上下に集め、横方向の視界を広げてパノラマ感を高めた点も好感を抱けます。

のんびりおだやかなBGMでプレイ中の緊張をときほぐすとおり、コロニーシムとしてはシビアさが薄いですが要点は押さえています。襲撃者と神々で堅牢なコアサイクルを作り、ワールドビルダー要素で都市計画にアクセントを加えました。これで徐々にプレイヤーを都市計画の喜びにいざないます。そしてうれしいことに、マップにはまだ手付かずの島を用意しています。筆者は8時間ほどプレイして移住の準備が整いました。

次の街は最初から治水工事と水道橋を、そして銭湯を意識した都市計画に挑めるのです。この体験をもってメーカー前作からパワーアップした後継作だと太鼓判を押しましょう。さあ、あなたも、まずは浴場から見た景観をイメージしてください。次の街はまちがいなく、もっと新しいローマです。



[新訳]ローマ帝国衰亡史 (PHP文庫)
¥1,529
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
教養としての「ローマ史」の読み方 (PHP文庫)
¥1,540
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
ライター:野村光,編集:みお

ライター/宇宙とSFとストラテジーと格ゲーが好きです。 野村光

ゲームレビュアー。2014年に商業誌デビューし、11年かけてレビュー・インプレッションを200本執筆。オールタイムインベストは『New Space Order』。

+ 続きを読む

編集/Game*Spark共同編集長 みお

ゲーム文化と70年代の日本語の音楽大好き。人生ベストは『街 ~運命の交差点~』。2025年ベストは『Earthion』。 2021年3月からフリーライターを始め、2025年4月にGame*Spark編集部入り。2026年1月に共同編集長になりました。

+ 続きを読む
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめの記事

連載・特集 アクセスランキング

アクセスランキングをもっと見る

page top