
2026年も5月に突入し、早くも初夏の香りが漂う季節になりましたね。ハードコアゲーマーの紳士たちは、相変わらず寝る間を惜しんで積みゲー崩しに勤しんでおられるかと思います。
暑くなるにつれて存在感が増すのは、やはりホラーゲームでしょうか。今年もすでにSteamには多くの良質な作品がリリースされています。
そこで今回は、現役ホラーゲーマーの筆者が、「今こそ遊ぶべき“本当に怖い”ホラーゲーム」を、大作から見逃せないインディー作品まで10タイトルを厳選してご紹介します。
なお、Steamで2026年1月~4月までにリリースされた作品を対象としており、筆者の独断と偏見を以て選定しているのでご了承ください。
◆『怪異番号~20✕✕(ニーマルバツバツ)~』
まず一つ目は、EBA GAMEが手がける『怪異番号~20✕✕(ニーマルバツバツ)~』です。本作は、「ガラケー」や「公衆トイレに落書きされた電話番号」など、色濃く漂う“平成感”と、その時期に流行った都市伝説をモチーフに構成された、4つの怪異エピソードを体験できるテキストベースのホラーアドベンチャーゲームです。
好きな相手との相性を占うことができるとウワサの「恋愛番号」。その番号はこの町の「公衆トイレ」にあるらしく、想い人であるカミタニさんとの相性を占うため、夜の町へと繰り出した主人公を待ち受けていた世にも奇妙で恐ろしい出来事とは…。

本作最大の特徴は、ホラーゲームにおける演出である、「ジャンプスケア」的な要素が一切ないことです。
プレイヤーは、味わい深く軽妙な筆致のテキストを読み進めながら、4つの怪異譚を体験していきますが、プレイ中は不意に驚かされるような場面や、直接的に幽霊が出たりグロテスクな画像を見せられるような描写などはなく、ホラーゲームがニガテ・あるいは初心者であっても安心して遊べます。

とはいえ、都市伝説をベースにした物語はしっかりと恐怖を感じる構成です。それは、実写グラフィックの説得力ある不気味さであったり、怪異へと巻き込まれる過程であったり…派手な演出はないけれど静かに、そして確実に背筋が冷たくなるような怖さに満ちています。
ホラーゲームとしての魅力を十二分に備えている本作は、普段ホラージャンルを遊んだことのないプレイヤーに特におすすめしたい作品です。
さらに詳しくゲーム内容知りたい方は、こちらでレポートしているのでぜひご覧ください。
ジャンプスケア:☆☆☆☆☆
精神的恐怖:★★★★☆
オススメ:★★★★☆
◆『Don't Play This』
続いては、Admireらが手がけるオムニバス・ホラー『Don't Play This』です。
本作は、一人称視点の短編インディーホラーゲームです。プレイヤーは、友人から送られてきた5つの不気味なビデオの映像を追体験するオムニバス形式で、それぞれが約1~1.5時間で完結する、ウォーキングシミュレーター的な恐怖体験が楽しめます。

本作は、リアルで没入感のあるグラフィックと、音響や狭い視界を上手く使ったジャンプスケアの挿入がめちゃくちゃ効果的で恐いんですが、よくある雑な演出ではなく品(?)のあるクオリティの高さが特徴です。

また、人知を超えた異形からいわゆるヒトコワ(人怖)的なエピソードまで、体験できる恐怖の幅が広いのも良かった点でした。カジュアルに手っ取り早くホラー成分を摂取したいのなら、本作がかなりおすすめです。
ジャンプスケア:★★★★☆
精神的恐怖:★★★★★
オススメ:★★★★☆
◆『隙マ』

さて3作目は、個人開発者・tesakiza氏が手がける『隙マ』というカジュアルな作品。
本作は、『8番出口』や『事故物件監視協会』などに類する、ある一定のルールが設けられた限定的なシチェーション・脱出ホラーゲームです。
プレイヤーは、部屋の中のどこかにある「隙間」が完全に開くまでに、すべて見つけて閉じなければなりません。もしも見逃していたり、あるいは間違って「何か」を一緒に閉めてしまうとゲームオーバーです。

