
Wargamingは、2026年4月16日から2026年4月22日にかけて『World of Tanks: HEAT』のクローズドベータテストを実施しました。今回はこのテストのプレイレポをお伝えしたいと思います。
テンポ遅めの「戦車戦」×アクション重視の「ヒーローシューター」
Wargamingと言えば、『World of Tanks』や『World of Warships』などややリアル寄りの硬派なミリタリー系のオンラインシューターで知られている会社で、主に戦間期から第二次世界大戦中の時期を中心とし、戦車や軍艦などを操り敵と戦うスタイルが一般的です。
これらの作品に共通していることは「リアル寄り」で「硬派」ながらも遊びやすいシステムであること。イベントモードなどは除くとしても、「World of Tanks」では貫通力の異なる「AP弾」「HE弾」「APCR/HEAT弾」を、『World of Warships』では「AP弾」「HE弾」、また一部艦艇で「SAP弾」や「魚雷」、また「航空機」などを使い分けつつ、回復アイテムを適宜使用しつつ敵と戦闘を行うのですが、「弾薬庫誘爆」や「複数バイタル抜き」などレアな事象抜きでは即死することは稀。
もちろん単身突出するなど迂闊な行動により集中砲火を受けた場合などは別ですが、戦車戦では地面の起伏などで弱点の多い車体を隠す「ハルダウン」や車体を傾けて疑似装甲圧を高める「昼飯・豚飯」、海戦では装甲による跳弾や被弾面積を減らすことを意図して敵に艦首・艦尾を向ける「防御姿勢」や過貫通によるダメージ軽減を意図しての「腹見せ」など、プレイヤーの判断力や観察力などテクニック面が重視されるゲームデザインとなっています。
一方で本作のもう一つのテーマである「ヒーローシューター」では、一般的に瞬発的なアクション面が重視されることが多く接敵時の反射的な速度でのエイミングや判断などが重要です。作品によってはTTK(射撃開始から敵を倒すまでに要する時間)が秒を切るようなものも多く、いわば「死ぬときはあっさり死ぬ」ようなデザインも多々見られます。
そして、本作はWargamingの誇る伝統ある「戦車戦」にスピード感とアクション性重視の「ヒーローシューター」を融合させた作品ということで、ぱっと聞いただけでは「イマイチ具体的なイメージは難しい」のではないでしょうか?この辺りを含め、今回のベータ版テストの内容をお伝えしていきます。
Wargaming作品は大体テスト時代から遊んでいるファンが新作チェック、ではゲーム起動!

さて、そんな気になるWargamingの新作レポ記事を担当している筆者ですが、筆者紹介にもあるように「ミリタリー系が主食」です。故にWargaming社の『World of』シリーズ3作品はいずれもプレイ中。特に『World of Tanks』『World of Warships』に関しては、正式サービス前のテスト時代から遊んでいるファンだったりします。
逆に「ヒーローシューター」に関してはほとんど遊んだことはなく、端的に言って初心者そのもの。というのも、筆者は36歳を迎える中年手前で根っからの運動音痴です。「ちょっと前まで20代だった」ならぬ「ちょっと前まで30代だった」すら見えてくる中、動体視力とか咄嗟の判断力とか体力とか色々衰えてきてもうこの手のゲームは苦手なのです。
なので、本作については注目こそすれどもいざ手を出すかは正直悩んでいました。が、今回せっかくの機会を頂いたということで、「そこそこ戦車ゲーの経験あり」「ヒーローシューター未経験」の人間が遊ぶという前提で本稿を読み進めていただければ幸いです。

まず目に入ってくるのはロビー画面、中央には主人公である戦車とエージェントが配置され周囲に各種通知やアイコンなどが配置されています。シンプルでいい感じですね。
まずは感覚を掴むために射撃場で試射……の前に少し各種設定調整を確認。まだクローズドベータテストの段階ですが音声やグラフィック、操作感度やキーアサインなど必要な機能は一式揃っています。なお、本作ではFSR2/DLSS/XeSSのアップスケーリングに対応しており、筆者の環境(7800X3D/9070XT/64GB DDR5)では「各種設定:最大」「モーションブラー:OFF」「アップスケーリング:OFF」でほぼ144FPS張り付き、概ねグラフィック品質に比して負荷は軽めのように思われます。
作品説明&射撃場での挙動確認
設定を調整し終えたところで、次は実際に戦車を操作してみます。ただ、右も左も分からないままいきなり対戦モードに飛び込むのははっきり言って無謀そのもの。まずは動かない敵を的に試射などを行える射撃場で操作法や挙動の確認です。




本作ではディフェンダー・アタッカー・スナイパーの3種類のロールに属するエージェントを選択し、さらに各エージェント毎に異なる1両ないし2両の戦闘車両を選択し自キャラとして操作することとなります。




各エージェントはそれぞれ異なる究極アビリティーと特性を有し、さらに各車両は主兵装とアビリティ2種を装備しています。また、エージェントはポイントを割り振ることでスキルを習得可能で、戦闘中の各種行動を通じてアクティベーションスコアを獲得することで装填時間短縮やダメージ増加などの各スキルを発動することができます。
また、各車両は各種ステータスを変化させる「モジュール」をペイロード上限を枠内として装備可能で、単純にステータスを増減させる以外に弾種を変更したり一定条件下でバフ・デバフを発生させたりと様々な特殊効果を発揮するものが存在しています。

