2026年5月22日から24日にかけて、京都・みやこめっせにて日本国内最大級のインディゲーム展示会「BitSummit PUNCH」が開催されました。

この記事ではそれに合わせて来日したNew Blood Interactive、そのCEOであるDave氏へのインタビューをお届けします。
「日本に出展するのは西洋の業界人にとって夢のようなものです」New Blood Interactiveが日本に来る理由とは?

――New Blood Interactiveといえば、PCゲーマーの間では言わずと知れたパブリッシャーです。ですが、まだまだご存じない方もいらっしゃると思います。New Blood Interaciveという会社のご説明と、自己紹介をお願いできますでしょうか?
Dave氏:New Blood InteractiveのCEO、Dave Oshryです。New Blood Interactiveは2013年にスタートした会社で、ちょうど先日12周年を祝ったばかりです。
我が社の社名は古いジャンルに新しい血を流し込むというところから命名されています。レトロ風FPSとブーマーシューター、例えば『ULTRAKILL』や『DUSK』、『Amid Evil』などで広く知られています。他にもステルス系だと『Gloomwood』や『Fallen Aces』、『Blood West』も配給していますね。ホラーゲームが好きならば『FAITH: Unholy Trinity』や開発中ですが『Tenebris Somnia』もあります。これらのゲームジャンルがお好きならば、きっと私たちのゲームを気に入っていただけるでしょう。
私たちは「みなさんの一番好きなゲーム開発者が、一番好きなゲーム開発会社」を自負しています!
――New Blood Interactiveは『FAITH: The Unholy Trinity』の日本語ローカライズをきっかけとして、日本でのイベント出展をされるようになったと記憶しております。『FAITH: The Unholy Trinity』の日本での反響は遠く日本へやってくるに至るほど大きいものだったのでしょうか?それとも、以前から何かしら日本市場に注目をしていていたのでしょうか?
Dave氏:やっぱり日本にイベント出展するというのは、西洋のゲーム業界人にとっては夢のようなものです。日本のゲームで育った人も多いですし、自分のゲームが日本で受け入れられるというのを、みんな夢見ます。ですので、『FAITH: The Unholy Trinity』を日本のローカライザーであるashi_yuriさんが有志翻訳してくれ、公式日本語ローカライズにこぎつけたのは日本出展への大きな助けとなりましたが、実はBitSummitへの出展はその以前より視野に入れていました。
そして実際に出展してみると反響が非常に良くて……。今回は『FAITH: The Unholy Trinity』の開発者であるAirdorfさんが監修する『Tenebris Somnia』とダンジョンクローラーの『Dungeons of DUSK』を持ち込みましたが、日本のファンの反応をこうして確かめられるのは非常に理に適っていると感じています。
あと、「ウィザードリィ」シリーズの第一市場である日本で自分たちのターンベースダンジョンクローラーを出展するというのもまた1つの夢なので……。

