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ファンのために作ったが、同時に挑戦状でもある!?『俺の屍を越えてゆけ2』 のキーマン桝田氏にインタビュー

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会場となった朝陽館本家に到着
  • 会場となった朝陽館本家に到着
  • いい雰囲気です
  • 『俺屍』の世界観にマッチ
  • ゲームデザイナーの桝田省治氏
  • いざプレイ
  • 自分の顔からキャラクターを作ることが出来ます。
  • とりあえず剣士を選択
  • 容姿など
一昨年のTGSにその制作発表が行われた『俺の屍を越えてゆけ2』(以下『俺屍2』)。そのTGSバージョンの試遊と、ゲームデザイナーである桝田省治氏にインタビューをする機会がありました。

試遊では、まず自分の顔をカメラで撮り初代当主の顔を作成します。その後迷宮に行くのですが、ひと目見た瞬間に『俺の屍を越えてゆけ』(以下『俺屍』)であることが分かると同時に新鮮さも感じました。その辺は実際のスクリーンショットと解説をご覧頂くとして、早速インタビューに移りたいと思います。

――それではまず、『俺の屍を越えてゆけ2』の開発経緯を聞かせてください。

桝田省治氏(以下敬称略):『俺の屍を越えてゆけ』のPSP版(以下リメイク版)の時に、『2』とセットで考えていて、作っても大丈夫だろうという目処が立てば作る気でいたね。だから、リメイク版の段階で想定内というか、射程内になっていて、『2』ありきでリメイク版を作ったんだよ。そういう意味では、リメイク版は『2』のための試金石でもあって「我々は『2』でこういうのを導入するつもりだけどどう?」という感触を知りたかった。

――ではその新要素の反応はいかがでしょうか

桝田:3つ4つ新要素を入れたんだけど、あらかた好評で一部不平があったね。そこは対応したし、もっとこうなったら良いのにというのは拡大したよ。

――今回実際に『俺屍2』をプレイさせて頂いて、やはり『俺屍』なんですけど、古臭さがないですよね。

桝田:ストーリーは繋がってないけど、世界観は繋がっていて、大体100年後なんだよね。そこは間違いなく『俺屍』であって、見た目的な斬新さは、作る側も、ユーザーも求めてないだろうと。後は、外見的にフルスペックというか、今時にすると、逆に朽ちるのも早いと思うんだよ。だからベーシックな「これくらいあればいいんじゃない?」というものにした方が古臭くなりにくいんだよね。

――その考えは『俺屍2』を作る前から持っていた考え方なのでしょうか。

桝田:そうだね。だから前作はわりと平面を意識した絵巻物のような感じだったんだけど、それ自体の表現というのは、ある意味古臭いけど100年たっても1000年たっても様式美として認められているから古くはないよね。だから一時的なブームはあってもそれに乗りはしない。

――こういうのを導入したが、結果的によくなく削った部分はありますか。

桝田:いろいろ削っているよ。ただユーザーが削ったことに気がつくかどうかはわかんないなぁ。例えば、あんまり使われない機能は削っているね。でもそれ使ってないから気がつかないと思うんだよね。

――逆に気がつかない部分で増えた要素はどうでしょうか。

桝田:ユーザーのレベルによるかなぁ。今回のTGSバージョンでは「コーちん」がいろいろと提案してくれるんだけど、あれが製品版では、もっと賢くなるのね。それが『俺屍』未経験者からすれば、増えたことに気がつかないだろうし、逆に前作をやりこんだ人にとっては、自分で入力する部分を省いてくれるから、気がつくけど気がつかないよね

――「コーちん」は重要なキャラクターなんですね。

桝田:いやいや、ぜんぜん重要じゃないよ(笑)ただのお手伝いさんだもん。お手伝いさんが重要というのは、システム的にはそうなんだけど、それ以上の意味はないね。極端に言えば、箱が喋ってもいいんだけど、箱より可愛らしい女の子の方がいいでしょう?つまりはそういうことだよ。

