この変なゲームの面白さ、とにかく伝えたいです!―スイッチ2独占『TOKYO SCRAMBLE』は“丸くしない覚悟”でコンセプトを貫いた、観察と判断が武器のゲーム体験【インタビュー】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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この変なゲームの面白さ、とにかく伝えたいです!―スイッチ2独占『TOKYO SCRAMBLE』は“丸くしない覚悟”でコンセプトを貫いた、観察と判断が武器のゲーム体験【インタビュー】

開発者が語る、手応えと課題、そして“伝えたいチャレンジングな面白さ”の理由。

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この変なゲームの面白さ、とにかく伝えたいです!―スイッチ2独占『TOKYO SCRAMBLE』は“丸くしない覚悟”でコンセプトを貫いた、観察と判断が武器のゲーム体験【インタビュー】
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東京の地下に、もうひとつの世界が広がっていたら――。そんな発想から生まれたスイッチ2タイトル『TOKYO SCRAMBLE』は、恐竜が独自進化した地下世界“Zipang”を舞台に、か弱い少女アンが生き延びるために奔走するサバイバルパズルアクションです。

本作の特徴は、敵であるZinoの動きや気配を観察し、状況を読み取り、「今なら行ける」という判断を下すこと。いわば“感覚”そのものが武器になる設計です。しかし、そのユニークさゆえに、現時点では「どうやって遊ぶんだろう」と困惑している人もも少なくないそう。

『ENDER LILIES』『ENDER MAGNOLIA』を手掛けたBinary Haze Interactiveの最新作である本作は、なぜこの設計にこだわったのでしょうか。そして、プレイヤーに委ねられた体験の正体とは何なのでしょうか。本稿では、開発者インタビューを通して、その思想と手応えに迫ります。

「丸くしない」――コンセプトを貫いた開発の出発点

――自己紹介をお願いします。

山本:本作でプロデューサーとディレクターを務めた山本真です。ゲーム業界歴は30年で、以前はカプコンにて『戦国BASARA』シリーズを立ち上げたり、ユークスでプロレスゲームや「ベルセルク」をはじめとしたキャラクターゲームも作ってきました。特に『BASARA』はアニメや舞台の監修もすべて行っていました。

――本作では、Nintendo Direct ソフトメーカーラインナップで発表され、1週間ほどでスピード発売となりました。反響はいかがでしたか。

山本:Nintendo Directでの紹介後は、大きな反響を得られました。Binary Haze Interactiveは『ENDER LILIES』『ENDER MAGNOLIA』で名前が知られているので、あそこが手掛ける新作なんだ!という反響が大きかったですね。また、海外メディアもNintendo Directのタイトルはどこもニュースにするので、海を超えて多数取り扱われました。

一方、発売後の手応えにはやや苦労しているというところが正直なところです。他の有名タイトルに知名度で負けてしまっているなと。初動は爆発させられませんでしたが、この先の伸びに期待しているところです。

――そうなんですね……!改めて、本作はどのように立ちあがったのですか。

山本:本作は、スタート地点として、昨今フルプライスで値が張るゲームも多いので、そこまで高くない価格設定でお届けしようというものがあります。

本作の思想として、「ベースのコンセプトを貫き通したものにする」というものがあります。自分の経験からも感じますが、やはりメジャーなタイトル開発の過程では幅広い方に受け入れられるよう、どうしてもどこか丸くしたり、遠慮したりするというところがあるんです。一方本作では、インディーのように尖らせたコンセプトを貫こうと。

――そのコンセプトとはどんなものなのですか。

山本:ゲームデザインとしては、1面ずつクリアしていく、アーケード時代からの昔ながらの感覚を求めたいというところがひとつ。もうひとつは、キャラの育成やコマンド覚えなどを必要としない、ユーザーが感覚的に遊べることを大事にする、ということをコンセプトとしました。