全体的な操作感としては『World of Tanks』に近く、同作のプレイヤーであれば違和感なく操作できると思われます。ただ、右クリックでスナイパーモード切り替えとなるなど一般的なTPSなどにより近い操作となっているほか、シフトキーによるエンジンブーストなど新機能も追加されています。
逆に『World of Tanks』と異なる点も多々あり、本作では戦闘中での弾種切り替えの概念はなく主砲やアビリティなど攻撃手段毎に固定の「攻撃属性」として扱われており、前述のモジュールによる変更ないしアビリティによる使い分けが重要となる他、ロールによっては移動しながらの射撃も十分命中が期待できるほどレティクルが広がりにくくなっているなど、より移動を意識した戦い方が重要となります。

また、本作の舞台は核開発競争が放棄された第二次世界大戦後の世界とされており、登場車両も1960年代初頭のものがメインです。戦間期および戦中の車両と比べ実装甲圧や傾斜込みの実効装甲圧も比較的高めで、さらにERAなどの追加装甲が登場する点も本作の特徴と言えます。
その為AoE効果を有するHE弾で広範囲の追加装甲を破壊した後に、装甲の無くなった部分をアビリティの低貫通高連射武器で連打するといった流れを意識した戦いも重要と言えます。


他にも主兵装となる戦車砲に加え、近距離で威力を発揮するショットガンに相当する「キャニスター」や対戦車ミサイルも存在するなど、武器のバリエーションもより豊富となっています。
それ以外にも、スリップダメージを受ける「火災」や「照射」、機動性関連の性能が低下する「減速」にアビリティを使用不可にする「通信不能」といったバフやデバフ、また状態異常を発生させるエリア効果なども存在し、各種アビリティーやモジュールによる追加効果に加え、エンジンや燃料タンクといった特定部位への被弾などにより発生します。
ただ、回復アイテムの存在に加え発生確率や発生時の効果量に影響する「抵抗値」も存在することから、『World of Tanks』での「履帯ハメ」のように単独での敵撃破を狙うよりも、特定の相手に対し複数人での集中攻撃を狙うというのが主な戦術となります。

ゲームモードは陣地占領により一定ポイントへの到達を競う「ハードポイント」など全4種類が存在します。いずれもリスポーンありで比較的カジュアル寄りとなっていますが、被撃破時にドロップするトークンを取り合う「キル・コンファーム」ではやや慎重に動く必要があります。
「キル・コンファーム」では移動速度向上などのパワーアップ用アイテムが登場するほか、4モード中で唯一10VS10となる「コンクエスト」では爆撃やキルチャレンジなどのダイナミック・イベントによるスコア変動が存在するなど、『World of Tanks』よりも1戦1戦のボリュームが濃いように感じられました。

各マッチは大体10分前後で決着がつくことが多く、概ね『World of Tanks』と同程度の時間を要するものでしたが、唯一複数ラウンド制の「コントロール」は試合が長引きやすかった点が少し気になるところではありました。個人的にはそれ以外のゲームモードでの各試合は短すぎず長すぎず丁度いい塩梅だったと思います。
今回のクローズドベータテストを体験した感想としては、非常に遊びやすくそれでいて手堅くまとめてきた辺り「流石Wargamingだな。」というのが率直なところです。マッチメイキングも1分以内で試合が開始されるなど非常にスピーディで快適、試合展開も戦車ゲーらしくややゆったり目で初心者にもおススメです。
一方で少し気になったのが、パラメータ表示などの細かさゆえの分かりずらさとHPと与ダメージ量のバランスです。

前者に関しては画像からも分かるように、事細かに書きすぎで非常にわかりにくいものとなっています。一部パラメータのマスクデータ化などによる情報の整理と可読性の向上は必要なのではないかと思います。
後者に関してはあくまで個人の肌感覚なのですが、HPに対して与ダメージがやや低いように感じられました。取り回しと引き換えに火力と貫徹力に秀でた狙撃型の「スナイパー」ロールを使用し、相手の弱点である弾薬庫にクリティカルヒットで与ダメージはおよそ全HPの2/3程度。他ロールにおいても戦線を大きく迂回しての裏取りに成功しても、単独では与ダメージの低さから戦局にさほど影響を与えられないまま察知され排除される場面がしばしばありました。
また、必殺技に相当する究極アビリティーも与ダメージ量や発動からダメージ発生までのタイムラグによる回避のしやすさ、また発動時のカットイン演出のくどさなどが少し気になるところ。逆に発動で出現する航空機などを撃墜することで発動を阻止できるシステムは「なかなか面白い」と感心できるものでした。
個人的には一定条件下で一撃必殺も狙えるようなゲームバランスでも良いのではないかと思うのですが、敢えて「即死は起こりえない」バランスにしているのかが気になるところではあります。

その他グラフィックや演出などは派手さと負荷のバランスという点で高く評価したい点です。攻撃命中時の命中部位や発生効果などの表示は非常に分かりやすく、それでいて爽快感も抜群。特に弾薬庫へのクリティカルで敵を破壊したときに砲塔が吹き飛ぶ「びっくり箱」演出は必見です。ただ、兵装として「ハープーン」や各種機関砲、はたまた28cmロケット砲を装備した“魔改造”戦車のデザインは、硬派なミリタリー好きには微妙な反応が返ってきそうな気も……。

今回は土日と火曜の三日間を中心にプレイしましたが、気が付いた時には計15時間遊んでいたほどには面白いと思える完成度で、正式リリースには少し手を出してみようかと思えるような仕上がりでした。気になった方はぜひ正式サービスの開始をお楽しみに。
『World of Tanks: HEAT』は、PC(Steam)/PS5/Xbox Series X|S向けに配信予定です。