――本作のコンセプトを教えて下さい。

桝田:2つあって、ひとつは正当な続編としての楽しさを約束すること、もうひとつは、新たな楽しさを提案していくこと。それが、拡散・共有・参加だね。ネットワークを始めとした色々な形でプレイヤーごとの違いを共有して、遊べるようなシステムを考えているから、ユーザー間のコミュニケーションが前作とはまったく違うことになると思うよ。

――では画面にあったスクリーンショットのボタンもそういった経緯から搭載されたんですね。

桝田:そうだね。実は『俺屍』を日記にしているプレイヤーが結構多くいて、それを読む人がもっと沢山いて、それをやるための手助けとして導入したんだ。それがSNSなんかで広がれば、見ているほうも面白いじゃん。

――先ほどカメラマンと一緒にプレイしたのですが、その段階で「お互いの子供の顔、ぜんぜん違うよね」という会話をしました。

桝田:顔といえば、QRコードを使った面白い試みがあってね…まだ内緒でいえないんだけど、新たな試みだから楽しみにしていて。

――新しいゲームを作るときに、『俺屍』の続編以外の選択肢もあったはずですが、なぜ続編なのでしょうか。

桝田:ユーザーの声が大きくて、何年たっても待ってくれているから…だよ(笑)ほら、こんなに愛されているなら、お礼もしたくなるし。

――開発はどのように行われているのでしょうか。

桝田:制作現場は、熊本にあるアルファ・システム。PS版の時に下っ端だった人が管理職とかになっていたり、新入社員でつまんないコードを書いていた人が、今はディレクターになっていたりね。

――となると、初代を作っていたスタッフも多くかかわっているんですね。

桝田:かかわっているというか、管理職だからね。夜になるとふらっと現れるんだよ(笑)

――『俺屍2』を作るときに様々なアイデアがあったと思うんですけど、それらは何処からでてきましたか。

桝田:『2』を作るときというか、リメイクを作るときだよね。作れるんだったら、今こういうことをやっとかないといけない。とか、今の時代に新しいハードで出すとして、ユーザーは何を求めているかと。その求めている要望はある程度対応するけど、ユーザーの要望というのは、「あれをこうしてほしい」というのが多くて、「新しい何か」という要望はそうそう出てこないんだよ。

だからその部分をしっかりと作れば、いわゆる続編としての満足度は高い物が出来るんだ。でも今の時代だからこその“面白さ”の必要性を感じていて、それをいきなりユーザーの前にドンと出しても「いや、求めていたのはこれじゃない。」と言われるかもしれないじゃん。そこでリメイクでいくつか新要素を入れ、その反応を分析して『2』を作っているわけ。

――つまり、『俺屍2』はファンのために作っているんですね。

桝田:そうだね。例えば、『俺屍』では容量の関係でセーブできるデータの数が1つだったけど、兄弟で遊びたいとか、前にプレイした一族を残したいなどの要望が多かったから、『俺屍2』では4つに増やした。さらに、こちらも容量の関係だけど、一族の人数上限が『俺屍』では256人だったのが、『俺屍2』では1,024人にまで増えている。通常100人くらいでクリアできるんだけど、クリア後もプレイし続けてるユーザーから足りないという要望をもらったのが増やした理由だよ。あとは、ユーザーが起こす未知数の行動……つまり、「もしかしたらこういうこと出来るんじゃない」という予測外の行為を見てみたいというのがあるね。

――予想外の行動ですか。

桝田:いやね、例えばアルファ・システムのスタッフと「こんな遊び方があるよね」って会議で話合うんだけど、それが終わったら飲みにいくんだよ。そこでもさっきのシステムの話をするんだけど「あれ、もしかしたらこういうこと出来るんじゃない?」ってなって「いやいやまて…よ、いやできるな!」と、普通の会議では出ないアイデアがポンと出てくるんだ。そういうのがユーザー間には沢山あるはずなんだよ。その辺は完全には読めてなくて、怖くもあり面白くもあるね。

――そういった予想外な行動として、リメイク版で何かありましたか?

