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TGS 13: デヴィット・ケイジの考えるゲーム監督の立場 ― 『BEYOND: Two Souls』インタビュー

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TGS 13: デヴィット・ケイジの考えるゲーム監督の立場 ― 『BEYOND: Two Souls』インタビュー
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エモーショナルなストーリーテリングや人間描写をビデオゲームに取り入れ、アクションシューターやスポーツジャンルが盛んな欧米市場に一石を投じた、フランス開発スタジオ
Quantic Dreamの創設者デヴィット・ケイジ氏(David Cage)。東京ゲームショウに合わせて来日していた氏に、発売の迫る注目の次回作『BEYOND: Two Souls』について、インタビューでじっくり話を聞く機会を得ました。

――では、まず『BEYOND: Two Souls』が完成して今の心境を聞かせてください。

デヴィット・ケイジ: そうですね、解放された気分であると同時に、本作はとてもチャレンジングなプロジェクトだったので、プレイヤーの方々がどのように感じるか、不安な部分もあります。

――日本語でローカライズする際の翻訳や吹き替えにおいて、何か要望や重視した点はありますか?

デヴィット・ケイジ: たくさん(笑)。 でも日本に限ってはすぐに理解してもらえたので、あまり多く指示を与えていなかったです。ゲーム自体は23ヶ国語にローカライズされています。大変な労力と時間が費やされていて、各地域ごとに様々な指示を出し、キャラクターのバイオグラフィーはもちろん、ストーリーのすべて、使う言語についても、日常的に使われている罵り言葉などにも対応して、できるだけリアルになるよう心がけています。やはりジョディ自体も成長するので、それぞれの時代にあった話し言葉にも注力するように指示しています。

――前回のインタビューでお聞きできなかった、本作のスマートフォンとの連動について、詳細を教えてください。

デヴィット・ケイジ: 『Heavy Rain』の時に気づいたのが、1人はゲームをプレイして、もう1人はそれを見ているというように、二人で作品を楽しんでいる方々が多かったということです。そのため、今回は2人目のプレイヤーをどうゲームに取り込むかを考え、『BEYOND』を作りました。Duoモードという2人プレイの要素を追加し、無料アプリを通してあらゆるiOS/Androidデバイスで実際にゲームを操作できるシステムを用意しました。DUALSHOCK 3を使わずに、スマートフォンやタブレットのタッチ操作だけでPlayStation 3をプレイすることもできるのです。タッチスクリーンに対応した、非常にシンプルかつとっつきやすい操作性とUIをゼロから作り上げ、ゲーマー以外のユーザーでも、指一本だけで遊ぶことができます。特徴的な点として、Duoモードでは、片方のプレイヤーがDUALSHOCK 3、もう片方のプレイヤーはスマートフォンで遊ぶような形も可能です。

――今後『BEYOND』のダウンロードコンテンツの配信計画などは?

デヴィット・ケイジ: まだ詳細は話せませんが、大変興味深いDLCのアイデアがあり、今は協議中の段階です。

――新たなストーリーが追加されると?

デヴィット・ケイジ: 本編とは全く異なる“何か”です。それ以上はお話できません。

――北米版、日本版、色々な国のバージョンがありますが、内容は全く同じですか? 過激なシーン、怖いシーンなどもあるかと思います。

デヴィット・ケイジ: 全くカットすることなく同じです。



――では、デヴィット・ケイジさんの監督としての立場の話を少し伺いたいです。まず、エレン・ペイジとウィレム・デフォーを選んだ理由はどういうところでしょう?

デヴィット・ケイジ: それはもう、彼らが最も適役で完璧なマッチだったからです。特にジョディに関しては、本当に俳優にとって挑戦的な役柄でした。複数の時代に股がった演技をするのはとても困難で、時代ごとに感情の表現もまったく異なり、全編を通して非常に多くの難関に立ち向かうことになるため、それを再現できる実力を持った女優である必要があったのです。エレン・ペイジが最も素晴らしかったのは、演技力や力強さももちろんありましたが、内なる怒りのようなものを感じさせたり、容姿は幼さもあるのに華奢な部分もあったりと、すごくマッチしていたからです。

――ウィレム・デフォーについてはいかがでしょう? 彼と一緒に仕事をして、何か学んだことや衝突したことはありますか?