”第六感”といいますか、感覚で遊ぶことを意識したデザインになっていて、状況をみながら「今なら通り抜けられるぞ!」という決断が最大の武器になります。

加えて、「エンターテインメント」ということも意識していて、敵ごとにテーマ曲を作っています。ドラキュラっぽかったり、フラメンコぽかったり、次々にいろいろなことがおこるエンタメ性を味わってもらいたいです。

――最初見たときはサバイバルホラー系かな、と思いましたが、公式ジャンルを「サバイバルパズルアクション」としていますよね。

山本:そこも、最初から決めていました。ただ、パズルといっても本当にパズルをするわけではなくて、Zino(敵)の思考や状態、位置取りなどを観察しながら遊んでいただく、というような意味でのパズルです。

――なるほど。

山本:この観察と決断という遊びがお客様にまだうまく伝えられない実感があり、攻略が難しいとレビューされる所以かなと。普通のゲームであればアドバイスや攻略サポートがつくところですが、本作にはそういったものがないので、本当に動物を相手にしているような感覚なんです。

もし東京の真下に“別の世界”があったら

――ありがとうございます。次は、舞台設定についてお聞かせください。東京の地下に、Zipangという世界があった……という設定はどういうところから発想したのですか。


山本:まず発想として、「もしこの場所の真下に、別の世界が存在していたらどうなるのか」という視点があります。日本にもかつて恐竜が存在していたという過去を踏まえ、その世界が恐竜時代に地盤沈下して取り残され、独自に進化した“ロストワールド”的な環境として成長していたらどうか、という想像につながっています。

主人公・アンはか弱い女の子です。ごく普通の、現実的な人物として設定しています。そんな彼女が、閉じ込められた空間の中で恐竜と対峙する状況に置かれたらどうなるのか。当然、何もできないし、どうしようもない状態から始まります。その中で、唯一外界と繋がれる手段が「アプリ」の存在です。ただし、それが本当に機能しているのか、生きているのかすら分からない、不確かなものでもあります。

つまり、別の時間軸で進化した恐竜の世界に、現代に生きる主人公が迷い込んでしまう構造です。 パラレルというよりは、異なる時間と空間がどこかで接続してしまったような関係性で、その「接点」を物語の軸として描こうとしています。

――敵キャラとなるZinoについても教えてください。

山本:オーソドックスな恐竜っぽいのもいれば、コウモリみたいなやつ、昆虫みたいなやつ、忍者みたいなやつと、いろいろな生態系があります。実はZinoの進化図も全部書き起こしているんですよ。

――壊滅した都市だとゾンビが多いイメージですが、恐竜なんですね。

山本:都市が地中に沈んでしまったあと、恐竜たちはどのように生き延びたかというところも想像して作っています。

――次はゲームプレイ面についてお聞かせください。ステージごとに違うギミックがあるところにこだわりを感じました。

山本今作はチーム内で「崩壊テーマパーク」と呼んでいました。テーマパークのように、新しい楽しみがどんどん出てきて、ステージが変わるごとに遊びの色が変わっていくように作りました。最初のほうは隠れながら進むところも多いのですが、最後の方はかなり攻撃的に、これまでのストレスを発散できるようなところも用意しています。

――現代の東京の描写にもこだわりを感じます。

山本:舞台が新宿から渋谷までの区間です。その間に戦国時代にいったりもするんですが(笑)。この区間というと、渋谷スクランブル交差点が舞台になりがちですが、あまり制限はせず東京の面白いところをたくさん詰め込みました。地下水路などいろいろ全部盛りにしています。

“よし行くぞ”と前向きになれる体験をつくるために

――本作の初報映像を見た際、少しシリアスな印象を受けていましたが、実際遊んでみると少し明るかったり、ギャグっぽいところもありますよね。全体のトーンとしてどういったものを目指しましたか。

山本:自分は暗くてどんよりした雰囲気があまり好きではなくて、明るくしないと「よし行くぞ!」という気持ちにならないと思ったんです。だから、主人公のアンは、こんなたいへんな状況だけど「なにくそ!」と奮い立って先へ進むんです。18歳の女の子なので、人生の岐路を含めいろいろなことを考える時期でもあるとおもいます。なのでいろいろなドラマに巻き込みつつ、ユーザーと一緒に奮い立ってほしいんです。

