
2026年4月3日、ネクソンは韓国のアミューズメントパーク「ロッテワールド・アドベンチャー」の中に、『メイプルストーリー』をテーマにした常設エリア「Maple Island」をオープンしました。
「ロッテワールド・アドベンチャー」の屋外エリアのうち600坪を利用した「Maple Island」は、MMORPGやオンラインゲームをプレイするゲーマーならおなじみの『メイプルストーリー』のための空間で、PCバン(韓国のネットカフェ)で大好評を博している本作の人気を物語っています。

『メイプルストーリー』は、2025年にはPCバンで“プレイヤー数第5位”までシェアを伸ばしており、一部ユーザーからは「第2の全盛期」と言われるほど韓国現地で盛り上がりを見せています。

本記事では、そんな「Maple Island」に1万人の『メイプルストーリー』ユーザーが集結した貸切イベント「Happy Maple Day」に招待されたGame*Spark編集部から、現地レポートをお届け。さらに2025年秋にソウル・江南にオープンした『メイプルストーリー』のためのPCカフェ店「MAPLE AGIT(メイプルアジト)」の様子もご紹介します。
韓国の人気テーマパークに現れた「Maple Island」。韓国のコアゲーマー1万人が集結

「ゲーム」をテーマにしたテーマパークと言えば、日本ではユニバーサル・スタジオ・ジャパンの「スーパー・ニンテンドー・ワールド」が有名で、『マリオ』シリーズが持つ不動の人気を物語っています。


今回訪れた「Maple Island」も韓国ゲーマーが持つ『メイプルストーリー』への情熱を感じさせてくれました。ここでは「ヘネシス」「ルディブリアム」「アルカナ」といったゲーム内に登場する人気エリアをイメージしたアトラクション/アクティビティを常設で用意。「期間限定のオフイベ」ではないということにも、ファンからのニーズの力強さがうかがえるでしょう。
「ストーンエクスプレス」「アルカナライド」

「ストーンエクスプレス」と「アルカナライド」はファミリー層向けにも人気を集めそうな乗り物系アトラクション。「ストーンエクスプレス」では“各所に散らばった石の精霊を探し、ピンクビーンの居場所を突き止める”というストーリーと体験が、来場客を待ち受けています。


「アルカナライド」では“精霊の木を蘇らせる”というストーリーを軸に精霊の木の周りをまわるアトラクション。いずれも『メイプルストーリー』ファンにはうれしい物語仕立ての体験型アトラクションです。
「エオスタワー」

「エオスタワー」も『メイプルストーリー』ファン向けの体験として洗練されており、塔の頂上にいるピンクビーンに会うことを目指しておもちゃの兵隊と共にブロックバスを倒しながら先へ進む、というストーリーが添えられています。
「ジャイロスピン」

こちらはもともと「ロッテワールド・アドベンチャー」に設置されていたジャイロスピンを『メイプルストーリー』仕様にリニューアルしたもの。おなじみのピンクビーンと共に、高速回転しながら上下左右に振り回されるという、スリル満点のアトラクションです。

「MMORPG」の枠を大きく超えた展開でファンを賑わせる『メイプルストーリー』。ゲーマーはもちろん未プレイの方やファミリー層までのめり込ませる体験で目白押しとなっていました。『メイプルストーリー』が日本でサービスインしてから20年以上が経ちますが、やはり現地韓国での盛り上がりはもはやケタ違いと言えるレベルです。
“期間限定”ではない、本気のオフライン体験。「Maple Island」キーマンインタビュー

Game*Sparkはこの「常設テーマパーク」を実現するに至った経緯について「Maple Island」プロジェクト担当者を取材。誕生の経緯から、アトラクションに込められた『メイプルストーリー』ならではの魅力や今後の展開について、詳しく伺いました。
――1万人の『メイプルストーリー』プレイヤーを招き、オープニングパレードで「Happy Maple Day」が幕を開けましたね。今の率直なお気持ちをお聞かせください。

カン・インヒョプ(事業開発グループ IP事業チーム 「Maple Island」パートリーダー)端的に申し上げると、感動しました。「ロッテワールド」の花はやはりパレードにあると思います。「ロッテワールド」にとって、今回のようにパレード用のワゴンカーを他社IPとコラボレーションさせて登場させる試みは初めてと聞いています。

カン レードだけではなく、プロジェクションマッピングを用いたショーももうひとつの見どころです。いずれも『メイプルストーリー』らしさを感じてもらうことを大切にしながら考えたので、紆余曲折ありながらもこうして実現できたことに、大きな感動を覚えました。
――このプロジェクトが生まれた経緯について、お聞かせください。「期間限定」とは異なるアプローチを取った理由や、「常設だからこそ意識したこと」についてお聞かせください。
ユン・ソクホン(新規事業室 室長) このプロジェクトが立ち上がったのは、5年前にロッテワールド側からお声がけされたことがきっかけでした。当時、ロッテワールドは韓国外のテーマパークを参考にしながら「人気IPを活用しながら、より競争力のあるテーマパークへ成長する」ということに興味を持っていて、その中で“グローバルで活躍しているIP”を持っているネクソンへの提案に至ったそうです。

