
カプコンが4月にリリースした新作のハッキングアクション『プラグマタ』。発表から長い年月の開発期間と幾度もの発売延期を乗り越え、いよいよリリースされた本作は、発売から16日間で販売本数が200万本を突破するなど、大きな盛り上がりと注目を集めています。
そんなプラグマタで描かれるのは、宇宙飛行士の「ヒュー」とアンドロイドの少女「ディアナ」の絆。二人は協力して困難に立ち向かうだけでなく、各所でみられる親子のような会話も本作の大きな魅力と言えます。
そんな『プラグマタ』の大ヒットを記念し、さらに父の日も近いということで、カプコンは感謝の気持ちを込めたイベント「『プラグマタ』大ヒット記念!父の日スペシャルイベント」を6月18日に開催しました。今回はメディアとして招待をいただいたので、会場の様子や開発へのインタビューをお届けします!
声優陣による生朗読劇やここだけの開発のエピソードも!大ヒット記念のスペシャルイベントが開催
イベントはMCの平岩康佑さんとともにスタート。『プラグマタ』の紹介をはじめ、イベントの開催にあわせた複数のキャンペーンや、本イベントが配信されることがアナウンスされました。イベントの様子はカプコンのYouTubeチャンネルから確認可能です。そして、本作でディレクターを務めるチョウ・ヨンヒ(趙 容煕)氏と、プロデューサーの大山直人氏も登壇。
大ヒット記念のイベントを開催したきっかけについて尋ねられると、大山氏はSNS上などで「2人が親子のように見える」、「父親や母親のような気持ちでディアナを見てしまう」という声が多く見られたことや、ちょうど父の日が近いタイミングで、ユーザーに恩返しや感謝を伝えたい気持ちがあったことを明かしました。



開発陣の二人を交えて本作の魅力について語る場面では、ヒューとディアナのそれぞれのデザインやコンセプトについても深堀り。特にヒューはその名前にも秘密があり、「Human」からヒューという名前になったことが語られています。また、ディアナに関しても「ずっと一緒にいたくなる」ような愛着の湧くキャラクター性を目指していたようです。
大山氏は、一見するとロボットのような見た目をしているヒューが人間で、少女の姿をしたディアナのほうがアンドロイドというデザインについて、見た目と中身が逆になっている点も面白いポイントだと補足しています。


開発陣の思う本作のおすすめのポイントや楽しみ方として、大山氏は「パズルとアクションの融合したゲームプレイ」を挙げました。ディアナがハッキングする一方でヒューが攻撃するという同時操作によって、「忙しさの中に気持ち良さがあるゲーム体験」がユニークだといいます。
ヨンヒ氏は開発チーム全員が「何回プレイしても飽きないゲーム」を目指していたと述べ、「2人のキャラクターを重点的に描くストーリー構成」が本作の魅力であると語りました。

また、イベントでは開発スタッフの打ち上げ用に用意していたという『プラグマタ』のこれまでを振り返る映像も公開されました。若手スタッフによるさまざまなアイデアの提案やディレクター陣の閃きから始まり、開発の難航やさんざんな社内レビューの結果、発売の延期など多くの困難に直面してきた本作。
徹底的な分析なども重ねてハッキングパズルとシューティングという本作のコンセプトを確立し、最終的には本作をいよいよリリースすることができ、販売本数200万本という大成功を収めました。


大山氏は映像を踏まえ、改めて感謝の気持ちを示したほか、ヨンヒ氏も「リリースまではハラハラしていたものの、このような記録となって本当にホッとしました」と胸の内を語っています。
本作を成功させるために心がけていたことという話題では、大山氏は「完全新規のIPに興味を持ってもらうきっかけとなるキャラクター」の重要性を強調し、ヒューとディアナのキャッチーなキャラクター性がその役割を果たせたと述べました。また、ヨンヒ氏は「新しい遊び」を提供しながら、初めて触れるユーザーが入りやすくする努力をしたと語りました。