デヴィット・ケイジ: がっかりさせてしまうかもしれませんが、今回の制作にあたっては誰とも衝突していません(笑)。彼からは本当にたくさんのことを学びました。ウィレムは、『プラトーン』、『ミシシッピー・バーニング』、『スパイダーマン』まで、偉大なキャリアの持ち主です。そんな才能のある俳優にプロジェクトに関わってもらい、私が監督できたことを誇りに思っています。何より素晴らしいのは、彼には台本の説明をする必要がなく、直感的に理解してくれます。台本を見てただ演技するのではなく、まるでキャラクターになりきっているかのようです。怒ったり、泣いていたり、どの部分においても彼の演技は完璧です。

――『BEYOND』の開発ドキュメンタリー映像などを見ていて、デヴィット・ケイジさんが、役者さんに指導をされている場面がありましたが、そうした演技の指導というのはどこかで学んだりしたのでしょうか? それとも独学で?

デヴィット・ケイジ: 学んだものではなく、ある種の本能・直感に基づいてすべてやっています。16年間この仕事に携わっていることもありますし、ディレクターとしていちばん最初に出会った役者がデヴィット・ボウイだったので、そこで非常に多くを学ぶことができました。

――いっそのこと、CGではなく、実写ドラマで作ってしまおうという欲求はなかったですか?

デヴィット・ケイジ: これはよく聞かれる質問なんです(笑)。そろそろ考え始めたほうがいいのかもしれないですね。

――反対に、CGで組み立てる理由は?

デヴィット・ケイジ: 私はビデオゲームという媒体を本当に愛しています。映画と違って、ゲームはプレイヤー自身がキャラクターの体験に関われることが、好きな理由です。それはゲームだけでしかできません。



――『Heavy Rain』で学んだこと、また、そこで得た経験を『BEYOND』で生かした点はありますか?

デヴィット・ケイジ: 『Heavy Rain』で学んだことはたくさんありますが、「プレイヤーが実際にどのようなプレイをしたか?」に最も注目しました。『Heavy Rain』が登場する以前は、ストーリーや感情表現について語ってもあまり話題になることはなく、プレイヤーは単にシューターやアクションばかりを求めているようでした。しかし『Heavy Rain』以降、リリースされた多くのゲームがインスパイアされて、感情や物語を深く描いているのが見受けられたほどです。『BEYOND』で出したかった体験は、『Heavy Rain』をあらゆる面で進化させ、ストーリー性にインタラクティブ性をブレンドすることでした。

――前回見せていただいたのは“逃亡”のシーンで、ゲームの最初の部分だと聞きました。今回はジョディの人生を見ていくというものでした。ゲームの時間軸は順番が変わるのでしょうか?

デヴィット・ケイジ: ゲームを通して時系列ではなく、バラバラに語られるんです。幼少期から成人までの15年間の様々なシーンを切り取り、ミックスして描いています。

――それはなぜでしょう? 時間軸にそった方がテーマ的に伝わるのでは。

デヴィット・ケイジ: それは私が説明するよりも、実際に遊んでいただいてより深く体験してもらった方がいいですね。

――オカルト的な要素というのは、何でもありの世界観になってしまう危険もあると思うのですが、ドラマとして成立させるにあたって注意した点はありますか?

デヴィット・ケイジ: 『BEYOND』は超常現象を描いた作品ではありません。はじめから考えていたのは、ジョディが霊体と繋がっているという部分だけで、超常現象の物語ではないということです。いちばん描きたかったのは、物語として“人とは違う少女”です。人は誰しも、例えば背が高すぎるとか、自分を変えたいと思う部分があり、本作のメインテーマのひとつは、そんな“ありのままの自分を受け入れる”こと。そのことからジョディがプレイヤーの共感できる存在になると考えています。

――デヴィットさんは、どんなところから、どんなものから作品を創るインスピレーションを得ていますか?

デヴィット・ケイジ: インスピレーションのほとんどは、私自身の普段の人生経験に基づいています。これは大半の映画脚本家や小説家にとって一般的なことだと思いますが、ビデオゲームのライターだとモンスターや非現実的な要素が多いですからね。私はそれを避けて現実味のある人々や関係性の描写を探求しているのです。

――それでは最後に、日本のユーザーにメッセージをお願いします。

デヴィット・ケイジ: いちばんお伝えしたいのは、『BEYOND』が今までにない本当に特殊なゲームであるという点です。ただ製品を開発するのではなく、強く熱い思いを込めて創った作品を皆さんに届けたい。これから数ヶ月の間にたくさんのゲームが発売されるでしょうが、『BEYOND』はそれら他のゲームとは全く異なる性質を持ったタイトルなので、ぜひ少しでも多くのユーザーに体験してもらいたいです。『Heavy Rain』よりもさらに優れたものになっていますし、日本のユーザーが楽しんでくれることを期待しています。

――ありがとうございました。

《Rio Tani》

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