7月27日より、『まじかる☆プリンセス』と『Chill with You: Lo-Fi Story』のコラボが開催されています。
MAGIからリリースされている『まじかる☆プリンセス』は、プレイヤーが娘の父親となり、パネテリア王国を舞台に可愛い娘を育てる娘育成シミュレーションです。プレイヤーの選択によって娘の未来は変化し、エンディングはなんと50種類以上用意されています。
対する『Chill with You : Lo-Fi Story』はネストピよりリリースされており、宇宙が大好きな文学少女サトネと一緒に作業通話をするADVです。ポモドーロタイマーをセットして作業をしながら物語を進めていきます。
一見交わらなさそうな2作品が、2026年7月27日よりコラボを開始しました。『まじかる☆プリンセス』側には、コラボ衣装の追加と新機能「娘と勉強」の追加、『Chill with You : Lo-Fi Story』側は、コラボストーリーと「脱法パン」などのアイテム追加と、かなり気合の入ったコンテンツが実装されています。
このコラボは、どういった経緯で実現したのでしょうか?この度Game*Sparkでは、両作品の製作陣から詳しいお話を聞くことができました。
コラボ内容についてから今後の展開についてまでお聞きしておりますので、両作品ともにプレイしている方も、今回のコラボがきっかけで興味を持った方も、ぜひご覧ください!
※本インタビューは、8月初頭に実施されました。一部情報が古い可能性があります。
――自己紹介をお願いいたします、最近プレイされた(されている)ゲームも教えてください!まずは、『まじかる☆プリンセス』側の3名からお願いいたします。
大宮:『まじかる☆プリンセス』を販売している株式会社MAGIの代表で、同作のプロデューサーを務めている、大宮です。
最近プレイしているゲームは、『Chill with You : Lo-Fi Story』はずっと立ち上げていますね。それから、『ULTRA0』という、終末SF百合なインディーゲームをプレイしています。開発者さんがこれ好きなんだろうなって感じが伝わってきて、すごく良かったです!
佐渡:株式会社ネオトロの佐渡と申します。『まじかる☆プリンセス』では主に開発ディレクションを担当させていただいております。
最近は『スプラトゥーン レイダース』と『TATSUJIN EXTREME』をプレイしました。元々シューティングがすごく好きなのですが、『TATSUJIN EXTREME』は初代『TATSUJIN』が子供のころに初めてゲームセンターでクリアした縦シューティングゲームということもあり、懐かしいなあと感慨深くプレイしています。
井元:株式会社MAGIの井元です。ボードゲームの「まじかる☆シリーズ」からの流れで、『まじかる☆プリンセス』では主に世界観とかストーリーとかの監修、それからレベルデザイン全般などを担当しました。
大宮と同じになるのですが僕も『ULTRA0』をプレイしました。佐渡さんから「面白いよ」とすすめて貰ったのですが、これがもうめちゃくちゃ好きで!めちゃくちゃ流行らせたいです!
――ありがとうございます!では、続いてネストピさんもお願いいたします。
藤原:株式会社ネストピで、『Chill with You : Lo-Fi Story』のメインプログラマーを務めている藤原と申します。最近は『ペンギンウォーズ』というインディーゲームをプレイしました。宇宙からペンギンが降ってきて地球が滅亡するという、すごくキャッチーな設定に惹かれて購入しました!
終末系ADVなので緊迫した雰囲気なのかな、と思っていたら結構チルくて、最後の1週間だからこそ思い切った冒険をしてみて主人公が知らなかった場所に行ったりするんですが、プレイヤーと感情的にリンクしながら展開していって、「最後の1週間、自分はどうやって過ごすんだろう」と、感情移入しながらプレイしていました。
寺島:『Chill with You : Lo-Fi Story』のプロモーション周りを担当している、寺島と申します。最近やったゲームは『HYPNOS』ですね!これはクトゥルフ神話系のオープンワールドの3Dゲームで、少し気味の悪い世界なんですけれど、怖いとかではないんです。
クトゥルフ神話の不思議なところを抜き出したようなオープンワールド世界を歩いていって、ちょっと理不尽で素敵なイベントに出会って、その中にうっすらある物語を感じ取っていくみたいな、ウォーキングシミュレーターでアドベンチャーみたいなゲームなんです。ホラーゲームが怖くてプレイしてもなかなか進めないのですが、本作はかなり楽しみました。あとは『Forza Horizon 6』ですね!
――ありがとうございます!なんだか全体的に終末ゲームですね、私も好きです。
寺島:ゲーマーは終末が大好きですからね。
大宮:世界が滅ぶたびにゲームが1本できる。
――早速本題にはいらせていただきます。まず今回の『まじかる☆プリンセス』と『Chill with You : Lo-Fi Story』のコラボは、どういった経緯で決まったのでしょうか?
寺島:もともと開発の佐渡さんと私は長い付き合いがあり……15年くらいになりますかね。
佐渡:ですね、長いですねぇ。
寺島:当時、日本でインディーゲームという呼び方が出はじめてきた頃でした。その中で、インディーゲームのイベントに行こうとして、道に迷ってたんですね。そんな時に「ゲーマーっぽい人がいる!」と思って道を聞こうと声をかけたら、それが佐渡さんで、そのまま会場まで連れて行ってもらいました。
それから年が経っても、新しいゲームが出たりするたびに連絡を取り合ったりしていたのですけれども。その流れで、お互いそれぞれが携わったゲームがSteamでリリースされて、折角だしコラボできないかと声をかけようとしてエンターキーを押そうとした時に……佐渡さんからも「コラボできませんか」ってDMがきまして。もうめっちゃシンクロしていましたね。
佐渡:らしいです(笑)。でも、本当に長いお付き合いをさせていただいて、前作『NeverAwake』というシューティングでも『Chill with You : Lo-Fi Story』とコラボさせていただいているのですが、その時に「今作っている『まじかる☆プリンセス』っていうゲームの方が、Chill with Youとコラボ合うと思うんですよ」というお話をしていました。なので、ようやくコラボをリリース出来て、本当にうれしいことだと思っております。
寺島:『Chill with You : Lo-Fi Story』が発売したてで「何か盛り上げることがしたい!でもネタがない!」という時に、曲を貸してくださいとコラボの話をもちかけたら快諾していただけて、めっちゃ助かりました……!
――それこそ、『NeverAwake』のように、曲コラボという選択肢もありえたと思うのですが、今回のコラボ内容に決まった経緯や理由は、何かあるのでしょうか?
藤原:元々コラボの話になる前から『まじかる☆プリンセス』をプレイしていてすごく好きでしたので、コラボが決まった時はすごく嬉しかったです。なので、「これはもうやれるだけやりたいな!」という感じで、コストとかも考えずにやりたいことを詰め込みました。
寺島ともいろいろ話して、「脱法パンは入れたいよね」「脱法パンってサトネに言わせたいよね」「じゃあストーリーも欲しいよね」「曲も可能であれば入れたいよね」という感じでやりたいことがどんどん決まっていき、実際の作業においても『まじかる☆プリンセス』側がすぐにレスポンスを返してくださって、たくさん詰め込むことができた、という感じです。本当はもう少し小物とかも入れたかったのですが、結構時間がタイトで……。