その後、イベントでは“父の日”をテーマにヒューとディアナの会話が繰り広げられる、オリジナルの朗読劇が披露されました。そして、ヒュー役の田中美央さん、ディアナ役の東山奈央さんもイベントに登壇!
田中さんは生朗読劇が「めちゃくちゃ緊張した」と語り、ヒューを演じるのは久々だったといいます。そして東山さんも緊張していたようで、出番の前には田中さんの楽屋にもお邪魔していたようです。



そんな声優陣のふたりを交えたトークセッションでは、ヒューとディアナそれぞれの役作りや印象について深堀りがなされました。田中さんは不器用ながらもディアナのことを暖かく見守っているヒューの人間性を評価したほか、役作りをするうえでは“宇宙を身近に感じる”ために筑波の宇宙センターを訪問し、宇宙に取り残されたヒューの孤独感やイメージを養ったことが語られました。
ディアナ役の東山さんは「父性だけでなく母性もくすぐられる」とディアナの可愛さを表現しつつ、会話のなかなどで見られるアンドロイドらしさのバランス感が絶妙なポイントだと語りました。

初回の収録時には「あまり可愛くしすぎないように、子供が話すように自然体で」という指示があったといい、外国の音声や尺に合わせながら自然にお芝居をすることが難しかったと振り返っています。これについて大山氏は、可愛くしすぎず、鬱陶しくならないようにチェックする“ディアナ警察”がチーム内にいたことを明かしました。

また、開発陣が田中さんと東山さんにオファーを出したきっかけについて語られる場面も。キャスト選定については大山氏やシナリオ班が候補者を聞き比べたなかで、ヒューとディアナの役に最もぴったりハマるのが田中氏と東山氏だと判断したようです。
ヨンヒ氏もエンディングまでの全ての場面思い浮かべながら声を聞いた結果、この二人の声が一番ぴったりだったと語りました。そのほか、海辺のシーンやディアナの名前を初めて呼ぶシーンなど、数々の名シーンにまつわるトークも飛び出します。
本作でたびたび登場するアースメモリやディアナのお絵かきについては、アンドロイドが地球の文化に触れて理解していく過程や、人間らしさを学んでいくシーンで非常に良いアイデアだったと大山氏は振り返り、SNSなどでは「ここだけで泣いた……。」というコメントが来るほど好評だったようです。


収録時の思い出を聞かれた場面では、東山さんの収録が長引いてしまった時でも優しく言葉をかけてくれた田中さんの優しさや、田中さんから差し入れのチョコをもらい、東山さんもお返しの差し入れするなど、“差し入れの文通”があったエピソードなどが語られました。
さらにイベントでは、お二人の“父の日”にまつわる思い出やエピソードのトークのほかにも、「ディアナがヒューにクッションをプレゼントする」というストーリーな2つ目の朗読劇も披露されました。生で浴びるヒューとディアナのやりとり、エモすぎる……!!



また、そんなお二人が実際に『プラグマタ』をプレイしてトレーニングミッションに挑戦しました。開発陣や田中さんが見守るなか東山さんは次々と迫りくるレーザーを回避するミッションをなんとかクリアし、田中さんは60秒以内に箱を壊しながらゴールを目指すミッションに挑みます。


途中で落下してしまい、スタートからやり直しになってしまうというミスがありつつも、残り約1秒のところで全目標を達成してギリギリのクリア!おふたりにはヒューとディアナが描かれたオリジナルTシャツが贈られました。




そのほか、イベントでは体験版で実装されていたコスチューム「らくがきスーツ」が6月19日のアップデートで実装されることが発表されたほか、本イベントや父の日を記念したさまざまなプレゼントキャンペーンが実施されることが明らかになりました。各キャンペーンの詳細については、公式Xなどもあわせてご確認ください。
さらに、本作の主題歌「Memories Are You」を担当した由薫さんからのメッセージとともに、ミュージックビデオも初お披露目となりました。映像も相まって、何度聴いても泣ける……。
およそ1時間のイベントもあっという間。イベントの締めとして、田中さんはユーザーに感謝の気持ちを述べつつ、キャストやスタッフが心を込めて作った作品なので、一人でも多くの方にプレイしていただきたいと語りました。
東山さんは収録時から面白く素晴らしいゲームだと感じており、たくさんの方が遊んでいるの実感して幸せな気持ちになったことや、「人間とアンドロイドのちぐはぐな会話」が本作の大きな魅力であることを強調しています。


