
古来より珍重されてきた宝飾品であり歴史でも男女問わず数多くの人間を魅了してきた宝飾品である宝石。ダイヤモンドはその硬度から工業製品にも転嫁されているなど、宝飾品でなくとも身近な鉱石の一つであったりもします。本記事では、鉱石から価値のある宝石を作り出す珍しいシミュレーター『RigidGems Museum』のプレイレポをお届けします。記事執筆にあたっては、開発元であるFerioWorksからSteamキーの提供を受けています。
まずは鉱石を掘りに行こう!

本作は、鉱物を採掘し、鉱物からレーザー加工を行うことで宝石の価値を高め、クエストや売却益でお金を稼ぎ、更に高価な宝石を作っていくゲームです。各地域にある採掘ポイントに赴くことで希少な鉱石や、元となる原石を掘りあてていくことが可能です。

採掘ポイントでは左クリックを行うことで鉱物のスキャンが行え、反応がある場所をクリックすることで埋まっている鉱石を掘り出すことができます。


掘り出した鉱石はインベントリの項目でこのように確認できるのですが、これらは全て加工前であり価値はそこまで高くありません。ここからルースと呼ばれる宝飾品のパーツへ加工することで価値を高めていくことができます。

ルースはクエストから依頼を受注して納品することで大きな報酬になります。スピネルという単語を見て筆者の頭には何故か空耳で迫ってくる村人が頭に浮かんで仕方なかったのですが、こちらも立派な宝飾品に使われる宝石の一つです。

原石をルースにカットするにはカットパターンを選びカラット数を決めた後、ワイヤーフレームを参考にして、綺麗に切り出さなければなりません。少しでも切り出し位置がはみ出していたりすると削り残しが発生し、大きく価値を損ねてしまいます。切り出した後でも再度切り出して調整することもできますが、更に小さくなってしまうので、できれば避けたいところです。


数々の失敗を乗り越えてクエストでの納品を達成すると、対象の宝石をはめ込んだ宝飾品をじっくりと閲覧することができます。ここで確認できるシーンはリアルタイムレンダになっているのですが、宝飾品や鉱石のレンダリングクオリティは高く、本作品の最大の目玉といえるでしょう。筆者も思わず見入ってしまったほどです。
レイトレーシング特化型ベンチマーク搭載

本作品のもう一つの目玉にリアルタイムレイトレーシングに特化したベンチマークがあります。本作品の宝石はリアルタイムレイトレーシングで表現されており、光の反射がリアルタイムで計算されています。宝石は光が内部で何度も反射・屈折するので、1ピクセルあたりに大量のレイ(光線)が発生します。たとえば、内部で5回反射して2本出てくると1ピクセルで7本のレイが必要になります。これがGPUへの負荷テストになるわけです。
ただし、ゲームに同梱されている技術資料の説明を見る限り、宝石の多重反射・屈折に特化したベンチマークで、間接光全体の計算やパストレーシングの性能を測るものではなく、他のベンチマークと単純比較するものではないと明記されています。
上記動画は実際にRTX5090を使用して4Kでベンチマークを行った際の動画となりますが、多くの宝石がレンダリングされているシーンでも安定したFPSでレンダリングされているのが分かるかと思います。
一番わかりやすいのはゲーム内の技術資料で記載されていた前世代との圧倒的な差です。資料に記載されているRTX 3080 Ti(4K)の参考値が最大約4.94 GRays/sec、平均約3.14 GRays/secなのに対し、RTX 5090では4Kでも最大16.51 GRays/sec、平均9.27 GRays/secと、およそ3倍のスループット(秒間での光線処理数)を叩き出しています。世代間の進化を数字で突きつけられると、改めてその差に驚かされます。
もうひとつ興味深いのが解像度を上げた際の挙動です。4Kから8Kへピクセル数が4倍に増えているにもかかわらず、スループット自体は最大値が約1.23倍/20.32 GRays/sec、平均値が約1.39倍/12.88 GRays/secに上昇しています。
資料ではこの現象を「低解像度ではGPUの実行リソースを完全には食いつぶさない」と説明されていました。ここで言う「実行リソース」とはVRAM(ビデオメモリ)のことではなく、レイトレーシング用のハードウェアアクセラレーターやシェーダーユニットといったGPU内部の演算ユニットの稼働率を指しています。RTX 5090のように大量の演算ユニットを搭載したGPUの場合、4K程度のピクセル数では全ユニットに仕事が行き渡らず、一部が遊んでいる状態になります。8Kにすることで処理すべきレイ数が増え、より多くの演算ユニットが稼働するため、結果として秒あたりの総レイ処理数が増加するというわけです。資料のテスト環境でGPU使用率が70~85%と報告されている(4K計測時)のも、フル稼働には至っていないことを裏付けています。
ただし、スループットが上がったからといって描画が速くなるわけではありません。8Kは4Kの4倍のピクセルを処理する必要があるのに対してスループットの伸びは1.2~1.4倍程度ですので、フレームあたりの所要時間は確実に増加します。RTX 5090をもってしても8K環境はかなりの重負荷であることが見て取れます。

本作品のリアルタイムレイトレーシングは独自エンジンで実装されていることもあってか、負荷の低さも特筆すべき点と言っても良いでしょう。起動した直後から沢山の宝石がレンダリングされているのにも関わらず、GPU負荷のこの低さ。4Kでベンチマークを回していても負荷自体は平均65%を保っていました。
宝石資料としても一級品

宝石別の説明の他、本作品は実際の職人から許諾を得てカットも再現されていたり、と宝石をメインにした作品では一級品の価値を持っているのではないでしょうか?
あまり宝飾品に興味のない筆者でしたが、こういった説明などを見るのはかなり好きな方なので仕事を忘れて見ていたのはここだけの話にしておいてください。
『RigidGems Museum』はPC(Steam)にて配信中です。