ユン ネクソンにとって特に重要視していたのは「単なるゲーム要素を具現化するだけのスペースを作ること」ではなく「ゲームIPをオフラインでも実際に体験できる空間を作り、再びゲームへとユーザーを呼び戻すこと」でした。
――なるほど。

ユン 常設エリアとして運営していく理由は『メイプルストーリー』が持つIPとしての深さ、拡張性を考えてのものでした。韓国ではPC版がサービスインしてから23年目を迎えます。そのため、一度きりのプロジェクトで終わるのではなく、シーズン毎の新たなテーマでさらに新要素を加えたり、装飾に反映させたり、コラボレーションさせることに強い価値があると考えました。

ユン この「Maple Island」は、長年におよぶ規模の計画を持ったプロジェクトです。この期間の間もさまざまなアップデートを「Maple Island」に与えていこうとしていますし、さまざまなコンテンツで『メイプルストーリー』をお届けできるように準備していこうと考えています。
――2021年ごろから計画が始まったということは、当時はコロナ禍でもありましたよね。そういった時期に「テーマパーク」について取り組むことは、かなりの挑戦だったのではないでしょうか。

ユン そうですね。確かにコロナ禍ではあったのですが、ロッテワールド自体が老朽化を理由にリニューアルするといった計画を持っていたため、「Maple Island」のようなプロジェクトにニーズがあったと考えています。それこそ日本の「スーパー・ニンテンドー・ワールド」のように“IPコラボレーション”が成功していたことなども、参考としていました。
――ちなみに、韓国でのロッテワールド人気はどれほどのものなのでしょうか?
カン ロッテワールドは韓国にある2大テーマパークのうちのひとつで、国内では特に知名度が高いスポットです。特にロッテワールドは、世界中のテーマパークを対象とした入場者数ランキングでも23位に入るほど(※2023年度)です。中国、台湾、東南アジアの来客者も多いため、実際に『メイプルストーリー』が配信されている地域ともマッチすると感じています。
――ゲームのユーザー層は、20代か30代が7割を占めていますよね。「Maple Island」も同様の年齢層をターゲットにされているのでしょうか。

カン ターゲットを決定するにあたっては、2つの軸がありました。1つめは家族連れで楽しんでいただく「ファミリー層」です。「Maple Island」はIPを活用したさまざまなアトラクションやコンテンツを展開していますが、その背景に詳しくなくても写真を撮りたくなったり、体験したくなるようなカラーリングや雰囲気を設計しました。

ユン もうひとつは、やはり「『メイプルストーリー』を遊んでいる層」です。「現実で出会える『メイプルストーリー』」をキャッチフレーズとして掲げていますので、ゲーム内のマップをリアルな空間で体験できるような機会をお届けしたいと考えていました。例えばフォトスポットだったり、ロケーションイベントだったりキャラクターと出会えるイベントを入れるなどして、自然な形で『メイプルストーリー』らしい感性を伝えられるように企画しました。
――ゲームをプレイしている来客者としては「グッズ」も気になるところと思われます。やはり、常設ということもあって「ここに来れば『メイプルストーリー』グッズが買える!」という場所になっているのでしょうか。

ユン 「Maple Island」にはもちろんグッズを取り扱うショップも展開しています。この「Maple Island」のために、新たなラインナップを90種類ほど用意しました。少し自慢話をさせていただくと、2026年4月では「Maple Island」のグッズショップはロッテワールド内にある他のストアよりも売れ行きが良いと聞いています。もちろんローンチしたばかりということも理由かもしれませんが、今後シーズン毎に新しいラインナップへとアップデートしていく予定で、こちらも長期間にわたる計画を考えています。
――シーズン毎に新たなグッズも取り揃えていく方針なのでしょうか?

ユン そうですね。ロッテワールド内の「Maple Island」グッズショップ限定の品揃えにしていく考えはあるのですけれど、まずは6ヶ月と場内限定としてオンライン販売も検討する、といったプランもあります。現時点では、具体化していない状況です。
――『メイプルストーリー』ファンとの交流の場として使ったり、オフラインイベントや発表会用スペースとして使うこともされていますか?