ヨンヒ氏は日本だけでなく世界中のユーザーがが本作を楽しんでくれたことに感謝し、笑えるシーンや泣けるシーンなど、プレイしている姿を見て色々な感情を抱くことができたと述べたほか、大山氏はグッズ展開などふくめ、今後も長く愛される作品として盛り上げていきたいと本作にかける思いを語りました。
そして、もうすぐ父の日ということで、お父さんや日頃お世話になっている人に対して、感謝を伝えるきっかけになったら嬉しいと述べて、イベントを締めくくりました。


『プラグマタ』大ヒットの手応えは“予想以上”だった!?イベント後には開発陣にインタビュー

イベントの後には、ヨンヒ氏と大山氏への合同インタビューも実施されました。大ヒットの反応や、本作の取り組みなどが語られたその様子もお届けします。
ーー本作はリリースから半月で200万本を記録し、レビューについてもかなり好評です。開発チームはここまでの手応えを予想していましたか。
大山 直人氏(以下、大山):予想以上ですね。正直、ありがたい限りです。
チョウ・ヨンヒ氏(以下、ヨンヒ):そうですね。予想をはるかに超えていました。
ーー完全新規のIPで200万本はかなり異例の記録といえます。ユーザーに最も受け入れられた要因は何でしょうか。
ヨンヒ:「新しい遊び」というところもあると思いますが、「受け入れやすいキャラクターの魅力」がやはり大きかったのかなと思います。2人のキャラクターの掛け合いが、ユーザーの入り口として非常に重要でした。
大山:まずはキャラクターに興味を持ってもらって、そこから体験版でゲームプレイの面白さを感じてもらい、さらにその評判から製品版へ流れる、という動線がうまく組めたことも大きかったです。
ーーヒューとディアナのキャラクター性やコンセプトについては、開発の初期段階から決まっていたのでしょうか。
ヨンヒ:そうですね。自分はアーティスト出身なので、絵を描きながらディレクションをしていました。最初は何もない月面空間から始まり、ぱっと目を引く何かが必要と考えたところ、宇宙飛行士と“相棒になる存在”を考えました。そこから試行錯誤を重ね、生まれたのがアンドロイドの少女である「ディアナ」です。
大山:ユーザーにとって受け入れやすいよう、キャラクター性については削ったり増やしたりと当初から調整を重ねています。

ーーイベントでも、「ディアナ警察」のお話がありましたね。
ヨンヒ:女性キャラの“あざとさ”は、同じ女性が見たほうが気付きやすく、男の人だと「何が違うの?」となる部分でも見抜けるんです。ディアナ警察はみんな、女性スタッフだったはずです。(笑)
大山:開発中はキャラクター性を定めるということも苦労しました。作品がリリースされればこのキャラクターはこうだよね、と共通認識をユーザーふくめて持つことができますが、開発段階では変わる前提なので、軸を決めてもブレてしまう部分があります。そのブレをチーム一同で補正しながら、今のようなリアルなキャラクター像を作っています。
ーー本作の「TPSとハッキングパズルの融合」というコンセプトは、どこから生まれたのでしょうか。
ヨンヒ:当初はSFシューターを企画していたのですが、新規IPとして従来とは異なるものを作ろうとしたとき、「何かを考えながら撃つ」という行為を思いつきました。そこから相棒というコンセプトや、ハッキングというアイデアも生まれました。
大山:当初はハッキングパズルではなく、ただのハッキングとして考えていました。開発映像でもあったようにハッキングの表現の試行錯誤の果てに、ハッキングパズルという形になりました。