――ベッドに血まみれの死体が横たわっているというブースには驚かされましたが、それも含め来場者からの反応はどうですか?
Dave氏:あのベッドの展示をみんな「かっこいい!」と言ってくれるのですが、あれは私の手柄じゃないんですよ!そこで通訳をしてくれている彼のおかげです。
私は『Tenebris Somnia』の出展をする。『Tenebris Somnia』は実写映画パートもあるゲームなので、そのカットをBitSummitブースで再現したい!とブース出展を引き受けてくれているUkiyo Studiosに要望したんです。
通訳をおねがいしていたUkiyo Studios 高橋氏:Daveさんがそう言ってきて、どうしましょうと返したら「君たちで考えてくれ!」と言ってこられまして(笑)。
それで僕らでゲームのトレーラーを見たら、やれそうなのはベッドのシーンぐらいしかないんじゃないかとなり、ベッドシーンの再現を提案したんです。そしたらOKが出て、映画パートを担当しているAndresさんを紹介してもらい、僕が実際にブラジルのgamescom LatamでAndresさんと会って、どういう塗装にしようかとか、何で血を再現しようかとか、いろいろと議論をして展示の内容を決めました。で、BitSummit設営日の夜、1人で血を飛び散らせてブースにゲーム世界を再現しました。
Dave氏:ゲーム内の映画とできるだけ同じ素材を使用していますし、全て手作業でクオリティ高く仕上げてもらえましたし、来場者には本当に好評いただいています!こういうのが私たちの好きなことなんですよ!ただゲームを置いて遊んでもらうブースなら誰でもやれますが、私たちはイカれたクールなことを成し遂げたいんです。
――なるほど。気合の入った展示にはNew Blood Interactiveの思想が詰まっていたわけですね。今回の展示とは離れるのですが、New Blood Interactiveと言えばやはりレトロ風FPSやブーマーシューターは外せません。ですが、日本ではこれらシングルプレイFPSの注目度が低いと言われています。こうして日本に注力してくれているNew Blood Interactiveとして、御社の主力商品であるFPSを日本でも強くアピールしていくのか?または日本ではそこはあまりプッシュしないのか?過去作のローカライズ予定も含め、ファンとして気になっています。
Dave氏:ブーマーシューター系に関しては私たちのゲームで日本語ローカライズがあるのは『DUSK』だけです。ですがこれを私たちは日本であまり宣伝してこなかった。2018年に『DUSK』が完成したときは、まだ私たちは日本でイベント出展を始める前でした。
なので、正直な話をすると、私たちは日本におけるレトロ系FPSやブーマーシューターにどれだけの需要があるのか?コアなファンがいるのか?といったデータを持っていないんです。
たしかに、日本のプレイヤーはこの手のゲームをプレイしないと言われています。また、日本人はサードパーソンアクションや、マルチプレイヤータイトルが人気とも言われています。ですが、私たちはそもそも文化圏が違い、別のゲームシーンを体験してきました。なのでそうした内容を裏付ける日本ユーザーのデータも、肌感覚も、私たちにはないのです。
ただ、『ULTRAKILL』に関しては1.0を出すタイミングで日本語ローカライズも展開する予定です。ここで実際に私たちは日本の持っている本当の反響を知ることができると考えています。それこそ、『ULTRAKILL』がたくさん売れれば……。
――それはすごい!日本にも少なからずファンはいると思いますので、なにかアピールしておいていただけるととてもうれしいです。
Dave氏:ありがたい限りです。『DUSK』は日本語版もリリースされています。『DUSK』をまだプレイしたことがない方は、PlayStation、ニンテンドースイッチ、PCで遊べますのでぜひ。
『ULTRAKILL』もすべてのコンソールでリリースされる予定で、こちらも日本語対応になります。PCに加え、ニンテンドースイッチ2、PS5、Xboxでプレイ可能になります。ぜひ楽しみにしていてください。
Ukiyo Studios 高橋氏:ローカライズをサポートしている側として付け加えさせていただくと、『FAITH: The Unholy Trinity』はローカライズの際に根本からゲームを作り直さないといけない作りでした。その教訓を活かして新作の『Tenebris Somnia』ではローカライズがしやすいように最初から意識して制作が進められています。過去のゲームに比べてですが、New Blood Interactive作品はローカライズがしやすい環境にシフトしています。
また『FAITH: The Unholy Trinity』は有志翻訳からここまで大きく成長できたゲームです。ほかのゲームもユーザーの皆さまのサポートがあればあるいは……という印象はあります。

――日本の数少ないFPSファンとして、New Blood Interactiveという業界を牽引する存在にお伺いしたいのですが、日本のユーザーはいかにFPSコミュニティを盛り上げていくべきでしょうか?
Dave氏:積極的に声を我々に届けてください。BitSummitのようなイベント会場に足を運んでいただくのもいいですし、なんならSNSでリプライをしてくれるだけでもいいです!例えば、「このゲームの日本語化をぜひ進めてほしい!」とか。New Blood Interactiveはプレイヤーの皆さまの声に応えることを大事にしています。それが私たちの存在意義でもありますから。
――なるほど!実際に日本のファンの方は来られましたか?
Ukiyo Studios 高橋氏:いますいます。まさにもう宗教ですね。
Dave氏:ええ!来てくれましたよ!私たちがイベントに参加する理由はまさにここで、ファンの方が私たちに会いに来る場を作るためであり、できれば私たちのゲームを新たに好きになってくれる人たちにも出会いたいからです。
――最後になりますが、今回出展した作品についてのアピールをお願いいたします。
Simon氏:『Dungeons of DUSK』は『ウィザードリィ」シリーズが好きな人なら、絶対気に入っていただけると思います。『ウィザードリィ』ほど複雑じゃなくて、元なったブーマーシューターの『DUSK』らしいシンプルで中毒性のあるプレイフィールを実現しています。
『Tenebris Somnia』は実写とレトロなピクセルアートゲームが融合したゲームで、なんと映画がまるまる1本ゲームに入っています!今までにないかなり実験的なゲームですが、往年のサバイバルホラー作品や、それこそ『FAITH: The Unholy Trinity』が好きな人にはハマるゲームです。年内発売を予定しているので、ぜひチェックしてください!
――お時間いただきありがとうございました。
ゲーム会社がはるばる海を超えて日本にイベント出展するその理由は何なのか?その狙いと熱量を感じることができたインタビューでした。New Blood Interactiveは取扱作品がコアだからこそ、ユーザーの反響を直に感じたいということなのでしょう。
New Blood Interactiveは今後の日本へのイベント出展にも意欲を見せておられました。お近くにお住まいの方は実際にブースを訪れ、あるいは遠方でも「すごい!行きたかったです!」などメッセージを送り、ファンの声を直に届けましょう。