――コラボ前からプレイされていたのですね。コラボ前にお互いの作品をどう見ていましたか?
藤原:最初に知ったのは、INDIE Live Expoの紹介映像でした。「こういう可愛い女の子を育てる育成ゲームがあるんだ、やってみようかな」と思い、軽い気持ちでプレイしてみたら、めちゃくちゃどハマりしまして(笑)。
アリスちゃん(プレイヤーの娘)が成長していくにつれて、「自分がお父さんである」という感情もどんどん湧いて、どんどんハマっていくんですよね。あと、作り込みが深いのにボリュームもすごい。
大宮:僕はそもそも女の子が出てくるゲームを買いやすい傾向がありまして……。『Chill with You : Lo-Fi Story』も発売直後くらいに購入して、ずっとプレイしていました。「タイマーで音楽が流れるアプリ」くらいの認識でプレイしていましたら、話がどんどん進んでいき、「こんな展開になるの!?」と驚かされました。いわゆるチルいアプリとかタイマーアプリっていう、そういう概念をちょっと超えたところにある、良いゲームです。
――ちなみに藤原さんが『まじかる☆プリンセス』で好きなエンディングやイベントは何ですか?
藤原:好きなエンディングは、少しネタバレになってしまうのですが、4週目でやっと見れた周回が必須のあのエンディングですね!
イベントだと、アリスちゃんがスプレーで落書きをするイベントが凄く記憶に残っています。ただただ良い子だと、この良さは出てないんだろうなと感じました。

――ありがとうございます。今回のコラボの反響や手応えとしては、いかがでしたでしょうか?
大宮:ありがたいことに、いろいろ反響をいただいております。主に日本国内と中国からですね。両方の作品をご存じの方が喜んでくださっているというのもありますし、片方だけ遊んでいた方が、「相手の子はどういう子?」と、もう片方の作品を知ってくださるきっかけにもなっているみたいです。コラボとして1番望んでいた形が実現できたかな、と思っています。