ーー本作では他のカプコン作品同様、「RE ENGINE」を使用していますが、このエンジンだからこそ実現できた表現などはありますか。
大山:「RE ENGINE」は過去作品のノウハウなども蓄積しています。そのタイトルのニーズに沿った機能を生み出すことができ、それをさらに積み上げて他のタイトルの開発にも繋げていけるのが大きな強みです。
ひとつ例を挙げると、ディアナの髪のストランドヘアという表現技術です。もともとは別タイトルのショートヘア向けに研究されていたものを、本作ではロングヘアにしてチャレンジしてみようという広がりが生まれました。

ーーイベントの開発チーム映像では、社内レビューでも酷評など、かなり開発が難航している様子がみられました。そこから4ヶ月で絶賛まで持っていけたきっかけや要因は何だと思いますか。
ヨンヒ:映像では編集の都合上、4ヶ月で乗り越えたということになっていますが、その4ヶ月はこれまでの失敗を乗り越えたうえで見えてきた答えともいえます。失敗したとしても、その資産を利用して……と積み重ねてきました。
ーーリリース後、ユーザーからのフィードバックなどで印象に残ったものはありますか。
大山:やはり楽しんでプレイしてもらえていることと、ストーリーで「泣いた」というコメントを一番多く見ています。フィードバックという観点では、トレーニングシミュレーションの最後のミッションが難しいという声は多くいただいているので、アップデートで対応します。
ーー開発チーム内では、リリース後にどんなやりとりがありましたか。
大山:リリース後は、ユーザーからの反応をチームみんなで“エゴサ”していました。(笑)
ヨンヒ:有名人がこんなコメントしてる!とか。(笑)それをチームに共有して自信を得たり、辛辣なコメントを見て悲しんだりと、一喜一憂しながら追っていました。
大山:もう少しこうしておけばよかった……という部分はありつつも、当時のチームとしては全力を出し切ったので、その結果の評価だと思っています。

ーー実際にフィードバックを受けて、意外だったプレイヤー層などはありましたか。
大山:予想以上に、若い方がプレイしてくれている印象があります。チーム関係者やイベントでお会いした方のお子さんが実はプレイしていて……という話をよく耳にして、意外でした。最近の若い方はアクションやシューティングに触れる機会も多いと思うので、そういった方にとってはスムーズにプレイできるのかと思います。
ヨンヒ:SFは一見すると地味なジャンルで、男性ファンが多い印象でしたが、『プラグマタ』ではインフルエンサーやYoutuberなどを見ても、女性のプレイヤーが多く見られるのが予想外でした。
ーー新規IPである本作ですが、難航した開発中の思いと、こうして大ヒットを記録した後では心境の変化はありますか。
大山:開発中から現在まで、自分たちが作ったゲームをユーザーに楽しんでもらいたい、という想いは変わっていません。200万人もの人が喜んでくれているのを見ると、頑張った甲斐があったと感じています。
ヨンヒ:当初はディレクターとしてのデビュー作だったことや、新規IPとしての成功といったプレッシャーがあり、考えすぎてアイデアが出せない時期もありました。しかし、「自分がやりたいものは何?」という原点に立ち返ってからは道筋が見え、自分が好きなものを信じてやっていくことが大事だと気付きました。

ーーイベントでは声優にオファーを出す際、エンディングの場面を重点的に意識したとのお話がありました。エンディングシーンについてのこだわりを教えてください。
ヨンヒ:これも新規IPという話に関連しますが、新規IPだからこそクリア後も余韻の残る、記憶に残るゲームを作りたいという想いがありました。エンディングは開発初期の段階から決まっていて、音楽やキャラクターのセリフ、声優選びまで、すべてがエンディングのイメージを中心に構成されています。
ーー発売から2ヶ月が経ったのでエンディングについてお聞きしますが、ヒューとディアナはその後どうなったのでしょうか……?
大山:ご想像にお任せします。見ていただいたものが全てです。
ヨンヒ:ただし、可能性は色々あります。
ーー本日はありがとうございました!
『プラグマタ』は、PC(Steam)/PS5/Xbox Series X|S/ニンテンドースイッチ2向けに発売中です。「『プラグマタ』大ヒット記念!父の日スペシャルイベント」はカプコン公式YouTubeチャンネルで視聴可能です。