――キャラクターもいくつかでてきて、青春や恋愛的な展開にもなってきます。ここは、少し意外なテイストに感じました。

山本:今回のキャラクターは、それぞれがいろんな想いを抱えていて、関係性も単純ではありません。例えばハルはレイのことが気になっている一方で、Jはハルのことが好きだったり、さらに龍心はJに対して別の感情を持っていたりと、複雑に絡み合っています。

そういった感情の動きは、幼稚園や小学生の頃から現在に至るまで、すべて時系列で設定として組み立てています。過去に何があったのか、どのタイミングで関係性が変化したのか、といった部分も含めて、裏側ではかなり細かく決めています。

本作では、それらの情報をチャット形式で表現しています。1月1日に集まったときの会話や、アンとハル、アンと龍心といった個別のやり取りなど、それぞれ異なる時系列・異なる組み合わせの会話が複数存在しています。全体の会話だけでなく、個別の会話も含めて、全部で50本ほどのチャットがあり、それぞれがひとつのドラマになっています。

プレイヤーはそれらを断片的に見ていくことになるので、最初は「なぜこんな話をしているのか」が分かりづらい部分もあると思います。ただ、それらを少しずつ集めていくことで、「実はこういう出来事があった」「こういう関係性だった」というのが見えてくる構造になっています。

最終的には、すべての出来事が4月17日という“当日”に収束していく形になっていて、そこに至るまでの時間や関係性を、プレイヤー自身が読み解いていく体験を目指しています。

――本作で一番気になるのは、やはり「おすそわけ通信」の仕様です。移動、アクション、アプリ、カメラとひとりのキャラの操作を分担するというのが独特で……!

山本:これは任天堂さんと「おすそわけ通信でなにかできないか」と話したりして、面白いものを模索して生まれたものです。本作は難しいゲームですが、いつでも役割をバトンタッチできるんですね。困ったら違う人に貸してやってもらったり、みんなでわいわいスリルを味わったりと、コントローラーを貸し合って一緒に遊んでいるような体験を目指しました。コントローラーどころか、ボタンやスティックを貸しちゃっているような状態になりますが(笑)。

――たしかに、マルチプレイ体験として新感覚でした。そのほか、プレイヤーに味わってほしい箇所はありますか。

山本:そうですね、一番はやはり終盤のステージですね。『TOKYO SCRAMBLE』のタイトルにもなっている“スクランブル”のステージは、ぜひ体験してほしいです。

これまでの緊張感や制限があるプレイとは少し違って、ストレスを解放するような感覚があって、かなり気持ちよく遊べる内容になっています。ネタバレになってしまう部分もあるので詳しくは言えないのですが、ゲームを通して積み重ねてきたものが、あのステージで一気に活きてくるような作りになっています。

――最後に、まだプレイしていない人に向けてメッセージをお願いします。

山本:今回の作品は、『感覚』でカギを握るゲームを目指していますが、それと同時に、進んでいくごとに「新しい体験」を感じられるような作りにもしています。1日1エピソードでもいいので、少しずつ前に進みながら体験してもらえたら嬉しいです。

操作自体はとてもシンプルで、しゃがんで身を隠したり、スタミナを管理しながら走ったりと、できることは多くありません。ただ、その中で敵の動きや感覚を読み取って判断していくゲームになっています。いわゆる“ゲームらしいゲーム”とは少し違う体験になると思うので、ぜひその感覚を楽しんでもらえたらと思います。

――ありがとうございました!


『TOKYO SCRAMBLE』は、ニンテンドースイッチ2向けに配信中です。ユーザーからの不満点に対処した最新アップデートも配信中です。


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ライター:みお

ライター/Game*Spark共同編集長 みお

ゲーム文化と70年代の日本語の音楽大好き。人生ベストは『街 ~運命の交差点~』。2025年ベストは『Earthion』。 2021年3月からフリーライターを始め、2025年4月にGame*Spark編集部入り。2026年1月に共同編集長になりました。

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