ウィッシュリスト150万本入りを達成した注目のファンタジー・ターン制ストラテジー、『ヒーローズ・オブ・マイト・アンド・マジック:オルデン・エラ』が、本日2026年4月30日にSteamで早期アクセスを開始します。早期アクセスは1年間を予定し、プレイヤーのフィードバックを元にゲームの拡張と改善の両方に取り組むとのことです。
本記事ではプレス向けプレビュービルドで早期アクセス版の見どころを紹介します。記事執筆にあたっては、Steamキーの提供を受けています。
その前に、本作が前評判を集めた背景を簡単に説明します。本作はファンタジー・ストラテジーの最高傑作(のひとつ)、『Heroes of Might and Magic III』の後継作です(以下、HoMM3)。『HoMM3』は対戦型ファンタジーRPGというユニークなプレイ感で好評を得ました。そのプレイ感については弊誌のデモ版プレイレポをお読みください。
根強いファンがいるものの長く休止状態にあったシリーズの最新作、ということで期待を集めています。日本語圏ではシリーズ27年ぶりの日本語化で、オリジナル版をプレイした「洋ゲーマー」の方々も期待していることでしょう。真っ先にお伝えしたいのは翻訳品質です。

ほんの数か所を除いて翻訳済みで、そのうえ意訳済みのテキストでした。フレーバーの効いたテキストでファンタジー世界にいざなってくれると約束しましょう。CRPGで聞き覚えのある種族が登場するのでなじみやすく、造形・配色がにぎやなビジュアルとシンフォニックなBGMで目と耳を楽しませてくれます。

本作はデモ版の時点でメインコンテンツにあたるランダムマップゲーム(以下、メインゲーム)を実装し、古来のシリーズファンであれば遊び倒せてしまうという太っ腹な内容でした。早期アクセス版でもメインゲームはそのままあり、プレイアブル陣営の6勢力が全て使用可能となります。さらにキャンペーンの第1章、ストーリードリヴンなシナリオマップ、マップエディタを追加しました。

徐々にコンテンツを足すのではなく遊べる部分を全てリリースする、出し惜しみがない早期アクセス版になっています。早期アクセス参加者から最新のフィードバックを得ようとする姿勢から、ブラッシュアップへの意気込みを感じました。
未経験者こそシリーズ最新作を遊んでほしい
ここからはシリーズ未経験の方にむけて紹介します。シリーズファンの注目を集める本作ですが、物語の舞台はシリーズの過去の時代となります。シングルプレイ・キャンペーンは単体の物語として、シリーズ作の知識がなくても楽しめる作りです。まずはキャンペーンのプレイをお勧めします。

第1章はストーリーに沿って戦闘をこなす、ステージクリア型のタクティカルRPGとして遊べる作りです。カリキュラムめいたテキストはなく、物語に没頭できます。キャンペーンのイントロムービーとステージ前の会話シーンで、国家間の勢力争いがエスカレートする様子を匂わせます。

ステージはマップを探索してクエストの目的地を見つけ、道を阻む敵は戦闘で排除するという流れです。主人公にあたるミノタウロスのヒーローはモンスター軍団を率いています。マップは人間の騎士がとおせんぼしていますので、モンスターvs人間の戦いとなります。プレイヤー側がモンスターなのは風変わりで面白いです。

戦闘はターン制タクティカルコンバットで全敵撃破を目指します。戦闘ルールの特徴はユニットのスタック制です。スタック数の分だけ攻撃ダメージが増えます。しかしダメージを受けるとスタック数が減り、攻撃ダメージも減ります。プレイヤー側のモンスターと敵側の人間兵士でスタック数が違い、力の強さや数の強さで種族特徴を表現していました。
軍団を率いるヒーローは司令官で戦場に立ちません。しかし、攻撃力や防御力といったステータスが戦場ユニットを強化するので軍団を象徴する存在です。戦闘でレベルアップし、スキルを身につけ、軍団全体を強くします。このヒーローの成長も先のスタック制に並ぶ本作の戦闘ルールです。

