まだまだ試作品レベルな“民主的”アクションRPGはどのような進化を遂げるのか?『Deadhaus Sonata』プレイレポ | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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まだまだ試作品レベルな“民主的”アクションRPGはどのような進化を遂げるのか?『Deadhaus Sonata』プレイレポ

アクションゲームとしての最低限の体裁は整っているものの、全体的に作りの甘さや雰囲気の安っぽさを感じました。

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まだまだ試作品レベルな“民主的”アクションRPGはどのような進化を遂げるのか?『Deadhaus Sonata』プレイレポ
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『エターナルダークネス ~招かれた13人~』や『Legacy of Kain』シリーズ、『メタルギアソリッド ザ・ツインスネークス』といったGC時代を彩る作品の開発に参加したDenis Dyack氏率いるApocalypse Studiosより、早期アクセスでのリリースが近づく『Deadhaus Sonata』の先行プレイの機会を頂きました。本稿では多岐に渡り野心的な目標を掲げる本作についてのプレイレポートをお届けします。

※パブリッシャーよりSteamキーの提供を受けています。


最低限の要素は押さえているがまだまだ発展途上か

本作は生と死の境界が崩壊したダークファンタジー世界でヴァンパイアとなって支配を広げる三人称視点のアクションRPG。最大6人までのオンライン協力プレイに対応し、ランダム性を排したアイテムドロップシステムやユーザー主導でのゲーム運営の形を模索する新しいライブサービス型作品としての挑戦といったユニークな特徴を持つ作品として2018年より開発が続いていました。


では実際にプレイして見ての感触はどうであったか。結論から言うとまだまだ発展途上感が否めないという印象でした。キャラクターを操り場面にあった能力を駆使して問題を解決するというアクションゲームとしての最低限の体裁は整っているものの、全体的に作りの甘さや雰囲気の安っぽさを感じました。

ヴァンパイアとして覇道を突き進むべく明け暮れることになる戦闘は、通常攻撃とタロットカードとして管理されるスキルを組み合わせて行うことになります。通常攻撃は振り放題で低威力、スキルは高威力だったり範囲攻撃や設置物の召喚、移動の大幅な補助など強力な効果を持つ一方でクールダウンが必要です。

クールダウンが短く使いやすい吸血

敵を倒した際の血だまりにいることで回復できたり、多くのスキルで血を吸いながらの回復が可能で、ヴァンパイアだけあって血を中心に据えたHPのやり取りが行える部分はある種直感的で評価できる点でした。また、スキル同士のバランス調整も比較的良好で、クールタイムにその効果が見合っているため場面に合わせスキルを使う意義は大いに感じられました。体力が満タンである場合には回復がスキルのクール短縮に充てられるという仕様もあるため、多数の敵との乱戦ではうまく立ち回るほど強力なスキルを連発できる爽快感がありました。

回復が可能な敵撃破時の血だまり

プレイヤーが強すぎるが故の緊張感の欠如と作業感。勝負所のドロップシステムもプレイ感に与える影響は少ない

あまりにも強い浮遊吸血

一方で、敵と自キャラのパワーバランスは少々プレイヤー側に偏り過ぎているように思えます。通常攻撃だけでも十分立ち回れる火力に加え多くの場合一方的に攻撃できる強力なスキルを利用できるため1対1ではまず負けることはなく、囲まれた際は雑に立ち回っていると危ない場面もありますが丁寧にやれば先に述べたようにむしろ返り討ちにできるなど、緊張感は少なめです。肝心のモーションについてもテンポ感は悪くないもののアセット感が強く、安っぽさが否定できませんでした。

ドロップを左右する様々な要素が確認できる時計
大アルカナのスキルを特定の小アルカナを素材に強化する

ランダム性を排したという強化要素は、敵を倒した際の時間や天候といった様々な条件でタロットや武器の強化素材がドロップするというもの。確かに強化を目的に素材を集める際に試行錯誤を要求されるという点では意義のあるシステムだと言えます。ただ如何せん自キャラが強いため、とりあえずドロップした素材で強化していれば攻略上はそれで事足り、実質的にランダムドロップのそれとあまりプレイ感は変わらないものに思えました。

