2026年10月22日より、東京・表参道のTOWER RECORDS CAFEにて、ベセスダ・ソフトワークスの人気RPG『Fallout』シリーズとのコラボカフェが開催されています。
今回Game*Sparkでは、コラボカフェ開催にあわせて、『Fallout 76』の開発に携わるBethesda Game Studiosのジョナサン・ラッシュ(Jonathan Rush)氏にインタビューを実施。日本のファンに対する印象や、2018年の発売から8年を迎えるゲームの変化について伺いました。

日本のファンの建築技術は世界屈指! コラボカフェが2年連続で開催された理由
――まず、日本の『Fallout』ファンについて伺います。長年コミュニティをご覧になってきたなかで、日本のファンにはどのような特徴があると感じていますか? ほかの地域との違いなどもあれば教えてください。
ラッシュ:地域によって明確な違いがあるかというと、なかなか難しいところですね。ただ、日本のプレイヤーが『Fallout』の世界に注いでいる情熱や、彼らが作り上げる素晴らしいC.A.M.P.の数々は、とても印象に残っています。
――今回、Fallout Dayにあわせたコラボカフェが2年連続で開催されることになりました。昨年はどのような反響があったのでしょうか?
ラッシュ:ファンの皆さんに大変喜んでいただけたんです。ですから、もちろん今年も開催することになりました。『Fallout』の世界に実際に入り込んだように感じられる場所で、友人や同じ趣味を持つ人たちと一緒に時間を過ごすというのは、とても楽しいことですよね。
――少し変な質問かもしれませんが、もしも今回のコラボカフェをVault-Tec社が運営していたら、来店客にどんな恐ろしい社会実験を仕掛けていると思いますか?
ラッシュ:(笑)。いい質問ですね! それはどのVaultなのかにもよると思います。私が考えるとしたら……パンチ(大きなボウルに入った飲み物)に何かを混ぜて、それを飲んだ人たちのなかで、誰が一番長く起きていられるかを観察する実験でしょうか。この答えで、私がどんな人間なのかがわかってしまいそうですね(笑)。
殺伐とした世界に、思いがけず優しいプレイヤーたち
――今でもプレイヤーの予想外の行動に驚かされることはありますか? 開発者として印象に残っているエピソードがあれば教えてください。
ラッシュ:まず驚いたのは、プレイヤー同士が本当に親切に接していることです。『Fallout』のゲームで、こんなことが起こるとは思っていませんでした。例えば、Vaultから出たばかりの初心者に、非常にレベルの高いプレイヤーが近づいてくることがあります。初心者は怖くなって逃げようとするのですが、実はベテランプレイヤーはアイテムをプレゼントしようとしているだけなんです。これは私たちにとって本当に予想外でした。

それから、スコーチビースト・クイーンとの戦闘で見かけた光景が印象的でした。あるプレイヤーが戦場の真ん中に巨大な空中建築物を作り、そこに設置したタレットでスコーチビースト・クイーンを攻撃し続けていました。あれは本当にクールでしたね。
――初心者へのプレゼントは私も経験があります。殺伐とした世界なのに、プレイヤーが温かいというのは面白いですよね。
ラッシュ:私は初心者ではないにもかかわらず、ほかのプレイヤーがしょっちゅうアイテムをくれるんです。なぜかアホロートル(ウーパールーパー)を渡されることが多くて、しかもそれを食べてほしがるんですよ(笑)。面白いですよね。
日本のC.A.M.P.職人たちがアップデートに影響を与えていた
――日本のXBOX版で、当初利用できなかった「Fallout 1st」が後から利用できるようになったこともあり、日本のプレイヤーの声が開発・運営に届いていると感じる方も少なくないと思います。日本のコミュニティのフィードバックがゲームデザインに影響した事例はありますか?
ラッシュ:あります。例えば約1年半前に行ったC.A.M.P.システムの改修アップデートは、日本のプレイヤーたちから大きな影響を受けています。日本のコミュニティには、非常に創造的で素晴らしいC.A.M.P.を作る人たちがたくさんいるんです。
『Fallout 76』の発売当初、建築に使えるアイテムは300種類ほどでした。それが現在では数千種類に増えています。日本のプレイヤーたちが作るC.A.M.P.は非常に細かく作り込まれていますから、そうした人たちが使いたいアイテムをもっと簡単に見つけられるようにしたいと考えました。