桝田:思い通りの結果が出るまで何十回もリセットする人とか。そういう執着というのは、どこか根本的なバランスに問題がある反面で、かなりいいセン行っていて、ユーザーが興味をもつネタだということだよね。それから、リメイク版では、子供に様々な趣味や特技を書き足したんだけど、その文字数から妄想力が高い人は、いろんな話を創るんだよね。

――それは盛り上がりそうですね。

桝田:『2』で言えば、街の発展もプレイヤーによって異なるから、そこの違いからでる話題で盛り上がるかもね。まだ詳しくは言えないけど、ただ見て比べるだけじゃないんだ。他にも他人にカメラを向けると、その人そっくりなキャラクターを作ることが出来るから、好きな人の顔を撮影して作った子供を拡めてもいいね。

――そんな様々な要素が入った『俺屍2』ですが、何かユーザーに伝えたいことなどはありますか。

桝田:繰り返しになるけど、プレイヤーごとの違いから生まれるコミュニケーションっていうのは僕としては非常に面白い要素で、いろいろやって僕を楽しませて欲しいね。そういう意味では、そう簡単に壊れるシステムにはしてないから、いろいろやってもらっても大丈夫だよ。

――かなり作りこんでいるんですね。

桝田:作りこんでいると思うよ……。

――思う、ですか。

桝田:いや、作りこむって意味の捉え方次第だと思って。例えば、ディテールとかだとあまり気にしないね。というのも、今回の絵は木版画を結構意識していて。木版画って、いってしまえば省略の美学だからね。そこにディテールとか言ってもさ、省略には省略の良さがあるわけだしね。そういった見た目の部分ではないところ、無茶をやっても壊れないシステム作りって言う意味ではかなり作りこんでいるよ。

――基本は何しても大丈夫と。

桝田:ゲームバランス的にも無茶やっても壊れないし、なかなか限界まではたどり着けないはずだね。まぁ、想定される綺麗なプレイじゃなくて、普通のプレイヤーがやらないような危険なプレイから考えているから。

――つまり、本作は挑戦状でもあるんですね。

桝田:そうだね。だから無茶しても大丈夫な作りにしているんだ。例えば猫耳一族を作るとか。

――そんなの作れるんですか。

桝田:理論上はね。ただ、その理論上っていうのを検証しないといけないんだよ。紙の上での予想はあるんだけど、こればっかりは実際に作ってみないと分かんないからさ。

――そういった検証もやっていくんですね。

桝田:だから夏まで待ってもらうんだよ(笑)予定では年末にだいたい出来上がって、後は調整と検証だね。特に出来ることが増えたから、いろんなタイプの人に成りきらないといけなくて大変だよ。

――最後にゲーム作りに対する思いを聞かせて下さい。

桝田:まぁ、あるとしたら……長く売れる作品を作ることかな。クリエイター魂とか、もちろんなくはないんだけど、ゲーム作りって僕にとっては生業でもあるからね。だって『俺屍』って未だに愛され、売れ続けているんだよ。それもリメイク版とオリジナル版の両方を配信しているんだけど、五分五分で面白いぐらい分かれているんだ。

本音言うと、『2』ってある程度まで進めると、何もしなくてもゲーム内通貨を稼ぐことが出来るような設計なんだけど、それを現実にしたいんだよね。不労所得……素敵な響きだろ?

もちろん、長期的に売れる方がよくて、それは僕自身もその方が良いしユーザーからしてみれば世代を超えて楽しめるんだよ。例えば、ある家族の娘さんが『俺屍2』をやって、お父さんのデータと比べられたら面白いじゃない?でも似たようなのが実際にあったんだよ。娘さんが大学生でリメイク版をやっていて、実家に帰ったらPlayStationがTVに繋がっている。でその中には『俺屍』が入っていて、データを見るとその娘さんと同じ名前のキャラクターがいるんだよ(笑)。

やっぱりそういうゲームを作っていきたいね。一時的なヒット作だけじゃなくてさ。

――本日はありがとうございました。



『俺の屍を越えてゆけ2』は2014年夏発売予定。価格は未定です。

(C)Sony Computer Entertainment Inc.
《栗本 浩大》

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