ユン 「Maple Island」をユーザーとのコミュニケーションを図っていくための場として使うというよりか、近隣のエリアをそういったイベントスペースとして使いつつ、その後にロッテワールドにユーザーをご招待する、といったことは可能かと思います。もちろんゲーム内で大きなアップデートがあれば、情報発信の場として活用できるでしょう。会場にもさまざまなデジタルサイネージやパネルが配置されているので、そういったところで新規コンテンツのイメージを掲示するなど、さまざまな可能性がありますね。
――「長期間にわたる計画」とおっしゃっていましたが、その後のプランなどはありますか?

ユン まだ具体的な計画はありませんが、このプロジェクトを立ち上げたときのビジョンには“いつか『メイプルストーリー』のみという枠組みを超えて、Nexonのテーマパークの出発点になってほしい”というものがありました。それが韓国の他のエリアだったり韓国の外であったとしても、この「Maple Island」がその足がかりになればと思っています。
――アトラクションの中での注目ポイントについて、お聞かせください。


カン そうですね。「Maple Island」はゲーム全体、言わば「ブランドエクスペリエンス」といったものを実際に体験してもらえるような“具現”にこだわっています。計画段階でも何度も最初からやり直すようなことがありましたけど、やはりゲームの中の要素を立体的な装飾に起こして視覚的に楽しめるようにこだわりました。サウンド演出もゲーム内BGMが聞こえてくるような演出にして、照明やちょっとしたオブジェなども『メイプルストーリー』らしくしています。

カン そしてもうひとつは「ストーリー」ですね。『メイプルストーリー』は長く続くゲームなので、世界観のすべてを表現することは難しいと思いつつも、印象的な物語は反映したいと考えていました。例えば「ピンクビーン」といったようなモンスターも、この場で見られるようになっています。馴染みのあるキャラクターといっしょにクエストを体験したりもできます。さらに「オンライン」と「オフライン」の繋がりにもこだわっており、『メイプルストーリー』で作成したキャラクターを大画面でその場で映せるという仕組みもあります。
――それは面白い試みですね。
カン その自分のキャラクターを「Maple Island」に招いて、一緒に冒険してクリアする……といった体験にしています。それだけでなく、ARでモンスターを討伐したり、ゲーム内アイテムを獲得できるアクティビティのように「オンラインと連動したコンテンツ」に向けた施策も検討しています。
――本日はありがとうございました。
PCバン「MAPLE AGIT」にも突撃。まだまだあるぞ『メイプルストーリー』空間!

ここからはソウル・江南駅付近に構えるPCバン「MAPLE AGIT(メイプルアジト)」をご紹介。2025年秋に『メイプルストーリー』プレイヤーやオンラインゲーマーが集える空間としてオープンされたこのカフェでも、韓国ゲーマーとネクソンの情熱が感じられる要素が待ち受けていました。

こちらも「Maple Island」と同じく『メイプルストーリー』ファンに向けられた常設店舗。日本で言えばネットカフェとコラボカフェを組み合わせたような空間ですが、期間限定ではなくいつでも『メイプル』一色というファンにとってはうれしいスペースです。

カンナムにあるビルの1階に構えられており、広さは約200坪、シート数は177席。1時間あたりの利用料金は約150円(6月末までのキャンペーン料金)と、日本のネットカフェと比べるとかなりリーズナブルです。


さらに複数人で貸し切りできるVIPルームも用意されており、こちらは1時間あたり2,500円ほど。VIPといっても手が届きやすい価格で、放課後に高校生が友達同士で立ち寄ってゲームを遊びに来る、ということも多いそうです。

ちなみに設置されているPCはどれもハイスペックで、GeForce RTX 5070 Ti搭載の完全なゲーミング仕様。『メイプルストーリー』はもちろんその他のさまざまなPCゲームをプレイできます。1時間あたり約150円で最新ゲーミングPCを使ってゲームを遊べるのは羨ましい!


『メイプルストーリー』をはじめとするMMORPGやeスポーツ系タイトルに打ち込んだあとは、コラボレーションフードを堪能することもできます。どれも『メイプルストーリー』らしさが込められていて、辛い食べ物が苦手な方でもおいしくいただけるテイストでした。もちろんグッズショップも要注目です!







「Maple Island」は、「ロッテワールド・アドベンチャー(ソウル特別市ソンパ区)」の常設エリアとして展開中。「MAPLE AGIT」は同じくソウルのカンナム駅4番出口そばでオープン中です。

いずれも日本国内からは直行便+現地交通機関で約3~4時間で訪れることができますし、“海外のテーマパーク/カフェ”とは言えど日本の『メイプルストーリー』ファンにとってのハードルはそれほど高くないでしょう。
日本で『メイプルストーリー』をガッツリ遊んでいる方はもちろん、かつてハマっていた方や“韓国ゲーマーとゲーム企業の熱量”を体感してみたい方も楽しめるので、足を運んでみてはいかがでしょうか。
提供: Nexon