ふとした瞬間に、部屋のドアや引き出し、クローゼットなどの「隙間」が気になる時ってありますよね。あの奥から何かが出てきたと思うと…。
本作最大の特徴は、そうした人間の持つ「恐怖症(フォビア)」に焦点を当てていることで、そこに8番ライクなゲーム性をを加えているのが素晴らしく、変わり種のホラーゲームが好きなプレイヤーにおすすめします。
ジャンプスケア:★☆☆☆☆
精神的恐怖:★★★☆☆
オススメ:★★★★☆
◆『The Green Light』
次は、waleedzoが手がける『The Green Light』です。
本作は、一人称視点のサイコホラーゲームです。プレイヤーは、仕事や上司との折り合いも悪く、人生に絶望する男「フレッド」となり、ラジオから聞こえてきた謎の声に導かれるまま、「緑色に光る灯台」を目指すため探索を開始します。
果たして、そこに何が待ち受けるのか、人生の脱出の糸口は見つかるのかーー。

本作は、上手くいかない人生や、自身の抱える幻覚など精神を蝕む恐怖と対峙する物語を描いており、まさしく王道のサイコロジカル・ホラーといった作品で、テーマとしては重苦しく陰鬱ですが、その現実なのか妄想なのか、グロテスクで曖昧な世界観は、『サイレントヒル』のような雰囲気と恐怖を体験できます。


また、美麗なグラフィックで描写される数々の環境をランタン片手に探索する心細さ、ふいに訪れるちょっとしたジャンプスケア、そしてやりごたえある謎解きパズルなど、ゲームプレイもしっかりとした出来栄え。ホラーゲームの「旨味」をたっぷりと堪能できる王道のサイコホラーゲームなので、ぜひともおすすめです。
ジャンプスケア:★★★☆☆
精神的恐怖:★★★★☆
オススメ:★★★★☆
◆『零~紅い蝶~ REMAKE』
さあ、ついに折り返し地点まで来ました。五作目は、コーエーテクモゲームスがおくる和風ホラーゲームの金字塔『零シリーズ』のリメイク版、『零~紅い蝶~ REMAKE』です。
本作は、怨霊がさまよう曰くつきの「皆神村」を舞台に、主人公・天倉澪と姉の繭が、村でかつて行われていた儀式と惨劇の真相に迫りながら、脱出を目指す三人称視点のホラーアドベンチャーゲームです。
今作では、再構築された高精細グラフィック、美しく生まれ変わったキャラクター、遊びやすさが向上した「射影機」バトル、新たに追加された探索エリアなどすべてがパワーアップしており、人気作の名に恥じぬような堂々のリメイク作となっています。
もちろん『零』シリーズの代名詞と言っていい敵の「怨霊」もパワーアップしており、個人的には静寂の中での恐怖に加えて、ドア開閉時やアイテム入手時に怨霊が突然現れる、ジャンプスケア的な演出は前作以上にかなり恐怖を感じました。
古参ファンはもちろん、新規プレイヤーにも「深化した和風ホラー」をぜひ体験して欲しいオススメの逸品です。
ジャンプスケア:★★★☆☆
精神的恐怖:★★★★★
オススメ:★★★★☆
◆『Restless Dream』
Room410が手がける『Restless Dreams』は、物語主導の一人称視点サイコホラーです。
プレイヤーは、深い孤独に苛まれている主人公の女性となり、異変の起きた自室を探索しながら、主人公の苦悩と絶望を追体験していくことになります。

本作は、タイトルの「Restless Dreams」や、アイテム取得時のSE、「Room410」という開発者の名前など『サイレントヒル』シリーズから大きく影響を受けていることを伺わせており、ゲーム内の随所にそれらを想起させるオマージュが盛り込まれているのが特徴的です。

また、PS2時代のローファイなグラフィックと、陰影の美しさと陰鬱な雰囲気がとても魅力的。さらに、メモやドキュメントなどのアイテムを見つけ出し、情報を集めてゲームを進めますが、このテキストや用意されているオブジェクトがとても美しく、単なるSHライクではない期待を大きく上回る作品です。
ただし、夢への挫折、精神的な苦痛、暴力そして自傷行為や自死を想起させる表現があるため、万人向けではありませんが、「追い詰められていく静かな恐怖」を体験したいプレイヤーにはオススメのホラーゲームです。
ジャンプスケア:☆☆☆☆☆
精神的恐怖:★★★★★
オススメ:★★★★★
◆『The Scourge』
『The Scourge』は、ベトナムを拠点とするRare Reverseeが手がける一人称視点のサイコホラーゲームです。
プレイヤーは、1990年代のサイゴンを舞台に、過去の罪により呪われた主人公ニャット・フイとなって、現実と悪夢の境界があやふやな世界を探索し、家族に起こった悲劇の真相を追うことになります。

本作は、90年代のベトナム・サイゴン(現ホーチミン市)の独特の生活感や美術が盛り込まれており、当時の雰囲気を精緻に再現しているため、異文化を知れることも魅力的です。