寺島:こちらも、SNSで『まじかる☆プリンセス』プレイヤーさんたちが「『Chill with You : Lo-Fi Story』買いました!」と報告してくれまして、嬉しかったですね。
後は、世間的な反響ではないのですが、コラボが決まった時、社内の反響がかなり大きかったですね。究極脱法パンの3Dモデルがすぐに出てきたりとか「サトネに“脱法パン”って言わせたい!」って意見が出てきたりとかですね。どんどんアイデアが出てきてコラボ内容も決まった感じです。

『まじかる☆プリンセス』プレイヤーに受け入れてもらえるか不安だったのですが、両方のキャラクターを描いたファンアートもあったりして、ほっと胸を撫でおろしています。
――先ほど、中国でも良い反響がと仰っていましたが、両作品ともに日英中の3か国語に対応されていますね。最初から中国展開というか、「中国ユーザーにも受けるだろうな」という感覚はありましたか?
寺島:『Chill with You : Lo-Fi Story』としては、『gogh: Focus with Your Avatar』が日本で反響を得ているのを見て、「日本で受け入れられるかな、英語圏もいけるかな」という感じでした。中国市場のユーザーは意識していたものの、受けるだろうという感覚はなかったですね。事前のウィッシュリストでも、実はブラジルやポルトガル語圏の方が上でした。
結果的に中国でも売れたのは、開発チームが頑張って良いものを作った結果が1番大きいかなとは思うんですけれども、「ヒロインと話しながら、作業時間としてストーリーを作っていく」という体験が新しいものとして受け入れられたのかな、と思います。中国で人気が出たのでジャンル名も合わせて変えて、日本語に翻訳すると「Lo-Fiの集中寄り添いゲーム」みたいな感じになっています。寄り添う癒やしゲームというところをメインにしています。

大宮:『まじかる☆プリンセス』も、中国を始めとした海外でもご好評いただいていることは本当にありがたいのですが、中国向けに何か特別なことをした、というのはないです。開発メンバー3人とも「とにかく王道のどストレートで、自分たちが理想とするものを作りたい!」という気持ちで作って、結果として中国のゲームプレイヤーの方たちに刺さったのかな、と感じています。
これは個人的な感覚なのですが、中国のゲームプレイヤーの方々って、開発側が「俺たちはこれが好きだぞ!」ってストレートに出したら、それに対してストレートに評価してくれる、という印象があります。
――なるほど……その感覚は少しわかる気がします。ユーザー人口としても中国市場の方は多いと思いますが、実際の反響でそれを感じられたりしましたでしょうか?
寺島:そうですね。日本と同じくらい頑張ってプロモーションしたほうが良いなと思うくらいには重要な市場なのかな、と感じました。プレイヤー人口もそうなのですが、絵柄など文化的に近いところがあるので、やりやすさは他の市場に比べてもあると思います。
大宮:プレイヤー人口はかなり多いので、どうしてもそういうところは意識しますね。発売前に、中国ゲーム市場に詳しい方に「『まじかる☆プリンセス』ってどんな国で売れますかね?」って聞いたら、やはりアジアと返ってきて……ただ、だからといって特化してプロモーションをしたりとかはしませんでした。
井元:あ、でも、作中での入学式を9月にしたのはそのあたりの理由がありましたよね。
大宮:ああ、そうでした!そのあたりは日本基準ではなく、中国や英語圏に合わせた形ですね。

寺島:カレンダーを月曜日始まりにできるオプションを追加するなど、リリース後にアップデートで要望が来て文化の違いを反映させたところはうちもありますね。

大宮:日本のプレイヤーのことはどういうものが好きか、なんとなくわかるのですが、中国の方たちは本当わからないんですよね。何か作っても外してしまう可能性もあるわけで。なので、何か特別なことをするよりかは、我々が1番いいと思うものを入れよう、と。
――コラボ内容についても少し細かく聞かせてください。まず、『まじかる☆プリンセス』側はコラボ衣装がありましたが、見た目だけ異なって能力は同じ……などではなく、それぞれに細かく値が設定されていますね。
井元:ゲームのバランスはもう完成しているので、特別に強いものを出すわけにはいきません。なので、基本的には、既存の服と同じか少し弱いくらいに調整をしています。また、今回のコラボ衣装で言うと、多くの人に見てもらいたいので、衣装の出現時期を割と早めにしてあるんですよ。衣装の出現時期が早めなのでめちゃくちゃ強いってわけではなくて、でも折角のコラボ衣装なので詠唱速度はやめにして腐らない衣装にしました。