今後もさらに拡張していきたいと思っています。例えばC.A.M.P.の建築容量を増やすことや、建築パーツの回転をより細かくコントロールできるツールなども考えられます。私たちは、日本のコミュニティには『Fallout 76』でも屈指の優れた建築家たちがいると認識しています。彼らが頭のなかで思い描いたものを実際に作れるように、必要なものはすべて提供していきたいですね。
「プレイヤー同士が殺し合うと思っていた」――8年間で変わった『Fallout 76』の理想像
――『Fallout 76』は、まもなく発売8周年を迎えます。当初はサバイバル要素やプレイヤー同士の駆け引きが強く意識されていて、トッド・ハワード氏や「プレイヤーがNPCになる」という発言も印象的でした。現在では建築や協力プレイ、コミュニティを中心とした体験が大きな存在感を持っていますが、開発チームの理想像はどう変わったのでしょうか?
ラッシュ:これは大きな質問ですね(笑)。まず、『Fallout 76』はベセスダにとって初めてのマルチプレイヤーゲームでした。それまでの『Fallout』シリーズを何度もプレイし、一人で遊ぶ『Fallout』がどのような体験なのかは理解していました。しかし、マルチプレイヤーゲームの開発は非常に大きな学びの機会になったんです。
それまでは一人のプレイヤーを楽しませることを考えていましたが、今度は一緒に遊ぶコミュニティ全体を楽しませなければいけません。発売前はプレイヤー同士がひたすら撃ち合い、殺し合うことになるだろうと考えていました。ところが、実際はそうではなかったんです。プレイヤーたちはむしろ一緒に遊びたがっていました。

発売から数年が経ち、そのことがはっきりとわかってきた段階で、当初提供していたゲーム体験を見直しました。コミュニティから教えられたのは、サバイバル要素やPvPは必ずしも必要ではなく、むしろプレイヤーが楽しもうとしている体験の邪魔になっている場合があるということでした。
プレイヤーが求めていたのは、建築をしたり、冒険をしたり、時には一人で、時には友人と一緒に遊んだりすることでした。それ以来、新しい機能を追加するときには『この要素は、プレイヤーが楽しもうとしている体験を邪魔していないだろうか?』と問いかけるようになりました。開発者が遊び方を指示するのではなく、プレイヤー自身が決められるようにしたいのです。
私は以前から、『Fallout 76』は開発者だけが作ったゲームではないと考えています。開発チームとコミュニティが、最初からずっと手を取り合って作ってきたゲームなんです。
『Fallout 3』の約180年前を描く「Raven Rock」。シリーズ30周年に向けた展望
――『Fallout』シリーズは2027年に30周年を迎えます。『Fallout 76』は今後どのように進化し、プレイヤーにどのような体験を届けたいと考えていますか?
ラッシュ:30周年を迎える頃には、次の大型アップデートとなる「Raven Rock」をリリースする予定です。「Raven Rock」はマップを拡張するアップデートで、『Fallout 3』のプレイヤーにはおなじみの「キャピタル・ウェイストランド」の一部が登場します。
今後はほかの『Fallout』シリーズ作品との物語上のつながりをもっと明らかにしていきたいと考えています。「Raven Rock」はその良い例になるでしょう。『Fallout 3』で描かれた時代からおよそ180年前のキャピタル・ウェイストランドがどのような場所だったのか、プレイヤーはそれを目にすることになります。
――ありがとうございました!

『Fallout 76』はPC(Steam/Microsoft Store)/PS5/PS4/XBOX Series X|S/XBOX One向けに配信中です。コラボカフェは、TOWER RECORDS CAFE 表参道店にて11月8日まで開催中。詳細は公式サイトをご覧ください。
¥8,909
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)