それだけでなく、高品質なグラフィック、精神的不安、ジャンプスケア、グロテスクな描写などホラーゲームとしても一級品です。
とくにベトナムの都市伝説を下敷きにした物語は、家父長制や男尊女卑といったテーマをこれでもかと詰め込んでいて、めちゃくちゃ胸糞が悪い。とはいえ、その胸糞の悪さすらホラーゲームの「恐怖」になってしまう説得力が本作にはありました。全体的にゲームのクオリティは高いので、耐性あるプレイヤーには是非おすすめです。
ジャンプスケア:★★★☆☆
精神的恐怖:★★★★☆
オススメ:★★★★☆
◆『Ground Zero』
段々と終わりが見えてきました。続いては、韓国のMalformation Gamesが手がける『Ground zero』です。

本作は、『バイオハザード』『ディノクライシス』など往年の作品にインスパイアされた、PS1風のサバイバルホラーゲームです。
プレイヤーは、主人公であるエリート工作員・ソヨンを操作し、隕石の衝突によって崩壊した韓国・釜山を舞台に、恐るべき怪物と戦い、装備を強化して謎を解き、被災地の調査と真相を突き止めていきます。

個人的には、クラシックな作品に影響を大いに受けつつ、オマージュなどリスペクトをしっかりと感じれて好感を持てました。特に、初代『バイオ』でゾンビ犬と初遭遇した時に感じたジャンプスケア的な恐怖を、再び味わえる場面があったのが嬉しかったです。
とにかく、ゲーム内容やシステムは存分にクオリティが高く、レトロなサバイバルホラーに抵抗がない古参プレイヤーは絶対に満足する出来で、胸を張ってオススメできます。ぜひ!
ジャンプスケア:★★★☆☆
精神的恐怖:★★★★☆
オススメ:★★★★★
◆『恐怖夜話』
『恐怖夜話』は、開発者のひめこ氏が手がけるホラーサウンドノベルです。

プレイヤーは、サッカー部の合宿中、先生が語る「山」と「海」にまつわる怪談話に潜む違和感を考察し、真実を暴いていきます。

本作はSFC、初代PSにおける『かまいたちの夜』や『弟切草』などの古き良き名作にインスパイアされた雰囲気と、1時間程度で完結できるカジュアルさが特徴で、4つのエンディングに分岐します。
実写を使ったリアリティ、不気味さたっぷりの重厚なテキスト、多種多様な恐怖演出など、ホラーノベルとして非常に完成度の高く、直接的なジャンプスケアやグロテスクな描写はないため、ホラー初心者にもおすすめできる作品です。
ジャンプスケア:☆☆☆☆☆
精神的恐怖:★★★★☆
オススメ:★★★★☆
◆『バイオハザード レクイエム』
さあ最後の作品は、カプコンが手がける説明不要のシリーズ最新作『バイオハザード レクイエム』です。
よく考えてみると、普段ゲームをまったくしない人に、「知ってるホラーゲームのタイトルを挙げよ」と言った場合、おそらく返ってくる答えは「え、えーと…バイオ?だっけ。ゾンビのやつ」くらいが相場でしょう。裏を返せば、ゲームをやらない大半の人間にすら、「ホラーゲームと言ったらバイオ、バイオと言ったらホラーゲーム」レベルで認知されているわけです。
つまり、『バイオハザード』シリーズは、ホラーゲームの未来を背負っていると言っても過言ではないのです。(何の話だこれ)

冗談はさておき、本作はシリーズ第9作目にあたり、30年前に始まった物語の原点となるラクーン事件の隠された真実を解き明かす内容で、かつて滅菌作戦で爆撃された「ラクーンシティ」が舞台となっていることが注目すべき点です。

また、主人公は初登場の「グレース・アッシュクロフト」と、「レオン・S・ケネディ」のダブル主人公を採用していることも特徴で、グレースパートでは『7』譲りの純粋なホラーを、レオンパートでは『4』の爽快感のあるアクションや戦闘を楽しめるという、一粒で二度おいしい作品になっています。
とにかく、そのホラーとしての怖さや面白さは折り紙付きで間違いないので、もう全人類が一度はプレイするべきだ!と言いたくなるほどオススメです。
ジャンプスケア:★★★☆☆
精神的恐怖:★★★★☆
オススメ:★★★★★
さて、いかがだったでしょうか!本稿が、未知なるホラーゲームを体験する一助となれば幸いです。また、オススメのホラーゲームがあれば是非コメント欄で教えてください。


















