7月13日から15日にかけてひらかれていた格闘ゲームの祭典『Evolution2013』は熱狂のうちに閉幕しました。各種ストリーミング配信で、それぞれのタイトルにおける最先端の闘いを楽しんだ方も多くいらっしゃることでしょう。
その一方で、物理的に1ヶ所に集まり観戦するイベントも開催されていました。その名も『EVO2013 パブリックビューイング』。関東ではGODSGARDEN主催の『EVO2013 public viewing in Tokyo』と、関西では『EVO2013 パブリックビューイング大阪』です。
今回記者が赴いたのは大阪。場所は心斎橋にあるダイニングバー Amour。ちょうど『SUPER STREET FIGHTER IV』決勝が始まるくらいのタイミングで入ったところ、場は十二分に温まっていました。以下、まずはフォトレポートをお届けします。
このようにかんせんするのだ
みなさんスクリーンに釘づけ。
そしてときおり大盛り上がり。
そしてときおり大盛り上がり。
釘づけの図その2。
会場の音響設備すら凌駕する歓声もしばしば。
スクリーンは2つ。
キャパシティ120名が観戦するにはちょうどよい具合でしょう。
キャパシティ120名が観戦するにはちょうどよい具合でしょう。
あまりの長丁場に力尽き倒れる方も。
(イベントの開始時刻は当日の午前0時)
(イベントの開始時刻は当日の午前0時)
満面の笑みを頂戴しました。
満面の笑みを頂戴しました2。
ゲームバーCONTINUEさんからヘルプでいらっしゃっていた方。
ありがたい分煙スタイル。
イベントを支えた影の主役、実況席。
絶え間ない実況・解説で終始場を盛り上げ続けていました。
『スパ4』決着後の様子。達成感と、いくばくかの名残惜しさを感じます。
現地プレイ用に用意されたアーケードスティック群。
同じくゲーム群。
記者取材時には撤収されてしまっていましたが、
おそらく夜通しここで対戦が行われていたのでしょう。
おそらく夜通しここで対戦が行われていたのでしょう。
ワインに大音量でEVOの実況を聞かせ続けると味が変わったりするのでしょうか。
イベント終了後のスタッフミーティング。
今後の継続的な展開などについて具体性ある議論が交わされていました。
今後の継続的な展開などについて具体性ある議論が交わされていました。
つわものどもが夢の跡。
スティックが強者を求めるのです。
ひき続いて、『EVO2013 パブリックビューイング大阪』の実行委員を務めた「てるちか」氏へのインタビューです。
――じつは開幕と同時に入場するつもりだったのですが、すこし都合がつかず、佳境に入ったところだけを拝見する形になってしまいました。昨晩0時の段階でどれくらいの来場者数でしたか?
事前申込みは75名でした。急用などで来れなくなる方もいらっしゃいましたが、飛び入りもあったので結局同じくらいの人数になりました。
――夜中に一番盛り上がったかと推察いたしますが、そのときにはどれくらいでしたか?
定員120名には届きませんでしたが、80〜90人程度です。
――入れ替わり立ち替わりでお客さんが入った形ですか?
そうですね。断続的に入りました。0時ジャストの時点で開場したのですが、1種目目の『KOF13』が2時からだったんです。それまでは酒を飲みながら歓談していました。
しかし、機材トラブルがありました。本来であればお呼びした「おえっぷ」さん(KOFシリーズの有名プレイヤー)に試合内容を解説してもらう予定だったのですがうまくいかなかったのです。解決してマイクの用意ができたのが『KOF13』のグランドファイナル1試合だけになってしまいました。申し訳なかった部分です。ただ、そこは非常に濃密でわかりやすい解説をしていただけました。
そのあとが『スマブラDX』と『インジャスティス』だったのですが、これが4時半くらいから始まりました。さすがに時間が時間ですので、ダウンされてしまう方や、いったん外へ休憩に出る方もいらっしゃいました。家が近場にある方だと帰宅してそのまま寝てしまったのか(笑)、朝方には少し人数は減っていました。これはタイムスケジュール上仕方がない部分です。
――ここにずらりとスティックが並んでいますが(写真参照)、みなさん夜通し対戦されていたのでしょうか?
そうです。ずっとゲームしていました。『スパ4』2台・『アルカプ』2台・『KOF13』1台体制でした。『KOF13』は「おえっぷ」さんがいらっしゃるということで急遽用意しました。
――個人的には『スマブラDX』の異常なハイレベルぶりが印象的でした。
じつは私にはスマブラ勢の知り合いがいませんでした。そのため、解説をあらかじめ用意することはできなかったのです。しかし、ガチのスマブラ勢が6人くらい来場して実況をかってでてくださったので、ありがたくお任せしました。現役プレイヤーの視点で非常にわかりやすい解説でした。
――現役!