盛りあがりと没入感に欠ける単調なストーリーテリング

50体の敵を倒す基本的なクエスト

ゲームの進行を支える導線としては「Feats(功績)」と称したいわゆるクエストが用意されています。基本的にそれを埋めるのを目的として攻略を進めていくのですが、その多くは「あの敵を探して何体倒せ」といった指示でお使いゲーのような単調さが否めません。クエストの受け方もフラグの立つエリアへの到着、または大抵同じ見た目のそれらしい石碑を調べることでナレーションが流れるとともにFeats欄に追加されるだけと、あまり物語の世界に干渉しているという実感のないものとなっています。

ストーリーやクエストが入手できる石碑
音声コンテンツの本

ではストーリーそのものはどうかというと、プレイ中には主に上記のFeatsに関連したナレーションが流れる程度で、視覚的に引き込まれる何かがあったり、世界設定をより掘り下げるような興味を引く演出もなく淡々と敵を倒すだけとなっていました。世界設定の掘り下げについては、道中に落ちている本のようなアイテムを拾うことで拠点にて再生可能な音声コンテンツとして補足されますが、プレイ中に意識することはほとんどないフレーバー程度のものと言えるでしょう。

なお、執筆時点では日本語ローカライズは未実装のため、深く物語を理解したい場合ある程度の英語力か翻訳ツールが必要となります。収録されたナレーションは15時間以上に及ぶストーリー重視のゲームとしているものの、ハードルと必要性の双方であまりストーリーに期待すると肩透かしを食らう印象を受けました。

粗の多い“試作品”程度の完成度が「Eternity」システムでどう化けるか

グラフィック面では良くも悪くもUE5を使用したゲームらしい仕上がりでした。光やテクスチャといった個々の表現は高度なものに見えますが全体の雰囲気として統一感が制御しきれておらず、アセットフリップとまでは言わないものの既成の物を並べただけに見えるなどいまいち工夫を感じられませんでした。さらに裏世界への落下やジャンプが機能しなくなると言った操作面でのバグも無視できない数遭遇しているなど、かなり粗削りな作品であるというのが正直な感想です。

無限落下中。ポーズ画面から拠点には戻れる。

今回の先行プレイでは、マルチプレイやユーザー主導の根幹を握るであろう「Eternity」システムの何たるかについてまでは体験できませんでしたが、開発を務めるデニス・ダイアック氏へのインタビュー曰く「開発者がいなくなったとしても、遊びたいというプレイヤーがそのものがゲームを導く存在となれる」システムとして「創造的な方向性、技術基盤、そして収益までもが、プレイヤーによってガバナンスされる」と語るなど最終的にほぼすべての権限がプレイヤー側に与えられるという本作。現時点では試作品レベルの完成度ではありますが、早期アクセス期間はもちろん、その後のEternityシステムの働きまで含め今後どのように進化していくのかに注視したい作品と言えるでしょう。

『Deadhaus Sonata』はPC(Steam)向けに明日5月15日より早期アクセスを開始予定。早期アクセス版は19.99ドル(約3,131円)で販売され、割引価格や限定販売でのコスメティックが入手できるとしています。製品版は基本プレイ無料になるとのことです。

ライター:焦生肉,編集:みお

ライター/ゲームに関わって飯食いたい 焦生肉

ストーリー重視でゲームをプレイするけどシステムも特徴がないとイヤ!なわがままゲーマー。わがままなくせにコンプリート癖もある上つまみ食いも大好きなので積みゲーが溜まる溜まる。ゲームで飯を食うことを夢見てたらほんとにそんな機会に恵まれた。

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編集/Game*Spark共同編集長 みお

ゲーム文化と70年代の日本語の音楽大好き。人生ベストは『街 ~運命の交差点~』。2025年ベストは『Earthion』。 2021年3月からフリーライターを始め、2025年4月にGame*Spark編集部入り。2026年1月に共同編集長になりました。

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