今回の衣装に限らず、服ごとの「この服は魔力高そうだよね」「速度高そうだよね」という雰囲気は大事にしていて、完成されたバランスを崩さないぎりぎりのラインで楽しんでいただけるように設定しています。
――『Chill with You : Lo-Fi Story』のコラボストーリーの中で、『まじかる☆プリンセス』は過去に放送されていたアニメという設定でした。なぜアニメという設定にしたのでしょうか?また、実際に放送されていたらどのような内容になっていると思いますか?
藤原:アニメにした理由としては、「サトネが現実にいる作業相手である」というのを崩したくない、というのがあります。どこかに実在している作業相手との作業体験、というのを大切にしているので、そこにもし「パネテリア王国が昔存在していた」という風にサトネが言い出すと崩れてしまう。それで、自分の願望も込みでアニメという形にさせていただきました。
アニメの内容は、ショートアニメみたいな感じで毎週放送されてるんじゃないかなって妄想しています!学校生活とか、そういう可愛いところとか世界観を知れるようなポップなアニメが放送されるんじゃないかな、されてほしいなと思いながら作っていましたね。
井元:アニメ化、したいです。ご連絡お待ちしております……!
佐渡:4クールプラス劇場版で……!
――壮大作だ……!因みに、『Chill with You : Lo-Fi Story』のコラボストーリーの中で、サトネが被っていたアリスの帽子がとてもかわいかったですが、こちらはサトネに常に着用させることはできないのでしょうか?
藤原:今のところ予定していないですね。やはり、作業通話中にずっと帽子を被っているのって、少し不自然な気がしておりまして。
一応8月のアップデートで、サトネの髪型を変更するか、帽子を着用するようになる機能の実装を予定しているのですが、今のところ髪型変更になる予定です。
――今回はアニメという形でしたが、実際にアリスとサトネが出会ったら、どんな会話をしたりどんな仲になったりすると思いますか?
大宮:すごく仲良くなりそうだなと思いました。サトネちゃんは大学生ですから、だいたい高校生くらいのアリスよりも少し年上ですよね。けれどあまり年齢差は感じずにおしゃべりしている気がしますね。
あと、大人しめなサトネちゃんと元気で明るいアリスの組み合わせという差も良いなと思います。大学のキャンパスでベンチに並んで座って一緒にパンを食べてるっていうイメージがすごく頭に浮かびますね。そのパンはちゃんと普通のパンであることを願います。
藤原:本についての話をしそうだなぁと思っています、それこそサトネが描いている小説の話とかですね。サトネのところには魔法がないので、魔法の授業や本についての話もしていそうだな、と思います。
後はやはり、ご飯の話でしょうか。サトネはご飯を食べるのがすごい好きなので、食文化の違いについての話はすごくしていそうというイメージがあります。
大宮:そっか。サトネちゃんはお米を食べるんですもんね。
藤原:「お米を食べないなんて、人生の半分損しているよ!」みたいな感じですね……それをシナリオに入れようか、という話も少しありました。
――なんか、ロミオとジュリエットみたいになりそうな予感も少ししますね……先ほど『Chill with You : Lo-Fi Story』の今後のアップデートについて少しお話ししていただきましたが、両作品ともに今後の展開について伺ってもよろしいですか?
藤原:『Chill with You : Lo-Fi Story』は、11月17日の1周年までに2回大型アップデートをします!サトネの机が少し大きくなり、新しいことが出来るようになるのと、シナリオが大幅に追加される予定です。
また、グッズに関しては、現在ECサイトで販売中のアイテム以外も作っています。マグカップがようやく完成が見えてきて、近いうちに販売できるのではないかと思いますので、そちらもよろしくお願いいたします。
佐渡:『まじかる☆プリンセス』側は少しふわっとした言い方になってしまいますが、少なくとも月に1度は、何かしらユーザーさんが喜んでいただけるようなアップデートをしていく予定です。もちろん今月も来月も。新コンテンツだったり新しい衣装だったり新しいコラボだったり……定期的に追加する予定ですので、ご期待いただければと思います。
また、長い目で見ていただけると、もっと大きいアップデートというのはもちろん準備しておりますので、今後もご期待いただければと思います。
――ありがとうございました!
『まじかる☆プリンセス』は、PC(Steam)向けに配信中。また、『Chill with You : Lo-Fi Story』は、PC(Steam)/iOS/Android向けに配信中。両作とも現在Steamオータムセールで割引中です。
また、Steam版では2作品セットでよりお得に購入できるバンドルも用意されています。











