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3Dアクションアドベンチャーの金字塔、初代『トゥームレイダー』の魅力を振り返る。「ララ・クロフト」がもたらした革新性とは?

待望のリメイク版は2026年発売予定です。

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3Dアクションアドベンチャーの金字塔、初代『トゥームレイダー』の魅力を振り返る。「ララ・クロフト」がもたらした革新性とは?
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1990年代半ば、ゲーム業界は2Dから3Dへの過渡期にありました。その荒波の中で産声を上げたのが、イギリスのCore Designが開発し1996年に発売された『Tomb Raider(以下、トゥームレイダー)』です。

暗く静まり返った遺跡、巨大な恐竜の襲撃、そして何より、銃を手にアクロバティックに舞うヒロイン、ララ・クロフトの姿は、当時のゲーマーに計り知れない衝撃を与えました。

そんな本作は、リメイク版となる『トゥームレイダー:レガシー・オブ・アトランティス』が2026年に発売予定です。Unreal Engine 5で刷新された大迫力のグラフィックで、ララ・クロフトの新たな冒険が描かれます。

そこで本稿は、単なるアクションゲームに留まらず、3D空間における「冒険」の定義を根本から変えた初代『トゥームレイダー』の面白さと魅力、そして主人公として今なお絶大な支持を集める、「ララ・クロフト」がゲーム史にもたらした革新性について改めて振り返ってみようと思います


3D空間設計の革新性─「知的な冒険」としてのレベルデザイン

『トゥームレイダー』

『トゥームレイダー』(あるいは『トゥームレイダース』)は、1996年に第1作が発売された世界的人気アクションアドベンチャーゲームで、考古学者兼トレジャーハンターの「ララ・クロフト」を主人公に、世界中の遺跡探索、謎解き、ガンアクションが展開されます。

まず最初は、本作のゲームプレイやゲームデザインについて見ていきましょう。結論から言えば、『トゥームレイダー』の面白さの核は、巧みに設計されたレベルデザイン(ステージ構成)にあります

本作の世界は、実は目に見えない「立方体(グリッド)」の積み重ねで構築されています。

「この崖は、助走をつけたら3ブロック分飛べる」「この壁は2ブロック分までなら掴める」といったような、この一貫したグリッドシステムが、プレイヤーに「論理的な空間把握」を強いました。闇雲にボタンを連打するのではなく、地形を観察し、ルートを計算する。この「思考するアクション」こそが、遺跡探索のリアリティを生み出した要因のひとつです。

また、本作はステージにおける「高低差」の概念を、これまでにない形でゲームデザインに取り入れたことも斬新です。たとえば、深い谷底を見下ろした時の緊張感、そして勇気を持って飛び出し崖の縁をスレスレで掴むドキドキの瞬間…もちろん、見誤れば即死亡。

3Dグラフィックスがもたらす「高度感」を、これほどまでスリルに結びつけた演出は、筆者含め当時のゲーマーにとって魔法のような体験でした。

広大なステージを縦横無尽に使った謎解きは、一つの部屋で完結することは稀なほど、スケール感が大きいのも魅力的でした。

例えば「聖フランシス・フォリー(St. Francis Folly)」のようなステージでは、巨大な縦穴を中心に、上下左右の小部屋を行き来して仕掛けを解く立体的な動線の謎解きでした。

また、高い場所にあるレバーを引くと、遥か下方の扉が開いて次の道が開かれる、といった「仕掛けの連動性」も、謎解きのやりがいや達成感に繋がっていました。

それだけでなく、大きな岩が転がってくるタイミングを読みながら床のスイッチを押す、制限時間内に仕掛けを抜ける出すなど、罠とパズルの融合も絶妙でした。このスリル感が、静かな探索に強烈なアクセントを加えています。

つまり、本作のレベルデザインは「ゲーム世界そのものが巨大なパズルである」という革新的な発想から来ており、それが『トゥームレイダー』をただのアクションゲームではない、「知的な冒険」へと作り上げていたのです

さらに魅力的なのは、「飛ぶ・跳ねる・掴む・泳ぐ・撃つ」といった自由度の高いアクロバティック・アクションと独自の戦闘スタイルにあります。

戦闘は、敵に照準を合わせる必要がない「オートロック」方式で、その分プレイヤーは「いかに敵の攻撃を避け続けるか」というフットワークに注がれます。

ティラノサウルスとの死闘

襲いかかるライオンや凶暴な狼に対し、ララは銃を構えたまま左右にサイドフリップ(横跳び)したり、バックフリップ(バク転)で距離を取ったりします。

また、 狭い通路や足場の悪い遺跡の中で、敵の突進をギリギリでかわしながら二丁拳銃を撃ち込むなど、自分の指先の操作が、そのままララの華麗なスタントに直結します。このキャラクターを意のままに動かして敵を翻弄する」感覚が、当時のアクションゲームの中でも群を抜いてスタイリッシュでした