だそうです。Evolution Championship Seriesで『スマブラDX』が採用されたのは久しぶり(2007年以来) なのですが、今年のEVOにも古参プレイヤーが参戦していることなどを指摘してもらえました。古参勢がEVOに出て『スマブラDX』を盛り上げているようです。
――見ているだけで楽しいタイトルの1つです。
「吹っ飛んだら負け」というルールがまずもってわかりやすいですしね。私はじつをいうとまともに対戦を観たのは初めてだったのですが、非常に面白いゲームだと感じました。
――関西でこういったイベントを開催されることは比較的めずらしいことだと思います。手応えはいかがでしたか?
私自身、特別な経験があるわけではありませんでしたので、難しいと感じるところも多々ありました。今回は現地では完璧な配信準備が整っていて中継されていたのですが、それがなければまずイベントの段取り自体が困難だったでしょう。EVOサイドのサポート・手助けがあって初めて成り立つものだと痛感しました。あと、機材のトラブルは反省点です。0時開店までにもっと準備しておくべきでした。
――EVOサイドの動きとしては、どういうものがありがたかったですか?
まず、現地で日本語の実況解説を用意してくれていたことです。観ている側がとてもゲームを理解しやすくなります。『EVO2013 パブリックビューイング大阪』でも解説はある程度準備していたのですが、会場の熱気をいかにして伝えるかなどはとても難しいところでした。
――ほかに『EVO2013 パブリックビューイング大阪』開催にあたって直面した課題はありましたか? たとえば、こうした会場を貸しきる採算などです。
何人くらい集まるかという予測はつけづらかったです。これは最初から最後までつきまとった問題です。事前申込みも告知直後(1か月程度前)はほとんどなく、先週までは30名程度でした。最後にどっときた形です。
どういう規模で開催するのか、あらかじめ設定しておくのも重要だなと思いました。たまたま会場にツテがあったので最初に「ここでやろう」となったのですが、今後もし続けるとしたら、きちんとキャパシティにめどをつけておかないとならないでしょう。
――この会場のスクリーンや音響が非常に整っている印象がありますが、これは店舗側のものですか?
そうです。パーティー用の貸切スペースにもなるバーですので、機材面は初めから環境が整っていたといえるでしょう。
――かなり具合が良かったと思います。スクリーン2枚と席の配置がゆったりしていました。お客さんの反応も良かったように感じました。
みなさんに盛り上がっていただけるかどうかが一番の不安要素だったので、成功したのかな、とは思います。
――こんなに盛り上がるのか、と私も驚きました。(※ シーンによっては耳が痛くなりそうなくらいの大歓声でスピーカーからのゲーム音すらかき消されていました)
それだけ良い試合が多かったということでしょう。
――ちなみにお好きなゲームは?
採用トーナメント落ちしていますが、『ヴァンパイアセイヴァー』です。ただ、これは致し方のないところです。海外でそれほど熱気があるタイトルではありませんし、日本のプレイヤーがやりこみすぎて国内外とレベル差が発生してしまっていることも一因でしょう。EVOで選ばれる種目ではないかな、と思います。
――イベントの主旨や今後などについて、ビジョンをお聞かせいただけますか?
海外の大会は参加するだけでもハードルが高いです。カネの面、言語の面などなど。しかし参加しなければわからない雰囲気があるはずです。そうした特殊性について、一人で観るよりも、仲間と観たほうが受け取れる情報量が多いでしょう。一緒に高まれるということですね。
皆と観て、「このゲーム面白い」と想いを共有して強く感じることで、たとえば大会に出てみるといった動きに繋がるかもしれません。ゲーマーが動いていく手助けになればいいな、と考えています。
――ということは次回開催も?
今の時点ではなんとも(笑) ただ、『アルカプ』のオフライン大会がほとんどプレイヤー主導で開催されているように、ほかのゲームでもそういうケースが増えたらいいですね。ゲーセンがいささか下火になっている昨今ですが、対戦相手を探す自然な形としてゲーセンの代替的な存在になる、というのは野望の1つです。
――最後に何か一言。
夜中に大会なんかやると疲れるのですが、体を壊したら元も子もないので無理せず元気にゲームしてください。
――ありがとうございました。
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