ステージ中のクエストはNPCとの戦闘や会話で進展します。その会話は自国・敵国の軍事活動だけでなく、その地で暮らす住人や他の勢力も登場します。野良スケルトンが帽子を取り合うといったユーモアなパートもあり、背景の紹介に一役買っているのは好感です。第1章の主人公がミノタウロスで、女王のドラゴンに仕えているというのも面白いです。いわゆる「光と闇の戦い」ではない、より混然とした戦乱になりそうで、話の続きに期待が持てました。

うれしいことに、物語体験はキャンペーンの他にもあります。キャンペーンと独立したシナリオマップが用意されています。シナリオマップもクエスト達成がクリア条件で、会話を交えてクエストが進行するため、単体の物語として楽しめます。

シナリオマップは大きく2種類あります。キャンペーンと同じ戦闘主体のマップ、メインゲームと同じルールのマップです。先に戦闘主体のマップをプレイすることをお勧めします。軍団の補充が限られたマップで、勢力固有ギミックや戦闘魔法を活用する術を学べるからです。メインゲーム調マップはファンタジー国家ストラテジーの要素を含むので複雑度が増します。ここではゲーム展開がシナリオ目標に沿って進展するので、メインゲームのコツがつかみやすくなっていました。

それらシナリオマップは各々で物語の毛色が違います。登場人物やクエストの調子を変え、雰囲気に飽きないよう工夫したのは好感でした。主人公も風変わりで面白いです。ネコの楽園を目指して旅するネコ型魔法生物。パパを騙してリッチにした娘っ子ネクロマンサー。それら主人公はメインゲームでもヒーローとして登場するので、シナリオマップがスピンオフストーリーを兼ねています。

現時点でシナリオマップは8本もあり、早期アクセス版としては豪華なコンテンツ量です。リプレイアビリティを踏まえればファンタジー国家ストラテジーの比重が大きいものの、テキストを通じたファンタジー世界のフレーバーはシナリオマップが勝ります。製品版にはキャンペーンの完走に加え、シナリオマップの本数増加も望みたいです。
ついに出るか、最新作が一番楽しいマイトマ
『ヒーローズ・オブ・マイト・アンド・マジック:オルデン・エラ』は『HoMM3』の継承、物語体験の強化に加え、ファンタジー調タクティカルコンバットの魅力を引き出す工夫にも取り組みました。その工夫とは、どんな戦場も平地だということです。

攻城戦は城壁があり、野戦には障害物があるものの、高低差や毒沼といった地形効果はありません。単純で底の浅い戦いに見えますが、ファンタジー界は地形よりも効果が強い「種族の特色」があるのです。翼を持つ者は空を飛べる、だけではありません。火も噴くドラゴンや、生気を吸い取り数を増やすレイス、種族によっては戦場に残る死体も武器にします。最高ティアユニットのヴァンパイアや天使は相手に特別な対処を強います。

そうした種族の強みを押しつけるのがファンタジー世界でしか描けないタクティカルコンバットです。本作はその種族の強みに幅を持たせました。ユニットのアップグレード先が2種類あり、その種類を任意で切替えができます。敵国ヒーローというボスを撃破する、RPGの上手さを競うゲームにおいて攻略の幅が広がったのは喜ばしい話でしょう。当然、多少は情報量が増えるものの、現時点で説明文のほとんどを翻訳済みですのですぐに攻略を楽しめます。

ストラテジーファン、ファンタジーRPGのファンは『ヒーローズ・オブ・マイト・アンド・マジック:オルデン・エラ』を是非手に取ってください。キャンペーンとシナリオマップを遊んでから、メインゲームに挑んでください。シリーズ作としての懐かしさだけでなく、『HoMM3』フォロワー作としての見どころもある、注目の新作ファンタジーゲームです。
『ヒーローズ・オブ・マイト・アンド・マジック:オルデン・エラ』は、PC(Steam/Microsoft Store)向けに本日4月30日発売です。Game Passにも対応しています。











