チルい雰囲気のクラフトゲームと、2Dの横スクロール。近しいようでいて遠かったふたつのジャンルが融合します。
その名も『雲ぐらしの民』。キュートなビジュアルのキャラクターがウリの、手堅い作りのシティビルダーでございました。
執筆に際し、DLキーを提供いただいています。

神々に追放されし者たちよ、立ち上がれ――雲の上で暮らすノンサバイバルなクラフティング
本作はいわゆるシティビルダー(コロニー運営)ゲーム。プレイヤーは神々に追放された人々を操り、空島墓場という雲の上の土地を探索し、彼らのコミュニティを築き上げていくことになります。
クラフト系ゲームの王道で、まずは近くの木々を調査し、伐り倒していきます。木はかなりのスピードで生え変わるので、第一資源が枯れて詰むということはありません。基本的にほぼすべての資源はリポップするので、特に考えずに物作りを始めてしまってよいでしょう。

近くの池で魚をとりつつ、新しい技術の研究にも勤しみます。本作の研究は自動でやってくれるうえに、最大8つまでキューを入れておくことができるので、なかなか気が利いています。時折新資源を要求して研究がストップしていることがあるので、たまにはチェックしてあげる必要がありますが。
本作は見た通りの2Dの横スクロールゲームであり、上下左右の概念しかありません。土ブロックかはしごを用いて、最初の土地から別の浮島へと道をつなげていくことで、見えなかった場所が見えるようになり、彼らの行動範囲も広がっていきます。

そんなこんなで大抵のことは全自動でやってくれるので、そこまで注意深く見守る必要はありません。
そのうえ、彼らは空腹度が0になっても死ぬことはなく、足が極端に遅くなるだけ。この手のサバイバルクラフトやシティビルダーゲームで全滅させがちな人でも、絶対にクリアできる仕様になっています。
他の作業をしながら、時折チェックするだけでも進捗があるのが嬉しいですね。お腹ペコペコの彼らがちょっと可哀想ではありますが……(なので、なるべく早い段階で食卓を作ってあげることをおすすめします)。

彼らにはそれぞれに生産や技術に関しての得手不得手があり、初級・中級といった等級に応じた能力以下の作業しか行えません。また、どういったことで興奮するのか、どんなパークを持っているのかといった個体差も細かく決まっているうえに、装備品の概念もあるので、まるで管理の手間がいるかのような作りですが、それぞれに作業の担当が決まっているわけでもなく、先述した通りあまり気にしなくても勝手にやってくれるので、デスクトップアプリ的に放置して楽しめるところがいいですね。

都市計画についても、木材や土ブロックといった資源が無限なので、無計画に繋いでいっても特に問題は起きません。だんだん遠回りするキャラも出てきますが、特にペナルティもないので、優しい気持ちで見守ってあげることができます。
道中に置かれている冷凍ポッドを開けると突然出てくる彼らが何者なのかはそんなに語られず、そういった不思議なフレーバーがまたなんとも興味をそそります。

そんな具合で、何もかもがチルであり、大きな問題が起きない超入門シティビルダーな本作。すでに出来上がっているように思えますが、プレイしてみるとさすがにアーリーアクセスらしい粗はいくつかありました。

まず、優先作業をひとつしか設定できない点。
本作はシティビルダーなわけですから、同時にいくつもの作業を指示していくことになります。都合が変わってこれを先にやってほしいとなっても、ひとつしか指示できず、優先度を場合分けしたりすることができません。だいたいの作業順をこちらが覚えておく必要があります。
他には、チュートリアルやクエスト導線がざっくりしていて、大きな動機や起伏がなく、何をどうしたらいいのかがわからない点などが気になりました。適当に行ってないところに行けば何かが起きるので詰むことはありませんでしたが、モチベーションにつながるものが用意されていると嬉しかったです。
ローカライズはおそらくAI翻訳と思われますが、プレイできないレベルではありませんでした。

シティビルダーとしての機能は残しつつ、万人が遊べるように極限まで敷居を下げた本作。まだまだ機能は足りていない感じですが、充分に遊べる出来に仕上がっています。
『雲ぐらしの民』はPC(Steam)にて配信中です。