転がってくる岩石、ノコギリドアなど、凶悪なトラップもプレイヤーを苦しめた

1作目からのファンの筆者がとりわけ魅了されるのは、孤独と静寂が雰囲気が生んだ「圧倒的な没入感」です

本作には、プレイ中の常時BGMがほとんどありません。聞こえるのはララの足音、荒い息遣い、そしてどこからか聞こえる獣の唸り声。 この「静寂」こそが、プレイヤーの孤独感と没入感を極限まで高めています。

インカ帝国、ギリシャ、エジプト、そして失われたアトランティスなど、単なる宝探しに留まらず、人類の歴史の裏側に迫る壮大なSF的なストーリーも魅力的でした。テキストによる説明を最小限に抑え、壁画や建築様式などの「環境」で物語を語る手法は、多くの探索型ゲームに多大な影響を与えたことも『トゥーム』の偉大な点です。

◆「最強ヒロイン」の誕生─ビデオゲーム史を揺るがした“性別の革命”

ララ・クロフト

では次に、本シリーズのみならずビデオゲゲーム史におけるアイコン的存在である、主人公「ララ・クロフト」について迫っていきましょう。

まず、以前のビデオゲームにおける文脈では、女性キャラクターの役割は「救出される対象」でした。しかし、ララはその本来の女性キャラクター像とは異なり、知的好奇心のために二丁拳銃を手に遺跡を荒らし回る(まさに「墓荒らし=Tomb Raider」)当時としては異端の人物造形でした。

その不敵でクールなキャラクター像は、従来のヒーロー像を根本から破壊し、「守られる側」というステレオタイプからの脱却を図ったのが革新的だったのです

リマスター版より

また、ララはビデオゲームが「子供の玩具」から「大衆文化」へと脱皮するための、ある種の「セックスシンボル」でもありました。

豊かな胸と引き締まった肢体、そして知的な眼差し……生みの親トビー・ガードが「フェイスティ(元気で勝ち気)」と評した彼女は、瞬く間にファッション誌の表紙を飾り、有名ブランドの広告にも起用されるなど、現実世界でも大きく活躍しました。

まさに世界初の「デジタル・ポップアイコン」として、“強い女性キャラクター像”を提示したことも、ララ・クロフトがもたらした革新性ではないでしょうか

◆おわりに:ララ・クロフトが残した美しき足跡

リマスター版『Tomb Raider I-III Remastered』

『トゥームレイダー』の成功は、後のシリーズ展開だけでなく、3Dアクションというジャンルそのものを定義したと言っても過言ではありません。

たとえば、キャラクターを背後から追う「サードパーソン・ビュー」型のカメラワークの確立であったり、 3D空間での射撃を快適にするための自動照準機能、映画『インディ・ジョーンズ』をプレイしているかのような臨場感のあるシネマティックなアクションであったり……。

こうして『トゥームレイダー』が切り拓いた道は、後世の『アンチャーテッド』や『アサシンクリード』といった多くの名作にも繋がっています。しかし、その原点にある「たった一人で、知恵と勇気を武器に世界の深淵へ挑む」というストイックな冒険の楽しさは、今もなお唯一無二の輝きを放っています。

そして、「ララ・クロフト」という一人の女性がもたらしたのは、ポリゴンの進化だけではなく、ゲームというメディアが「文化」として自立し、性別も国境も超えて人々を熱狂させる力を持っているという証明だったのです


オリジナル版を基に、グラフィックの強化やチャレンジモード、フォトモードなどを追加した、初期三作品の決定版『Tomb Raider I-III Remastered』が現在Steamにて配信中です。新たな冒険の前に、ぜひララの軌跡をおさらいしてみてはいかがでしょうか。



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ライター:DOOMKID,編集:みお

ライター/心霊系雑食ゲーマー DOOMKID

1986年1月、広島県生まれ。「怖いもの」の原体験は小学生の時に見ていた「あなたの知らない世界」や当時盛んに放映されていた心霊系番組。小学生時に「バイオハザード」「Dの食卓」、中学生時に「サイレントヒル」でホラーゲームの洗礼を受け、以後このジャンルの虜となる。京都の某大学に入学後、坂口安吾や中島らもにどっぷり影響を受け、無頼派作家を志し退廃的生活(ゲーム三昧)を送る。その後紆余曲折を経て地元にて就職し、積みゲーを崩したり映像制作、ビートメイクなど様々な活動を展開中。HIPHOPとローポリをこよなく愛する。

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編集/Game*Spark共同編集長 みお

ゲーム文化と70年代の日本語の音楽大好き。人生ベストは『街 ~運命の交差点~』。2025年ベストは『Earthion』。 2021年3月からフリーライターを始め、2025年4月にGame*Spark編集部入り。2026年1月に共同編集長になりました。

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